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こんばんは、森岡です(^_^)


ここ最近、赤ちゃんや小児の治療をすることがたびたびあります。



赤ちゃんや小児の治療はまだまだ体がしっかり出来上がっていないため、


治療の刺激量を軽微にしたり、


小児鍼といって刺さずに、専用の鍼で撫でたり、擦ったり、かざしたり、接触させたりすることで治療を行っていきます。



東洋医学では鍼を使用して「気」に働きかけることで陰陽を調整し、生体を正常な状態に近づける治療法です。




しかし、この小児鍼のように、鍼を刺さずに「気」を動かすことなんてできるのでしょうか？？？




東洋医学における「気」の概念は、いくつかに分類されます。


気は全身を循環していますが、主に、その「気」が主戦場としている、


”場所”や”部位”によって「気」の分類や名称が変わっていきます。



流れている場所が変われば、その働きも変わってくるんですね。



その気の中でも、体表を流れている気を「衛気（えき）」と言います。


この衛気の守備範囲は、体表面から数センチ離れたところから、皮毛や肌肉といわれる場所まで及びます。


体の中でも、比較的浅いところを流れる気です。


例えば、誰かが自分にものすごく近づいてきたら、体に触れる前に「誰か近づいてきたな」って感じがしますよね。


あれは、近づいてきた人の衛気を自分が感知しているんだと思います。


また、自分の顔に手を近づけてみると、顔に触れる前に手の感覚を感じると思います。



やってみてください。



感じないですか？



衛気を感じますよね（笑）？？？



このように、


体表から少し離れたところから気は流れております。



小児鍼が撫でたり、擦ったり、ふれずにかざしたりすることでも効果が出るのは、


この「衛気」にアプローチしているからなんです。



この衛気の特長は、「其気慓疾滑利（そのきひょうしつかつり）」と表現されます。


これは、「衛気というのは、その動きが非常に速くて滑らかですよ。」という意味です。


（専門家の先生方は『素問』痹論篇を参照にして下さい。）




非常に速いのです。


治療をすると、すぐに衛気は反応します。



ですから、小児の治療は僕の経験的にも、治療直後に症状がガラッと変わることが多いです。



良くも、悪くも（苦笑）



ですから、今の治療が効いたか、悪化したか、が如実に分かります。


良くなれば、必ず子供は機嫌がよくなり、表情が明るくなりなります。


悪化すれば、泣きだし、グズリ、表情は暗く、元気が無くなります。



動きが速い分、悪化も早いので怖いです。


失敗すると急激に悪くなります。


しかし、うまく行えば良くなるのも早いので、親御さんには大変喜ばれます。




この衛気へのアプローチは、大人の治療にももちろん応用が効き、


重症な患者さんや、体力の弱った方、刺激に対して非常に敏感な方など、


時には、その生死を左右するような場面で劇的な効果を生み出す、非常に重要な治療法となってきます。



衛気の機微を知るには、是非、小児の治療をすることをおススメします。。。



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