東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 陰陽

「禁」の意味

2016.06.16

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今日は久々に、我々鍼灸師の専売特許と言ってもいい、「経穴」について書こうかと思います。

 

 

我々の治療というのは、

 

「鍼灸で経穴の気を集めたり散らしたりして動かして、結果的に人体の陰陽のバランスを調整し、”治る力”を最大化する目的で」

 

行われるものであり、最終的には、経穴に対して鍼灸で補瀉をするのみであります。

 

補瀉 目次 参照

 

 

・・・ところで、その経穴の中には、「禁鍼穴」と言われるものや、「禁灸穴」と言われるものがあります。

 

 

この意味ですが、

 

”鍼や灸をしてはいけない経穴”

 

という風に考えられていることがほとんどです。

 

(そう、学校では教わります。)

 

 

でも、実際には、「禁鍼穴」に鍼をして効果があることはあります。

 

 

「禁灸穴」もしかりです。

 

 

となると、本当に、「禁鍼穴」「禁灸穴」”禁”はホントに”禁止””禁”なんでしょうか?

 

 

あるいは、古典の記載はデタラメだ、ということでしょうか。

 

 

 

前置きが長くなったので、次回に続く。

 

 

 

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5月(一社)北辰会スタンダードコース東京会場

2016.05.23

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 5.22の日曜日は、御茶ノ水女子大学で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに行ってきました!!

 

 

今回は午前中は実技訓練

 

「腹診」 

 

です。

 

 

私は上級班の指導を一班担当させていただきましたが、中級者、上級者になったら、その術者によって着眼点が違います。

 

 

中級から上級者になれば、基本理論はもちろん共有していますが、その先生によって、腹部におけるどういった反応に着眼するかが違います。

 

 

よって、同じ流派の治療方式であっても、その先生によって診方考え方が異なり、治療が異なり、結果も異なる訳です。

 

 

その結果を、自分なりの最高のものにするために、勉強会に来て実技研鑽するのです。

 

 

よく、

 

「その流派の上の方の先生の言うことがみんな違うから、鍼灸の流派、方法論はインチキだ。」

 

という”浅い認識に基づく”批判がありますが、それは違います。

 

 

各先生によって、その症例を前にした時の着眼点が違うのです。

 

 

ただ、流派が同じということは、どこに着眼するかを考えていく土台となる、用語と理論の部分を共有しているわけです。

 

 

だから共通の理論と用語でディスカッションすることが出来る。

 

 

互いの学術を高めていくことが出来る。

 

 

要は臨床家というのは、それぞれ、その先生の得意な方法で治している、ということです。

 

 

だから、言うことが違ってきて当然な訳です。

 

 

午後は尾崎支部長による講義

 

「臓腑経絡学概論 陰陽論 気の思想」

 

難しい内容を、シンプルに分かりやすく説明しておられました。

 

 

最後は佐藤達也先生による講義

 

「臓腑経絡学 肺・大腸」

 

なぜか、ピンマイクの充電が講義中に二回も切れました。

 

 

 

 

そして終わった後はお酒。

 

 

今回の飲み会は珍しいメンツが集まって、かなり盛り上がりました。(笑)

 

 

 

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最近観た映画

2016.05.15

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最近も、ヒマさえありゃあ映画観てます。(笑)

 

 

最近観た映画で印象に残っているのは、

 

 

◆『シビルウォー キャプテンアメリカ』

 

 

このシリーズって、どんな組み合わせでもイケるじゃん。(苦笑)

 

 

スパイダーマンまで出てきちゃったよ。。。(@_@)

 

 

・・・という映画。

 

 

でも、あのカオス感、分かりやすさが好きですね。

 

 

◆『テラフォーマーズ』

 

 

まあこの映画、色んなサイトでのレビューでは歴史的酷評で、怖いもの見たさでみ見に行ったんですが(苦笑)、言うほど酷くなかったよ、というのが僕の感想。

 

 

ゴキちゃんに対する生理的嫌悪感。

 

 

人間があそこまで毛嫌いするということは、向こうさんも人間に対して生理的嫌悪感を持ってるかもしれませんね。。。(苦笑)

 

 

ある意味、陰陽論です。

 

