東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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畏悪風寒 (いおふうかん)とは④

2022.06.02

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「畏悪風寒:いおふうかん」について、続きのお話していきたいと思います。
 
 
 
前回のお話はこちら
 
 
 
本日は「痰飲内停、瘡瘍、寒瘧の悪寒」についてお話します。
 
 
 
まずは痰飲内停の悪寒についてです。
 
 
 
痰飲が胸脇、胃腸、四肢などに停滞して起こり、痰飲は陰邪であり、寒飲が内阻すると陽気がめぐらないため、悪寒が出現します。
 
 
 
臨床的には、痰飲が停留する部位によって症状は異なります。
 
 
 
痰飲が胸郭に停留すると、咳嗽、多痰、唾涎が多い、呼吸困難、努力呼吸がみられます。
 
 
 
胸下に停留すると、胸痛、転側不能などがみられます。
 
 
 
胃腸に停留すると、腹鳴が生じます。
 
 
 
四肢に停留すると、身体が重だるく痛み、浮腫が現れます。
 
 
 
瘡瘍の悪寒は、火熱の邪の外感、油物や味の濃い食物の過食、外傷によって、営衛不和となり熱邪が停滞して経絡を阻塞することで起きます。
 
 
 
特徴は、悪寒は正気と邪気の抗争が激しいこと示しますが、悪寒の時期は短く、発熱に以降し、局所に発赤、腫脹、疼痛が生じることです。
 
 
 
寒瘧の悪寒は、陽虚湿困の体質の人が瘧邪を感受すると、裏寒が盛んになるために陽気の運行が障害されて起こります。
 
 
 
悪寒があるものの発熱がないか、あっても低く、寒温困脾で運化が失調するため、疲労倦怠感、舌苔白膩、少陽の気がめぐらないため、胸脇が脹満し、脈弦遅がみられるのは、瘧邪内伏の症候です。
 
 
 
特徴は、悪寒が一日に何度か間欠的に発生することです。
 
 
 
これまで7つの弁証分類について、お話してきましたが、悪寒と聞いたら、まずは表裏を弁別していきます。
 
 
 
風寒束表は表証、寒瘧は半表半裏証、その他は裏証に分類されます。
 
 
 
一般的に、表証の悪寒は発熱をともない、温めても悪寒は軽減しない特徴があり、
 
 
 
半表半裏証の悪寒は間欠的であるのが特徴で、
 
 
 
瘡瘍の悪寒は発熱をともなうものの、表証だけを呈するわけではという特徴があります。
 
 
 
また、裏証では悪寒があっても発熱はともなわず、温めると軽減し、陽虚が多いです。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 
 

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