東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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舌強(ぜつきょう)とは

2023.02.07

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「舌強(ぜつきょう)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
舌強(ぜつきょう)とは、舌体が硬く強ばって動かしにくく、発語や吐出が上手く行えない状態を指します。
 
 
 
弁証分類は、主に2つあり、次の通りです。
 
 
 
1.風痰阻絡の舌強
 
 
 
古典に記載されている「外風直中」のものは殆どないとされています。
 
 
 
絶対多数が裏熱による内風に痰を伴い、痰気が上逆して経絡を阻塞して発生します。
 
 
 
そのため、内風が本証の特徴となります。
 
 
 
中絡は、邪が浅表部に侵入しただけであるため、症状も局部的となります。
 
 
 
舌の強ばり、発語障害、顔面麻痺がみられるものの、全身症状はみられない特徴をもちます。
 
 
 
治法は、祛風化痰、活絡を用います。
 
 
 
中経は、大経が阻塞されて気血の流通が悪くなったもので、半身不随、舌の強ばり、発語障害、嚥下障害がみられるが、意識は清明という特徴をもちます。
 
 
 
また、この場合は「外は六経の表証なく、内は便尿の阻隔なし」という状態です。
 
 
 
治法は、養血散風あるいは平肝熄風を用います。
 
 
 
中臓腑は、正気が衰えて邪が神明を擾乱したもので、意識障害、喘鳴、牙関緊急がみられます。
 
 
 
治法は、開竅豁痰を用います。
 
 
 
2.熱入心包の舌強
 
 
 
この場合は、温熱の邪が心包に逆転したために発生します。
 
 
 
高熱があり、急速に意識障害、舌の強ばり、牙関緊急、舌質紅絳を呈する場合は、清心開絳を施さなければならない状態とされています。
 
 
 
高熱が続き、熱邪が胃腸に結し、便秘のために裏熱の排出路がなくなると、心包に上逼した場合、舌苔が黄褐色、舌質が紅絳で乾燥する場合は、攻下して「釜底抽薪」すべきとされています。
 
 
 
温病が長期間続き、陰液が消耗して肝風内動が生じると、意識障害、痙攣、煩躁、舌が強ばり、短縮もみられるため、治法は、増液育陰、熄風を用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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