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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きとして、「四肢厥冷」の弁証分類の残り3つについて、お話ししていきたいと思います。
前回のお話はこちら!
2.熱厥
この場合は、さらに二つに分類することができます。
①熱邪内鬱(実熱)
外邪が化熱して裏に入り、裏熱が盛んなために陽気が鬱閉され、四肢末端に達することができず、四肢厥冷を引き起こします。
これは、熱病の極期段階でみられます。
厥冷の程度がひどく、汗の出ない高熱を伴います。
顔面紅潮、心煩、口渇して水分を欲します。
また、胸腹部の灼熱感が強く、お通じは便秘、小水は少なくて色が濃い特徴がみられます。
②陽気鬱阻
熱邪内鬱と同様な四肢厥冷の発症メカニズムによるものであるが、これは正気(陽気)の鬱滞により、引き起こされます。
四肢厥冷は肘膝まで至らない特徴があります。
その他の症状として、胸脇苦満、ゲップ、嘔吐、下痢、腹痛、咳、動悸、小便不利がみられます。
3.痰厥:痰濁内阻
痰湿が盛んな体質で胸陽が宣発されないために四肢厥冷が起きます。
この場合は、風邪を引いたり、悩みや怒りによって厥冷が出現します。
その他の症状として、胸や脘腹が満悶し、喉でゼロゼロと痰が絡む音がします。
痰涎、空腹感はあるが、実際にはそれほど食べない特徴があります。
4.蛔厥:蛔虫擾乱
蛔虫が動き回ったために気が逆流して生じます。
蛔虫が寄生すると脾胃が虚弱となり、軽度の腹痛がみられ、
蛔虫が動いて脾胃を乱すと気の昇降が停滞し、陽気が四肢に達しないために四肢厥冷を生じます。
これは児童に多くみられるとされています。
四肢厥冷が重篤になると、肘膝を越えて冷えを訴えるようになります。
上腹部の劇痛に伴って冷えが出現し、水様物・胆汁を嘔吐したり、時に蛔虫自体を嘔吐します。
嘔吐の際は、顔面蒼白、全身からの冷や汗がみられ、腹痛が治まってくると厥冷も落ち着いてくる特徴を持っています。
四肢厥冷の弁証分類については、以上です。
次回は「痔」について、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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