東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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肛裂(こうれつ)とは

2023.02.21

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「肛裂(こうれつ)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
肛裂(こうれつ)は、肛門裂であり、肛門粘膜に裂創が生じて癒合せず、疼痛や出血を呈することを指します。
 
 
 
裂創は、肛門正中線の前壁、後壁に生じ、両側壁に発生することは少ないです。
 
 
 
また、女性と青壮年に多いとされています。
 
 
 
弁証分類は、主に3つあり、次の通りです。
 
 
 
1.燥火便秘の肛裂
 
 
 
風火燥熱の邪を感受したり、味が濃かったり、脂っこいものを嗜好することで、胃腸に燥火が結して津液を消耗し、
 
 
 
糞便が硬くなるので、強いて排便することで糞便で肛門周囲粘膜が傷つき、肛裂を形成します。
 
 
 
特徴は、便秘を反復するたびに裂口が深くなって癒合しづらくなり、強い疼痛や鮮血の滴下がみられることです。
 
 
 
疼痛は、排便後にやや軽減しますが、数時間から1日中続き、じっとしていられず、イライラ、口苦、咽の乾燥、食欲不振、舌苔黄で乾燥、脈数などがみられます。
 
 
 
治法は、瀉火清熱、潤腸通便を用います。
 
 
 
2.湿熱の肛裂
 
 
 
湿熱邪を感受したり、脂っこいもの、甘味、酒などの嗜好で胃腸に湿熱が生じ、湿熱が肛門に下注することで生じます。
 
 
 
特徴は、肛門が下墜するように痛み、出血、裂口の膿汁、肛門の湿潤感、掻痒などを伴うことです。
 
 
 
この場合、排便時に強い腹痛を伴い、鮮血が滴下して排便困難であり、ときに粘液便を排出します。
 
 
 
また、発熱、悪寒、食欲不振、舌苔厚膩なども伴います。
 
 
 
治法は、清化湿熱、潤腸通便を用います。
 
 
 
3.血虚腸燥の肛裂
 
 
 
老人の陰虚、産後の血虚、肝鬱化火による血の消耗などで、血虚、津虚が生じ、腸管、肛門が濡養されなくなり、糞便が乾燥して肛門を擦過することで生じます。
 
 
 
特徴は、排便時の疼痛、出血、兎糞便、口舌の乾燥、焦燥感、不眠、午後の潮熱、舌質紅、舌苔少、脈細といった、陰虚、血虚の症候を伴うことです。
 
 
 
治法は、涼血養血、潤腸通便を用います。
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療  下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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