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2010.02.04
続いて、「恐」について書きましょう。
「悲」と「憂」についてはセットで書きましたが、「恐」と「驚」については分けて書きます。
これは、後者の場合は意味的に違いが大きいからです。
「恐」というのは皆さんがよくご存じの「恐怖感」のことです。
生活、人生の様々な場面で感じることがあると思います。
これも出来れば避けたい感情ですが、僕なんかはチョイチョイ感じます。
でもこれも結局は「過不足」がなければ問題ナシです。
なので僕なんかは感じてもサッと乗り越えます。
・・・「サッ」とね(笑)
これが主に過度になった場合、体に悪影響です。
「恐」という感情は主には東洋医学の言う「腎」という臓を痛めつけます。
(西洋医学の腎臓=kidneyのことじゃないですぞ!・・・しつこい?)
(『黄帝内経素問 陰陽応象大論(5)』「・・恐傷腎.・・」)
東洋医学のいう「腎」とは、泌尿器系の機能をつかさどる他に、生殖機能や、他の臓と協調して全身の温度調節をしたり、腰や足の機能の調節などを担います。
(これもまあ、ざっくり言うと、です。 詳しくは「腎」って何ですか?(その11) 参照。)
「腎」が「恐」によって弱ると、主に「腎」の働きの中の生殖機能に影響し、男性ではED、女性では月経不順など、様々な症状を引き起こし、
酷くなれば精神障害、言語障害などが現れます。
余談ですが、小児に多いのですが、お父さんに怒られてビビって、
「おしっこチビッた。」
なんていうのも、まさに「恐」という感情によって「腎」の機能が障害された姿です。
僕の親戚は、よく怒られてはよくチビッていました。(苦笑)
彼は「腎」を鍛えなくてはなりません。
また東洋医学の聖典である『黄帝内経 素問』の挙痛論(39)という項には、
「恐れれば気が下がる。」
とあり、極度の恐怖感は、上半身の気をグーッと引き下げてしまい、頭がフラフラして、貧血の時のメマイのような感覚が出ることがあります。
ドラマなんかで、あまりのショックに地べたにへたり込んだりするシーンがありますが、アレはウソや大げさではなく、実際に起こりうる現象です。
気が極端に下がり、腰から下の丈夫さと大きく関わる「腎の臓」が障害された結果、下半身に力が入らなくなり、上半身はフラフラになり、
へたり込んでしまう、という訳です。
また、「〇〇恐怖症」という言葉を聞くことがあると思いますが、「恐」という感情は、一過性のものというよりは、過去のトラウマによって徐々に蓄積されたものであり、
「驚」と比べて回復しにくい面があるようです。
また、「腎」を痛めたことによって、「恐」を感じやすくなる、という、逆パターンもあります。
グッドウィンと言う人が書いた『恐怖症の事実』という本の中に、
「・・・下半身が麻痺になった患者は、なぜか恐怖を感じやすいが、首から下が麻痺した患者は、そういう例は少ない。」
という記述があります。
グッドウィンさんはこれを、動物的な本能に起因するものとして説明しますが、東洋医学をやっている僕なんかは、「腎」が下半身の機能に大きく関与することを知っているので、
「へえ~やっぱりね~!」
・・・と思ってしまいました。
近現代の様々な学者の本を読むたび、しっかし東洋医学の数千年の知恵は、かなり真実(ものの本質)を突いてるよな~・・・と、悦に入るのは僕だけでしょうか?(苦笑)
次回は「驚」についてです。
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2010.02.02
七情シリーズ、続いて「思」についてです。
人間は普通、何か行動する時、常にその前にそれを、
「しようと思って」、
行動する訳ですよね?
これが思慮「深い」行動だと、人様から高く評価されたり、思慮が「浅い」行動をして、争いごとの種になったりすること、ありますよね??
しかし、東洋医学では、思慮深かったら無条件にイイ!という訳ではなく、「思慮過度」と言って、思慮しすぎてもいけないし、思慮が不足し、
遂げられなくても、体に悪影響だ、と考えます。
(ここでもやっぱり、問題は”過不足”、”バランスの不調和”です。)
「思」という感情は、東洋医学では五臓の中の「脾」という臓に悪影響を与え、食欲不振やお腹が張る、といった、様々な症状を出します。
(これは西洋医学の脾臓=spleenとは違いますよ!僕はこれを何度でも言います!)
