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「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その7)

2010.12.07

こんばんは、松木です。

続きを書いていきます。

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その4)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その5)
「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その6)


本日は「コホート(追跡)研究」について書いていきたいと思います。

コホート(Cohort)とは、集団、グループなどの意味です。

コホート研究とは、共通事項がある特定の集団に、どのような変化が生じるか、一定期間観察する研究のことを言います。

これは未来に向かって観察していくため、「前向きの研究」と言われます。


これに対して、過去に向かって観察していく研究は、「後ろ向きの研究」と言われ、今後書いて行く予定の「症例-対象(ケースコントロール)研究」が該当します。


話をコホート研究に戻します。

例えば、飲酒と糖尿病の関係性について調べたいとします。

30代で飲酒の習慣のある人たちと、飲酒の習慣のない人たちを無造作に選びます。

この2つの集団を10年間調査して、糖尿病になった人がどれくらいいるかチェックします。

10年後、飲酒の習慣のある人たちの集団から何人糖尿病になった人が出たか、

飲酒の習慣のない人たちから何人の糖尿病になった人が出たか、

これらを比較します。


当然、飲酒をしていても糖尿病にならなかった人もいますし、

飲酒をしていなくて糖尿病にならなかった人もいます。


これらのデータから「相対危険度」が導き出されるのが、コホート研究の特徴です。

これについてはちょっとややこしいので、興味のある方は調べてみて下さい。



まとめますと、ある集団を未来へ向かって観察していくのが、コホート研究です。

コホート研究は追跡観察することで、起きる事の発生順序が分かったりと、メリットもたくさんありますが、

長期の観察ということによる時間的、経済的な問題があるのも特徴です。


まあ良く言われる飲酒と糖尿病の関係や、喫煙と肺ガンの関係などにこの研究方法が使われているわけです。

では次回は、「症例-対象(ケースコントロール)研究」について書いていきます。


つづく



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