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こんばんは、森岡です(^_^)


明日は金環日食。

日食とは、


太陽と地球の間に月が入ることで太陽の光が遮られ、まるで太陽が食べられて光が欠けているかのように見える現象の事


です。



日食が部分的に起こることを部分日食と呼び、


光が全て遮られるものを皆既日食と呼びます。 



そして、今回の金環日食ですが、


月が太陽の中心部分のみを遮ることで、その輪郭の光がまるで”金の環（わ）”のようにリング状に見える日食の事


を指します。



この金環日食は、見る場所によっては、月が遮る場所が中心部分とズレ、ただの部分日食となってしまうそうで、


今回、東京において金環日食が観測されるのは、１８３９年（江戸時代）以来、実に１７３年ぶりということで大いに世間をにぎわせているというわけです。


東京では午前７：３０頃から、約５分間観測できるということなので、皆さん、朝の貴重な時間を、さらに貴重な時間に費やすという方が多いのではないでしょうか（笑）



金環日食も気になりますが、


僕は、１７３年前に日本ではどの様なことが起き、当時の人々が、この金環日食をどんな思いで見ていたかが気になります。



ということで、１７３年前にタイムスリップ！！



時は１８３９年・・・。


当時は１７８７～１８３７年までの約五十年間、第十一代将軍徳川家斉（いえなり）から、第十二代家慶（いえよし）に将軍職が移って二年が経った頃でした。


この、十一代将軍家斉が女好きだったようで（苦笑）、贅沢三昧により支出がかさみ、財政が悪化。


さらに、全国的な凶作も相まって、天保の大飢饉となり、民衆の生活も困窮を極め、各地で犯罪激増、世直しのための一揆が多発という混乱を極めた時期でした。


これを受けて、幕府は財政再興を掲げ、天保の改革に踏み出し、その真っ只中が１８３９年です。



この年に起こった一大事件が、「蛮社の獄（ばんしゃのごく）」です。



これは、一言で言えば、”蘭学者および言論弾圧事件”です。


この時代、鎖国真っ只中の日本と、ヨーロッパで唯一交流を許可されていたのがオランダでした。


そして、オランダの学術・技術・文化を総称して蘭学と言い、これを研究していた人を蘭学者と言います。


それまでは、日本は国学が主流でした。


国学とは、日本固有の文化を文献学的方法により究明しようとする学問です。


しかし、国学にとって代わり、蘭学が登場したことで当時、一世を風靡していました。


これを良く思わない国学者たちが、蘭学者たちを蔑みを込めて「蛮社（南蛮のグループ）」と呼んでいました。


渡辺崋山（わたなべかざん）は、この蘭学者達のリーダー的存在です。


この崋山たちが、１８３７年に通商を求めて入湾したアメリカ船を、浦賀奉行所が撃退したモリソン号事件を批判した文章を作成し、


それが幕府に見つかり、逮捕に至る事件が蛮社の獄です。


西欧文化が急速に流入し、鎖国下におかれた日本が鎖国継続か、開国か、に揺れた動乱期が１８３９年と言えるでしょう。



こう考えると、


不況や天災により大きなダメージを受け、政治不信にあえぎ、右往左往している現在の私たちと、うり二つの様な気がします。



でも、１７３年前の人たちは金環日食を見て、


「不吉の前兆じゃ～」ととったか、「ここから近代日本の曙なり」ととったか、どうなんでしょうね～。



明日の金環日食を眺めながら、１７３年前にタイムスリップ・・・。


まさに、いとをかし。。。