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日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編③)

2018.11.29

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ここまでのお話し

 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編①) 

日本伝統鍼灸学会に参加してきました!!(1日目編②)    参照

 

 

 

1日目の午後一は実技セッション「打鍼」です。

 

 

これも楽しみな企画の一つだったし、(一社)北辰会から代表理事である藤本新風先生が出る企画でもあります。

 

 

たまにお酒をご一緒している、東京九鍼研究会石原克己先生の実技や、無分流打鍼継承会齋藤友良先生、と、講義と実技を拝見させていただき、

 

次の和鍼工房の玉村彰一朗先生の話を途中まで聞いたところで、タイムアップ。。。

 

 

実は別件での会議があり、僕は中座しなくてはならないことに。。。(~_~;)

 

 

いやー、残念。。。

 

 

最後まで見たかった----!!(T_T)

 

(でも、他会派の打鍼のやり方も、非常に興味深かったですね。)

 

 

打鍼は日本鍼灸師の共有財産、現代日本にだって、色んな打鍼の方法論があっていいと思います。(^^)

 

 

・・・ところで、その会議というのは、JTAMS(The Japan Traditional Acupuncture and Moxibustion Society)用語委員会といって、

 

現在、東洋医学の基本となる共通用語の策定が日中韓とWHOの間で進められておりますが、

 

それの日本伝統鍼灸に関する用語集を作ろうという会議体です。

 

 

日本中の各流派、学派から代表者(というか窓口担当者)が出てきて、これから会議を重ねて、『日本伝統鍼灸用語集』を作ろう、というのが目論見ですが、

 

先はなかなか大変そうです。。。

 

 

実はこれまで、数十年前から、それは日本伝統鍼灸のテーマでした。

 

 

伝統鍼灸の各流派というのは、みんな「虚実」とか「陰陽」とか「五藏六府」とか、似たようなことを言っているのですが、厳密に言うと意味やニュアンスが違っていたりして、

 

なかなか討論にならない、という現状があります。

 

 

用語の意味や解釈が異なる=前提が異なる=議論討論にならないという悪循環・・・。

 

 

しかし、何度会議をしてもみんな譲らず、まとまらず、結局は棚上げ状態になっていた、というのが現状です。

 

 

そして、棚上げになっていた数十年の間にも、各会派では用語の理解や解釈がドンドン進み、それぞれが東洋医学用語をある意味で「勝手気ままに」解釈したりして、

 

それぞれの理論体系を構築している、というが実状です。

 

 

さあそれを、上手にまとめて、一冊の冊子にすることが出来るのか。

 

 

そして、作ったとしても、その一冊が、中国や韓国の出してくるものよりもクオリティー、説得力ともに高いものが出来て、WHOやISOがそれをどのような形で採用するのか。

 

 

現時点ではまったく不明です。(苦笑)

 

 

・・・うーんまあ、他国はほっといてくれませんから、情報を集めて、注視して、最も賢い判断をしていくしかないと思いますね。

 

 

鍼灸漢方、ちゃんと一画に残しとけばよかったのにね、明治政府。。。

 

 

まったく、アタマいんだかわりんだか。。。(~_~;)

 

 

続く

 

 

 

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一貫堂医学について 8(感染症と東洋医学)

2018.09.16

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これまでのお話・・・

 

墓マイラー 52 森道伯先生

森道伯という人物

一貫堂医学について 1(三大体質五大処方)

一貫堂医学について 2(瘀血証体質について)

一貫堂医学について 3(臓毒証体質について)     

一貫堂医学について 4(解毒証体質について)

一貫堂医学について 5(解毒証体質の続き)  

一貫堂医学について 6(温清飲について)

一貫堂医学について 7(スペインかぜの治療)          参照

 

 

 

前回、森道伯先生が、大正時代に世界的に流行したスペインかぜ(強毒性のインフルエンザ)に対して、漢方薬で効果を挙げていたことを紹介しました。

 

 

また、ずいぶん前ですが、このブログ上で、広州中医薬大学鄧鉄濤(とうてっとう)先生が、2002年から2003年にかけて世界中に感染者を出した

 

