東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「経穴(けいけつ)」って何ですか?

2009.11.29

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この疑問については、清明院HP内の「よくある質問」のコーナーに挙げてありますので、まずはそちらをご覧ください。

清明院HP内「よくある質問」

 

ここに書いてあるように、「経穴」というものは、

1.目には見えず、機械で測定することも出来ず、

2.緊張度や寒熱などが「変化する力」が大事であり、

3.「ある病気、症状=〇〇という経穴」という考え方は間違いである、

と述べてあります。

 


今日はさらにこのことを詳しく、分かりやすく、述べてみたいと思います。

 


なるべく患者さんに分かるように、専門用語は極力避けて、説明してみようと思います。

 


まず、1.目に見えない、機械で測定できない という定義づけですが、これは、”「気」って何ですか?”のところで述べたとおり、東洋医学のいう「気」というものは、

 

絶えず動いており、ギュッと集まれば形を成し、ふぁ~と散れば形を成さないものである、という、この宇宙の有形と無形の間を自由に行き来する存在であり、

 

人間の「カラダ」というものは、その「気」が集まった形であると考え、さらにそのカラダの中を「流れる気(経絡の気)」も、形のない存在、と考えます。

 


「気が集まって、形を成した姿」である人間の体を、縦横無尽にめぐる「経絡の気」は、「形のない存在、つまりここでは目に見えない存在」として、

 

ぐるぐると全身を廻りながら、人間の「陰陽のバランス、調和」を保っている、最も重要な存在、と考えます。

 

東洋医学ではそのように考えているため、目に見えない経絡の上にある「経穴」というものも、当然目には見えないですよ、となります。

 

 

で、この「気」そのものを物理的、あるいは数値に置き換えたりして、機械で捉えることは現状出来ていません。

 

 

だから非科学だ、ではなく、現状の最先端科学ですら追い付いていない、大いに研究対象とすべき「未」科学とはいえまいか、というのが、私個人の考え方です。

 

次に、2.経穴が変化する力の重要性 ですが、これは実際に、毎日毎日患者さんの経穴を診ていますと、それは実に様々に変化します。

 


時には冷えたり、熱を持ったり、ガチガチに硬くなったり、ふにゃふにゃに柔らかくなったりと、その場その時によってあらゆる変化を見せます。

 


・・・要するに、「経穴」はこうやって色々と変化しながら、時々刻々と移り変わる外界の環境に適応するべく、結果的に体全体の「陰陽のバランス調和」を保ってくれている訳です。

 


この変化する力が強ければ強いほど、「陰陽バランス」を保とうとする力が強い、すなわち、「生命力が強い」と考えます。

 


東洋医学ではこの、人間みんなが持つ「陰陽バランスを保とうとする力」すなわち生命力、言いかえれば自然治癒力(免疫力と言ってもいいかもしれません)、

 

さらに平たく言うと、人間もともと持つ「治る力」を、鍼灸や漢方で調えて、最大限活かしきることによって、病気を治そうぜ、というのが目的なんです。

 


まあ簡単に言うと”カラダにとって無理や負担の少ない、やさしい医学”ですね。

 


ですから、3.〇〇の病気には〇〇という経穴 という考え方で、同じ経穴に延々と処置をしていても、時々刻々と変化する、外界や人間の体の微妙な変化に、

 

到底ついていけるはずはないんです。

 


ただ、そういった本をよく見ますと、確かに〇〇という症状の場合に、変化の出やすい経穴が、大体紹介されていることに気付きます。

 

 

あるいは、有名な古典からの引用も多いです。

 

(つまりは、過去の名医の経験則です。)

 


なので、中には本に書いてある通りのことをやって、病気や症状がよくなる人がいるのはそのためなんです。

 


しかし、「経穴」というものはそういう、通り一遍の使い方をすると、場合によっては症状を悪化させることもあります。

 


そもそも、人間の健康に関することを、軽々に扱ってはいけません。

 


最近はインターネットもあるし、あらゆる情報が無数にあふれ、しかもそれを簡単に手にできる時代です。

 


その中にはもちろん正しく尊い情報もありますが、単なる「お金もうけ」のための、おかしな情報もかなり混ざっています。

 

 

あるいは、医療従事者ですらない者による、無責任な知識のひけらかし、単なる売名行為も少なくありません。

 


しかも、おかしな情報に惑わされない、冷静な自分を持つことすら難しい、ストレスフルな世の中ですしね(苦笑)

 


僕はこのブログで、自分が出来る限り最大限、「正しく尊い情報」を発信していこうと思っています。

 

