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2010.03.18
最近は、メディアに東洋医学が取り上げられることも増えてきましたね。
コレはとてもいいことだと思います。
それで、ちょいちょい耳にすることもあるんじゃないかと思いますが、「東洋医学」という言葉と、「中医学」という言葉があります。
今日は、
「この2者の違いはなぁに?」
という話でもしようかな~、と思います。
よく世間で「東洋医学」と言われているものっていうのは、
古代中国に端を発し、
「気」や「陰陽五行」という哲学をもって自然や人体を認識し、
それを基本とし、病の仕組みや治療方法を考え、
数千年にわたって結果を出し続け、患者から支持され続けている、
伝統的な医学
を指して言います。
「中国伝統医学」なんていう言い方をするときも、上記のような意味合いが強いと思います。
それに対して「中医学」というのは、
新中国(中華人民共和国)が、上記の考え方を踏襲しつつも、それまでの自国の伝統医学を、「唯物論(ゆいぶつろん)」でもって、国を挙げて”いったん”論理的、体系的にまとめあげた医学
と言えるのではないかと思います。
(ちなみに、この中医学が、果たして本当に論理性が高いか、論理的か、という問題については議論がありますが、それについてはここでは触れません。)
因みに「中医学」は、先ほど言う「中国伝統医学」と区別するために、あえて「”現代”中医学」と言われることもあります。
・・・しかしこの、「唯物論」という発想は、自然界の全ては「物質」で構成されており、「物質」間に働く物理法則でもって理解可能、というのが基本スタンスですから、
この考え方の中にあっては、東洋医学のいう「気」というものも、
「気とは物質である」
ということになり、確かに理解しやすい部分がある半面、深く勉強していくと、色々な不具合、納得しにくい部分が生じてしまいます。
(少なくとも私はそう思います。)
要は、
「気」は現代物理学のいう、質量を持った「物質」とは、言い切れないのではないか?
ということです。
また、東洋医学のいう「陰陽五行」という認識方法、法則も、必ずしも物理現象の解釈、という範疇のみに用いるものでもありません。
新中国(中華人民共和国)は、主に1950年代に、現代まで続く「中医学」の国定教科書の第一作目を作成していった訳ですが、この「まとめる」という過程では、
当然、「そぎ落とす(端折る)」という作業をしなくてはなりませんので、まとめ上げられた完成品は当然、分かり易いし教育に使い易い反面、
東洋医学の悠久の歴史が持つ、全ての情報を網羅したものには当然なりえません。
「唯物論」の基軸からして、”例外”や”矛盾”や”説明しにくい因子”は、一定程度排除される訳です。
・・・こないだ、患者さん(とある科学者さん)と話していたのですが、どんな優れた論文でも、「まとめる」時には必ず、それを書いた人の「美学=美意識」が入り込んでしまうそうです。
(そりゃそうだわね)
なおかつ、その論文を評価する側、採用する側の「美意識」も、その論文がいかほど世の中に許容されるか、という意味では、大きく関与してくるそうです。
・・・ですので、当然、まとめられた当時(1950年代)の時代背景の影響や、編纂者のリーダーの美意識の影響なんかを多分に受けて、一貫した考え方(この場合は唯物論)、
美意識でもって、「東洋医学」を現代風にまとめ直したものが、いわゆる「中医学」だ、ということになります。
「唯物論」でもってまとめたたことの是非論についてはともかく、僕から見れば、少なくともこれをやったということには、大変意義があると思います。
僕自身、「中医学」というものがあったから、東洋医学を勉強する気になった、と言っても過言ではありません。
鍼灸の学生時代に、鍼の世界というのはオカルトや迷信や単なる神秘じゃなくて、れっきとした医学なんだ!と思えたのも、「中医学」というものの、
ある種の論理性に出会ったお蔭だと思っています。
そうして、知識を少しずつ深めていった後に、中医学の考え方だけでは説明がつかない部分や、また、日本の歴代(特に江戸期)の医者達の、面白い見解や独創なんかに出会っていく訳ですね。
・・・ちなみに「中医学」が中国独自の伝統医学だとすれば、韓国にも、それとよく似た「韓医学(かんいがく)」というものがあります。
両国ともに、西洋医師とは別に、それぞれに自国の伝統医学を修め、実践する専門資格である、「中医師」、「韓医師」という国家資格を設け、
大学教育、インターン含め10年ほどかかって取得させ、現在、両国の国民の健康に大いに寄与しています。
・・・となると、あれ? 日本はどうなの??
