東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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大便秘結(だいべんひけつ)とは④

2022.10.04

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「大便秘結(だいべんひけつ)」の続きで、「脾肺気虚と脾腎陽虚の大便秘結」お話ししていきたいと思います。
 
 
 
 
 
 
まずは「脾肺気虚の大便秘結」についてです。
 
 
 
「気秘」のうち、気虚の便秘に相当し、「虚秘」に分類されます。
 
 
 
中気下陥を主とするもので、経産婦や気虚の方にみられることが多いです。
 
 
 
脾気が下陥したために大腸は糟粕を伝送する力が弱くなり、肺気が虚して、大腸に津液が輸布されず、伝導機能も弱くなり、糟粕が長時間停滞することで便秘となります。
 
 
 
特徴は、数日間排便がないにも関わらず腹部に苦痛がない、排便時に汗が出て息切れする、排便後の疲労脱力感、甚だしければ脱肛を呈するといった症状がみられます。
 
 
 
糞便の形も特徴的であり、粗大で円柱状を呈します。
 
 
 
治法は、補益脾肺、潤腸となります。
 
 
 
次に「脾腎陽虚の大便秘結」についてです。
 
 
 
虚弱な高齢者にみられることが多く、腎陽虚で命門の火が衰えて大腸の伝導が弱くなるために生じ、気虚から発展することも多いです。
 
 
 
腎は二便を司るため、頻尿によって大便の津液が不足することも原因の一つとなるため、夜間頻尿や尿後余瀝も軽視することが出来ません。
 
 
 
治療を進めていく中で、夜間頻尿、余瀝が軽快すると便秘も徐々に軽減されていきます。
 
 
 
特徴は顔色が青黒い、四肢の冷え、寒がる、寒冷を嫌う、尿量が多く薄いなど慢性の陽虚の症候がみられることです。
 
 
 
治法は、補益脾腎、温通寒凝となります。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 
 

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