東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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目の痒みと経絡

2013.03.09

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こんばんは、森岡です(^_^)


とある昼下がり。

院長とお昼休みをご一緒しているとき、


「目の内眥(ないし=内側)が痒いなぁ」


と呟いた。


そして次の瞬間、私の方へ鋭く振り返り、


「何でだっ!?」


お昼休みで気の緩んでいた私は、急な質問についつい言葉に窮してしまいました(苦笑)


院長は心の機微を見逃さない方です。


清明院は昼休みも気を抜けません(笑)



しかし、


東洋医学を実践する上で、日々日常に起こるあらゆることを東洋医学的観点で考えていくことは、


とても勉強になります。




 ○    ○    ○





ここ最近、かなり春を体感できるような気候になってきております。


そして、この春に大いに影響されている患者さんもグッと増えています。


その代表例として花粉症がありますよね。


(花粉症については院長ブログ参照)




花粉症の中でも「目の痒み」は多くの方が訴える症状の1つです。



「目の痒みをどうにかしてくれ~!!」


と真っ赤に血走った眼(まなこ)でお願いされることは、


多くの臨床家の先生方がご経験されていることと思います。



これを治療する際に、大事なことの1つに目の痒みが



”どの場所”



に出ているかを特定することが重要となってくると思います。



なぜなら、この場所を特定することにより、異常が出ている臓腑・経絡が一定導き出せるからです。



では目の各部位にはどのような経絡が流注しているのでしょうか?


(ちなみに主な経絡系統は正経、経別、経筋、十五絡の4種類あります。)




「内眥(内側)」

足陽明胃経正経、手少陰心経経別、手太陽小腸経正経、足太陽膀胱経正経、足少陽胆経正経



「外眥(外側)」

手太陽小腸経経筋、手少陽三焦経正経・経筋、足少陽胆経正経・経別・経筋



「上網(上眼瞼)」

足太陽膀胱経経筋



「下網(下眼瞼)」

足陽明胃経正経・経別・経筋



「目系(全体)」

手少陰心経正経・十五絡、足少陽胆経経別、足厥陰肝経正経



このように目に関係する経絡といっても沢山あり、部位別に分類してもこれだけ細かく流注していることがわかります。



ですから、単純に「目の痒み」があるといっても、


それが”どこに出ているか”によって意味が大きく変わり、それにより治療対象も異なることがわかります。



ただ意図もなく少ない鍼数で治療しているわけではありません。



患者さんが「目が痒いんです~」ときたら、


それがいつ頃からか、発症から現在までどういった経過をたどっているか、左右差はあるのか、目のどの場所なのか、季節・天候は影響するのか、症状の増悪・緩解因子はなんなのか、などなど・・・


様々なことを想起し、意図的な問診を行い、異常の起っている臓腑・経絡を洗い出す。



このような意図・裏付けが明確にあるからこそ、少ない鍼数で効かすことができるんです。



こういったことからも問診や体表観察に多くの時間を割く意義があるわけなんデス。



「目の痒み」


ぜひ治してあげたい症状ですね☆



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