東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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心に鍼を打つ

2012.05.29

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昔、どうにもならない患者さんがいた。

何日も徹夜して、本で調べて調べて、先輩に聞いて聞いて、絶対に間違っていない処置をしているつもり。


確かに、いい変化も出る。


それでも、よくならない。


ある先輩は、

「それはお前の技術の限界だ。」

という。


一理あると思った。


どんな名医にだって、手を引いた方がいい症例、というのは、存在するはずだ。


ましてや自分なんて、である。

またある先輩は、

「まだ他の可能性がある。」

という。


それも、確かにそうだとも考えられる。


ある論をはれば、その裏がある。

またある先輩は、

「患者がこちらの養生指導を守っていないこともある。あまり自分のせいと抱え込むな。」

という。

これも一理ある。


患者さんがこちらに、何もかも正直に話しているとは限らない。


でも、あまり患者さんのせいにはしたくない。


またある先輩は、

「それは、その患者の心に鍼をするしかない!」

という。


当時、これがとても印象的だった。

当時の僕にとっては、まったくの盲点(というよりも、目を逸らしていた)といってもいい部分だった。

「本質」「真理」について、考えるきっかけになった。


今でも時折、頭をよぎる。

 

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患者さんの声(60代女性:変形性腰椎症による腰痛、坐骨神経痛)

2011.08.05

 

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またまた、「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します!!

 


60代 女性 

症状:変形性腰椎症による腰痛、臀部痛、右下肢痛、歩行困難

 

病院で、背骨の軟骨の右側片方が変形していると診断され、それにより腰から右足に痛みがあり家事、歩行が苦痛でした。

整形外科で電気治療を受けていましたが、日に日に痛みが増加してしておりました。

そんな折、古くからの友人の紹介で清明院を知り、竹下先生の治療を受ける事になりました。

夫や娘は、すでに、他の鍼灸院で鍼治療を経験しておりましたが、私は鍼に対する怖さが先に立ち、これまで敬遠しておりました。

初回の、竹下先生の一時間以上に及ぶ問診の間に、先生のお人柄にふれ、安心して治療を受け始める事が出来ました。

現在六回目の治療を終えた所ですが、頭頂部にたった一本の鍼を打つだけの治療ですが、腰、足の痛みがほとんど無くなりました。

私にとっては毎日家事とパートで時間に追われる生活をしておりますので、治療中は、心身共にリラックス出来、治療の一時間は至福の時です。

帰りは、精神面まで治療して戴いたように感じられ、感謝の気持ちで一杯になります。

これからも、何かありましたら先ずは先生にご相談させていただこうと思っております。     

 


【清明院からコメント】



この患者さんは、平成23年の初め位から、特に思い当たるきっかけもなく腰痛を発症し、整形外科では「腰椎(腰の部分の背骨)の変形」と診断され、

湿布、痛み止めなどが処方され、電気治療を継続するも、痛みは一向に改善せず、むしろ徐々に悪化し、清明院に来院される10日ほど前からは、

立ち上がり時に臀部に強い痺れ感を自覚するようになり、普通に歩くこと、立って作業をすることに障害が出てきたので、

古くからのご友人(清明院の患者さんの御家族です。)の強い勧めもあって、これまで敬遠していた鍼灸治療をようやく受診することとなりました。(苦笑)