「日医学」は?
「日医師」は?(苦笑)
日本の明治維新以来の西洋化、富国強兵、産業立国という方向性が、医療制度において、思わぬところで周辺2国との「差」を生んだようですネ。
(あえて「違い」と言わずに「差」と言わせてもらいます。)
まあ今日のブログは、患者さんはあんまり興味ないかも知んないけど、日本の東洋医学の現状が少しは分かるんじゃないかな、と思って書いてみました。
医学、医療というのは、庶民の幸福な暮らしと直結するものであり、その時その時の時代の背景にある支配的な思想や哲学の影響をモロに受ける、ということです。
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2010.03.15
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この間、(社)北辰会代表理事、藤本蓮風先生の新刊書籍が発刊されました。
タイトルは『東洋医学の宇宙 太極陰陽論で知る人体と世界』です!
2010.03.05
もう終わっちゃったけど、3月3日は「ひな祭り」でしたね。
・・・ところでこれ、一体何なんですかね?
ひな祭りになると、お家にはひな飾りをします。
(お内裏さまとお雛さまね)
僕の田舎では、あのひな飾りの大きさが、そのままその家の裕福度を示していたような気がします。
(笑・・・貧乏人の卑屈な思い込みかもしんないけどね。。。)
友達の家は立派な段飾りをしているのに比べ、我が家のひな飾りのあまりの小ささ、みすぼらしさに、子供ながらにヘコんでいたことを思い出します。(苦笑)
これが始まった起源は、はっきりとはしていないようですが、もともと、上巳(じょうし)といって、七草、端午、七夕、重陽の五節句の一つとして、
古くから季節の節目と考えられ、特別視されていたようです。
これが平安時代ぐらいから、雅な「人形遊び」から徐々に発展していったのが、現在の「ひな祭り」のようです。
ここで面白いのが、お内裏さまとお雛さまの「左右」についてです。
明治以前の日本では、「左(向かって右)」に立つ人が偉いとされ、日本でも明治天皇は皇后と並ぶ時「左」に立ったと言われます。
大正以後、西洋化に伴い、天皇も西洋式に「右(向かって左)」に立つようになりました。
現在の天皇も、よく見るといつも皇后さまから見て「右」にいますね。
京都などでは、旧来式を重んじ、左(向かって右)にお内裏様を置く家もあるようですが、一般的には向かって左にお内裏様を置くことが多いようです。
しかしこれ、結論的には、「どっちでもよい」ということらしいです。(笑)
「左右」というのは、相対概念ですよね。
右がなければ左もない、という風にね。
また、あるものから見て「左」にあるものでも、それよりさらに「左」から見たら「右」にあるもの、となります。
東洋哲学では、「左」を陽、「右」を陰と分けます。
日本では、ある宗教の説ですが、「左」は「火だり」、「右」は「水ぎ」が元々の語源とし、認識している考え方なんかもあります。
火と水は「カミ」と読むぐらいで、まさに自然界の「陰陽そのもの」ですよね。
こういう話しをし出すと止まんなくなるのでやめますが(笑)、まあ要はですね、この「左右」のバランスがうまく取れてることが重要なんであって、
どっちが偉いとか、重要だとか、そういう議論はナンセンスなんです。
人間の体しかり、人間関係しかり・・・です!