【参考】
『素問 陰陽応象大論(5)』「・・在志爲思.・・」
『同 五運行大論萹(67)』「・・其志爲思.・・」
・・・まあ、クヨクヨ思い悩んで、食欲不振や消化不良、こういう経験、思い当たる人も多いのでは?
ちなみに東洋医学の言う「脾」というのは、いわゆる現代医学の言う、「胃腸の働き」そのものを指して言うことが多いです。
さらに、東洋医学では、短期記憶や、血流そのものや、血の生成などにも大いに関与する、と考えます。
(ざっくり言うとね。)
また、「思えば気が結す」と言って、思い悩んだ状態が長く続くと、全身の血行が悪くなり、ひどければ出血傾向(不正出血、鼻血etc..)の原因にもなります。
(『黄帝内経素問 挙痛論(39)』「・・思則氣結.・・」)
また、飲食の不摂生などによって、先に「脾の臓」(胃腸の働き)が弱って、結果として精神的に思い患いやすくなる、という
「逆のパターン」
もあります。
(これけっこう大事!)
現代人は、食生活のメチャクチャな人があまりにも多い気がします。
(時間といい、食べてるモノといい、です。)
現代は、昔と違って、欲望のままに簡単に何でも食べるものが手に入る、まさに飽食の時代ですので、これが、あらゆる病の原因となっているケースは非常に多いと思います。
(しかも欧米型の、添加物、着色料満載の加工食品ばっかり!)
・・・気を付けたいものですね。(苦笑)
江戸時代中期、観相学(南北相法)で有名な水野南北(1760-1834)は、
「食は運命を左右する。」
と言って、節食こそが運気を好転させる秘訣だ、という意見を述べています。
彼がもし現代にいたら、現代人の食生活を見て、どういう感想を持つでしょうか・・・。(苦笑)
・・・次回は「悲」と「憂」についてです。
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2010.01.31
今日は「喜」について書きます。
「喜」という感情なんて、あればあるほどイイに決まってんじゃん!
なければそりゃあ病気になるだろうけど、ある分には病気になんかなる訳ないじゃん!
・・・と思った方は、すでにして「喜」の少ない毎日なんじゃないかとお察しします。(苦笑)
まあそれは半分冗談ですが、東洋医学では、一見プラスに思える「喜」という感情も、過多になったり、過少になったりすれば体に不調を起こす、と考えます。
「喜」は基本的には(正常範囲ならば)「喜は気を緩める」「喜は気を下げる」と言って、精神的、肉体的な余分な緊張を緩和し、気を下げてくれます。
【参考】
『黄帝内経素問 挙痛論(39)』「・・喜則氣緩.・・」
『同 調経論(62)』「・・喜則氣下.・・」
ですから、強い緊張を強いられる仕事をされている方なんかは、定期的に「喜」という感情がどうしても必要です。
これが「笑い」であったり、恋人や家族との「安らぎの時」であったり、趣味や何かに「没頭する時間」であったり、人それぞれ違うでしょうが、
要は「満足感に浸る時間」のこと、と言えば分り易いかと思います。
・・・しかしこれも、「気が緩み”過ぎ”」になると問題です。
東洋医学では、「喜は心をやぶる」と言って、「喜」という感情が過度になると、五臓の中の「心」という臓に悪影響を及ぼす、
と考えます。
(ここでいう”心”は、西洋医学の言う心臓(Heart)のことじゃないよ!)
(因みに出典は『黄帝内経素問 陰陽応象大論(5)』です。)
特に「心」の機能のうち、主に正常な精神活動をつかさどる機能が障害されて、情緒不安定や精神異常、不眠など、様々な症状を引き起こす、と考えます。
ですから、東洋医学では、健康な人生には、好きなことをして、
「気が緩む」
時も必要だけど、ここ一番、
「ピシッと緊張する」
時も人間には必要だ、と考えている訳です。
これもやっぱりバランスなんです。
・・・なるほど、確かにそうですよね?
自身の日々を振り返った時、実感される方も多いのではないでしょうか?