 

そう考えると余計怖い。

 

 

◆『レヴェナント 蘇りし者』

 

 

僕はタイタニックとかロミジュリ以降からの、浅いディカプリオファンです。

 

 

スゴイ役者さんになってきましたねー。

 

 

おじいさんになったディカプリオも見てみたいと思いました。

 

 

個人的にはクマのシーンの緊張感最高です。

 

 

◆『ちはやふる 上の句 下の句』

 

 

この映画、ナメてました。

 

 

広瀬すずの圧倒的美少女感。(笑)

 

 

 映像と、役者さんの演技、パヒュームの曲、画面全体から漂う圧倒的清涼感。

 

 

青春て素晴らしい。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

◆『暗殺教室』

 

 

まあこれはー、僕的にはあんまりでした。。。(苦笑)

 

 

ころせんせーが、清明院スタッフの二神君に似てるなあ、と思ったぐらいです。

 

 

 

 

・・・でもまあ、映画最高。

 

 

 

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「邪気」と「邪鬼」

2016.04.30

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 先日、「補瀉」について書きました。

 

補瀉 目次 参照

 

 

補法は正気を集めること、瀉法は邪気を散らすこと。

 

 

「虚証」に対して補法、「実証」に対して瀉法。

 

 

「虚証」とは、”正気の弱り”を中心とした病、「実証」とは、”邪気(病因)の攻勢”を中心とした病、でした。

 

カテゴリ 八綱弁証(診断) 参照

 

 

そして、「補瀉」の目的は、畢竟するに、気の流れを良くして、正気が持つ「治る力」を最大化することでした。

 

 

東洋医学の解剖生理学と言ってもいい、「臓腑経絡学」『黄帝内経』によってキチッと定義される前、医療の中心は巫祝(ふしゅく:まじない)であったと言われております。

 

 

病というのは、患者さんに悪い「オニ」が憑りついて起こるもの、と考えられていました。

 

 

「オニ」、「鬼」と書いて「キ」と読みます。

 

 

「気」「鬼」。

 

 

似て非なるものなわけです。

 

 

要は、この曖昧で神秘的な「鬼」の考え方を、「陰陽論」でもって、「気」ととらえ、論理的に整理し直したのが東洋医学、と見ることも出来ます。

 

(あまりにもザックリ言い過ぎか。(苦笑))

 

 

・・・まあ、どんどん行きましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 37

2016.04.04

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これまでのお話・・・

 

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉    参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『杉山流三部書』における補瀉 

 

 

先日、『杉山真伝流』における補瀉手技について簡単に紹介ましたが、せっかく杉山流に触れたので、杉山流を理解する上でもう一つ重要な、

 

『杉山流三部書』(1682年頃)における補瀉に関する記載にも触れておこうと思います。

 

 

『杉山流三部書』というのは、『療治の大概集』『選鍼三要集』『医学節用集』の三書を指し、1682年頃から出版されたと言われています。

 

 

その中の『療治の大概集』の一番最初に、”補瀉の方法”という、そのまんまのタイトルの項があります。(笑)

 

 

そこには、これまでにも述べてきたような、呼吸の補瀉と、開闔の補瀉が簡単に説かれています。

 

 

また、『選鍼三要集』の中には、”補瀉迎隨を論ずる”という項と、”虚実を論ずる”という項があり、ここでは、『黄帝内経』、『難経』の説を引きつつ、

 

これまでにも書いてきたような、捻鍼の補瀉、開闔の補瀉、徐疾の補瀉、呼吸の補瀉、左右の補瀉を紹介しつつ、一つの結論として、

 

”補瀉は迎隨を持って主とするべきである”

 

と述べ、これを極めて、意識的に経脈の流れを調整することが出来れば、鍼の道は完成する、とまで述べています。

 

 

さらに、

 

”陰陽のバランスを調えることが治療の目的であり、これが補瀉の意味なのである”

 

と述べます。

 

 

そこで、陰陽ともに弱った患者に、無理に気血を動かそうとするから、かえって元気を傷って、失敗するんだよ、と述べています。

 

 

さらに、

 

”医道は虚実に尽きる”

 

と述べています。

 

 