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清明院に皆様のお力を!<m(__)m>
2010.03.04
いや~、せっかく暖かくなってきたと思ったら、先週末ぐらいからまた寒くなっちゃいましたネ・・。
ところで昔から、この時期のことを「三寒四温」と呼んでいます。
これは、朝鮮半島や中国北東部でも同じような現象があるらしく、3日寒い日が続き、その後4日は暖かい日が続く、という、7日間周期の独特な現象なんだそうです。
これが大体お彼岸(春分の日)ぐらいまで続くので、「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉もあります。
・・・ところで我々東洋医学を実践する者にとっては、この時期はやっかいです。
なぜなら、人間の体には、暖かい日には皮膚がゆるんで、汗や水蒸気を発散して体にこもった余分な熱を発散し、寒い日には皮膚を緊張させて、
熱(陽気)を漏らさないようにするという、いわば
「自ら陰陽バランスを調節する」
霊妙で重要な働きがあるのですが、これがあまりにも頻繁に、交互に行われると、この働きがついていけず、病になることがあります。
しかも、春先という時期は気が上にのぼせ易い時期でもあります。
これについてもそのうち解説しようと思いますが、この時期によく問題になる「花粉症」なんていう病気は、その典型例です。
要は、寒いなら寒いまま、暑いなら暑いまま、であれば、体の調節機能も余裕で対応できるけれども、これがあまりにも「頻繁で極端」だと、
ついていけなくなる人が出てくる、ということです。
これの治療を考える上では、発散できずにこもってしまった「熱」にとらわれたり、発散しすぎて冷えてしまった「寒」にとらわれ過ぎると、
治療した翌日の気候いかんによっては、症状を悪化させることがあります。
そこで、こういう不安定な時期は、あまり極端な治療はあえてせずに、治療した翌日が暑くても寒くても、患者さんが上手に、スムーズに対応できるような治療を考えなくてはなりません。
(もちろん患者さん一人ひとりに合わせて個別にね。)
ここら辺が、この時期のあらゆる病変に対する治療の、難しくもあり、面白いところでもあります。
・・・ところで、全然話変わるけど、もう終わっちゃったけど、「ひな祭り」ってなんでしょうかね?
次回はそのお話。
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2010.02.28
今日は、中医学の基本としてよく語られる「弁証論治」とは何か、について書きたいと思います。
僕もコレ、二十歳の頃、最初に本で読んだ時は、何やら難しそうな熟語だな~・・ワケ分かんなそうだな~・・と思いました。
そいで、辞書で「弁証」と調べてみたら・・・
「弁証法とは、哲学用語であり、世界の事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則であり・・・」
な~んて出てきて、ますます難しそ~・・!タスケテ~!もう無理~!!ってなっちゃいました。(苦笑)
・・・でも、あとからよくよく冷静に考えたら、実は「弁証論治」という言葉を理解すること自体は、意外と簡単なことでした。
まず、上に挙げたような、いわゆる哲学用語の「弁証」という言葉と、中医学の言う「弁証」という言葉は、意味が違います。
全く無関係でもない、という話もあるんだけど、まずは別物、と考えた方が圧倒的に理解しやすいと思います。
東洋医学では、「治療する、その時点における病理状態(病態)そのものや、病態の本質」のことを「証(しょう)」と言います。
まずこの「証」を判断してから、それに基づき、「論理的に」治療を進めることを「弁証論治」と言います。
まさに、
「証を弁(べん)じて治を論ずる」
訳ですネ。
東洋医学、中医学の言う「弁証論治」というのは、そういう意味であります。
ちょっと難しく(というか詳しく)言えば、
「様々な東洋医学独特の診察法(四診法)のような、具体的な分析方法に基づき、様々な東洋医学独特の手法(鍼灸、漢方薬など)によって、
性質の異なる病変を、論理的に解決する方法、過程」
のことです。
〇
大事なことなので、ここでさらに説明を加えます。
患者さんは、鍼灸院に訪れた時に、その時その場で突然、「今まさに」症状を発症した訳ではありません。
鍼灸院にかかるまでの間には、まず、これこれこういう体質を持って生まれ、これこれこういう条件がそこに加わったことがきっかけとなって、今回の症状を発症してから、
次にこうなって、次にこうなって、そして最後にこうなったから、今の状態に至った、だから診てもらいたいのだ~!という、言わば「病の歴史」というものがあります。
これを「病歴(既往歴・現病歴)」と言います。
