東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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五輸穴⑤

2020.12.14

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こんばんは。齋藤です。

 

 

 

そろそろクリスマスですね。

 

 

 

街はイルミネーションで彩られ、年末だなぁとしみじみ感じる、今日この頃です。

 

 

 

それでは、前回の続きです。

 

 

 

前回の話はコチラ

 

 

 

「黄帝曰、諸原安合以致六輸。岐伯曰、原独不応五時、以経合之、以応其数、故六六三十六輸。」

 

 

 

陰経の場合は、五臓と五時で応じています。

 

 

 

しかし、陽経の場合は六腑の為、原穴が加わります。

 

 

 

その為、六腑の治療の際は、本経の原穴を使用すべきと書かれています。

 

 

 

「黄帝曰、何謂蔵主冬、時主夏、音主長夏、味主秋、色主春。願聞其故。岐伯曰、病在蔵者、取之井。病変于色者、取之榮。病時間時甚者、取之輸。病変于音者、取之経。経満而血者、取之於合、故命日味主合。是謂五変也。」

 

 

 

現代語訳は以下の通りです。

 

 

 

蔵は冬を主り、時は夏を主り、音は長夏を主り、味は秋を主り、色は春を主るとは、何を言うのか。

 

 

 

病が蔵にある場合は、邪気が深く侵入しているので、治療に際しては井穴を刺すべきです。

 

 

 

疾病の変化が顔の色に現れている場合は、治療に際しては榮穴に刺すべきです。

 

 

 

病状が軽くなったり、重くなったりするものは、治療に際しては輸穴に刺すべきです。

 

 

 

疾病の影響が声の変化に現れるものは、経穴を刺すべきです。

 

 

 

経脈が満ちて瘀血があるもの、病が陽明胃経にあるもの、及び飲食の不摂生による疾病は、治療に際してみな合穴に刺すべきです。

 

 

 

それゆえ、味は合を主るというのです。

 

 

 

以上が、五変の表す異なる特徴と、五輸と相応する鍼治療法であります。

 

 

 

五行の五輸をしっかりと意識して説明されていますね。

 

 

 

歴代の医家である馬蒔先生は「五変以て五輸を主る」に関して、以下の様に説明しています。

 

 

 

五臓は冬を主るので、およそ病が蔵にあれば、必ず五臓の井穴を取るのである。

 

 

 

例えば、肝なら大敦に取り、心なら少衝に取る。

 

 

 

色は春に生ずるので、およそ病が色に在れば、必ず五臓の榮穴に取るのである。

 

 

 

例えば、肝なら行間に取り、心なら少府に取る。

 

 

 

という様な感じで、説明しております。

 

 

 

霊枢「順気一日分為四時篇」では、五変の意味と、五変が病を決定する事、鍼治療の五輸との相関関係を説明していて、その運用に合わせて配穴を決定していることを説明しています。

 

 

 

井穴=心下満だけではなく、こういった色々な考え方を頭に入れて、色々な方面から考えていくことが大事だと思います。

 
 
 
 
 
参考文献 

『現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻』 南京中医学院編 石田秀実監訳 (東洋学術出版)

『意釈黄帝内經霊枢』 小曽戸丈夫+浜田善利共著 (築地出版)

 

 

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