看取り医

2012.07.22

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こんばんは、森岡です(^_^)

先日読んだ本で、「看取り医」なる言葉がありました。

これは、

人生、最後の日を看取る医者

という意味を表す語句です。

また、

誰にでも必ず訪れる「死」を悪とはせず、人の生理的現象と捉え、ありのままに自然に死を迎えさせてあげる

という役目を担うのが看取り医の仕事であるとも書いてあります。

この看取り医という立ち位置が重要となってくるのは、高齢者医療が主だと思います。

　　　

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現在の西洋医学では、「死」を悪と捉えている傾向があります。

死ぬのは悪いことなんだ、死に向かう老化は体にとって良くないことだ、と。

だから、一分一秒でも死から遠ざける治療というのが選択されます。

それが、たとえ、患者さんに苦痛を伴わせたり、本望でなかったとしても。

例えば、人工呼吸器や胃ろう、経鼻胃管（鼻から胃に管を通して栄養を送る）などがそれに当たるでしょう。

（”胃ろう”に関しては、院長ブログ「胃ろう」の是非　も参照に。。。）

もしかしたら、抗がん剤治療もそうかもしれない。

そして、意識もないのに生かされ、はたまた、苦痛を伴い、

日常生活を普通に送るのさえ難しくなり、苦しみ抜いた揚句に訪れる「死」。

果たして、これが医療のあるべき姿なのでしょうか？

逆に、医療によって苦しめられている側面があるのではないでしょうか？

心と体と魂、そして、生と死は別個のものなのでしょうか・・・？

これはやはり、身体や生命を有機的につながりを持った”ひとつのモノ”として捉えず、

部分部分の寄せ集め、すなわち、機械的に診るという西洋医学の大きな欠点なんじゃないでしょうか。

それに対し、看取り医なる医師達は「死」を「是」とします。

命は無理矢理に伸ばすものではなく、誰にでも来る「当たり前」の生理現象であると。

ある看取り医は言います。

「人間が自然に死を迎える邪魔を、医療がしてはならない」

と。

また、ある看取り医は、

「何もしないのも医者の仕事だ。」

と。

実際、高齢者で癌が発見された場合、そのほとんどが痛みや苦痛を伴っていないという。

しかし、癌が見つかったので、抗がん剤治療等を開始すると途端に、痛みや苦痛が出てくるそうだ。

医療によって逆に苦しめられている側面だ。

そして、今まで食べられていたものが徐々にノドを通らなくなり、声はか細くなっていく。

みるみる筋肉は痩せ衰え、痩せたことで増えるシワをみてさらに心が沈んでいく。

最後は骨と皮になり、苦痛に顔を歪めて最後を迎える。

良くなると信じていた現代医療によって。

僕たち往診治療をしているものは、こういった患者さんに出会うことが少なくありません。

そして、その患者さんの最後に立ち会う可能性も大いにあります。

今まで死に逆らうような医療を受け、苦しんでいた患者さんが、

自身の持つ「治る力」を引きだし、自然と調和し、死をある意味「是」とする東洋医学と出会い、

治療を通して「死」を受け入れられたことで、笑顔を取り戻し、

安らかな顔で最期を迎えたという例は多くあります。

この様な考え方を持つ西洋医学の先生方が増えつつある現状は、僕的には喜ばしいことであり、

東洋医学の考え方や、僕ら鍼灸師ができる事こそが、

まさに「看取り医」というジャンルを包含しているんじゃないかなと思います。

皆さんどうでしょうか？

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