東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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小便渾濁(しょうべんこんだく)とは③

2024.12.03

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「腎陽虚と脾虚気陥の小便渾濁」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも頻尿、多尿がみられ、虚寒に分類されますが、中心となる臓腑が腎と脾の違いがあります。
 
 
 
まずは腎陽虚の小便渾濁についてです。
 
 
 
腎が虚して膀胱の泌別機能が低下し、脂液が尿中に漏れて発生します。
 
 
 
この場合、高齢者や虚弱体質の患者さんに見られやすく、尿は混濁して色が薄いことが特徴です。
 
 
 
その他にも、顔色は白いか黒い、目眩、耳鳴、元気がない、四肢の冷え、ED、腰膝酸軟などの腎虚の症候をともないます。
 
 
 
治法は、温腎固渋を用います。
 
 
 
次に脾虚気陥の小便渾濁についてです。
 
 
 
この場合、過度の労働や思考、飲食の不節制などにより脾陽が損傷して、脾虚により中気下陥して水穀の精微が下流して発生します。
 
 
 
混濁尿あるいは排尿時には混濁が軽度で放置しておくと沈殿が生じ、肉体疲労時に状態が悪化することが特徴です。
 
 
 
その他にも、食欲不振、泥状便、下腹部が下墜するように脹る、脱肛などの中気下陥の症状がみられることが特徴です。
 
 
 
治法は、補中益気を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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