・・・ところで、今回は“緊張”と”緩和”の話になりましたが、
「緊張と緩和の法則」
と言えば、落語会の巨人である2代目桂枝雀さん(1939-1999)が提唱した「笑いの法則」ですね。
知ってる人は知ってるでしょうが、人は緊張する場面で、それが緩和する時笑うのだ、というやつですね。
東洋医学では、「笑い」という感情表現も「心(しん)」の働きと関与する、と考えます。
【参考】
『黄帝内経素問 陰陽応象大論(5)』「・・在聲爲笑.・・」
『同 調経論(62)』「・・神有餘則笑不休.・・」
『霊枢 本神(8)』「・・心氣虚則悲.實則笑不休.・・」 など
お笑い番組や落語を見ていて「笑う」という現象を東洋医学的に考えると、
まず面白いものを見て「喜び」、
↓
そして「気が緩み」、
↓
それにより「心(しん)」が正常に働いた結果、
↓
「笑う」
となる訳です。
・・・ま、そんなこと考えながらバラエティー番組見てる人もいないけど。(笑)
東洋医学ではこのように、五臓(肝・心・脾・肺・腎)が、それぞれある感情、ある感情表現にも関与している、と考えています。
そこらへんの話も、そのうち書こうかな。
では次回は「思」についてです。
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2010.01.30
日常で、「怒」という感情を感じること、ありますよね??
ちなみに僕はほぼ毎日あります(苦笑)
・・・ただ、大事なのは、不愉快なことがあった時にこの「怒」という感情を感じること自体はまったく普通(当たり前)のことであり、
いたって健康的なことです。
これが過度になったり、変に我慢したりすると体に悪影響が出る、と東洋医学では指摘しています。
よく「怒」という感情を感じた時、「頭に来る」とか、「てっぺんに来る」とか、あるいは「怒髪天を衝く」なんて言い方、ありますよね。
これは要するに、体の上部に「気」が集まる、つまり上半身、頭部にのぼせる、ということを言っております。
こういった記載は、『黄帝内経』の中にも出てきます。
【参考】
『素問 挙痛論(39)』「・・怒則氣上・・」「・・怒則氣逆・・」
『霊枢 邪気蔵府病形(4)』「・・若有所大怒.氣上而不下.・・」
『霊枢 五変(46)』「・・怒則氣上逆.・・」、)
だから怒ってばかりいる人は「気」が頭部で渋滞を起こした結果、頭部の血行が悪くなって、鬱滞して鬱熱を生じ、結果的にハゲやすいんです。
(苦笑・・これは半分冗談、半分本気です。)
また、東洋医学には、
「怒は肝(かん)をやぶる」
という言葉があります。
(『黄帝内経素問 陰陽応象大論(5)』です。)
面白いですね。感情の種類によって、ダメージを受ける部分が違う、という考え方は、現代の最先端の脳科学にも通じるものがあるそうです。
とはいえ、まあいつも言いますが、ここで注意しなくてはいけないのは、東洋医学の「肝の臓」と、西洋医学の「肝臓=liver」は別物だ、ということです。
ですので、怒ってばっかりいる人が西洋医学的に肝炎や肝硬変になりやすい、という訳では無いです。
東洋医学の言う「肝の臓」の病変を発症しやすい、ということです。
この場合、東洋医学の言う「肝」の色々な機能のうち、特に
「全身にバランスよく気血を巡らせる働き(中医学のいう”疏泄(そせつ)”の働き)」
が低下し、頭痛やめまいなどなど、上半身を中心に、全身の様々な症状が出てくることが多いように思います。
毎日患者さんを診ていますと、この「肝の臓」の異常によって症状を出している患者さんが、非常に多いです。
(ほとんどと言ってもいいと思います。)
現代人は、怒り過ぎ、あるいは我慢しすぎなんでしょうかね・・。(苦笑)
愉快なことがあれば、その分不愉快なこともある、これは当り前の話です。
それに対して「普通に」怒れる日々を送りたいですね。
(・・・コレがなかなか難しいんだけどネ(笑))
次回は「喜」についてです。
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2010.01.26
