東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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線維筋痛症と鍼灸⑤

2024.02.04

 

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こんばんは 謝敷です。

 

 

前回は、線維筋痛症と鍼治療についてのCochranレビューで参照された日本の論文の概要をご紹介しました(前回投稿は→こちら)。

今日は、この論文で検証した鍼治療の結果をご紹介します!

 

 

 

【効果の評価方法】

鍼治療の効果の検討は主に、痛みの強さで、

ビジュアルアナログスケール(VAS)と呼ばれるもので測定されました。

VASとは10㎝の線が書いてある紙を渡し、

一番強い痛みを10、無痛を0とした場合、現在の痛みの度合いに印をつけてもらうものです。

その他FIQという質問票を用いて、睡眠、疲労、こわばり、不安、うつに関する状態を評価しています。

 

 

これらの結果を用いて、2つの群のスコアの中央値(データを大きい順に並べた時の中央の値)を比較して、

「最初の5週間は鍼をしなかった後、5週間のみ鍼を受けるグループA」と

「最初から最後まで、計10週間、鍼を受けたグループB」について、

線維筋痛症の症状(痛みやQOL等)に違い(差)が生じるか、を見ています。

 

 

 

【結果】

最初の5週間では、

グループAとグループBの痛みのスコアに統計的な差*がありましたが、

10週目では、グループAとBの痛みの強さには差が見られませんでした。

*グループAでは26.5しか痛みが減少しなかったが、グループBでは、52.6減少!

 

 

 

QOLについても、グループBは最初の5週間で改善しましたが、

その後10週目までに大きなスコアの変化は見られませんでした。

グループAでも鍼治療を受けた後の5週で、スコアが改善し、

10週目時点ではグループAとBの間には差は認められませんでした。

(グループAとBは10週目には同程度のQOLの改善だった)。

 

 

 

この研究では、東洋医学的な理論に基づく鍼ではなく、

電気鍼と、筋肉へのアプローチの鍼によって、線維筋痛症を施術した結果、

5週間程度の施術継続で、痛みとQOLが改善したことが観察できた、ということですね。

 

 

 

対象者が16名(実際はそのうち3名が途中で研究から離れ対象外となっています)と、

人数が少ないため、今後はより多くの患者さんでも同様の結果となるかを検討する必要性が提示されています。

 

 

 

実際はこのように具体的な研究結果が論文として沢山報告されています!

システマティック・レビューでは、これらの研究の計画や実施が妥当であるかを検討し、

参照する論文を選別したうえで、結果の統合・評価を行っています。

 

 

 

<参考文献>

・Itoh K, Kitakoji H. Effects of acupuncture to treat fibromyalgia: a preliminary randomised controlled trial. Chin Med. 2010 Mar 23;5:11.
 
 
 
 
 

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