腰の痛みの原因を、腰の部分の骨の変形と考える、というのは、西洋医学の、整形外科の立場から診た場合のしっかりとした御見解、診断です。

もちろんそれを否定するつもりはまったくありません。

我々は、もちろん西洋医学的な見解も参考にしますが、問診と体表観察(四診合参)によって、「東洋医学的に」痛みの原因を考えます。

この方の場合は、若い時分から、子宮筋腫、卵巣嚢腫等の、婦人科疾患の既往が多いこと、また現在、プライベートな問題で、

肉体的、精神的に極めてハードであること、また、以前から、甘味やカフェイン類の過度の飲食、慢性的で極端な運動不足など、

生活自体に様々な問題があることが分かりました。

そこで「肝胆湿熱(かんたんしつねつ)、右上への気の遍在」と証を立て、治療を開始すると、1回目からビックリするような効果が出て、

4回ほどで日常生活に問題なくなるほどに回復されました。

しかし、こういう、生活習慣、もともとの体質の問題等が複雑に関わり合っている病の場合、それでめでたしめでたし、とはいきません。

予想通り、多少のぶり返しがありましたが、慌てず騒がず、治療と養生指導を続行し、現在では、この患者さん自身が、

東洋医学的な痛みの原因とメカニズムについて理解され、自分から進んで養生なさるようになりました。

「痛みの原因」というものに関して、「腰椎の変形」と言われても、患者さんはどうしたらいいか分かりませんもんね。

仮に「腰椎の変形」があっても、腰に痛みのない人もいます。

この違いは何なのか、それを細かく細かく考えることが、非常に重要と思います。

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患者さまの声(30代女性:10年以上続く肩こり、頭痛、悪心、嘔吐)

2011.07.31

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「患者さんの声」をいただきましたので、紹介します。

30代 女性 

症状:10年以上続く肩こり、5年以上続く頭痛、悪心、嘔吐


辛い肩こりに悩まされ、酷い時には頭痛や嘔吐があり、指圧やオイルマッサージ、骨盤矯正、ジム、マットレスや枕の交換等々、

一般的に効果的とされるものを色々試してみたものの、いずれも根本的、恒久的な改善には繋がりませんでした。

もう、痛みや違和感が大きくなった時に、マッサージに行ってごまかす方法しかないと、半ば諦めていた頃、鍼灸の専門的な勉強をしていた知人から、「清明院」を紹介されました。

・・・前々から西洋医学には疑問があり、出来るだけ薬の服用も控えてきた私は、東洋医学に関心はあったものの、

以前、海外で中国人が経営する鍼灸院で治療を受けた際に、まったく効果が感じられず、合う合わないがあるとはいえ、こんなモノなのか・・・、と落胆した経験がありました。

そのため、今回も半信半疑でした。

しかし、通院を開始してからわずかの間に、嬉しい効果が現れてきました。

私の場合は劇的な改善、というよりは「確かに軽くなった!」から始まり、

気が付いたら頭痛や吐き気はもちろん、肩こりの辛さからも解放されていた、という感じです。

特に、鍼を打たれている10~20分の間の非常に深い睡眠は、自分でも驚くほどで、肩こりだけでなく、日々の色々な疲れまで癒されているような感覚です。

初めの頃は先生から、通院間隔を詰めて通うように指示され、通っていたので、治療費の面での懸念もありましたが、

比較的早い段階で間隔を開けてもいいと言われ、今は無理のない通院感覚で、快調な自分の体を維持できるまでになりました。

仕事における集中力や、休日の活力が高まり、以前よりも充実した時間が過ごせているように思います。

有難いことです。

紹介してくれた知人と、竹下先生に感謝です。

【清明院からコメント】

この方は、当院の患者さんの紹介で来院されました。

この患者さんが高校生の時に発症し、10年以上も続き、最近ではますます悪化してきている肩こり、頭痛、悪心、嘔吐です。

初めは、

「こんなのが、ホントに治るんでしょうか・・・?」

みたいな、半信半疑丸出しのお顔をされていましたので(苦笑)、この場合は短期間で良性の変化を実感してもらえなければ、

なかなか治療が続かないであろうと思い、週2回の通院をお勧めしました。

「肝脾不和(かんぴふわ)」と証を立て、治療を開始したところ、1回目から効果を実感され、5回ほど治療すると、

全身的な体調の明らかな変化を実感され、そのぐらいからは通院間隔を開けて、現在に至っております。

なお先日、この方は海外旅行に行かれたのですが、長時間の飛行機移動で、これまでは必ず肩こりや頭痛が発症していたのが、

今回は大丈夫でしたと、信じられないといったお顔で報告をいただきました。(笑)

また、この患者さんの場合は、上の文章をみても分かるように、非常にまじめな方で、こちらの言うことにちゃんと耳を傾けて下さり、

しっかりと養生指導や、通院間隔を守ってくれたことも、今回、短期間で非常に高い効果を得ることができた原因だと思います。


ハードワーカーではありますが、今後は、定期的に通院しなくても大丈夫な状態を目指して、治療を続行していこうと思っております。

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「熱中症」について(その6)

2011.07.06

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)

「熱中症」について(その3)
「熱中症」について(その4)
「熱中症」について(その5)

 

サーサー、どんどんいきましょう!!


