東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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視力の異常②

2021.06.17

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は、視力の異常の続きで「暴盲」についてお話していきたいと思います。
 
 
 
 
 
 
片側、両側の視力が突然急速に低下し、視力を喪失をきたすことを「暴盲」といい、
 
 
 
眼底出血や血栓に相当する症状です。
 
 
 
弁証分類は全て内傷によるもので、主に4つに分類されます。
 
 
 
1.熱入営血
 
 
 
発熱性疾患の後期に生じる特徴があります。
 
 
 
熱邪が営血に内陥して玄府(汗腺)が閉阻され、血熱妄行して頭目を上衝すると目系を傷つけて生じます。
 
 
 
突然の視力喪失に加えて、高熱、口乾、意識障害、うわごと、斑疹がみられます。
 
 
 
2.肝火上逆
 
 
 
 
激しい怒りにより肝火が上炎し、眼球あるいは黒睛が損傷して生じます。
 
 
 
突然の片眼または両眼の視力喪失に加え、
 
 
 
眼痛、頭暈、頭痛といった上半身の症状が多くみられます。
 
 
 
また、顔面紅潮、目の充血といった熱所見や、
 
 
 
胸脇痛、口苦、イライラ、易怒といった肝の異常を思わせる症状がみられます。
 
 
 
3.陰虚火旺
 
 
 
陰虚体質、心労による心陰の消耗などで心陰虚が起き、心火が旺盛となって眼球や黒睛を損傷して生じます。
 
 
 
目の前が煙がかかったようにぼんやりと見えて、徐々に視界が広がっていき、赤い光の塊となって視力が消失するとされています。
 
 
 
頭のふらつき、眩暈もみられ、
 
 
 
その他にも、頬部紅潮、潮熱、動悸、五心煩熱といった陰虚を思わせる症状や、
 
 
 
動悸といった心の臓の異常を疑う症状もみられます。
 
 
 
4.気血瘀阻
 
 
 
イライラして怒りっぽい性質で、酒や辛辣物を嗜好する場合、気火が上逆して目系を侵してしまいます。
 
 
 
すると、眼球内の絡脈を阻滞し、気滞血瘀となり、清竅が栄養されなくなって生じます。
 
 
 
この場合、一瞬にして片眼の視力が消失し、頭痛や口苦がみられます。
 
 
 
暴盲についてのお話は以上です!
 
 
 
今回で目の症状シリーズは終わりになります。
 
 
 
次回は「眠れない」ことに関して、お話していきたいと思いますので、お楽しみに!
 
 
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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