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こんばんは!樫部です。
本日は「咳」についてお話ししていきたいと思います。
咳嗽(がいそう)は、痰とともに突然、肺から一気に空気が噴出する音のことをいい、咳を主とする病を指します。
咳にもいくつか種類がありまして、次のようなものがございます。
乾咳は、乾いた咳、空咳を指し、痰の無い咳である特徴があります。
五更咳は、夜明け前に起こる咳を示します。
肺気の粛降作用の失調により起こる咳を肺咳と呼びます。
哮喘(こうぜん)は、喘息のような発作性の痰鳴を伴う呼吸困難であり、発作時にヒューヒュー音がする状態のことをいいます。
現代中医学では、喘息のことを指します。
「哮」は、発作時に喉でヒューヒュー音がする呼吸のことをいい、痰鳴(喘鳴)ともいいます。
寒熱で分類でき、
まず、寒哮、冷哮は、寒痰が気道を塞ぐため起こる喘息タイプで、
薄く白色で泡沫状の喀痰、口渇なしまたは口渇があっても熱飲を好む、胸部の満悶がみられます。
熱哮は、熱痰が肺に鬱滞して起こる喘息タイプで、
粘調で黄色の喀痰、顔面紅潮や口渇、喜冷飲、多汗といった症状がみられます。
「喘」は、呼吸が促迫して呼吸困難になることを主な症状とする疾患です。
虚実で分類できまして、
実喘は、邪気が肺を襲い、肺気が壅滞(ようたい)し、肺気不宣となって起こる呼吸困難となります。
※壅:ふさぐ、さえぎるの意
虚喘は、正気が虚弱となり、肺気が宣発粛降出来なかったり腎不納気となり、気の昇降が失調して起こる呼吸困難が起きます。
この場合、か弱い呼吸で、喘鳴音も小さいという特徴がみられます。
これら「哮」と「喘」は、併存することが多く、区別が難しいため、哮喘と呼ぶことが多いです。
また、「哮」は「喘」を伴いますが、「喘」に「哮」が伴うとは限らないという特徴があります。
長くなってしまいそうなので、本日はこのへんで!
次回は「咳嗽」の弁証分類について、お話ししていきたいと思います。
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 上下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
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