本日も、「熱中症」に関する不安なニュースがやっておりましたね・・・。


なんでも、6月中に病院に運ばれた人の数が去年の3倍なんだとか・・・。

そしてすでに全国で20人以上の人が亡くなっているんだとか・・・。

にもかかわらず、震災以降、今全国で共通の話題は「節電」です。


関東、東北は特にです。

・・・ということは、エアコンを使うことを過度に控えた結果、今年は例年よりもうまく体温調節、水分調節できずに、熱中症で運ばれる人、命を落とす人が増えるのかもしれませんね。


清明院の患者さんでも、吐き気がするとか、足がつったとか、軽~い熱中症と言っていいような症状を起こした患者さんが何人かいらっしゃいました。

そういう患者さんの生活や、その時の状況を聞いてみると、やっぱり体調管理のやり方が何かしら間違っています。

大量発汗していながら、真水のみを一生懸命飲んでいる。

それで、一過性の電解質異常、塩分不足から、足や、その他の場所の筋肉がつってしまった。


暑くて大汗かきながら、ガブガブ水を飲んで、そうめんとか冷たいうどんとか、入りやすい麺類ばっか食いながら睡眠を削って、

クーラーガンガンのオフィス、自宅で仕事仕事・・・。


やがて下痢が出始め、のぼせ感と気持ち悪さとメマイが出てきたとか・・・、パターンは違えども、みんなある種の熱中症です。

病の本体は体に籠らせた「余分な熱」と「気・津液不足」です。


このバランスを考えて治療し、養生指導を行って、患者さんがそれをちゃんと守ってくれれば、バッチリなんですが・・・。(苦笑)

 

 

ともかく、前回の続きですが、熱中症にならないために、クーラーの効いたところでじっとしてたら健康的かというと、さにあらずです。

東洋医学の聖典である『黄帝内経(こうていだいけい)』の中では盛んに、自然にあらがうな、ということを述べています。

あらがうのではなく、合わせる、そういう過ごし方を説いています。

夏は花がキレイに満開になるように、気分を開放して、外に向かって発散させてOK!寝る時間も、他の季節に比べて相対的に少なくてもOKだぜ!

と述べています。ここは、夏は大いに遊べや、騒げや、ともとれます。また、

頭イイ人はちゃんと養生するから未然に病を防げるけどさー、愚か者はかえってこれに背くんだよねー。だから病気になってから慌てる破目になんのよ。

ノドが乾いてから井戸を掘るの?戦争が起こってから武器を作るの?そんなんじゃ、遅くねぇ??

と、不養生の人や、間違った養生をする人を痛烈に皮肉っています。

『素問:四気調神大論(2)』から抜粋意訳 by竹下)


このように、季節の特性に合わせながら、過度にならないように気を付ける、これが「普通」なのです。


現代人の生活、とりわけ都会人が、いかにこの「基本」から離れ過ぎているか、まずそれを頭で理解するだけで、全然違うのです。

 

「熱中症」について、ここまででひとまず終わり。

 


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東京衛生学園「治療体験実習」その後

2011.06.17

この4月から、大森にあります、東京衛生学園の学生さんが、「治療体験実習」ということで、続々と清明院にお見えになっております。

去年は1年で5人しか見えなかったんだけど(苦笑)、今年度は現時点ですでに8人!

予約も入れると10人は確実に超えそうです。(感謝)

いや~、今年の衛生学園、イイね!イイ!!

(笑・・・去年がダメだったという訳ではないですよ!去年見えた学生さん達も大変礼儀正しい、真面目な学生さんでした。)

東京衛生学園HP 

この企画は、以前にもこのブログにて紹介しましたが、今年度で2年目です。

2011年度 鍼灸学校との関わり 参照

去年、2010年度は、初めてということもあってか、そんなにたくさんは見えなかったんですが、今年度は、しょっぱなから何故か伸びが違います。

大変、ありがたいことです。(感謝合掌)