SARS(重症急性呼吸器症候群)に立ち向かって、漢方薬で効果を挙げたという話も書きました。

 

東西医学によるSARSバトル   参照

 

 

鍼灸でも、以前に蓮風先生が非結核性好酸菌症の症例を、内科医の村井和先生とともに『鍼灸ジャーナル 7号』に発表したことがあります。

 

 

日本では残念ながら論文数は少ないですが、中国韓国台湾を探せば、鍼灸で感染症を扱って効果を得たものは、他にもあるんじゃないでしょうか。

 

 

東洋医学は感染症に無力、と切って捨てる人がたまにいますが、果たしてそうでしょうか・・・?

 

 

むしろ東洋医学の歴史は、感染症との闘いの歴史なんじゃないんでしょうか?

 

 

現代の新興感染症にも使える叡智が多分に含まれているのではないでしょうか。

 

 

・・・で、今日は、一貫堂医学の番外編でもないが、東洋医学の感染症に対する考え方を述べてみましょう。

 

 

(一社)北辰会が理論と用語のベースとしている現代中医学の「弁証論治」という基本的な考え方ですが、これの大本は『傷寒論』を著した後漢の張仲景(150?-219)と言われます。

 

”弁証論治”という言い方自体が、『傷寒論』”弁〇〇病脈証并治”という言い方から来ているとか。。。)

 

 

・・・で、その『傷寒論』の内容は、『傷寒論』よりさらに前の『黄帝内経素問』「熱論(31)」の内容や、『難経』58難が元になっていると言われます。

 

 

『黄帝内経』よりもさらに以前は、「病気」というのは、悪霊や鬼が患者に憑りついたもの、と考えられており、治療はもっぱら祝由(お祈り、呪い)であったようです。

 

 

それを『黄帝内経』では、この世界の全ては「気」から出来ているという「気一元の世界観」、そしてそこに働いている法則性である「大極陰陽論」を前提として、

 

自然現象である、人間の生老病死の「病→死」を、自然界、あるいは人体内にある「邪気」が、人体の「正気」を傷っていく過程、と考えるようになり、

 

そしてその「邪気」にはパターン分類があり、人体の側にもまた体質分類があり、それを適切に噛み分けて、何がどうなって病になっているのかを考え、

 

戦略的に治療すれば、病治しができる、という、医学医術の革新(ある意味科学化)を行いました。

 

 

それ以来、その枠組みを前提とした、様々な学説や治療法が開発され、その数千年に渡る膨大な臨床事実の集積は「中国伝統医学」と呼ばれ、

 

現代にまで脈々と受け継がれている訳ですが、この「邪気」という考え方の中でも、自然界にある外来の邪気、つまり「外邪」と呼ばれるものが、

 

現代の西洋医学の言う「細菌」「ウイルス」のことを含む概念です。

 

(ザッと書いたので、もし間違っていたらご指摘ください。<m(__)m>)

 

 

・・・で、東洋医学における感染症の捉え方、治し方は、蓮風先生が以前よく仰っていたことですが、

 

「ここにアサガオの種があったら必ず発芽するわけではないように、種子が発芽するには土、水、空気などなど、それなりの条件が整わないと発芽しない。

 

感染症もこれと同様で、細菌やウイルスがあったら必ず発病する訳ではないように、発病しないように、また、発病しても軽く済むように、

 

患者の側を調えればいいのだ。

 

細菌やウイルスを顕微鏡レベルで分類し特定して、それを死滅させる、あるいは人体の側を強制的にそれに反応しないようにせしめるのが西洋医学、

 

それらが増殖しにくいような体内の状況を調えるのが東洋医学、という違いがある。」

 

ということです。

 

 

もちろん、細菌やウイルスがキチッと特定できて、抗生剤などの治療法も確立されているような感染症であれば、西洋医学のやり方は非常に優れていると思いますが、

 

中にはうまくいかないものもあります。

 

 

