手顫(しゅせん)とは②

2024.01.18

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こんばんは！樫部です。

本日は「手顫」の続きで「肝風と陰虚風動の手顫」について、お話していきたいと思います。

いずれも肝陽化風によって生じますが、肝と肝腎、実証と虚証の違いがあります。

肝風の手顫は、肝火旺の体質の方に多くみられます。

肝は筋を主り、肝陽が亢盛になると、陽動して内風が生じ、風に従って筋が動くため、手の震えが起こります。

この場合、突然起こること、振戦が激しいことが特徴です。

随伴症状として、頭のふらつき、頭痛がみられ、脈は有力で、舌体が硬く、舌質暗紅がみられます。

治法は、平肝熄風を用います。

陰虚風動の手顫は、陰虚内熱体質や下焦に熱邪が停滞して、肝腎の陰液が消耗して陰虚となり、陽気が抑えられないために肝陽が妄動して風が生じ、手が震えます。

特徴は、熱病の後期にみられ、振戦は緩慢であることです。

随伴症状としては、元気がない、口咽の乾き、動悸がみられ、脈は細数、舌質は紅絳、舌質少がみられます。

治法は、滋陰熄風を用います。

つづく

【参考文献】

『鍼灸臨床能力北辰会方式理論篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『鍼灸臨床能力北辰会方式実践篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『症状による中医診断と治療上』

神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

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