東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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四肢麻木(ししまぼく)とは⑤

2023.07.06

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「風痰阻結と肝風内動の四肢麻木」、「湿熱鬱阻の四肢麻木」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
 
 
まずは「風痰阻結と肝風内動の四肢麻木」についてです。
 
 
 
いずれも四肢の痺れに振戦をともなう特徴を持ちますが、病因病理は異なります。
 
 
 
風痰阻結の四肢麻木は、痰飲が風邪によって動かされ、風痰が経絡を阻害することで引き起こされます。
 
 
 
弁証のポイントは、痺れに掻痒感をともなうことで、振戦をともなう場合もあります。
 
 
 
その他にも、めまい、悪心、嘔吐、痰が多い、背部の重だるさ、舌質やや暗、舌苔白膩、脈弦滑あるいは濡がみられることです。
 
 
 
治法は、祛風化痰を用います。
 
 
 
肝風内動の四肢麻木は、肝火旺の体質のものが喜怒して、内風が生じることで引き起こされます。
 
 
 
弁証のポイントは、しびれとともに明らかな振戦がみられ、頭のふらつき、頭痛、いらいら、易怒、不眠、多夢、舌質暗で少苔、脈弦で有力といった症候がみられることです。
 
 
 
治法は、清肝熄風を用います。
 
 
 
次に「湿熱鬱阻の四肢麻木」についてです。
 
 
 
湿熱が鬱滞して、脈絡を阻塞すると、気血が四肢末端に達することができず、しびれが発生します。
 
 
 
弁証のポイントは、下肢のしびれと同時に灼熱性の疼痛をともない、両足の熱感が強く、冷たい床を踏むと心地よい特徴をもつことです。
 
 
 
この場合、脈は弦数あるいは滑数、舌質暗、舌苔は白黄膩がみられます。
 
 
 
治法は、清熱利湿・通絡を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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