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こんばんは、森岡です(^_^)


先日、こんなことがありました。

患者さんはカゼを引いている患者さんでした。


（最近、寒くなったからとても多いですね。）


まぁ典型的な寒気がして、発熱して、鼻水が出て、咳があるみたいな。



問診、体表観察などから、「表証あり」と診断。



となると治療は、東洋医学の基本、


「急なれば則（すなわ）ちその標を治し、緩なれば則ちその本を治す」に従い、「先表後裏」。


（※「先表後裏（せんぴょうこうり）」とは、表証が存在する場合は基本原則として、まず表の治療、後に本である裏の治療を行うこと。）



患者さんに翌日どうだったか効くと、大量の発汗と共に、カゼの諸症状は緩解したとの事。



「ヨシ、良く効いた(^O^)」と安心していると、


「・・・でも、翌日から喉がものすごく痛いんです」と。



な、なんですと！？



表の治療をミスったか！？と経過を問診＆体表観察。


すると、確かに表証の所見はとれていて、一見治療は上手くいっている。



では、この喉の痛みは一体・・・？



体表観察を進めていくと、なぜか腎の弱りを示すような所見や穴所の反応がやたら多い。


確かに、この方、もともとハードワークで睡眠時間も少なく、基盤として腎陰虚がある方ではある。


しかし、いつもの反応より程度がキツイ。


追加問診でここ数日で、体を酷使したり、過度な運動、睡眠不足など


腎が弱る要因となるようなことがあったか聞くも、風邪で寝込んでいたため特にないとの事。



では、この腎の弱りの顕著な反応は？？？





・・・あー、そうか！！





これは風邪が治る際に「大量の発汗」をしたことがポイントとなっているケースでした。


もともと腎陰虚、言い換えると、裏に「陰液不足」の状態がある中で、表の治療により大量の発汗をさせた。


汗は陰液ですから、それが体外に大量に流出したのです。


そうすると、裏の陰液は更に枯渇し、潤す水がなくなり火（虚熱）が発生した。


この火（虚熱）が喉を焼灼して痛みを引き起こしていました。



つまり、今回のケースは、


表の治療は上手くいったけれども、裏の状態を勘案しなかったために、最終的に裏の問題が前面に出てしまった。


というパターンでした。



ですから、この喉の痛みは腎陰を補うことで、事なきを得ました。


・・・が、う～ん、まだまだですね（反省）



表と裏は一体で、連続性を持っているということを改めて実感した症例でした。



ある先生は、


「鍼はどこに打っても、一定の効果がある」


なんてことを言いますが、まぁ、五臓六腑は各々協調しているし、十二経絡も繋がっていて、体全身ツボなわけなので一理あるのかもしれません。



しかし、重要なのは、いかに”早く的確に”治すかであると思います。



効果があっても治癒に数年かかるよりは、数か月、数週間、数日、即日で治って行く方が、


患者さんにとって、はるかにメリットがあります。



ですから、今回の場合は先表後裏の治療原則でいいのだけれども、


”裏の陰液不足を勘案した表の治療”


というものを行うことで、最短最速で治せたのではないかという症例でした。




やはり、医療ですから簡単なことはありませんし、体の変化が常にセオリー通り行くとは限りません。



精進するのみです。



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