東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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痹証(その9)

2011.10.08


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こんばんは、森岡です(^_^)

前回までのお話・・・

痹証(その1)
痹証(その2)
痹証(その3)
痹証(その4)
痹証(その5)
痹症(その6)
痹証(その7)
痹証(その8)

ではでは、続き行きます!!

最近の秋晴れは気持ちがいいですね~!!

しかし、それに伴い秋に登場する燥邪が旺盛になってきてますね。

こいつのおかげで、私の唇はカッサカサでございます・・・。


さてはて、

今回は、痹証にはどのような分類があるかです。

皆さん、思い出して下さい。

痹証の定義を覚えておられますでしょうか?

復習しますと、痹証とは、

風寒湿の三邪が、虚に乗じて経絡に侵入し、気血を阻滞した状態。

でしたね。

つまり、風邪・寒邪・湿邪が関連しているのですから、少なくとも3パターンはありそうです。

では順に。


1.風邪(ふうじゃ)に侵襲されたもの

風邪によって経絡が侵襲されたものを

「行痹(こうひ)」

といいます。


風邪の特徴を、端的に表現した有名な言葉で、

「善く行りて数変ず(よくめぐりてしばしばへんず)」

というものがあります。


「行」は”めぐる”という意味も持っています。

この意味は、

「色々なところに動いて巡って、変化極まりない」

ということです。


これは、陽気の動的・流動的・軽揚という特性を受け持った、風邪の特徴であります。


上記の事から、風邪によって引き起こされる病症は、

「発病が急で症状が遊走し、あるいは変化が多く一定しない」

と言えます。


ですから、風邪主体の痺証である行痺の症状にも、この特性が引き継がれます。


主な症状は、


遊走性・多発性の関節痛や運動障害


です。


また、風邪には、

「開泄(かいせつ)」

という特性も持っています。


これは、”ひらき、もらす”という意味ですが、

体の最も外側には、衛気(えき)という気が流れております。

これは、

外邪の侵襲を防ぐ防御作用、

体を温める(皮毛や肌肉)温養作用、

腠理(皮膚)と汗孔(汗腺)を開閉し、発汗を調節する作用

などを主に行っている気です。


まぁ、お城を守る”外壁”のような役割をしているのです。


この、外壁の気である衛気を、竜巻のように巻き上げながら散らし、

開くことにより、体内の正気をもらしてしまうのが風邪の開泄作用です。

このように、衛気が開泄されてしまうと、防御作用は低下し、体が温められなくなり、発汗の調節がきかなくなります。


風邪(ふうじゃ)が体の浅い部分を侵せば、

一般的に言う、いわゆる”風邪(かぜ)”症状が出現します。


これを、東洋医学では、体の浅いところ=表(面)が外邪に侵され発症した病なので、

「表証(ひょうしょう)」

と言います。


従って、行痹の症状として、

頭痛・発熱・悪風(おふう:軽い寒気)

などの表証を伴うことがあります。


まとめると、

行痹の診断基準は、

1.遊走性・多発性の関節痛や運動障害

2.頭痛・発熱・悪風などの表証を伴うことがある

となります。


ですから、関節痛で来院した患者さんに発症当時、または現在まで、風邪(かぜ)っぽい症状があったのかなかったのかは問診必須事項となりますよね。


風邪(かぜ)を発症しながら、関節痛や運動障害が出てきたなんて言えば、

行痹、フライングゲットです(なぜか締めがAKB(笑))


次回に続く。


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