草原の王朝　契丹の医療

2012.09.17

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こんばんは、下里です

昨日、上野公園へ行ってきました

日中国交正常化40周年記念特別展「草原の王朝契丹 ― 美しき３人のプリンセス ―」

を見に行くためです

契丹（遼王朝）は10世紀（日本は平安時代）に北アジア草原地帯で、広範囲に栄華を誇った遊牧民の王朝です。

以前に栄えた国際都市・唐の影響を積極的に取り入れつつ独自の文化を発展させる一方、隣接していた北宋をはじめとして周辺諸国と盛んに交流を行いました。

特別展では世界初公開の50件を含む展示品が！

王侯貴族のお墓から出土した黄金のマスクや琥珀の首飾り、銀製の馬具といった副葬品

あの世に行く船のような棺

国際交流の面影を残す　各地から集まった磁器やガラス器

獅子や龍がのびやかに躍動する金細工

仏教信仰を伝える経典や仏舎利

などなど

見ごたえがありました

身分が高い人びとの調度品が中心で

残念ながら、民間の様子が分かるような品々はあまりなかったのですが

繁栄の様子が伺える内容でした

また契丹語も解明されていないため謎も多いそうですが

後に元を築いたチンギス・ハーンの参謀も契丹皇族の出身者だとか！

けっこう各所に影響を与えているのですね

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ところで、草原の王朝　契丹ではどのような医療が行われていたのでしょうか？？？

気になったので調べてみましたところ～（参照　内蒙古教育出版社　契丹女尸所反映的医学知识）

なんと、鍼灸も盛んに行われていた様子

しかも、契丹を興した耶律阿保機（やりつあぼき）の長男である耶律　倍と、幼少期より阿保機に可愛がられていた耶律　迭里特（弟とあるのですが、どうなんでしょう？義弟？）が鍼灸はじめとする医学に精通しており、

迭里特（てつり）にいたっては阿保機が心痛でピンチのときに病床に招かれ、鍼で救ったと。

・・・スゴイですね

王様に鍼してもし死なれたら十中八九死刑とかありそうじゃないですか。
命懸けですよね！？

（文章を見ているとアプローチは現代的な「鍼」ではなく外科にちかいものだったのかな？とも思いますが）

また、契丹では漢の医学書の翻訳なども行い、脈診がスゴイ！効果的！ということで脈診も取り入れつつ独自の臨床経験をつんでいった、とあります

ちなみに『中国伝統医薬学の発展と現状―中西医結合医学が21世紀を担う』という本によりますと

契丹が秀でていた医学の分野は外科、接骨、外傷治療だとか

・・・・なんだか騎馬民族らしい