この「病の歴史(病歴)」を、発症以前のそもそもの体質も含めて、まずは細かくお伺いし、それがなぜそうなったのか、「東洋医学的に」分析し、
その結果として、今、この瞬間が、「東洋医学的に」どのような状態なのか、それを表わすのが「証」です。
例えるなら、治療するその時点での「病気の断面図」のことが「証」です。
「証」を明らかにすることを「弁証(べんしょう)」と言います。
そして、「論治」ということは、それを「論理的に治療する」訳ですから、先ほど言った「病の歴史」がキッチリと東洋医学の理論でもって、ピシッと分析出来てなければなりません。
なのでよく、中医学の成書では
「弁証は論治の根拠であり、論治は弁証の目的である」
なんて言われます。
まあ、それがより正確に、的確に、シャープに出来るようになるために、わざわざ日曜日の度に勉強会に行ったり、飽きもせずに何冊も本を読んだりしてるんです。
僕らは毎日毎日、こういうことをやっている訳です。
決して超能力者なんかじゃないし、鍼が効くということは、何にも不思議現象、超常現象ではないんです。(笑)
もちろん、この医学の大前提としての「気」や「陰陽」という、東洋の偉大な自然哲学を「あるものと考えて」こそ、の話ですけどネ。(苦笑)
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2010.02.26
新たに「患者さんの声」が届きましたのでお伝えしたいと思います。
90代 女性
症状:高血圧、動悸、大腿骨骨折後の後遺症による歩行困難
若い時から血圧が高くて悩んでいました。50歳の頃からは血圧が上が190~160の間でした。
頭は痛くなるし、眩暈はするし、胸がドキドキしていました。
薬を飲んでも胸はドキドキ、どうにもなりません。
マッサージにも病院にも随分通いました。
70歳の頃、旅行中に鼻血を出して救急車を呼ぶ始末でした。
その後、少しして、今度は雨の日に転んで大腿骨を骨折しました。
それ以来歩くのが不自由になり、杖をつく始末。
少しの庭仕事も不便を感じていました。
大分経った頃、主治医の先生に竹下先生を紹介していただきました。
90歳にもなって、どうかと思いましたが、「ワラ」をつかむ思いでした。
早速いらしていただき、診ていただきましたら、
「大丈夫です。何とか歩けるようになる様、努力してみましょう。」
と言われ、その力強い言葉に嬉しくなって早速お願いしました。
それから3年、雨の日も風の日も一生懸命に治療をしていただき、先生を見る度に、先生の手が「神の手」か「魔法の手」に見えると喜んでいます。
今では足も大分良くなり、体も楽になりました。これも先生のお蔭と感謝しております。
春になればまた少し良くなるだろうと楽しみにしております。
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
【清明院からのコメント】
この方は、以前私が勤めていた治療院の時からの、古い患者さんです。
初診の時、年齢の割にとても大きな声と、ハッキリとした発音で、しっかりと受け答えなさる方だなあ、という印象を受けました。
足に関しては多少の筋肉の委縮はありましたが、年齢の割に筋力があり、「これならいける!」と直感したのを覚えています。
「腎陰虚(じんいんきょ)、少陽経(しょうようけい)の経気不利(左右差)」と証を立て、現在は副院長である松木先生に治療を任せ、今日に至ります。
経過も順調であり、血圧の方も安定しているようで、安心しております。
大腿骨の頚部骨折と言えば、高齢者の四大骨折(手首、肩、腰、大腿骨)の一つに数えられる、そのまま寝たきりになってしまうこともある、
大変重大な骨折ですが、この患者さんの場合は運良く何とか歩行できるまでに回復されていたので、筋力の低下が軽かったことが、経過が良かった原因の一つだと思います。
まだ現在も、どうしても歩行時の体の傾斜があるので、左右のアンバランスを整えながら、転倒にだけは細心の注意を払っていただき、治療を行っております。
たとえ95歳と高齢であっても、東洋医学ではその時点での「陰陽」バランスがいかほど取れていて、いかほど「治る力」があるかどうかを意識して治療します。
ですので、高齢だから、骨折の後遺症だからと言って、あきらめる必要は全くないと思っています。
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2010.02.25
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前回まで、
ⅰ.「表裏」
ⅱ.「寒熱」
ⅲ.「虚実」
という、3つのテーマについて書いてきました。
そして、東洋医学ではこれらの考え方を使って、患者さんの
「どこに(病位)」
