東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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咳嗽(がいそう)とは①

2023.11.28

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「咳嗽(がいそう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
咳嗽は「咳」とも呼ばれます。
 
 
 
『素問・咳論』では、咳嗽について専門的に論じられており、「五臓六腑はみな人をして咳せしめ、独り肺のみにあらざるなり」と述べられていて、「咳=肺のみによる症状」ではありませんよ!ということが強調されています。
 
 
 
咳嗽は、「上気(じょうき)」と併せて呼ばれることが多く、『素問・五臓生成篇』では、「咳嗽上気」、『金匱要略』では「咳嗽上気」あるいは「痰飲咳嗽」と記載があります。
 
 
 
『金匱要略』、『漢代武威医簡』には、「咳逆」、「咳逆上気」と記載されています。
 
 
 
漢代以前には「咳」、「嗽」、「咳逆」は同義であり、咳嗽と「上気」「痰飲」の関係が密接であることが、併称されることが多い理由のようです。
 
 
 
『諸病源候論』では、「咳嗽」「上気」「痰飲」を区別し、専門的に節を立てて記載されています。
 
 
 
『諸病源候論・風十五論』に「咳嗽は、肺は寒を感じ、微なるものすなわち咳嗽をなすなり」と述べられており、湿熱邪を感受したものについては『時気咳嗽候』『温病咳嗽候』にて、内傷によるものは『虚労咳嗽論』にて論じられています。
 
 
 
『素問病機気宣保命集』には、「咳は無痰にして声あるを謂い、肺気傷れて清ならざるなり。嗽はこれ声なくして痰あり、脾湿動きて痰をなすなり。咳嗽は痰ありて声あるを謂い、けだし肺気を傷るにより、脾湿を動かし、咳して嗽をなすなり」と記載がありますが、臨床的には咳嗽を統称として扱われることが多いです。
 
 
 
咳嗽は肺の痰証とされ、痰飲咳嗽は肺脾の病証が、咳嗽上気は肺腎の病証が比較的多いとされ、肺のみが病むことは臨床的には多くない為、四診により弁別していきます。
 
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 
 

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