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こんばんは!樫部です。
本日は、胸悶(きょうもん)についてお話ししていきたいと思います。
胸が詰まったようで、脹ってスッキリしない、不快な感覚を胸悶といいます。
胸の中が塞がったようになり、呼吸が出来なくなる、憋気(へつき)を兼ねることがあります。
※憋(へつ)…つまること。
憋気の方が胸悶よりも重く、憋気には必ず胸悶を伴います。
胸悶は実証が主体で、胸の脹りや痛みを兼ねることも多いです。
胸痛を伴う場合は、注意が必要であり、心気虚がどの程度隠れているかを意識して問診していく必要があります。
胸悶の弁証分類は主に5つありまして、まずは外感による胸悶の分類についてと話していきたいと思います。
1.風寒束肺
外邪の侵襲によって宗気が伸びやかさを失うことで、胸が苦しくなります。
表証所見のほか、伏飲がもともと肺にあった場合、胸悶がひどくなって呼吸がしづらく、煩燥したり、安臥出来なくなってしまいます。
2.邪熱壅肺(じゃねつようはい)
外感風熱が解けず、邪熱が裏に入り、肺を壅遏(ようかつ)して発症します。
※壅(よう)…ふさぐ、さえぎるの意。
※遏(かつ)…とめる、ふさぐ、さえぎるの意。
高熱、煩渇、胸悶して胸中の鈍痛、憋気、喘急がみられます。
次に内傷による胸悶の分類についてです。
3.心血瘀阻
瘀血により心脈が痹阻されて発症します。
この場合の胸悶憋気は、夜間にひどくなる特徴があります。
また、胸痛を伴うこともあり、肩や上肢に痛みが出ることもあります。
その他に心悸や息切れもみられます。
4.熱壅血瘀
肺熱が盛んになって血瘀を形成し、胸部で鬱滞が生じるために起こります。
胸悶に痛みが伴い、咳をして、黄色く腥い痰や血痰が出ます。
その他に口乾がみられます。
5.肝気鬱結
肝気鬱結によって肝の疏泄が停滞すると引き起こされます。
胸悶に脇の痛みを伴い、善太息がみられます。
その他にも頭暈目眩、口苦といった症状がみられます。
胸悶についてのと話は以上になります。
次回は「動悸」について、お話ししていきます。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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