「どういう(病性)」
病があり、
「その勢い(病勢)」
はどうなのかを、まず大まかに診断するんだよ、ということを述べました。
この考え方(診断方法)を、
「八綱弁証(はっこうべんしょう)」
と言い、これは東洋医学的な鍼灸治療をする上で、絶対にはずせない診断法(弁証法)の一つです。
歴史的には、清代の程国彭(ていこくほう)が1732年に撰した『医学心悟』の中の「寒熱虚実表裏陰陽辦」に説かれ、
その考えは1742年、呉謙の『医宗金鑑』にも引き継がれ、現代中医学の弁証法の基本の一つになりました。
なぜ「八綱」と言うのかというと、組み合わせとして、
「表か裏か」の2、
「寒か熱か」の2、
「虚か実か」の2
を掛け合わせると2の3乗となり、2x2x2=8パターンが得られます。
すなわち、全部は書かないけど、「表、寒、実」とか、「表、熱、実」・・・とかって組み合わせていくと、8通りの組み合わせが得られ、
それを「八綱(はっこう)」と呼び、大まかに病気を分類することが出来る訳です。
因みに、ここでしっかりと断っておきますが、上記は私の個人的な考えです。
中医学の教科書には、どの本にも八の要素を並列に並べて、陰陽、表裏、寒熱、虚実で八綱、という風に解説されていますが、個人的には上記の説に一票、という感じなんです。
(何の本で読んだか忘れたけど。。(^^;))
これは私の「八」に対する解釈にもかかわってきます。
奇経八脈の八、八法の八、八卦の八にしても、やはり総綱としての「二(陰陽)」があり、それの組み合わせや現れ方の違いのために他の「六」がある、
と考えた方が、個人的には納得できることが多いからです。
(まあ些末な話っちゃ話だけどね)
〇
患者さんの病気のパターンが、この8パターンのうちのどこに収まるか、ということは、我々にとってとても大事です。
なぜなら、これによって「治療の大まかな方向性」が決定づけられるからです。
病気というのは、患者さんが訴える、表面的な「症状」にのみとらわれて、治療や診断そのものが右往左往していては、なかなか治っていきません。
大事なのは、その症状を出さしめている本質は何か、要は病の本体は何なのか、ということを常に意識して治療を進めることなんです。
そうしないと、治るものも治らないんです。
これを中医学では「治病求本」といい、2500年前の東洋医学のバイブルである『黄帝内経素問』陰陽応象大論(5)に「・・治病必求於本.・・」とある通りです。
治療を技術論と考えると、本当に治療のうまい先生ほど、この「八綱弁証」が正確で、かつブレないんだと思います。
・・・ですから治療経過の中で、多少の症状の増減はあろうと、方向性が正しい訳だから、結果的には徐々に徐々に、確実に治っていく訳ですね。
ここが正確であれば、術者もフラフラすることなく、一貫性のある治療を進めることが出来るわけです。
まあ、ちょっとこのシリーズは難しかったかもしれないけど、とても大事な考え方なので、あえて書きました。
・・・ところで、清明院のHPにもこのブログにも、よく「弁証(べんしょう)」とか、「弁証論治(べんしょうろんち)」という言葉が出てきます。
コレ、聞き慣れませんよね?次回はそのお話。
〇
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2010.02.24
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・・・続いて、「表裏(ひょうり)」についてです。
日常会話の中でも、
「表裏一体」とか、
「表裏(おもてうら)のない人」
とか、よく言いますよね。
要するに「表(ひょう)」というのは見えてる部分、「裏(り)」というのは見えない部分のことを意味します。
この意味から、「表の病」というのは、「見えてる病」「表面的な病」という意味を持ち、要は病気の位置が浅いですよ、ということを示します。
浅い、と言うと、じゃあアトピーなどの皮膚の病気は「表の病」か、ということになりますが、そうではありません。
症状の出ている部位のことではなく、あくまでも、主な病変部位(言わば主戦場、症状の原因となる、陰陽バランスの崩れた場所)が浅い部位にある病を「表の病」と言います。
ですので、慢性のアトピーなどでは、症状が出ているのは皮膚であっても、主な病変部位は内臓(臓腑)の機能異常、バランス異常だったりするので、
「裏の病」という判断になる訳です。
「表の病」の例を挙げると、体の外からガンガン冷やされたり、あるいは乾燥して喉が痛いなどの、かぜの初期段階なんかが相当します。
これに対して「裏の病」というのは、「見えない病」「深い部分の病」という意味を持ち、深い部分、すなわち、繰り返しになりますが「臓腑」に病があるものを言います。
