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こんばんは、下里です
昨日は、(社)北辰会本部基礎コース&実技強化コースへ参加いたしました!
直前に旅の手配をしたのですが、世の中3連休&秋の京都奈良は紅葉ハイシーズンとあってか、新幹線も飛行機もホテルも満杯で、危うく当日中に帰って来れないところでした
秋の京都なんて、古典文学さながらの世界でさぞ美しいでしょうね!!!!!
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今回は、「女性生理における陰陽論から見た「心-腎-子宮」調節作用~夏桂成『实用中医妇科学』を参考に~」というテーマでお昼休みにミニ講義を担当させていただきました♪
講義では「テーマはなんでもいいです」と自由にさせていただいたので、以前にもブログで紹介しました、夏桂成先生の『実用中医婦科学』を参考に、
子宮の作用調節の主軸であるとされる「心-腎」のメカニズムについてご紹介させていただきました。
参考
女性生理とピルと周期療法
女性生理の周期療法における陰陽論
なぜ今回夏先生の理論を選んだかというと、現役の老中医であり、不妊・子宮内膜症等の西洋医学的な治療を受けている患者さんの臨床経験・研究も発表されているからです!
ホルモン治療や人工授精・体外受精等の高度治療は、さすがに古典の時代にはなかったですからね!?
書籍では、OHSS(卵巣過刺激症候群。排卵誘発の治療による副作用)・生薬のホルモンへの作用なども紹介されており、
現代の鍼灸師として、夏先生の著作は読んでいてわかりやすかったし、考えを臨床運用しやすいと思ったからです。
本の付録にある夏先生の論文タイトルを見ていると、近年は卵子についての研究もすごくなさっていますし、やはり体外受精等の患者さんの臨床経験が豊富なのでは、と推測します。
講義では
女性生理の周期療法における陰陽論
でも紹介したように周期療法において心腎の働きが、子宮の作用調節で重要だという説が、陰陽大極魚図・後天八卦を運用した理論によるものだということの紹介をさせていただきました。
ちなみに、中医学的に子宮の作用は:「経(月経)、帯(オリモノ)、胎(妊娠)、産(出産)」の生理現象に於いて「藏」と「瀉」の作用を担う奇恒の腑。
であり、この「蔵(ためこむ)」「(ときはなつ)」働きを調節しているのが、心と腎の協調作用なんだよ、ということです。
中医学では女性は
・腎のパワーが盛んになると充実する「天癸」がある
・気血が調和する
・任脈と衝脈という、子宮からはじまって体のど真ん中を駆け上がる経脈が盛んになる
と生理が来て妊娠できるようになるといわれていますので、やはり肝脾腎・任脈と衝脈というのが女性生理特有の疾患においてはポイントとなるのですが、
夏先生の論では心も大切である、というのが理論的に証明されていて、感銘を受けたので発表に至りました。
また、講義でも引用しましたが、
臨床上(形而下、と表現されていますが)の陰陽ということについて、藤本蓮風先生の下記の説も、心と腎の問題を考える上で参考にさせていただきました。
藤本蓮風『東洋医学の宇宙太極陰陽論で知る人体と世界』p18,LL3-8
ところが、同じ陰陽の水と火は、陰中の陽、陽中の陰になっています。だからこれが本来の形而下的な意味での陰陽の姿です。乾坤は形而上です。形而下ではありません。
しかしこれを設定しておかないと陰陽が交合しないために必要とするわけで、本来の陰陽は水と火です。だから「水は陰と為し、火は陽と為す」と、このように表現したのでしょう。
不妊治療の患者さんでは人に言えない悩みを抱え込んでしまう方が多く、医療現場でカウンセリングが重要視されますが、
こういった中医学的な立場から見ても、心神、こころの問題は重視されるべきであると改めて思いました。
清明院にいらっしゃる患者さんも、体調がよくなり、きもちに余裕ができてにこやかになってきたころ自然妊娠されたお話が、院長ブログで紹介されています。↓
「不妊症」について
そして、こういった理論でこころの重要性が高いとわかったからこそ、逆に他の理論で考えた場合に体はどういう状況なのか?こころだけでなくどこにアプローチすべきなのか?
をよりしっかりわけて考える視点が持てたように思います。
いろいろ婦人科系統を読み比べていると張景岳先生の論が面白そうなので、次は『景岳全書』婦人規を読みたいです。
訳注つきのやつクリスマスプレゼントでもらえないかな、、、
、、、や、買いましょう
参考文献
・夏桂成『实用中医妇科学』2009,中国中医葯出版社
・藤本蓮風『東洋医学の宇宙太極陰陽論で知る人体と世界』2010,緑書房
・『ほくと』39号,2006,北辰会
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