(まあ、そうはいっても間違うこともあろうかと思います。もし誤謬を見つけて下さったら、ぜひご教示ください。)

 

・・・だいぶ前に、寝違いの患者さんを治療した時、うまくいって、治療直後に劇的に痛みが取れたことがあります。患者さんは信じられない、といった様子で、

「先生には”気の流れ”とかが見えるんですか??」

と聞いてきました。

 

僕は即座に、

「いえいえ、まったく見えませんよ。普通に東洋医学的に診立てて治療しただけですよ。(笑)すごいのは僕じゃなくて、東洋医学なんだと思います。

 

しっかりと勉強して経験を積めば、今のは誰でも出来ます。」

と、答えました。

 

患者さんは

「なるほどー・・・。」

と仰っていましたが、ここでもし、

「ええ、見えます。実は私には神通力があるんです。今後寝違いを2度と起こさないためには、このネックレスを100万円で・・・」

と答えてたら、今頃お金持ちになってたのかしら・・・。(苦笑)

 

 

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「経絡(けいらく)」って何ですか?

2009.11.26

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・・・「気」「陰陽」ときて、今日は「経絡」について書こうと思います。

 

「陰陽って何ですか?」のところでチラッと述べましたが、「経絡」というのは、ごく簡単に言えば

 

「体を流れる”気”の主な通り道」

 

です。

 

 

その通り道の上にあって、「気」の流れを調整するのに役立つ点を「経穴(けいけつ)」というわけですね。

 

 

・・・まあ最近、コンビニに売ってる本なんかで、『〇〇に効くツボ大事典』とか、『~ツボダイエット』とか、

 

 

ヒッジョーに、ある意味安っぽく、ある意味キャッチーに、経絡や経穴が扱われています。(苦笑)

 

 

どこそこのツボを押せば、間違いなく〇〇の病気が治る、とか、どこそこのツボを押せば、間違いなく痩せる、とかが、もし本当ならば、僕らはとっくに億万長者です。(苦笑)

 

 

この世に病気の人なんか、いなくなりまっせ?

 

 

我々、真剣に、医療として、東洋医学をもって病気と向き合おうとしている者にとっては、「経絡」や「経穴」というものがあまり軽々に扱われるのは心外です。

 

 

れまで、このブログで、古代中国の自然哲学では、この世のすべてのものは「気」から出来ていると考え(気一元論)、その「気」「陰陽」の2つに分け、

 

それらがうまいことバランスをとることによって、あらゆる自然現象の「変化」を説明、理解したんだよ(太極陰陽論)、というお話をしました。

 

 

 

その「自然現象」には当然、人間のあらゆる活動(食べる、寝る、排泄するetc..)も含まれます。

 

 

これら一つ一つについても、東洋医学では細かく細かく、微に入り細に入り、説明されています。

 

 


どのように細かく説明されているかと言うと、人体のあらゆる器官(内臓、皮膚、骨や筋肉、目や耳などの感覚器)と、「経絡」というものを上手に結び付けて、

体の表面に出ている(というより体の表面からうかがい知ることのできる)様々な情報を、これでもか、と言うぐらい詳細に観察し、

そこから体の内部の機能(何が起こっているのか)を予測して、ひとつひとつ説明しています。

 

 


これは「蔵象学」とも言われ、昔から中国にある、「表をもって裏を知る」という、大変優れた考え方です。

 

 


『黄帝内経』はもちろん、有名な『管子』にも書かれているこの考え方は、現代でももちろん通じるものです。

 


・・・このことをもっと活用することが、実は現代の医療においても大変重要なんじゃないかと僕は思っています。

 

 


過剰、あるいは不必要な検査等によって患者さんにかかる肉体的、精神的、経済的負担を考えた時、このような考え方を最大限活かせば、

 

患者さんの負担をかなり軽減してあげることが出来ます。

 

 

もちろん、医療費削減にもつながるでしょう。

 

 

まあ、話がちょっとそれましたが、まとめますと・・・

 

1.東洋医学の言う「経絡」というものは、「人体における気の主な通り道」


2.人間の正常な状態(「陰陽」のバランスがとれた状態)を保つために必要不可欠なもの


3.経絡上にある特異な反応点である「経穴」を鍼や灸で刺激することによって、結果的に「気」の流れが調えば、体全体の気の流れの「陰陽」のアンバランスが調って、

 

正常な状態に近付くため、病気を治す力が最大化する、というわけです。

 

・・・簡単でしょ?(笑)

 

 

これが大まかに言った場合の、東洋医学の疾病観です。

 

 

このように、ごくシンプルな疾病観を持ってるから、逆に、どんなに複雑怪奇な病にも対応可能なんです!

