東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「悪心・嘔吐」と鍼灸(その6)

2013.11.02

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こんばんは、森岡です(^_^)


前回までのお話・・・


「悪心・嘔吐」と鍼灸
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その2)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その3)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その4)
「悪心・嘔吐」と鍼灸(その5)


続き行きます!! 

前回は、悪心の病機(メカニズム)をお話させて頂きました。


そして、今回は前回挙げた病機以外でも、悪心において有名な病機があるのでそのお話・・・


としましたが、


ちょっと置いといて、まずは「嘔吐」の病機からいっちゃいたいと思います。



『症状による中医診断と治療(上)』を参考にしますと、


嘔吐とは、


「有声有物でゲェーッと声を出して物を吐出する事」


と定義付けられております。



そして、「嘔」と「吐」には明確な違いがあるとも記載されております。



金元の四大医家であり脾胃の重要性を説いた補土派・李東垣(りとうえん)は、


「嘔」は「声物兼ねて出るものなり」とし、


「ゲェーッと声を出しながら胃の内容物を吐瀉する」のが「嘔」だと言っています。


(李東垣については院長ブログでもちょこちょこ出てきております。)


そして、


「吐」は 「物出でて声なきものなり」とし、


「胃の内容物を吐瀉するも、声は出ない」のが「吐」だとしております。



ちなみに、「声は出るが胃の内容物は吐瀉しない」ものを「乾嘔」とか「噦(えつ)」といいます。



嘔吐の病機をみてみますと、


1.外邪犯胃

2.傷食

3.胃寒

4.胃熱

5.胃陰虚


6.肝胃不和


となっており、1を除いては悪心とほぼ同様の病機となっていることが分かります。


ちなみに1を簡単に説明しますと、


外邪のなかでも風邪、寒邪、暑邪、湿邪に侵襲されたときに起こりやすく、


いずれも気機を停滞させ、胃の和降機能を失調させるというメカニズムです。


(外邪=六淫についてはスタッフブログ参照)



まとめますと、


嘔吐と悪心は病機的には非常に似ており、同時に出現することが多く、


程度が軽ければ悪心に、重ければ嘔吐になるという特徴があります。



また、嘔吐は悪心を伴うことが多いのに対し、


悪心には必ずしも嘔吐を伴うとは限らないということも言えます。



ということで、次回につづく。


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