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2012.08.26
前回、「同一律」の意味と、論理を展開する時に「定義(同一律)」が重要なんだというお話をさせて頂きました。
そもそも、何でこの記事を突拍子もなく書き始めたかというと、大事なんですよ~論理性がっ!!
医学にはっ!!(笑)
医学に限らず、「学問」とされているものには論理性が必ず必要です。
だって論理がなきゃ、順序だって学べないもんね(笑)
ましてや、命を扱う医療において論理性がなければ、これは大問題です。
それは、東西問わずです。
しかし、東洋医学はその反対、「直観」の方が大いに着目されがちです。
それは悪いことではなく、確かにそうで、間違っている事でもないのですが、
そのウェイトが、あまりに偏って一般の方には認識されているんじゃないかとつくづく思うわけです。
実はそんなことないんですけどね~。
また、一定、論理に裏打ちされた直観でなければならないのも事実です。
しっかり勉強すれば、東洋医学(とりわけ中医学)にもしっかりとした論理があるわけなんですけどね。
まぁ、ボヤキはさておき、
実例を持ってして考えていきます。
頭に入れておいてほしいことは、「A=A」を議論する人たちの間で共通のものにしておくことです。
つまり、同一律(定義)を決定しておくことです。
ある患者さんからの質問
患者 「先生~、スポーツした後って、水分多めに摂った方がいいんでしょ~?」
この方は40代女性、普段からほぼ毎日スポーツジムに行っている方で、
水分摂取量は2~3L/日と少し多め、汗は全身にじわっとかくくらいで多くはない方です。
まず、この質問の仕方ですが、この聞かれ方とても困るのです・・・(苦笑)
しかし、意外と多くの患者さんが、この様な聞き方です。。。
初めに、「スポーツをした後」ですが、
このスポーツの強度を定義しなければなりません。
軽いジョギング程度のものなのか、スタジオでガンガンエアロビクスを踊るようなものなのか、
水泳なのか、ジムでの筋トレがメインなのか、ストレッチ主体の有酸素系運動なのか、
瞬発力重視の格闘技系プログラムなのか・・・
これによって、すべて解答は異なってきちゃいます。
次に、「水分を多めに取る」ですが、この”多め”が曲者です(笑)
まずこの水分が、水なのか、お茶なのか、スポーツドリンクなのか、ジュース系なのか、
はたまた、その他のものなのかということが分かりません。
さらに、”多め”というのが具体的にどれくらいの量なのか。
1Lなのか、2Lなのか、3Lなのか・・・
その飲み方は、ごくごく一気なのか、チビチビ口を潤わす程度なのか。
解答者の”多め”と、質問者の”多め”の定義が違えば、全くもってして論理性に欠ける会話になること間違い無しです(笑)
このあたりを明確にせず、何となくわかったようなフリをして答えていると、後で痛い目を見ます。
先生の言った通りスポーツ後は多めに水を摂っていたら体の調子がおかしくなった。
よくよく聞くと、自分の想像していた量の数倍摂っていたので、そんなつもりはなかった、と言っても後の祭りです。
信用を失いハイ、サヨウナラです。
私も以前、この様な事で痛い目を見ました。
ね、重要でしょ、「定義」って。
この定義を一つ一つ、審らかにしていって、初めて、
「その場合はね、こんな飲み物をこれぐらいの量で、こういった飲み方で摂取するとイイよ!!」
という論理的思考から的を得た、患者さんの欲しかった解答を導き出すことができます。
医療の現場では良くある風景だけど、とても重要な事です。
大阪府知事の橋本さんも、元弁護士だけあってとても論理的に会見などで話をされているのが印象的ですが、
やはり記者からの質問では”言葉の定義”を明らかにしてから答えているといった印象が強いです。
なんとなく、お分かりになりましたでしょうか?
まだまだ、論理を成立させるには様々な法則やルールがありますので、また、気が向けば書きます(笑)
前副院長も論理についての記事を書いておられますのでご参考にして下さい。
おしまい。
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