東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「悪心・嘔吐」と鍼灸(その2)

2013.09.15

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こんばんは、森岡です(^_^)


前回までのお話・・・


「悪心・嘔吐」と鍼灸


続き行きます!! 

今回は西洋医学における「悪心・嘔吐」の機序から話を進めさせて頂きます。



『内科鑑別診断学』によると、「嘔吐」の発症機序は、


消化管をはじめ、咽頭、眼、鼻、心臓、血管、腹膜、腸間膜、胆道などからの炎症、


循環障害、消化管拡張など種々の刺激が様々な末梢神経を介して、


延髄にある嘔吐中枢に刺激が伝えられた場合や、


脳圧亢進、循環障害などにより、直接脳内で刺激された場合に起こる。


また、嘔吐中枢を興奮させる様々な神経伝達物質(ド―パミン、セロトニン、ヒスタミン、アセチルコリンなど)による化学的刺激によっても嘔吐が引き起こされるケースがある。


さらに、不快な感情や光景などの刺激も大脳皮質を経て、嘔吐中枢へ伝えられ嘔吐を引き起こす。


と考えられております。



簡単に言えば、


内臓や脳、体内で作りだされる各種化学的物質や視覚、感情などによって、


延髄の嘔吐をコントロールする嘔吐中枢が刺激されると引き起こされるということですね。



ちなみに、


「悪心」は嘔吐の不全型、あるいは前駆症状と考えられ、「嘔吐」と同じ機序で起こるとされています。



この嘔吐中枢は呼吸中枢、唾液分泌中枢、血管運動中枢などの自律神経中枢と密接な関係があり、


嘔吐中枢の刺激によりこれらの中枢も刺激され、


呼吸や脈拍、唾液分泌などの異常、冷汗、顔面蒼白などの自律神経症状が出現することが多いようです。



そして、


嘔吐中枢の興奮により、胃の強い収縮が起こり腹腔内圧の上昇とともに胃内容物が一気に吐出されるのが「嘔吐」


ということになります。



この嘔吐は一般的に比較的よく遭遇する病態ですが、中には危険なものも存在します。


その1つに脳疾患があります。


これによる嘔吐は、通常、嘔吐の前に現れる悪心を伴わず、突然噴出するような嘔吐が出現します。


こういったものは、脳血管障害や、脳腫瘍等に見られる特徴的な嘔吐ですので注意が必要です。


西洋医学的に危険な疾患を弁別できる能力も臨床では時に必要となることがあります。



東西どちらも勉強が必要ですね。


西洋医学的な嘔吐に関しては以上です。



次回からは東洋医学的な「悪心・嘔吐」の考え方について進めていきたいと思います。


次回につづく。



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