東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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大便艱難(だいべんかんなん)とは③

2022.10.18

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は、「大便艱難(だいべんかんなん)」の続きで、「脾肺気虚と脾腎陽虚の大便艱難」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
 
 
共通点は、ともに虚証であり、大腸の伝導機能が減弱し、糟粕が腸管内に停滞して排便困難が生じますが、腹部の苦痛は少ないことです。
 
 
 
脾肺気虚の大便艱難は、肺は全身の気を主って粛降を司り、大腸とは表裏関係にあります。
 
 
 
また、脾は生化の源で運化を主り、水穀の精微を全身に輸布するため、脾が虚すと運化が低下して、大腸が弛緩し、肺気がめぐらないために大腸の推動力がなくなり、大便艱難が発生します。
 
 
 
特徴は、顔面の浮腫、呼吸促迫、自汗、悪風、食欲不振、全身倦怠感などの気虚の症候がみられることです。
 
 
 
治法は、補益脾肺となります。
 
 
 
葉天士は「腸痺は必ず肺胃を開く」と述べており、丹渓が述べている「上竅を開きもって下竅を通ず」に相当するとされています。
 
 
 
脾腎陽虚の大便艱難は、命門の火が衰微して蒸化作用がなくなり、『景岳全書・雑証謨』に「下焦の陽虚すれば気行らず、気行らざればすなわち伝送する能わず」とあるように、陽気の衰弱により腸管の伝導力が低下すると発生します。
 
 
 
特徴は、寒冷を嫌う、四肢の冷え、夜間多尿など腎陽虚の症候を伴うことです。
 
 
 
治法は、景岳が「ただその陽を益すれば陰凝は自から化す」と述べているように、温陽補腎となり、
 
 
 
{大便が出づらい=熱」と簡単に判断出来ず、温めないといけない排便困難もあるということがわかります。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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