気を引き締めてやらせていただきたいと思います。

・・・まあ、去年と同じく、期限は12月までらしいので、今年は何人来るか、どんな出会いがあるか、楽しみであります。

たとえ鍼灸学生さんであっても、治療費を学校から出してもらっているにしても(笑)、治療に関して、清明院は一切妥協しません。

一般の患者さん達と同じように、いつも通り問診し、体表観察し、鍼をし、養生指導をするのみです。

そこで学生さんが何を感じ、今後にどう活かすか、それは人それぞれだろうし、分かりませんが、清明院としてはまったくの「不動心」にて、

ことにあたるのみであります。

こうやって、学校教育の一環として、臨床家が「臨床で」直接学生と関わらせていただく、ということは非常に大事だと思います。

カリキュラムの一環として、そういう機会を設けている衛生学園の先生方には、本当に頭が下がります。

他校の学生でも、意識の高い学生は、自分の健康ため、また、勉強も兼ねて、自腹を切って治療に通っている人も少なくありません。

しかし、学生の中には、経済的、時間的問題で、治療に来たくても来れない人も多いことと思います。

そういう学生さんにとって、この企画は大変ありがたいのではないでしょうか。

今後の「一期一会」に、期待しております。


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「花粉症」について(その3)

2011.02.06

以前(去年)、花粉症について、2回ほど書きました。

「花粉症」について
「花粉症」について(その2) 参照


最近も、ぼつぼつ患者さんに聞かれることが増えてきました。

「・・・先生、花粉症って鍼で何とかなりますか??」

僕は、

「うん、楽になるよ~。」

とお答えするようにしています。

 


おそらく患者さんとしては、はっきりと、

「治るよ!!」

と言って欲しいんじゃないかと思いますが、残念ながらこの言葉を簡単に言う訳にはいきません。

 


東洋医学は、別に西洋医学の病名に基づいて治療を考える訳ではありませんので、「花粉症」だから、イコール確実に治る、とは厳密には言い切れません。

 


西洋医学のアレルギーテストで、その患者さんに結果的に「花粉症」という名札が付いていたとしても、症状の出方も程度も千差万別、一概にそれを東洋医学的に語ることは出来ません。

 


当然、その患者さんのもともとの体質、今現在の生活習慣、置かれている環境によって、効果の善し悪し、治療のしやすさ、しにくさが出てくる場合があります。

 


また、患者さん自身が、こちらのすすめる養生指導をキチッと守っていただけるかによっても、全て変わってきます。

 


・・・ということで、僕はあんまり無責任にハッタリをかますのが好きではないので、上記のような答え方になる訳です。

 

(まあ昔はやっていましたけど、良いことないです。)

 

まあ経験上、花粉症の辛い症状(くしゃみ、鼻水、涙、目の痒み、ノドの痒みや違和感etc..)を、

”楽にしてあげる”

ことに関しては、自信アリです。

 


そして場合によっては、完全に治ってしまう(アレルギーテストが陰性になるという意味ではなく、要は上記のような辛い症状が、花粉の飛散量が高いにもかかわらず出なくなる)ことも当然あります。

 

 

身体の側のバランスを調えた結果、花粉に過剰反応しなくなる、という訳ですね。

 


僕自身がそうだったように。

 

 


僕の場合は数年前、ヒドイ花粉症でしたが、鍼のみで治療し、まったく症状が出なくなりました。

 

・・・また、花粉症などのアレルギー疾患に、鍼がどうして有効なのかということを、(一社)北辰会代表理事、藤本蓮風先生が、一般人にも分かりやすく解説した本で、

 

『アレルギーは鍼で治す』という本があります。

 


180ページほどの薄い本で、専門用語を避けて、一般人向けに書かれた本ですので、大変読みやすいと思います。

 


↓こちらはおススメです!!

アレルギーは鍼で治す!

 

アレルギーは鍼で治す! 

 

 

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「養生」の大事

2010.12.07

最近、随分と寒くなってきました。

・・・というよりも昼と夜の寒暖差、湿度の差が激しいですねえ。

以前も、養生や、急激な気候変動について書きました。

「養生」と「鍼灸」
急激な温度差と湿度差 参照


まあ、いずれにせよ本格的な真冬はもうすぐそこです。

こういう時の過ごし方を誤ると、普段から精神的、肉体的に疲れている人は特に、大概カゼをひきます。

そして、そこにさらに誤った養生法を重ねることによって、さらにこじれていきます。

早い段階で正しい治療と正しい養生をしてしまえば、カゼなんてものはどうってことありません!

