東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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東洋医学における膵臓って・・・(その5)

2012.03.25

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こんばんは、森岡です(^_^)

前回までのお話し・・・

東洋医学における膵臓って・・・
東洋医学における膵臓って・・・(その2)
東洋医学における膵臓って・・・(その3)
東洋医学における膵臓って・・・(その4)

続き行きます!!

四回に渡って書いてきたこのシリーズも、今日で最終回です。


今まで東洋、西洋の根本哲学から始まり、膵臓を例に挙げ、

それぞれ両医学の観点から考察してみました。


西洋医学は、「機械論」であり、身体を「物」として考え、

その結果、「形態」を医学の中心に据えた。

ですから、西洋医学の最も基盤となる科目が解剖・生理学になった。

(この解剖学と生理学を比べても、より重要視されているものは、解剖学のほうだと思います。)


現在の医療の中心は西洋医学であり、医療系学校では、一年生からこの解剖・生理学をみっちりと叩き込まれます。

(ですから、”医学”を考えるときに、この考え方を思考の中心に据えてしまいます。)

実際、西洋医学は形態にこだわっていたため、機能に関する研究はおろそかであった部分があります。

扁桃、アデノイド、虫垂、胸腺、脾臓、リンパ節などは本当に、

ごく最近になりその機能の重要性が認められましたが、

少し前までは、

”機能がない瑣末(さまつ)なもの”

とか

”退化した不要な臓器”

として認識されていました。

ですから、扁桃炎となり扁桃が腫れた場合は、容赦なく切除されていたし、

1950年代では、X線を子供の大切な胸腺にあて損傷・破壊するなんてことは日常茶飯事だったという事実もあります。


本当にごく最近です。


また、身体をパーツと考え、諸機能同士が関連し、機能を発揮すると考えないために、異常のある臓器を手術で取ったはいいものの、

それにより、他の臓器の機能が上手く発揮されなくなり、

その後、患者さんが死亡してしまうということは今でもあります。

しかし、西洋医学的には悪いパーツを換えること自体には成功したのだから、

「手術は成功」ということになります。



しかし、われわれ鍼灸師が学ぶ、東洋医学は、

「生気論」、つまり”身体は全て気という1つのもので構成されている”と考えます。

ですから、全体観が重要視され、臓腑同士が互いに関連しあい、相互扶助、協調しながら生命活動を維持しているとします。

つまり、「機能」を医学の中心に据えたのです。

この背景には、当時の中国には解剖を行える技術も道具もなかった、

また、死体解剖を禁忌とした風潮があったことも一因となっていると思います。

ただし、いくら機能、機能といっても、

その機能を遺憾なく正常に発揮するためには、

「形態」が正常であることが重要であるとも言っておりますので、

解剖学的なこともやってはおります。


これも陰陽論です。


しかし、東洋医学が図示する一見、奇天烈な臓腑の形態には、

あくまで「機能」から考えられたものであることが伺えます。


このように、根本哲学思想の異なった両医学を

”同じ視点”や”同じものさし”から比較検討するには、

やはり無理が生じてしまうのが現状です。


それを無理に突き詰めていっても、結局、その整合性や論理はどんどん破綻していく結果となります。


僕的には、そこに労力を費やすよりかは、

両医学の違いや、良いところ、悪いところをしっかり理解し、

患者さんにとって最良の医学を選択し、提供できる知識を

身につけることのほうがメリットがあるのではないかなと思います。


ということで、浅学ながら両医学について書かせていただきました。

この両医学に対する見解に変化があった場合は、またこのブログを通して提起していけたらなと思います。


ということで、このシリーズ、いったんお仕舞いです。



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この記事に関するコメント

“東洋医学における膵臓って・・・(その5)” への2件のフィードバック

  1. ぐっち より:

    膵臓シリーズありがとうございました!
    西洋は西洋、東洋は東洋。別なもんなんですね。
    ごっちゃにしないように勉強していきます。

  2. すたっふ より:

    ぐっちさん
    コメントありがとうございます(^0^)
    > 膵臓シリーズありがとうございました!
    いえいえ、参考になりましたでしょうか・・・?
    私も改めて勉強になりました!!
    >
    > 西洋は西洋、東洋は東洋。別なもんなんですね。
    >
    > ごっちゃにしないように勉強していきます。
    ぐっちさんなら必ず理解できると思います☆

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