清明院では、「一本の鍼の効果」というものに、大変こだわっております。
これはなぜかというと、一本の鍼で患者さんがどのように変化したかを正確に捕まえることによって、自分の診断が正しかったかどうかが明確になり、
正しくなかった場合は「どこがどう」間違っていたかがハッキリするためです。
あっちもこっちも鍼を打ってしまうと、患者さんの肉体的な負担が増える上に、治療の焦点がボケるため、何が効いてて、何が効いてないかを考えることが非常に難しくなります。
(しかしもちろん、そのやり方でも治ることはあります。その場合はいいのですが、大事なのはむしろ治らなかった場合だ、と僕は考えています。)
ですので、まったくごまかしのきかない治療であります。
「鍼の究極は一本だ!」というのは藤本蓮風先生の言葉ですが、僕も全くその通りだと思います。
・・・これまでこのブログに書いてきたように、患者さんの「陰陽」のアンバランスを整えるのが鍼灸治療だ、という考え方で、「五臓六腑」だとか「邪気」だとかいう存在を意識して治療を行う場合に、
問題点を色々な方法で絞り込んで絞り込んで、突き詰めていくと、最終的には二者択一になる、というのは当然のことだと思います。
結局、それが一番シャープな変化を患者さんの体に起こさしめる訳ですね。
毎日患者さんを治療していると、このことを非常に実感します。
あっちこっちいじくり回した結果、結局治らなかった、あるいは治ったけども、いま一つどうしてだか分からない、という苦い経験を、僕は何度もしています。
今日も明日も、「一本の鍼の効果」というものを凝視し続けようと思います。
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2010.01.23
「寒燥」、「湿熱」について書いてきたので、せっかくだから「風(ふう)」、「火(か)」についても書いておこうと思います。
「風」と「火」については、「寒燥」「湿熱」の時のように陰陽一対になっている訳ではありません。
風も火も、どちらも性質の上から「陽」に分類され、「陽邪(ようじゃ)」と呼ばれます。
◆「風」について
まず「風邪」ですが、これは自然界に吹く風(かぜ)を想像すれば分かりやすいと思います。
気圧の高いところから低いところに向かって大気が移動する、あれのことです。
これが冷たいところから吹くと寒く、暖かいところから吹けば暖かい気候を形成します。
それが極端だったり、季節はずれだったりすると、人体に悪影響を与えやすく、病因になる場合がある訳ですね。
ここ何日か、季節外れの南風が吹いて、妙に暖かくなりましたね。
皆さん体調は崩していませんでしょうか?
古代、この働きをみた東洋医学の医者達は、
「風は百病の長たり」
と言いました。
(『黄帝内経素問』玉機真蔵論(19))
これは要するに「風邪」が他の邪気(寒邪や熱邪など)と合わさって、いろんな病気を連れてくることがある、と考えた訳です。
・・・ということは、「風」は自然界(外界)にはあるけど、人間の体内にはないかと言うと、東洋医学では「ある」と考えています。
例えば、緊張すると手が震える、ピクピクと筋肉が痙攣する、などの症状を「内風(ないふう)」と考え、人間の体の中に吹く「風」に相当する現象だ、と考えました。
手が震えていたり、筋肉が痙攣しているのを見て、風が木々を揺らしている現象と重ね合わせたんでしょうか。
おもしろいですね。(^v^)
このように、自然現象をそのまま人体に置き換えて考える考え方は、この医学の言う「天人合一思想」に基づいている、という話は以前このブログに書いた通りです。
まあ、この見方考え方をして、そのつもりで治療を考えた結果、何の効果も得られなかったら、まったくの机上の空論、ゼロ意味になってしまいますが、
それで効果が得られる、という事実があることは、そこに何らかの真実がある証拠だと思います。
◆「火」について
次に「火」ですが、自然界の「火」は分かりやすいですよね?