コワいコワいと思って、カゼの人を避けてたってこの時期避けきれませんし、始まりませんから(笑)、

まずは正確な自分の体質を知って、正しい養生法はどんなものかを知るところからスタートするべきでしょう。

西洋医学では、インフルエンザや、肺炎が恐いということもあって、ワクチン接種や、ひいてしまったら解熱剤、抗生剤なんかを使って対応しています。

東洋医学では当然ながら、昔から今日に至るまで、鍼灸と漢方で対応します。


でも双方とも、その前に、まずは「養生」が大事です。

いざひいてしまって、治療しなければならない状況になったとしても、まずは「正しい養生」ありきです。

手洗いうがいはもちろんのこと、普段からのぼせ易い人は足腰をしっかりと防寒しておく必要があるし、

暴飲暴食から胃腸を弱らせている人は飲食を減らし気味にし、胃腸に負担をかけないことがポイントになるでしょう。

また、ハードワーカーで睡眠不足、過労気味の人はしっかりとした睡眠時間の確保、

運動不足で体がなまっていたり、精神的ストレスでイライラしている人は散歩等の軽い運動や、

そういう時間が取れないのであれば、せめて少しぬるめのお湯にゆっくりつかって少し汗を出してあげてから布団に入るとか、

必ずその人の弱点をうまくフォローできるような養生法が効果的です。

よく巷で目にする、

「〇〇さえ食べていればカゼ知らず!」

とかそういう、

”これさえやってればオールオーケー”方式は絶対に間違いです。


これだけ個体差があって、なおかつその個体が置かれている環境も千差万別な訳で、特定の何かをしとけばオールオーケーなんて、どう考えてもありえません。

 

(特定の感染症に対するワクチンなんかの場合は除く)

そうではなく、

「自分自身の正しい体質と、それを取り巻く今現在の環境、状況」

に対する正確な理解と、

「それに合わせた的確な養生法」

があってこそ、病を未然に防げる、あるいはかかってしまったとしても最小限に食い止めることが可能になるのではないしょうか。


患者さんの話を聞いていると、間違った養生法をしていることが非常に多く見受けられます。

上記に書いたような養生法はあくまでも一例であり、その患者さんに合わせた、もっともっと細かい養生指導も、やろうと思えば可能であります。

きちんとした養生、それをするためのきちんとした自分の体質把握、これが健康の第一歩じゃないかな、と思います。

そのために清明院では、初診時の詳細な問診を大事にしているのです。

治らん治らんと、自分の生活の見直しを棚に上げて、あれ飲んでみたりこれ食べてみたり、ウロウロしてても、思うように治らんのは当たり前です。

東洋医学も西洋医学も確かに優れた医学であり、あらゆる病に効果的ではありますが、

 

その効果を最大限生かすためにも、

 

「その人に合った正しい養生の実践」

 

というのは一大事なのであります。

 


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「怒りかたの大事」

2010.08.17

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お盆中、奈良の藤本漢祥院に見学にいった時、一人、蓮風先生にガツンと怒られている患者さんを見ました。


なんでそうなったのかは長くなるのであえて書きませんが、僕もその現場を横で見ていて、

「あー、そりゃ無理もないわ。」

と、思っていました。


でももちろん、蓮風先生は怒りっぱなしにはしていません。その後キチッとしたフォローをしておられました。


・・・僕も、正直、ごくたま~にですが、患者さんに怒ることがあります。


毎日何人も患者さんを診ていると、中には、自分のしていることをまったく棚に挙げて、治らない、あるいは治りが悪い、と、こちらの責任を責めてくる患者さんがいます。

(・・・医者と神様は違いますからねえ。。。)


また、こちらが養生指導であらかじめ禁止しておいたことを平然とやってのけ、それによる悪化や不安をこちらにぶつけてくる患者さんもいます。

(・・・コレは単純に失礼です。)


