東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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刺激量 その3

2012.08.24

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こんばんは、松田です


イベントが多くだいぶ空きましたが続き行きます。



これまでのお話


刺激量


刺激量 その2

これまでの話で、病気は気や血、津液等の過不足により起こり、その過不足を調整するのに補法・瀉法というものがあり、補瀉法の種類の一つに刺激量があるという事を話しました。


また、過去の症例をもとに刺激量の重要性を考えて行きました。


今回は、その刺激量を決定する要件についてです。



刺激の3要素というものがあり、それはどういった刺激を行うかの刺激の質、どのくらいの刺激の強さを与えるかの刺激の量、刺激を受ける側の感受性の3つがあります。



刺激の質は、鍼や灸などどういった種類の刺激を行うかです。


ここでいう刺激の量は、鍼灸で使う鍼の太さや刺激の時間、手技の種類、穴の数、灸の大きさや硬さ、お灸の数などです。


強刺激は、太い鍼、刺鍼・抜鍼が速い、鍼の動揺の大きい手技、大きく硬いお灸、壮数が多い灸、穴の数が多い施術などがあります。(弱刺激はその逆です。)



もう1つ感受性というものがありますが、これも非常に重要な刺激の決定要件になります。



一般に鋭敏か鈍感かある程度決まっています。


子供・老人への刺激、女性、虚弱体質や神経質の人への刺激、精神労働者、睡眠不足や栄養状態不良者への刺激、鍼灸未経験者、顔や手足への刺激の方が受けての感じ方として鋭敏な感覚であることが多いです。



逆に青壮年への刺激、男性、頑強な者への刺激、肉体労働者、栄養状態が佳良な者への刺激、鍼灸治療経験者、腰や背中などへの刺激の方が受けての感じ方として鈍感な場合が多いです。



上記の感受性の違いは、あくまで一般的に言われている内容であり、当然個人差があります。



当然実際の治療では、女性や老人の場合でも例えば気血の滞りが強い時には、しっかりと気血の流れをよくするようにその人にとって少し強い刺激でも用いる事があります。



また、肉体労働者の青年男性でも働きすぎで睡眠不足があり、栄養状態も良くないという時には、体が弱らないように少し弱い刺激も用いる事があります。




つまり、感受性や刺激の量などは、その時々で変化するものであり一般に言われている内容が一致するれば皆刺激量は一緒という訳ではないのです。



治療する際に、しっかりとした問診をして、体表観察で体の状態をくまなく把握した上で得られた、その時の患者さんの状態に基づいて、どんな鍼を用いて、どこに、どんな角度で、どのくらいの刺激で鍼をするのかというのが決定されるのです。



種々の方法がありますが刺激量として大事なのは、やはりその時その人に合った刺激量をどれだけ適切に与えられるかという事だと思います。




刺激量を適切に与えて効果を出すというのは、非常に重要であり難しいことであると思いますが、問診や体表観察の正確性を高めて行き、繊細な感覚を持って治療を行えば徐々に習得出来るものだと考えています。




より早く習得できるようにしっかり頑張って行きたいと思います。




また、いろんな種類の補寫法についても今後書いて行きたいと思います。




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