燃えさかる炎です。
山火事、噴火など、太古の昔から「火」が人間に与えるインパクトのすごさは今と変わらなかったでしょうし、人間が生活する上でも、火は欠かせませんよね。
・・・この「火」も、東洋医学では人体の中でおこる現象のひとつ、と考えます。
詳しい説明は難しくなるので避けますが、これはいわゆる”人体発火現象”みたいなもののことを言っている訳では無く(笑)、人体をめぐる正常な「気」が滞り、
鬱滞が長引いたりした時に起こる病理現象の一つとして考えています。
急激に熱症状が上半身や皮膚に出て、痛みや痒みを引き起こす、非常に激しい邪気、と考えております。
東洋医学ではこのように、自然現象が時に起こす特徴的な現象を、人体でも同じように置き換えて考え、さらに自然の異常と人体の異常との微妙な関係性にまで注目して、
独特の優れた医学体系を構築してきました。
「じゃあ、近年問題になっているウイルスだとか、新手のばい菌とか、その他のあらゆる病原体については、東洋医学では想定していなかったんだから、対応できないんでしょうか?」
というと、僕はそう思っておらず、
「出来る可能性は大いにあるのではないでしょうか。」
となります。
確かに、東洋医学には病原体の構造や種類を細かく分析する、という考え方はありません。
(顕微鏡や血液成分の分析など、技術的に出来なかったわけです。)
しかし、原因はどうあれ、結果的に人体に起こった異常を正常に調える、あるいは近づける方法は、これでもかと言うぐらい考え尽くしています。
なので、現代の様々な病気にも、東洋医学の考え方を応用すると、あっけなく治ったりするものが多くあります。
病原菌を顕微鏡的に明らかにして、殺してしまうのがいいか、病原菌によって起こった体の異常を調え、結果として病原菌を体から追い出すのがいいか、というアプローチの違いがあります。
・・・実際は、どちらがいいかはケースバイケースですので、方法論自体に優劣はないと思っています。
でも、実はこういう分野(東西の医学どちらが適応する病気か)の研究って、全然進んでいないという現実があります。
僕らとしては、東洋医学の言う判断基準に従って治療にあたるのみですが、ここら辺(どのタイミングなら東洋医学的手法の方が良いのか)がもっともっと明確になると、
患者さんのためにとてもいいことだと思っています。
(今の日本の医療体制じゃ難しいでしょうが・・・。)
東洋医学と西洋医学が、いつか「患者さんのために」手を組む日が来ることを祈っています・・・。
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2010.01.22
昨日は、清明院に僕の姉と、甥っこであるよしのぶくんがみえました!
↑抱いているのは姉ですが、写真NGとのことで、よしのぶくんのみの登場です!(苦笑)
・・・まあ、「THE・赤ちゃん」て感じでした(笑)意外とおとなしかったですね。
個人的には赤ちゃん言葉でよしのぶくんに話しかける姉の姿が妙でした(笑)・・・そういうキャラではなかったんでね。やっぱ親になるとそうなるんですね~。
昨日は悲しいブログでしたが、今日は嬉しいブログです!(これまた陰陽。)
ゆく命があればくる命もあるんですね。彼(よしのぶくん)はどんな男になるんでしょうか・・・。
今後が楽しみです!
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2010.01.19
それにしても、最近寒いし、空気が乾燥してますねー。
東洋医学では、空気の乾燥が人体に悪影響を与えることを「燥邪(そうじゃ)」と呼んで問題視する、ということは以前このブログでも紹介しました。
「乾燥」に強い清明院 参照
ではこの「寒さ」の方はどうか、というと、こちらも、もし人体に悪影響を与えたならば、病の原因の一つと考え、東洋医学では、「寒邪(かんじゃ)」と呼んで問題視しています。
最近はこれら2つが合わさっていますね。
すなわち「乾燥」ではなく「寒燥」の日々です。
最近の寒さや乾燥によってかぜをひいたり、体調を崩したりした場合、東洋医学では、「寒邪と燥邪」によって「正気(せいき・・・人体の正常な気)」の働きが阻害されたもの、と考え、治療します。
この場合、治療するにあたって、厄介なことがあります。
東洋医学は何でも陰陽に分けますが、「邪気」にも、「陽邪」と「陰邪」の2種類があります。
性質の上から、「寒邪」は陰、「燥邪」は陽、と分類されます。
となると、「寒(陰)」と「燥(陽)」の合体した「寒燥の邪気」というものは、邪気の中でもある意味、陰陽のバランスのとれた、「手強い奴」なんです。
通常、極端な「冷え」であれば積極的に温めればいいわけだし、極端な「熱」であれば積極的に冷ませばいい、というのは誰が考えても分かりやすいと思います。
ところが、邪気がその両面の性質を持つ場合、
「この二者がどういうバランスで人体に悪影響を与えたか」
ということをよく分析して、明らかにした上で治療しないと、ミスを犯す場合があります。
「寒燥の邪気」の例で言うと、「寒邪」による「冷え」が中心なのか、「燥邪」による「乾き、乾燥」が中心なのかで、治療のやり方や、養生指導が変わってきます。
単純に、
「冷えたんだから温めりゃいい!」
・・・と考えて温めてみたら、咽がチリチリに乾燥して全然治らんかった、とか、
「乾燥してんだから潤せばいい!」
・・・とか言って飲み物飲みまくってたら、体が冷えちゃって全然治らんかった、ということになります。
(経験のある方もいるのでは?)
