東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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盗汗(とうかん)とは②

2023.05.11

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「盗汗(とうかん)」の続きで、「脾虚湿阻と邪在半表半裏の盗汗」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
前回までのお話はこちら
 
 
 
共通点は、邪による実証であることです。
 
 
 
まずは脾虚湿阻の盗汗についてです。
 
 
 
生もの、冷たいもの、脂物、甘味などの過食や飲酒癖、食事時間や食事量の不節制によって脾胃を損傷し、
 
 
 
運化が失調したことで湿濁が生じて、湿が気の流通を障害し、昇降失調が起こることで盗汗を引き起こします。
 
 
 
特徴は、頭が締め付けられるように痛む、肢体が重だるい、食欲不振、口粘が随伴することであり、
 
 
 
所見としては、舌苔が薄白膩、舌質淡、脈濡緩などの湿困の症候を伴ないます。
 
 
 
治法は、化湿和中、宣通気機を用います。
 
 
 
次に邪在半表半裏の盗汗についてです。
 
 
 
この場合、熱病の初期、中期にみられるものであり、外邪が侵襲して表証が解さず、少陽に伝入すると、半表半裏を阻滞して邪正闘争が起こり、津液を外邪が押しやることで盗汗が発生するとされています。
 
 
 
特徴は、盗汗に随伴して、寒熱往来、両脇部が脹って苦しい、口苦、悪心がみられることであり、
 
 
 
所見としては、舌苔が薄黄、脈弦数などの症候をともないます。
 
 
 
治法は、和解少陽を用います。
 
 
 
『景岳全書・汗証』に「盗汗……また おのおの陰陽の証あり、盗汗は必ず陰虚に属すということを得ざるなり」と記載がありますが、
 
 
 
内傷病であるか外感病であるかを区別する必要があります。
 
 
 
内傷は虚証、外感は実証に属することが多く、虚証の盗汗がよくみられますが、虚実夾雑、気血両虚などもある為、しっかりと弁別していきます。
 
 
 
弁証による原因究明を行い、原因に基づいた論治を行っていきます。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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