あるいは、こないだ声高に述べていた症状のことはどこかへ消えてしまい、何しろ自分の悪いところを探し出しては、それを大げさに訴える患者さん・・・。


・・・悪い部分を探して「ネガティブ」になるのは得意なのに、よくなったことを感謝して「ポジティブ」になるのは苦手みたい・・・。

(まあ、だからこそ”患者さん”なのかもしれないが・・・。)


こういう患者さんでも、僕は粘り強く指導します。

 

同じことを何度も何度も言うこともあります。


でも、それでもどうしても伝わらなかった時に・・・。

 

(苦笑・・・でも、僕もちゃんとフォローはします。)


もちろん、臨床家はみんな、本当はそんなこと(怒る)はしたくないです。


こちらの言うことをよく守って下さり、信じてついてきて下さる患者さんに対しては、怒りなんて感情、まったくありません。


医療者―患者間が、信頼関係で出来た「いい関係」の方が、病気もよく治る、なんていうのは、もう「当たり前」の話です。


だからこそ、こちらがお勧めする養生指導、注意事項に関しては、是非とも、よく聞いて、よく守っていただきたいものです。


・・・ところで、患者さんに限らず、例えば上司-部下でも、親子でも、人間の関係性において、あんまり怒ってばっかりいると、相手が「委縮」してしまうことがあります。

この状態、関係性があまり長く続くと、怒られている相手は当然、去っていきますよね。

 


これはこれで、「当り前」です。

 

・・だってつまんないからです。


しかし中には、面白いことに、怒ってばっかりいるのに、いい関係性が成立しているケースもありませんか?


僕は患者さんの御夫婦なんかを見ていて、そう思うことがあります。


かたや怒ってばっかりの御主人や奥さん、しかし、なぜか仲良さそうです。


これは、「怒り方」、あるいは「怒る前の2人の関係性」に秘密があるような気がします。


(ここまで書いたら急用が入ってしまったので、次回に続く)

 

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信じる者は救われる!?

2010.04.08

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こないだ、とある患者さんから、

「先生、鍼も結局、宗教じゃないけど、”信じる者は救われる”みたいなことって、あるの?」

と聞かれました。

 

 

この質問は、実は以前にも他の患者さんから聞かれたことがあります。

 

・・・これは、誤解を恐れずに言うと、

「一面、そういうことはあります。でも東洋医学と宗教とは違います。」

と答えることがあります。

 

 

まあ、患者さんのタイプと、時と場合によっては、

「ご心配なく。信じようが信じまいが鍼は効きます!」

と答えることもありますがね・・。

 

 

まず、患者さんには大きく分けて2つのパターンの方がおられると思います。

1.治療を受けて、良くなった部分を一生懸命探す人

2.治療を受けても変わらない、あるいは悪くなった部分を一生懸命探す人

この2つです。

 

 

1.は自身の健康や鍼灸治療に対してポジティブな考え方(態度)、2.はどちらかというとネガティブですよね。

 

患者さんはみんな最初は、ただ単に治りたくて、治療にやってきます。

 

 

その時点で「自分の病気をプロの治療家に治して欲しい人」のみに絞り込まれています。

 

(ひどくネガティブになると、辛い症状を感じていても、「どうせ治る訳ない」と最初からあきらめて、治療にすら行かない、という人もいます。)

 

(あるいは極度の病院嫌いとかね。)

 

そいでさらにその中に、上記の2つのパターンがある訳です。

 

(この分類に中間はないと思います。患者さんというのは必ず、上記のどちらかに偏っているようにみえます。)

 

1.のパターンの患者さんというのは、時間がかかる場合もありますが、必ずと言っていいほど、いい方向に向かうことが多いように思います。

 

2.のパターンの患者さんというのは、言いたいことは言うけど、なかなか養生指導なんかに協力してくれないケースも多く、この場合、

 

治療が続かなかったり、うまく治っていかないケースもあります。

 

なぜならば、「病気」と「ネガティブ」は大の仲良しなんです。

 

 

不良仲間みたいなもんで、バラバラならそうでもないけど、すぐ一緒になって悪いことします。

 

 

反対に「病気」というのは「ポジティブ」が大の苦手です。

 

コレはある意味、当然のことです。

 

 

病気のことや体のことなんて、自分では良く分からないし、寝ても休んでも、何しても症状が取れてなかったら、誰だって普通は動揺します。

 

 

ネガティブになるのも無理はない。

 