そういう時に、意外と効果を発揮するのが、東洋医学の論理と手法だと思います。

 

 

森道伯先生鄧鉄濤先生も、そこんところを良く分かっていたんだと思います。

 

 

次回、ついでなんで、矢数道斎先生が若い頃、森道伯先生に、マラリアと肺炎の治療を実際に受けた話を書いておきましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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婦人科と呼吸器科の関係

2018.08.19

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婦人科疾患と、呼吸器疾患を同時に持っている患者さんも少なくない。

 

 

患者さんは、西洋医学の婦人科で薬をもらい、呼吸器科で別の薬をもらい、なかなかコントロールできなくなると、ようやっと清明院に来る。

 

 

こういう患者さんをよく診ます。

 

(苦笑・・・最初の段階で来てくれれば、どれだけ楽か。。。)

 

 

これ、東洋医学的には、症状や場所が違うだけで、同じ病気であると考えられることも少なくない。

 

 

・・・で、よーく診たてて、吟味した経穴に一本鍼をすると、両方とも良くなったりする。

 

 

いやーたまらんね、東洋医学、鍼灸は。(゚∀゚)

 

 

かつて、2002年に中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行し、多くの死者も出て、かのスペインかぜの様に大流行し、パンデミックを起こすことが危惧された時、

 

広州中医薬大学の鄧鉄濤(とうてっとう)先生が、東洋医学で立ち向かったという話を以前書きましたが、この時に鄧鉄濤先生が使った「仙方活命飲(せんぽうかつめいいん)※」という薬は、

 

主に癰瘍毒(ようようどく:キツイ炎症を伴うオデキ)の薬です。

 

東西医学によるSARSバトル   参照

 

(ちなみにスペインかぜの時も、日本では日本人の漢方家である森道伯先生が大活躍した話がありますね。これもそのうち書きましょう。)

 

※仙方活命飲・・・『校注婦人良方』が出典。効能は清熱解毒、消腫潰堅、活血止痛。主治は癰瘍腫毒初起。金銀花・陳皮各9、白芷・貝母・防風・赤芍・当帰尾・甘草・皂角刺・穿山甲・天花粉・乳香・没薬各3

 

 

また、知り合いの漢方家の先生に伺うと、五味消毒飲(※)などもオデキの薬ですが、これを用いて呼吸器疾患婦人科疾患を治す、なんてことも普通にあるようですね。

 

※五味消毒飲・・・出典は『医宗金鑑』、効能は清熱解毒、消散疔瘡、主治は各種疔毒、癰瘡癤腫。金銀花15、野菊花・蒲公英・紫花地丁・紫背天葵子各6

 

 

因みに、

 

「オデキの薬で、なんで肺炎が治るのか」

 

という問題に関しては、北辰会機関誌『ほくと』57号にて蓮風先生が解説して下さっているので、そちらをぜひ参照してください。

 

 

 

 

呼吸は、律動性が大事。

 

 

月経も、律動性が大事。

 

 

それが乱れないのをもって、良しとする。

 

 

この律動性が、色々な臓腑経絡の働きで担保されている。

 

 

また、呼吸器は、ある意味常に、外界と接している粘膜。

 

 

女性生殖器も同様に、常に外界に接している粘膜。

 

 

肺は鞴(ふいご)のように袋状の形態、女子胞(子宮)は、懐胎するために袋状の形態。

 

 

どちらも大きく伸縮します。

 

 

肺の臓の隣(下)には、陽臓である心の臓がある。

 

 

女子胞の隣(上)には陰臓である腎の臓がある。

 

 

また、呼吸器は体幹の最も上部に位置し、女性生殖器は体幹の最も下部に位置する。

 

 

働き、形態が似てて、位置的には上下の陰陽。

 

 

この上下の気の交流も、色々な臓腑経絡の働きで担保されている。

 

 

肺の臓がある上胸部には、宗気のもととなる天空の清気が充満しており、女子胞がある下腹部には、胎児を妊養するための陰血が豊富に充満しています。

 

 

この意味でも、気血の陰陽。

 