これも、簡単に「深い」と言ってしまうと、西洋医学的な肝炎とか腎炎とか胃炎などの、内臓の炎症疾患とかを想像しますが、そういう意味ではありません。
東洋医学の言う「臓腑」の病変と、西洋医学の言う「内臓=organ」の病変とは、意味が違います。
東洋医学では、内臓の形体的な異常に注目しているのではなく、五臓六腑それぞれの機能のバランスの乱れに注目しているのです。
ここは混同しないようにしたいですね。
ですので、慢性の頑固な病気などは、ほとんどが「裏の病」の範疇に入ってきます。
たとえ、肩こりであっても、です。
このように、東洋医学では”表裏”という概念(ものさし)を使って、病変(陰陽バランスの乱れ)が起こっている部位(位置)を考えますので、この考え方を「病位」と言います。
我々は、前回、前々回とお伝えしてきた「虚実(病勢)」「寒熱(病性)」「表裏(病位)」という、東洋医学独特の分類概念を駆使して、
「病の趨勢」「病の性質」「病の部位」という観点から、まず大まかに患者さんの病気を大きく「陰陽」に分析する訳です。
この「虚実」の2つ、「寒熱」の2つ、「表裏」の2つの物差しを使って、まず病を大きく「陰陽」の2つに分けることを、
「8つの綱領を弁(わきま)える」という意味で「八綱弁証」と言います。
因みに個人的には「虚実」の2、「寒熱」の2、「表裏」の2をそれぞれ組み合わせると、「虚・寒・表」「虚・寒・裏」「虚・熱・表」・・・と、組み合わせが8通りできるので、
その8通りの組み合わせに、とりあえず全ての病を概括できるという意味で「八綱弁証」という理解の方が好きだったりします。
この分類概念(弁証法)は、実は他にもまだまだあります。
そのうち気が向いたら書こうかな、と思います(笑)
それで、「ここぞ!!」というところに鍼灸を施し、アンバランスを整え、治療させていただく訳ですね。
東洋医学は、とっても科学的で芸術的な医学なんです。
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2010.02.22
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今日から、東洋医学独特のいくつかの考え方について、簡単に述べてみようと思います。
まずは「虚実(きょじつ)」についてです。
古代中国の自然哲学では、何もかも全てのもの(森羅万象)を「気」から出来ていると考え、それを「陰陽」の二つに分けて考え、その運動で持ってすべての事象を説明する、という話は、以前にしました。
・・・東洋医学では、この考え方を当然、人体においても用いている訳ですが、「病気」というものを考えた場合、問題になるのは、
その陰陽のバランスがどう崩れているか、
どうすれば元通りに出来るか、
というところですよね?
そこで使う考え方が
「虚実(きょじつ)」や、
「寒熱(かんねつ)」や、
「表裏(ひょうり)」
という概念です。
このうち、まず「虚実」ですが、
「虚(きょ)」というのは、字のまんまですが、「うつろ」とか「足りない」ということを意味します。
「実(じつ)」はその反対で、「充実している」「過剰である」という意味があります。
この考え方から、何かが足らなくなった病気を
「虚証(きょしょう)の病」
と言い、何かが過剰になった病気を
「実証(じっしょう)の病」
と言います。
「虚証の病」であれば、病気を試合や戦に例えれば、防戦一方、という感じになりますし、「実証の病」であれば、バチバチの殴り合い、激しい交戦状態を示します。
そこからして、この”虚実”のことを「病勢」と呼んだりします。
そして、さらに細かく具体的に、「どこの」「何が」足らないのか、「どこの」「何が」過剰なのかを考えて、それがいち早くもとに戻るように考えて、戦略的に治療します。
因みに、邪気と戦う「正気(せいき)」が過剰(実)で、「邪気(じゃき)」が足らない状態(虚)なんであれば、それは健康体ということですから、治療対象にはなりません。(笑)
「病体」というのは、必ず正気が虚、あるいは邪気が実、またはその両方が混在している、という状態になっている、と考えます。
我々が普段行っている診察(四診:望聞問切)というのは、ここからさらに
「虚」の中心(根本原因)
や、
「実」の中心(根本原因)
を突きとめ、明らかにするために行います。
そしてそれを突きとめたならば、うつろなところが充実するよう、あるいは過剰な部分が散って落ち着く(平均化する)よう、鍼灸を施したり、漢方薬を飲んでいただいたりする訳ですね。
故に、「虚実」は、鍼をする上で、絶対に外せない考え方の一つなのであります。
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2010.02.06
これまでのお話・・・
「七情」って何ですか?
「怒」について
「喜」について
「思」について
「悲」「憂」について
「恐」について
「驚」について
まあ長々と「七情」について書いてきましたが、今日が一応の完結編です。
日々生きる中で、人は精神的にも肉体的にも、あらゆる刺激にさらされています。
東洋医学では特に、精神的な刺激に対する様々な反応のことを「七情」と名付けて、まとめている訳ですが、現代人はコレの「過不足」が病気の根本原因となっていることが、
あまりにも多いように思います。
これは日々患者さんから話を聞いていて、ホントによく思いますね。
これについて、
「何でかな~・・?」
と考えると、1つには、例えば寒さや暑さといった、肉体的な刺激に対しては、文明の利器を使ってかなり回避することが出来るようになったけど、
精神的な刺激に対してはどうしても回避できないためなんじゃないかな~、なんて、思います。
なんぼ、クーラーや暖房を使って快適な空調環境で生活していても、そこに嫌いな人が一人いたらもう台無しですよね。(苦笑)
とたんにそこは不快な環境になりますよね?
また1つには、あらゆることがお手軽に、大した労力もなく出来てしまう世の中なので、いろんな場面で
「我慢する」
という考え方が出来にくくなっているんじゃないでしょうか?
だから、ちょっとした人間関係のもつれも我慢できない。
あるいは、職業選択にしろ何にしろ、生きる上での自由が保障され、生きる上での選択肢があまりにも多すぎて、結果的に余分なことまで考えるようになってしまい、
だんだん、何が何だかワケ分からなくなっちゃって、迷いに迷って、日々が楽しくなくなり、徐々に病気になる人もいます。
これらは要は、幸せすぎて不幸せになった、という、ある意味
「陰陽が転化した」
皮肉なパターンだと思います。
現代人というのは、高度な文明が生み出した様々な道具によって、外的刺激を上手に回避できるようになった分、もともと持っている、
外的刺激(精神的なものも含む)に柔軟に対応する力が弱くなっているんじゃないでしょうか?
(例えて言うなら、時には我慢して続け、時にはスパッとあきらめる、みたいなバランス感覚のことね。)
今後もますます文明は発達し、生活の利便性、快適性はもっともっと上がるでしょう。
それはそれで喜ばしいことなのは言うまでもありませんが、その分、内面、つまり「ココロ」を病んだ人間は増えるかもしれません。
現在、うつ病患者の激増が問題になっているのも、その前兆に思えます。
その時こそ、「心身一如」の考え方で「カラダ」を通じて「ココロ」にも同時にアプローチ出来る、東洋医学の出番でしょう。
〇
長年、鍼灸治療をしていると、患者さんの顔つきが段々穏やかになっていくのが分かります。
蓮風先生がよく仰るように、体がほぐれると心もほぐれる、ということなんでしょう。
これを西洋医学のように「強引に」やらずに、常に全体のバランスを意識して「無理なく」やろうとするところが、東洋医学の良さじゃないかな、と思います。
(もちろん場合によっては「強引さ」も大事でしょうが・・・。)
以前、どこかで
「21世紀は東洋医学の時代」
なんていう言葉を目にしましたが、ホントにそうだと思います。色んな意味で。
・・・ただこのキャッチコピー、一見いいんだけど、本当は「東洋医学」の前に”確かな”を入れるべきです。
治療に鍼灸を使ったから、漢方を使ったから即東洋医学、ではなく、それらをキチッと、東洋医学が本来持つ意味、意義を分かった上で使いこなせる人間が使って、
初めて「東洋医学の時代」と言えるんだと思います。
エラソーに言ってますが、もちろん僕もまだまだ精進しなくては、ですがネ・・・。
・・・ちょっと話がそれたけど、「七情」のまとめとしては、要するにバランスが大事で、「過不足」がなければ問題ないんだから、しっかりとした自分を持って、
日々伸び伸びと生きていこう、感情を変に抑えずに「普通に」表現していこう、そうすりゃ病気にならないで済むよ、ということです。
・・・そんなの難しいから出来ない?(苦笑)
ちょっとは努力しましょうよ。
人生は一回コッキリです。(笑)
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!