東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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小便頻数(しょうべんひんさく)とは③

2024.02.08

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで、「腎気不固と肺脾気虚の小便頻数」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
共通点は、いずれも虚証であることで、尿は多量で色は薄く、遺尿、尿失禁もみられることが特徴です。
 
 
 
腎気不固の小便頻数は、陽虚体質や慢性病で陽気が消耗して、腎が封蔵できなくなり、膀胱が水分排出を制約できなくなってしまうことで発生します。
 
 
 
加齢による腎虚、陽気が未充足な小児に良くみられ、頭のふらつき、耳鳴、息切れ、腰膝酸軟、四肢が温もらないなどの症候を呈します。
 
 
 
その他にも、舌質淡で胖、舌苔薄白、脈沈細で弱といった所見がみられます。
 
 
 
治法は、温補腎陽を用います。
 
 
 
肺脾気虚の小便頻数の病理は次のとおりです。
 
 
 
生ものや冷たい食物の過食、過労、寒邪の侵襲などによって陽気を消耗し、肺脾の気が虚してしまいます。
 
 
 
そうすると下焦を制約することができず、膀胱かま水の排出を約束できなくなってしまい、頻尿が発生します。
 
 
 
この場合、中年かつ過労気味の方に好発し、随伴症状として、頭のふらつき、息切れ、寒がる、元気が無い、咳嗽、唾や涎が多い、食欲不振、泥状便などを呈します。
 
 
 
特徴的な増悪因子としては、過労が挙げられ、そのような状況下で頻尿がみられます。
 
 
 
治法は、温肺健脾を用います。
 
 
 
この他にも、肝気鬱結による小便頻数もあり、情志失調によって肝気が鬱結して、気滞が膀胱におよぶと発生します。
 
 
 
特徴は、頻尿に残尿感をともない、随伴症状として胸脇苦満、下腹部の脹痛、目眩、頭痛、口苦、イライラ、易怒などの症候を呈することです。
 
 
 
情緒の変動とともに増悪することが、この場合、特徴的なポイントとなります。
 
 
 
治法は、疏肝解鬱を用います。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

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