冷えが中心であれば、温まるように治療し、乾きが中心であればからだが潤う(必要な水分を取り込み、不要な水分を排出する力を高める)ように治療するのが東洋医学です。
・・・結局、健康な人体のバランスをキチッと整えるためには、からだ側(正気)のバランスと、それを阻害する因子(邪気)のバランスを正確に把握できてないと難しい、ということです。
東洋医学ではそれをキチッと把握する「学」と「術」を、数千年に渡って研究し続けて、膨大な成功例、失敗例を集積し、もっとも確からしい理論を採用し、現代に伝えています。
非常に信憑性の高い医学だと思います。
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2010.01.14
こないだの、大阪であった鍼治療による気胸の事故について、インターネットへの書き込みなんかを見ていますと、事故そのものに対する批判が高じて、
「鍼灸批判」から「鍼灸師批判」まで、中にはなぜか憎悪たっぷりの、悪意に満ち満ちた書き込みも大分ありました。
・・・んーまあ、この手の話は笑い飛ばして、無視したって別にいいと思うんだけど、僕としては、言われっぱなしも悔しいと思うタチなんで、
たまにはこういうことも考えてみましょう。
書き込みを見ていますと、
1、「鍼灸は非科学医療だから信用できない。」
2、「鍼灸師みたいな低学歴の連中に体を診てもらおうとは思わない。」
3、「鍼灸って宗教みたいなもんでしょ?なんか胡散臭い。怖い。」
また、鍼灸を擁護するような内容の、おそらく鍼灸師による書き込みに対してまで、
4、「もともと少ない患者を減らさないために必死だね(笑)」
などなど、読んでいて腹立つというより、悲しくなってしまうような書き込みがたくさんありましたが、大きく分けると上記の4つの内容が多かったように思います。
こういう匿名での、冷静さを欠いた批判に対して、あまり真剣に向き合い過ぎるのもどうかと思いますが、今日は上記の4つに対しての、僕なりの見解を「冷静に」述べてみたいと思います。
まず1、については、まあ本当はねー、個人的には、この意見を述べた方の「科学論」でも、是非ともじっくり伺ってみて、それからじゃないと話にならないな、
とは思うのですが、おそらくは、
「現代科学の手法と論理で説明がしきれないものだから信用出来ない。」
ということじゃないかな、と思います。
もしそうだとすれば、僕からしたら
「エ!?そんなん当たり前じゃん!?それがなにか?」
です。
・・・まあここで、甚だ簡単ではありますが、僕の考えを述べてみましょう。
確かに現代人は、実証主義的な現代科学のおかげで、豊かで高度で文明的な生活を得ました。
医学の分野においても、平均寿命が延びたり、ある種の感染症が治せるようになったりしたのは、現代西洋医学の力が大きいのは疑いないでしょう。
しかしその一方で、人類はさまざまな新しい慢性の難病や環境問題など、難しい問題にさらされているという現実があります。
この時点でまず、現代科学や現代医学が万能で、完全無欠なものではない、ということがすぐに分かります。
(結局、生活の利便性や分析知の高度化の代償として、自然からのしっぺ返しにあうことになってる訳です。)
また僕のように、新宿なんていう都会のど真ん中で生活してたって、日々の生活の中で、空気を吸わない日はなく、緑を目にしない日はありません。
つまり、どこまでいっても人間は大いなる自然に囲まれ、支配されているちっぽけな存在であることに気付きます。
(他の動植物と比べれば相対的には独立してるけどね。)
古代の中国人達は、人間の存在それ自体が自然現象の一部でしかなく、自然とうまく共存することが、健康への王道だ、と考え、東洋医学を構築してきました。
その東洋医学というものは、数千年の歴史(史実としての実績)に裏打ちされた、「気」と「陰陽」という自然哲学に立脚した、れっきとした「科学」であり「医学」だと思っています。
(その手法や、背景にある理論が現代的でないというだけで、です。)
そもそもが、「気」や「陰陽」という、数値化、可視化出来ないものを理論のベースに置いている以上、「現代科学」の手法では説明しきれないなんて、当たり前の話じゃないでしょうか。
まあ100歩譲って、
「僕は”現代医学”しか信じないんで、それ以外の医学は認めませんし受けません。」
という考えをお持ちなら、
「あ、そうですか。ではどうぞよしなに。」
・・・ってだけなんですが、そんなことは個人的に思っていればよく、そのように行動すればよいことであって、それをわざわざネットに匿名で書き込むという、
下品な神経が僕にはまったく許容できませんね。
世の中には東洋医学を一生懸命まじめに実践している人や、それを信じて治療に通う人もいる訳で、自分の価値観のみで、頭ごなしなことを言うもんじゃありません!