先日、藤本漢祥院に研修に行った時に、とある先生とチラッとこの「迎随の補瀉」の話になったんですが、僕としても、

 

補瀉の究極はこれなんじゃないかと、今のところ思います。

 

 

それは、単純に経絡の流注の向きに鍼を添わせる、というような形式的なことを言っているのではなく、患者さんの自然な気の動きを邪魔しない様に、

 

正気に随い、邪気を迎えるように、鍼を打つ、結果的に経脈の流れを正常化する、ということなんだろうと思います。

 

(実際にそのようにやってみようと思うと、いかに難しい世界か分かります。)

 

 

これって、鍼でも手技療法でも、共通だと思います。

 

 

どんなにたくさんの本を読んで、理論武装をしたとしても、結局のところ、これがうまい人は治療がうまく、これが下手な人は、治療が下手なんだと思います。

 

 

残酷なことに。(笑)

 

 

杉山流は他にも重要なことをたくさん教えてくれますので、今後もチョイチョイ触れようと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 33

2016.03.25

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容          参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

いよいよ日本における補瀉の変遷、いきましょう!

 

 

◆『針道秘訣集』における補瀉

 

 

曲直瀬道三(1507-1594)の少し後の時代、御薗意斎(1557-1616)の門人である奥田意伯(17世紀)という人物が、『針道秘訣集』(1685)という本を出版しました。

 

 

これは我々北辰会とも、非常に関係の深い本です。

 

 

我々が主に使い、今では全国的に他の流派の先生方も多く使うようになった”夢分流打針術”のことが書かれた本です。

 

 

弱冠30代前半の時に蓮風先生が書いた、この『針道秘訣集』の解説書である『弁釈針道秘訣集』は、その後の鍼灸界に非常に大きな影響を与えた、

 

不朽の名著と言っていいでしょう。

 

 

現代日本で、腹部打鍼術を行う鍼灸臨床家で、これを読んでいない人はいないでしょう。

 

 

 

この本に、「補瀉の大事」という項があります。

 

 

ここには、

 

「『素問』『難経』『針灸聚英』等の本に、補瀉迎随の事が色々書かれてるけど、うちの流派では”補は瀉なり、瀉は補なり”と考えてるんですよ~~。」

 

と、書いてあります。

 

 

この本を書いたのは奥田意伯ですが、彼は、この本は夢分流の創始者である夢分斎の伝書として、発刊しています。

 

 

夢分斎という人は、京都の大徳寺の禅僧で、僧医です。

 

 

ですのでここの文章は、サスガ禅僧、って感じの言い方ですね。(笑)

 

 

これについて、蓮風先生は、最近でも2010.7.24のブログで、

 

「・・・腹部体表の状況を手掌で感知し邪気と正気をかみ分け、刻々と変化する腹壁に対応して鍼を施すのだ。

 

真に感性そのものの対応だ。これも「補瀉」の一つのありようなのである。」

 

と、述べておられます。

 

第43回 鍼の「補瀉」法にみる中国と日本 ―試みの論― 参照

 

 

まあ要は、正気と邪気を噛み分けて、自在に鍼を施し、結果的に臓腑経絡の虚実を調えて、全身の陰陽のバランスを整えて、生体の”治る力”を最大化する、

 

これが達成できれば、必ずしも形式的な手技にこだわる必要はなく、感性そのもので対応してもOK、ということです。

 

 

ただここで、個人的に危険だと思うのは、こういう考え方を盾に、全く意味不明な、破綻した論理に基づいて治療したり、

 

”意念”だの”愛”だの、そればかり主張して、全然医学理論を勉強しない輩が現れる可能性があることです。

 

 

夢分斎が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

蓮風先生が、どれほどの勉強の上にこれを主張しているか。

 

 

まずそれをきちんと踏まえるべきだと、僕は思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 31

2016.03.21

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これまでのお話・・・

 

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉    参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

ここまで、実に長々と、 鍼灸医学の超重要ポイントである「補瀉」について、2500年前の『黄帝内経』から、中国での歴史的変遷を語ってきました。

 

 

気が付けば、過去のシリーズで最大の長さになっていますが、まあいいです。

 

 

