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『How to 本』読むことなかれ

2014.07.20

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こんばんは、森岡です(^_^)


さまざまな現場で最もされやすい質問とも言っていいこの言葉。

「〇〇という病気にはなんていうツボ(経穴)が効きますか?」


・・・ホントに多いです。


まぁ、学生さんや東洋医学初学者の方がするならまだいいんですけど、


国家資格を取得してから数年、いや、数十年経っている方からもこの質問はあります。。。



そして、この疑問、質問に「最善の答えを示しているかのような錯覚に陥れさせる書籍」が、


いわゆる『How to 本』というやつです。



「肩こりには〇〇というツボ」

「婦人科疾患には〇〇穴」

「冷え症には〇〇穴を押しましょう~」


ということが列記されている本ですね。


時には美容や健康関係の雑誌なんかでも 、目にすることがあります。



ところで、『How to 本』って何でしょう?


Wikipediaによると、


「ハウツー(How-to)とは何らかの作業をする方法や手順に関する非形式的な記述の事。何らかのテーマに関するハウツーをあつめた書籍をハウツー本という。」


とあります。


また、続けて、

「ハウツーは一般的に、初心者を助けることを意図し、専門家が必要とするような詳細な情報は含まれない。また、その過程や対象物に対する議論は排除され、結論だけを記述することが多い。」


とあります。



何が問題かというと「結論のみ」が書いてあるところだと私は思います。



ツボ(経穴)とは病名や症状にたいする治療スイッチではないことはすでに院長が述べております。
経穴(ツボ)は治療ボタンにあらず



ツボにはそれぞれ特性があり、その特性と、


五臓六腑や気・血・津液などの失調を鑑みて治療穴を選択していきます。


つまり、ツボを選択するには、


「どのように病気になったのか」、


その結果、


「五臓六腑や気・血・津液、八綱、正気と邪気などがどのように失調したのか」


を東洋医学の理論を使って論理的に分析することが最重要項目となってきます。


従って、


似たような症状や病気であっても、失調しているものが違えばツボは全く変わってきます。



『How to 本』は、この「過程」の部分がほぼまるまる抜け落ちています



発病のメカニズムである病因病理を全く考えずに、


”結論だけ”に目を向ければ大きな過ちを犯すことが多々あります。



また、効いた場合は「やった、効いた!!」、


効かなかった、もしくは不変の場合は「う~ん、なんでだろう。では、もう一つ書いてあった違うツボを使ってみるか・・・」


では、単なる「ツボ遊び」です。



東洋医学が「医学」であるなら、


なぜそのツボを使ったのか、


なぜそのツボでなければスマートに効かないのか、


まで東洋医学の理論を使ってキチンと説明できなければなりません。



ですから、


「〇〇という症状(病気)に△△というツボ(経穴)を使います」


といった時に、


「なぜ、その症状にそのツボが効くのか?」


を答えられる専門家にならないと、ツボは使いこなせないことになります。



その為には、東洋医学の基礎理論はもちろんのこと、経絡・経穴学もしっかり研究しておく必要があります。



しかし、『How to 本』が完全悪かというと、個人的には全くそうとも言い切れません。


使い方やタイミングさえ間違わなければ。


これを読んじゃいけない方々がいます。


それは「初学者」「病因病理を説明できない方」です。


(Wikipediaとは真逆の考え方です)


初学者ほど「結論」より「過程」を学ばなければなりません


東洋医学の理論、経絡・経穴の基礎をガッチリ固め、過程を説明できるようにならなければなりません。



また、これを読むと実力が上がる方々もいます。


それは「過程(病因病理)をしっかり説明できる人」です。


これができる人はハウツー本を読むことで、治療の様々なパターンを学ぶことができます。


そうすると同じ疾患でも病因病理を解析し、ツボを使い分けることができるようになってきます。



さぁ、あなたはどちらに当てはまりますか?



結論だけを追い求めてませんか???




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