書いてて何やらだんだんエキサイトしてきたので(笑)、2、以降の考察は次回にしましょう。
しかしまあ、「非科学医療」って・・・。どーゆー熟語?って話です。(苦笑)
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2010.01.08
たまーに、治療の予約が入っている患者さんから、その日になって電話がかかってきて、
「ちょっと風邪ひいちゃったみたいで熱があるんですけど、鍼しても大丈夫なんでしょうか?」
と聞かれることがあります。
僕の答えは当然、
「もちろん大丈夫です。高熱で、歩くのもお辛いような状態じゃないのであればお越しください。鍼にはむしろ熱を早く下げる効果もあります。」
と、答えています。
ここでもし、
「いやあ、歩くのもつらい状態なんですけど…。」
と言われてしまったら、そのときの状態(症状)を電話で聞ける限り聞き、出来る限りの養生のやり方をお伝えするか、
場合によっては救急で病院に行ってもらうのを勧めることもあります。
・・・一般的には、発熱時は鍼灸はやっちゃダメ!という認識が根強くあるようです。
鍼灸学校で使われる『はりきゅう理論』という教科書では、鍼灸施術の禁忌として「⑤高熱症状を呈している場合」という表現で記載されています。(旧版P28)
(ある意味、微熱ならいいってことですね。)
なぜこうなのかについてはまた今度語ることにして、東洋医学では、数千年も前から、風邪のみならず、熱の出る病気に対しては、あらゆる考え方や方法論が試されています。
もちろん、古代中国には水銀式の体温計はなかった訳ですから、医者が患者の体を触っての熱感をもって、治療、診断の対象にしています。
そういうものに対して、ちゃんと鍼灸や漢方で対応し、結果を出してきたと、あらゆる文献に残っていますし、現代でも、中国や韓国などでは、
風邪をひいて発熱したときに鍼するなんてことは、別に当り前のことだそうです。
(韓国では、風邪をひいて発熱した時は、家庭にある鍼で自分で治療を行う、とか、中国でも、高熱を出してぐったりしている状態で中医学の病院に普通に運ばれてくる、なんて話も聞いたことがあります。)
また、(公社)全日本鍼灸学会の鍼灸論文検索サイト「JACRiD」で「発熱」と検索すると、この通り、いくつかの論文が出てきます。
ここで、
「風邪をひいて熱が上がっている状態」
というのを、東洋医学でどう考えるかというと、外から入ってきた冷えや異物(邪気と呼びます)に対し、患者さんの体の恒常性を保とうとする力(正気)が、
邪気を排出しようと一生懸命戦っている状態、と考えます。
ということは、体の「陰陽」のアンバランスを整えて、「治る力」を増強する鍼灸治療は、体にしてみたら、この戦いの強い味方なんです。
よって、熱があっても鍼して全然問題ない、むしろやるべき!という風に、僕は考えています。
ちなみに、今日来た患者さんでも、風邪をひいて38℃弱発熱している方がおられましたが、治療後体温を計ってみると、多量の発汗とともに36.6℃まで下がっていました。
・・・信じられないかもしれませんが、まあ、事実だからしょうがないですね。(笑)
効くものは効きます。
(ただ、断わっておきますがどんな発熱でも鍼すれば間違いなくその場で下がる訳ではないですよ。誤解なきように!)
ですから、最近話題になった新型インフルエンザなんかも、鍼では全くお手上げかというと、学術的には全然そんなことないです。
しかし、ああいった感染力の強い、未知の感染症の場合は、保健所への届け出等、法律的な問題も関与してきますので、
現状の日本の一般の鍼灸院で診るケース自体が少ない、ない、ということなんです。
・・・ちなみに、今日書いたのは、あくまでも僕が思う、「東洋医学的に正しい鍼灸」をやった場合においての話です。
皆様に、この医学に対する「正しい」認識をどうか持っていただきたい、と思っています。
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2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール