東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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嘔吐(おうと)とは③

2024.10.03

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「胃熱と胃陰虚の嘔吐」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
どちらも熱証を呈しますが、虚実の違いがあります。
 
 
 
まずは胃熱の嘔吐についてです。
 
 
 
脂物、味の濃いものに食事が偏ったり、飲酒量が多いなどの飲食不節により湿熱が生じて、その湿熱が胃の和降を阻害して生じます。
 
 
 
この場合、嘔吐に随伴して、呑酸、腐臭のある曖気、口臭、腹満、便秘がみられ、舌苔黄、脈弦あるいは滑で有力を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、清胃降逆を用います。
 
 
 
次に胃陰虚の嘔吐についてです。
 
 
 
熱病の後期で津液が消耗したり、大手術により陰液を喪失したり、強い嘔吐が続いて津液を失うことで、胃陰が不足して胃気が上逆して発生します。
 
 
 
この場合、飲食することが難しく、口渇があるものの飲めず、重篤になると水分を飲んだだけで嘔吐してしまいます。
 
 
 
嘔吐以外にも、口渇、水分を欲する、舌質紅で乾燥、脈細弱を呈します。
 
 
 
嘔吐するほどに津液を消耗して症状が激しくなり、重篤になると水分摂取を自力で行うことが難しくなります。
 
 
 
治法は、養胃陰、降逆を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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