この後、今度は日本における「補瀉」、現時点での僕的な「補瀉」についても書いていきます。

 

(笑・・・ですのでまだまだ、終わりが見えてません。。。)

 

 

患者さんには、このシリーズ、意味不明、難しいとよく言われるのですが、気分的に、書きたいんだから、仕方ないです。。。<m(__)m>

 

 

さて、明代清代を経て、いよいよ今日は現代です。

 

 

「中医学における補瀉」はどういうことになっているのでしょうか。

 

 

◆現代中医学における補瀉

 

 

・・・まあこれは、一口に言って、先生によって諸説紛々、というのが、一番的を得た言い方のようです。(爆)

 

 

2500年前、『黄帝内経』で定義され、『難経』でさらに具体的に示され、元代の『針経指南』あたりから複雑な手技が登場し、

 

明の時代に至って『鍼灸大成』で集大成されたものの、同時代の『鍼灸聚英』などの一部の本から、やや複雑化し過ぎて形式的、

 

観念的に偏り過ぎたともとれる補瀉法には批判もありつつ、清の時代ではさほど目新しい動きはなく、諸説紛々のまま、

 

鍼灸臨床をやっている各人の解釈で、現代に至っているようです。

 

(因みに清代には、アヘン戦争という一大事があったので、なかなか新しい動きが生まれにくかったんでしょう。。。)

 

 

中国に実在する名医の先生方の、鮮やかな手技は、一定の参考にするべきだと思います。

 

 

・・・補瀉法には、実に無数の手技があり、これについては、一つ一つ取り上げて紹介するよりも、東洋学術出版社から出ている、

 

『針灸手技学』という本が非常に参考になります。

 

 

興味のある方は、そちらを見ていただければ、と思います。

 

 

まあ何しろ、

 

「正気を集めるのが補法、邪気を散らすのが瀉法」

 

その目的は、

 

「人体の陰陽の調和を図り、気血の流れを正常化すること」

 

これが補瀉の原則です。

 

 

で、それを”手法”に落とし込もうとすると、無数のパターンが想定できる、ということです。

 

 

 

続く

 

 

 

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補瀉 28

2016.03.14

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これまでのお話・・・

 

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2      参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

◆明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

 

 

さて本日も、『鍼灸大成』の記載について書いておきましょう。

 

 

ここに、「平補平瀉」という鍼の手法と、「大補大瀉」という鍼の手法が出てきます。

 

 

「平補平瀉」という言葉は、明代の陳会『神応経』(1425序刊、1645重刊)という書物に初めて出てくる言葉らしいのですが、『鍼灸大成』にも記載されております。

 

 

これは、まず浅く打って、後に深く打つのを補法とし、まず深く打って次に浅くするのを瀉法とする方法で、要は鍼を上下させて気を動かし、

 

内外の気が調ったらやめましょう、という方法ですよ、ということになっています。

 

 

「大補大瀉」は、平補平瀉をやる場合よりも陰陽の差が大きいので、浅い位置でキッチリと補法、深い位置でキッチリと瀉法をして、

 

内外上下の気を通じさせましょう、と説きます。

 

 

これは上下させるだけではなく、浅い位置での補法、深い位置での瀉法を、捻鍼等の方法を使ってキッチリやりましょう、ということでしょう。

 

 

ここでさらに、その場合の、鍼の深さや置鍼時間がどうやって決まるかと言えば、それは病体によって違うから、

 

いちいち教条的に覚えるものではない、と説きます。

 

(ここイーネ!!)

 

 

つまり、補瀉 23 で述べたように、孫思邈(581?-682)『千金翼方』の言うような、

 

「補は強刺激、瀉は弱刺激」

 

という風に杓子定規に決めるものではなく、補法にも瀉法にも、強弱あり、で、目的はあくまでも気血の調和だ、ということなんです。

 

(ここ大賛成です。)

 

 

つまり『鍼灸大成』では、それまでの医家が述べた鍼の補瀉手技について、一つ一つキッチリとまとめつつ、いい意味での、

 

臨床現場における 臨機応変性、主観性についても認めてくれているんです。

 

 

 

続く

 

 

 

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2015年度、後期授業終了!!

2016.03.10

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3.9の水曜日で、東洋鍼灸専門学校、2015年度の後期授業が終了しました!!

 

 

・・・いやー、長かったー!!(@_@)

今回は「体表観察学」を昼夜3クラスに、「臓腑経絡学」を昼1クラスに、各クラス約20コマずつ、合計80コマの講義を終了しました!!

この、1日4コマ講義の話を受けたとき、どんなことが起こるか、楽しみとか言っていましたが、結果的には、「僕が」けっこう疲れました。

 

(苦笑・・・すなわち、まさかの”僕が疲れる”という結果が得られました。。。)

 

 

まあでも、ここに、カリキュラム内容を公開し、記念碑にしようと思います。

 

 

【昼専科、夜本科専科】

1.ガイダンス~北辰会方式概論
2.中医学概論 実技デモ
3.28脈状診 実技
4.胃の気の脈診 実技

5.舌診 実技
6.腹診 実技
7.背候診 実技
8.原穴診・八脈交会八穴診 実技
9.顔面気色診・眼診 実技

10.臓腑経絡学概論 実技
11.弁証問診①総論 実技
12
.弁証問診②各論 実技
13.弁証問診③女性カルテ 実技
14.弁証問診④男性カルテ 実技
15.刺鍼術・施灸術 実技
16
.難病症例解説 実技
17
.公開臨床①(問診)
18.公開臨床②(体表観察~治療~養生指導)

19.空間診 実技

20.爪甲診・井穴診 実技

 


【昼本科】

 

1.ガイダンス 実技

2.臓腑経絡学総論 実技

3.臓腑経絡学 肺 実技

4.臓腑経絡学 大腸 実技

5.臓腑経絡学 胃 実技

6.臓腑経絡学 脾 実技

7.臓腑経絡学 心 実技

8.臓腑経絡学 小腸 実技

9.臓腑経絡学 膀胱 実技

10.臓腑経絡学 腎 実技

11.臓腑経絡学 心包 実技

12.臓腑経絡学 三焦 実技

13.臓腑経絡学 胆 実技

14.臓腑経絡学 肝 実技

15.奇恒之腑 実技

16.奇経八脈① 実技

17.奇経八脈② 実技

18.気と陰陽論基礎 実技

19.神主学説基礎 実技

 

(昼本科については前期に体表観察学の一通りの講義が終わっているため、座学講義の後半は実技で体表観察の練習をしました。)

 

 

・・・専門家の皆さん、なかなかのラインナップでしょ??(笑)

上記講義、どのコマも、一切の手抜きナシです。

やるからにはマジです。

でもちょっと疲れたので(苦笑)、2016年度はコマ数を半分に減らして、臨んでみようと思います。

 

 

やっぱ僕の居場所は、患者前だ。

 

 

それをよく理解する上で、大変大きな半年でした。

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補瀉 8

2016.02.14

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これまでのお話・・・

 

補瀉 1

補瀉 2

補瀉 3

補瀉 4

補瀉 5

補瀉 6

補瀉 7 参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

◆『黄帝内経素問』刺志論(53)における補法

 

 

ここには、まさに我々の医学の究極と言ってもいい、”虚実”に対する”補瀉”のことが書かれているのですが、その中に、

 

「入虚者、左手閉鍼空也。」

 

とあります。

 

 

訳しますと、

 

「虚に鍼をする時は、左手で鍼の痕を閉じます

 

となります。

 

 

ここでも、補法をしようと思ったら、鍼痕をキチッと抑えることを教えております。

 

 

これまでにも出てきた、

 

「開闔の補瀉」

 

ですね。

 

 

ここで面白いのは、「左手」と限定しているところです。

 

 

東洋哲学の陰陽論の考え方では、右は陰、左は陽です。

 

(よくこれ、南を向くと東(左手の方角)から太陽が昇ってくるからだとか、火だり、水ぎがもともとだとか、分かったような分からないような説明がなされます。。。)

 

 

この説に従えば、陽である左手で、相対的に静的な「押手」を構え、陰である右手で、相対的に動的な「刺手」を構える。

 

 

陰陽の妙が、ここに隠されています。

 

 

 

続く

 

 

 

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