 

機能的、形態的には相似性があり、位置的、環境的には陰陽関係にある。

 

 

これらが、同じ考え方で治療できる。

 

 

冒頭で述べた、オデキの治療と同じように、「内から外へ」と邪熱を誘導、発散させて治すのが、常套手段、ということ。

 

 

・・・まあ何て言うか、東洋医学最高。(゚∀゚)

 

 

 

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夢と東洋医学 1

2018.07.29

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今ちょうど『素問』「脉要精微論(17)」の脈診の部分を書いているので、ついでに「夢」に関する記載にも触れておきましょう。

 

 

東洋医学も「夢」については認識し、どういった意味を持っているのかというのは、議論や考究の対象であります。

 

 

この「脉要精微論」の中にも、以下のように出てきます。

 

 

是知陰盛.則夢渉大水恐懼.陽盛.則夢大火燔灼.陰陽倶盛.則夢相殺毀傷.

上盛則夢飛.下盛則夢墮.

甚飽則夢予.甚飢則夢取.

肝氣盛.則夢怒.肺氣盛.則夢哭.

短蟲多.則夢聚衆.長蟲多.則夢相撃毀傷.

 

 

簡単に訳しますと、

 

 

陰実→大河を渡って怖い思いをする夢

 

陽実→大火が燃え盛っている夢

 

陰陽ともに実→虐殺損傷し合う夢

 

上焦が実→飛ぶ夢

 

下焦が実→落ちる夢

 

飽食→ものを贈り人に与える夢

 

飢餓→奪い取る夢

 

肝気実→怒り狂う夢

 

肺気実→泣き叫ぶ夢

 

腹に短虫→人々が寄り集まる夢

 

腹に長虫→喧嘩してケガする夢

 

 

夢に関して、『黄帝内経』では他にも、『霊枢』の方の「淫邪発夢篇(43)」が有名です。

 

 

あるいは『列子』「穆王篇(ぼくおうへん)」というところにも出てきます。

 

 

夢については、ずいぶん前に書こうかな、と思ってからずーっとほったらかしになっていたので、そろそろサクッと書きましょうかね。。。(苦笑)

 

多夢

「夢」の不思議

「夢」はなぜ見る?

「ユング」という人物

「フロイト」という人物    参照

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場に参加してきました!!

2018.07.03

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7.1の日曜は、大阪で行われた北辰会の勉強会に参加してきました!!

 

 

今回は午後からの参加。

 

 

今回、先日の関東と同じで、午後はまるまる実技でした。

 

 

まるまる実技だと、講師も受講生も間延びしたり、疲れたりする場合がありますが、そんなことは全くなく、実にメリハリのある実技練習の時間だったと思います。

 

 

僕も色々な先生の体表観察を受けて、また、色々な先生と体表観察比べをして、あーだこーだと、大変いい勉強させてもらいました!!

 

 

そして今回も、方々で「押手」の指導をさせていただきましたが、これがなかなか面白い。

 

 

・・・まあただ、押手の練習をやる際には、必ず「刺手」とセットでやるべきだろう、というのも感じましたね。

 

 

押手だけ完璧に構えても、刺手を持っていった時にそのセッティングが崩れてはゼロ意味です。

 

 

むしろ、刺手で刺す瞬間が最も完成された押手でないといけない訳で。

 

 

押手と刺手は、刺鍼の陰陽ですね。

 

 

実に玄妙な世界です。

 

 

・・・そして終了後は毎夏恒例のビアガーデン。

 

 

近鉄大阪上本町駅の屋上には、広いビアガーデンがあります。

 

 

北辰会は毎年、真夏の勉強後にはそこで飲んでいます。(笑)

 

 

よく晴れて、最高のビアガーデン日和でした☆

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース東京会場に参加してきました!!

2018.05.29

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27日の日曜日は、高田馬場で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

プールにでも行きたいような晴天の休日の中、朝から狭い教室で喋ってきましたよ~。(苦笑)

 

 

内容は「胃の気の脈診」

 

(まずはキチッと読みましょう。)

 

 

・・・まあ、どれだけ伝わったか分かりませんが、アンケートを待ちたいと思います。

 

 

午後は実技指導。

 

 

今回はけっこう、皆さんのヤル気を感じて嬉しかったですね。

 

 

講義でも言いましたが、基本から応用まで、北辰会方式というのは教材も揃っており、講師も揃っており、非常に勉強が進めやすいんじゃないかと思います。

 

(本気で勉強したい人にとっては。)

 

 

最後は五反田でかねこ鍼灸治療室を開業されている金子太先生の「八綱辨証」講義。

 

 

金子先生は声楽をやっていますので、超いい声です。(笑)

 

 

八綱(陰陽表裏寒熱虚実)というのは、弁証論治を進めていくうえで欠かせない、最も大きな物差しになります。

 

 

八綱を間違わなければ、治療を大きく誤ることはないです。

 

 

また、講義の中で、明代の張景岳が『景岳全書 伝忠録』の中で言う「二綱六変」という考え方を紹介して下さっていましたが、この考え方が個人的には好きですね。(笑)

 

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物   参照

 

 

「表裏寒熱虚実」という6つの物差しを使って、「陰陽」の二綱の傾きを明確にする、これが大事です。

 

 

 

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(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場に参加してきました!!

2018.04.17

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15日の日曜は、北辰会の勉強会に参加してきました!!

 

 

午前中は実技訓練。

 

 

今回、脈診を中心に、徹底的な実技訓練です。

 

 

脈診するにも、体の使い方(フォーム)、指の使い方(運指)が大事。

 

 

これがきちんと出来てないと、何年やっても脈診が分かりません。(苦笑)

 

 

午後は鍼灸大仙堂院長、山本克仁先生による「北辰会方式とは」

 

 

北辰会の歴史から内容まで、分かりやすく説明して下さいました。

 

 

極めて重要なのは、

 

「北辰会は現代中医学を用語と理論のベースに置いてはいるが、本来の内経の言う”気一元”の世界観で治療を行っている。」

 

という部分。

 

 

北辰会を、単なる中医学派の一つ、と思っている方、間違っていますよ。(゜レ゜)

 

 

北辰会は気一元論、大極陰陽論という哲学的な世界観に基づく、「鍼灸弁証論治派」であります。

 

 

そして最後は藤本新風副代表による「胃の気の脈診」

 

 

実は来月、同じ内容で私が東京で講義します。

 

 

僕が北辰会にチョイチョイ出入りするようになった約20年前から、

 

「脈診と言えばアキノリ先生(新風先生の本名)。」

 

と言われるほど、昔から熱心に脈診の研究と実践を行ってこられた新風先生。

 

 

初心者用に基本を押さえつつも、なるほどサスガ!と唸る内容が随所に入った講義でした。

 

 

来月の講義内容に、キッチリ反映させようと思います。<m(__)m>

 

 

 

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七死の脈③ 弾石脈

2018.01.28

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◆弾石脈(だんせきみゃく)

 

 

今日は弾石脈です。

 

 

これも読んで字のごとく、石を弾いたように堅い、しかも速い脈のことです。

 

『脈経』「・・・堅ニシテ促・・・」とあります。)

 

 

なんですが、強く押さえると消えてしまう脈です。

 

 

蓮風先生の解釈では、大きな石を手に乗せて、それを金槌でガツンと叩いたときに、手に感じる衝撃のような脈だそうです。

 

 

この脈は、腎と肺の終絶の脈と考えられています。

 

 

『脈経』「腎膀胱部」『素問』平人気象論(18)には、腎の病脈として出てきます。

 

 

特に冬場にこの脈、あるいはこれに近い脈が出ると、「腎がかなり病んでいる、場合によってはヤバい!」と判断できます。

 

(比較的、冬場に強い痛みを訴えている老人に、たまにいらっしゃると思います。)

 

 

これが出ていても、治療で緩み、力が出て来るようなものは大丈夫ですが、緩まず、力が出ず、あるいは一過性にしかいい変化を見せないものはマズいです。

 

