東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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夜間多尿とは

2023.07.20

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「夜間多尿」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
夜間多尿とは、夜間に尿の回数と量が増えることを指します。
 
 
 
一般的に、夜間の排尿回数が2〜3回以上、あるいは夜間の尿量が1日トータル量の4分の1を超えるものをいい、
 
 
 
重篤になると、日中の尿量と同等または、それ以上になることがあります。
 
 
 
日中の排尿は正常であるものの、夜間に回数や尿量が増えることが特徴です。
 
 
 
腎は水を主り、開闔を司り、膀胱は尿液の蔵を主るため、夜間多尿は腎と膀胱の機能失調がメインとなります。
 
 
 
また、昼は陽、夜は陰の時間帯ですが、夜間は相対的に陰盛陽衰となるため、夜間多尿は陽気の虚弱が原因で起きます。
 
 
 
弁証分類は、主に2つあります。
 
 
 
1.腎陽虚の夜間多尿
 
 
2.脾腎陽虚の夜間多尿
 
 
 
まずは、腎陽虚の夜間多尿についてです。
 
 
 
陽虚体質、加齢、慢性病による衰弱などで腎陽が虚して封蔵ができなくなり、膀胱が水液を制約出来ず、陰盛陽衰の夜間に尿が頻回で多くなります。
 
 
 
特徴は、排尿後の余瀝、症状が重篤になると尿失禁あるいは遺尿がみられます。
 
 
 
その他にも、耳鳴、腰がだるい滑精、早漏、舌質胖、舌苔薄白、脈沈細数などの腎虚の症候を呈することです。
 
 
 
治法は、温補腎陽に固渋を補助とします。
 
 
 
症状が軽度の場合は陽虚の寒証が顕著でなく、経過も短く、青少年にみられます。
 
 
 
一般的に膀胱の気化不足であるため、治法は益気固脬を用います。
 
 
 
次に、脾腎陽虚の夜間多尿についてです。
 
 
 
腎陽虚の命門火衰で脾陽を温煦できないか、脾陽虚のために腎陽を補うことができず、脾腎の両臓が虚して温摂が付則することで陰盛陽衰となり夜間多尿となります。
 
 
 
特徴は、畏寒、四肢の冷え、頭のふらつき、耳鳴、倦怠無力感、腰膝酸軟などの腎陽虚の症候とともに、
 
 
 
羸痩、食欲不振、泥状便〜水様便あるいは不消化便、舌質淡で胖、舌苔白、脈沈弱などの脾虚の消耗がみられることであり、補腎だけでは効果がないことが多いです。 
 
 
 
治法は脾腎双補、温陽固渋を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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