東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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咳嗽(がいそう)とは⑤

2023.12.14

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「肺気虚と肺陰虚の咳嗽」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも肺の虚証ですが、気虚と陰虚の違いがポイントととなります。
 
 
 
まずは、肺気虚の咳嗽についてです。
 
 
 
陽気が不足しやすい体質で肺気が虚したり、寒飲の内停によって肺気が消耗し、肺の粛降が失調して発生します。
 
 
 
この場合、痰は出たとしても希薄である特徴をもちます。
 
 
 
随伴症状として、声に力がない、息切れ、顔色が白いなどの肺気不足の症候に加えて、自汗、悪風、風邪を引きやすいなどの衛気不固の症候がみられます。
 
 
 
舌質は淡で嫩、舌苔は薄白、脈虚で無力がみられます。
 
 
 
治法は、補肺益気を用います。
 
 
 
次に、肺陰虚の咳嗽についてです。
 
 
 
陰虚火旺の体質、痰熱の内阻による陰液の消耗、熱病による傷陰などにより、肺の滋潤ができず、肺気が失調して発生します。
 
 
 
この場合は、慢性的で、かすれたような乾いた咳嗽がみられ、痰は粘稠で少なく、羸痩、口や咽の乾燥がみられることが特徴です。
 
 
 
舌質は紅、舌苔は少なく、脈が細数がみられます。
 
 
 
陰虚火旺となると、午後の潮熱、盗汗、五心煩熱、胸部の鈍痛、痰に血が混じるなどの症候をともないます。
 
 
 
治法は、養陰止咳を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店

 

 

 

 

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