 

ここでは詳細は省きますが、これは、胃の気の脈診② 四時陰陽に従う脈にも書いたように、季節と臓腑の関係にも繋がってきます。

 

 

僕の経験上では、肺結核で亡くなった患者さんを診ていたことがありますが、その患者さんが亡くなる寸前に打っていた脈が、ちょうどこのような脈でした。

 

 

 

続く

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。15

2018.01.21

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このシリーズ、ちょっと空きましたが、せっかくなんで、『金匱要略』、現代中医学の内容くらいはカバーしましょうかね。(笑)

 

「紅汗」について考えてみましょう。目次

 

 

◆小建中湯と衄

 

 

『金匱要略』「血痺虚勞病脉證并治第六」にこうあります。

 

 

「虚勞裏急.悸..腹中痛.夢失精.四肢痠疼.手足煩熱.咽乾口燥.小建中湯主之.」

 

 

簡単に訳しますと、

 

 

「正気の弱りが中心の病で、動悸、鼻血、腹痛、夢精、四肢のだるさや痛み、手足のほてり、口やのどの渇きがあるものは、小建中湯がいいよ。」

 

 

となります。

 

 

ここで、「小建中湯」という薬は、「麦飯」ってどうでしょう?? 7でチラッと紹介しましたが、有名な「桂枝湯」の中の芍薬という生薬の量を倍にし(桂枝芍薬湯)

 

そこにさらに膠飴(こうい:水あめのこと)を加えたものです。

 

 

僕も飲んだことがありますが、非常にスッキリと甘くておいしい漢方薬です。(笑)

 

 

ここで説かれているのはそもそも虚労の病ですから、体力を回復させる必要があります。

 

 

しかし、ここで面白いのは、正気の弱りが本質だとしても、腹痛のような冷えっぽい症状と、鼻血や火照りなどの熱っぽい症状が混在していて、

 

それを同時に調整するのに小建中湯を使うところです。

 

 

だいぶ昔に書きましたが、脾胃は上下や陰陽のバランサーとしての機能があります。

 

脾・胃 参照

 

 

「建中」というくらいで中焦の気を建てることで、バランサー機能を発揮する。

 

 

鍼でも非常に色々なやり方で治すことが出来ます。

 

 

生理と病理が分かると、大変楽しい世界です。

 

 

 

続く

 

 

 

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「『難経』に罪はない」を読んで

2018.01.11

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先日の鍼灸医学史研究会の後の懇親会で、尊敬している某先生と「五行」『易』の話になった。

 

鍼灸医学史研究発表会に行ってきました!!   参照

 

 

で、すぐに過去の論文を送っていただき、読ませていただいた。

 

 

10年前(2008年)の『季刊内経』の別刷で、内容は

 

「『難経』に罪はない」

 

というもの。

 

 

これは、当時の内経医学会の会長であった島田隆司先生への反対論文、という感じのもの。

 

(反対論文と言っても、この論文を書いた先生と、島田先生は普通に仲良いようですよ。仲いいけど、意見が違えば論文で主張し合う、いいことです。)

 

 

島田先生の『難経』へのご見解に対して、同意できる部分と出来ない部分を分けて、特に同意できない部分に関して、その理由を論じています。

 

 

非常に分かりやすく、陰陽五行の歴史、『難経』の内容をまとめてくれております。

 

 

今から15年くらい前、難経を1難から81難まですべて通読しましたが、その時に感じた一番の感想は、

 

「難経と言えば”五行”というイメージがあったけど、何これ、思いっきり”陰陽”の本じゃん!」

 

というところです。

 

 

私のその感想を、思い出させてくれました。

 

 

そして、陰陽調和を説くのに、なぜあそこまで五行論を縦横に用いるのか、『難経』が成立した歴史的背景から推測、考察しておられます。

 

 

 

 

今年は、香川で、東京で、「胃の気の脈診」について講義します。

 

 

久々に『難経』の話を大いに盛り込んでいこうと思います。

 

 

 

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