僕ら治療者というのは、そういう人をどうにかフォローするために存在するのです。

 

そして、そういう人に、

「そんなことないよ、人間には治ろうとする力がちゃんとあるんだよ。」

ということを、治療を通じて気付いていただく、希望を持っていただく、ネガからポジに変化していただく、そして、自分自身の「治る力」をフル活用して、

 

結果として治癒に導く、それが我々の仕事な訳です。

 

ですから冒頭の2.のパターンの人というのは、ネガティブな考え方に陥りやすく、しかもそこからなかなか出られないために、結果、治療者のことも信じられない、

 

なので余計に治らない、という悪循環から脱出しにくい面があります。

 

1.のパターンの患者さんは、体のほんの少しの良性の変化から「希望」を感じ、治療者を信じ、自身の「治る力」を信じ、ネガティブ思考から脱出し、

 

徐々に良くなり、ついには健康を手にされることが多いように感じます。

 

つまりは、術者や、自分自身の「治る力」をどれだけ信じられるか、信じているかが、治療効果そのものを大きく左右する面がある、ということです。

そういう意味では「信じる者は救われる」面が確かにありますが、我々がやっているのは「宗教」ではなく「東洋医学」だ、ということです。(笑)

 

・・・では、東洋医学と宗教の違いは何か、という疑問がわきますが、コレについては以前少しだけ書きましたので、ご参考までにどうぞ。

鍼灸(師)批判について(その3)

 

 

 

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勉強会行ってきました!

2010.03.23

臨時休診をいただき、患者様各位にはご迷惑おかけしましたm(__)m

 

今日からは再び朝からガンガン臨床再開しております!

今回は、3月21日(日)、3月22日(月)と、二日間にわたって、(社)北辰会 役員講師研修会に行ってきました。

今回のテーマは「実技(基本事項の徹底確認~実際の治療まで)」でした。

清明院では、診察~治療~予後の推定~養生指導まで、純粋な東洋医学の考え方にのっとった治療法である、「北辰会方式」を採用しています。

これは、「診察」の部分も、「治療」の部分も、東洋医学の基本的な考え方に基づいた、言わばすべて「実技」であり、当然、「技術」を必要とします。

(正直、簡単には真似できません。プロの仕事なんだから当たり前ですけどね。)

東洋医学は、西洋医学と違い、世界共通で血液検査で〇〇の数値が高い=〇〇病=治療は〇〇、予後は〇〇、という考え方はしません。

診察も治療も、結局のところ術者の「技術力」がモノを言います。

 

だから名医と凡医の差が出ることも当然あります。

(西洋医学でも当然技術の問題はありますが、東洋医学の方が「より」技術が要求される面があると思います。)

要は患者さんの話を聞き(問診)、体に触れて(切診)、体臭や声色なども意識し(聞診)、舌や顔色などを見て(望診)、どこまで患者さんの病の状況を読み取ることが出来るかどうか。

その情報をもとに治癒までの最短距離を考え、実際にそれを表現できるか(刺鍼・施灸・漢方処方)、という治療の流れのすべてに、

 

術者自身の感性、思考力、感覚、発想力などが常に要求されます。

(当然、基礎理論は踏まえた上での話、ですよ。)

ですから、東洋医学は終わりなき、果てしなき「技術力追求」の世界なんです。

 

僕はそれが面白くてしょうがないんです。(笑)

僕の班の担当は藤本彰宣(あきのり)本部育成部長でした。

 

きわめて分かりやすい説明と、随所にサスガの超絶テクニック、見せていただきました。

以前から、彰宣先生は僕がお付き合いさせて頂いている諸先輩方の中でもかなり頼りになる、尊敬できる先輩の一人であります。

勉強会終了後の懇親会では、(社)北辰会代表理事である藤本蓮風先生と対面(トイメン)に座らせていただき、これまた貴重な話を色々と伺うことが出来ました。

が、しかし2次会で…。

 

(ここはコメントしないでおきましょう。そっと胸にしまっておきます。(苦笑))

そして3次会、4次会、そして翌日と、まあとにかく、色々と貴重な知識、技術を教わり、またパワーアップしてきました!

今日の臨床で、再び自分の変化(成長)を実感しております。

 

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