東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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『頓医抄』とその特長Ⅱ ~世界最古の解剖(その7)~

2013.02.10

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こんばんは、森岡です(^_^)


前回までのお話・・・


世界最古の解剖 
世界最古の解剖 (その2)
『存真環中図』~世界最古の解剖(その3)~ 
『頓医抄』~世界最古の解剖(その4)~
僧医・梶原性全~世界最古の解剖(その5)~
『頓医抄』とその特長~世界最古の解剖(その6)~

続き行きます!!

少し間が空いた隙に、季節はすでに立春を迎えております。


早いですね~。。。


あと10か月足らずで来年ですよ(笑)


ウカウカしてられないですね。



ということで、


前回は『頓医抄』が、全文和文で構成され、


全文和文の医書としては現存最古であり、


解剖・生理学を取り入れ、


その哲学のベースには、陰陽五行や内経医学の思想が反映されている、


など、特長の途中までお話いたしました。 



今回は、その続きです。



この『頓医抄』は”僧医”が書いたというところが、最大の特長であると言っても過言ではありません。


ですから、この書物が書かれた最大の理由であり、


仏教(いや、宗教と言った方が正確でしょうか)の最大の目的でもある、


”救済”という理念がベースのあることは忘れてはなりません。



また、性全が広く民衆を救いたいと考えるようになったのは、


彼が僧医であったからに他なりませんが、その他の要因もあると考えられます。


それは、性全がお師匠さんから多大な影響を受けていると考えられるからです。


そのお師匠さんとは、


真言律宗の総本山、西大寺(さいだいじ)を復興させた「叡尊(えいぞん)」です。


また、同じく弟子の「忍性(にんせい)」とは親友であり、彼にもとても影響されています。


(二人は”癩(らい)病”患者の救済に力を注いでいます。)



この二人の慈善的救済活動を目の当たりにした性全は、


非常に感化され『頓医抄』を著すに至ったとされています。



(叡尊、忍性も鎌倉時代を代表する僧医ですから気が向き次第、書きます(笑))



そんな性全の慈悲の心は『頓医抄』の随所に散りばめられています。


例えば、


「慈悲の心をもって治療を行えば、たとえその薬があまり良い薬でなくとも、素晴らしい効果が現れる。」


「慈悲の心で人に益となることを行えば、自然に運が開かれる」


「慈悲の心をもって、人の苦るしみを救いなさい」


などなど挙げればきりがありません。



さらに、医者の倫理を説いた「医師の要心」も必見です。


少し長くなったので続きは次回です(^_^)



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