 


病人における体全体の気の「陰陽」のアンバランスというのは、その人のもともとの体質や、病気の種類によっても違います。

 


また、時期によっても、地域によっても、さらには同じ人の同じ病気であっても、その場その時によって、違ってきます。

(ここらへんが難しいところなんです。)

 


「東洋医学」というのはそういう難しいことを、非常に分かりやすく、きれいに分類し、整理整頓して、実際に医療を行う者のため、ひいては患者さんのために、

 

極力運用しやすいような形で、何千年もかけて、上手にまとめてくれてあります。

 

 


・・・まあ、やればやるほど、勉強すればするほど、考えれば考えるほど、コレ(東洋医学)最初に考えた人って、一体何者だ!?凄すぎる!!と思います。

 


先人のそういった苦労には、ほんとに頭が下がります。

 

 

 

「経絡」って何ですか?(その2)  に続く

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当院の名前の由来

2009.11.13

今日は、当院の名称「清明院」の由来について書きたいと思います。

開業前からの患者さんからは、

「安倍晴明を意識したの?」

とか、

「これからは清く明るく生きることにしたの?(笑)」

とか、色々聞かれるんですが(笑)、結論から言うと、知り合いの有名な姓名判断の先生のおっしゃる吉運の画数のなかで、

もともと「〇明院」という名前で考えてて、一文字目は「清」がおさまりがよかったんですよ。

(笑・・・ただこれだけのことです♪)

おさまりがよかったというのは、画数的、音的(響き的)、字面的、意味的にね。

(僕の中で)

僕はどっちかっていうと、占いとか姓名判断ていうのは、面白いとは思うけど、絶対的な物事の判断基準にし過ぎるのはどうかと思うタイプです。

(まあそれが一番一般的なタイプじゃないかなと思うんですが。)

なのでこういう時、いつも占いに頼ってすべてを決めてるわけではありません。

でも今回は、まず最初に、「竹下鍼灸院」とか、「新宿治療院」とか、ありふれた名称は何となくやだったのと、

長ったらしい名前もやだったので、シンプルかつ、何となくおさまりのいい字を使った名前にしよ!

ということでけっこう考えまして、最初に浮かんだのが「明」という字だったんですよ。

「明」ってね、ばらすと「日(じつ)」「月(げつ)」って書くでしょ?

日は太陽、月はお月さま、これって「陰陽(いんよう)」の関係じゃないですか!

よし、じゃあこの字を真ん中に持ってこよ!・・・と思ったわけです。

(何となくです。)

次に最後の文字を「院」「堂」かで悩みましたが、「~堂」とつけている先輩の先生があまりにも多いので、

そこは単純にカブらないように「院」にしました。(笑)

「~院」の方が僕の知り合いの中では少数派で、そちらに1票!というわけです。

で、頭の一文字目は色々と考えたんですが、「清明」という言葉は二十四節気の一つにあります。

ものの本には、4月5日頃の、桜満開の、天地に澄んで明るい気が満ち溢れる時、と書いてあります。

また熟語としては、「清明なる秋晴れの日」とか、「清明なる秋月」とか、いずれも、澄み渡って明るい、という意味があります。

お、いい意味じゃん、なんかいいじゃん、で、姓名判断の先生に聞いたら画数的にもいいじゃん、じゃ、これでいこう、となったわけです。(笑)

で、「清明院」だけだとお寺と勘違いされるんで(笑・・・実際にされた)、ロゴに「東洋医学 伝統鍼灸」を入れた、というわけです。

まあ、細かく言うと、もうちょい色んな話もあるんだけど、今日はこの辺にしときます。

また機会があったら書こうかな、と思います。

ちなみにこの名前が決まった後、(社)北辰会代表理事の藤本蓮風先生に報告しに行ったところ、

竹「先生、今度開業することにしました!」

蓮「お!そうかよかったな!頑張れよ。で、治療院の名前は何にしたんや?」

竹「”清い”に”明るい”と書いて清明院です!」

蓮「ブッ(吹き出す)・・・全然イメージとちゃうやんか!」

竹「いいんです。(苦笑)ギャップを楽しんでください。」

蓮「そうか、まあ頑張れ!今度寄らせてもらうわ!」

・・・だってさ。

けっこう僕は自分のこと、清く明るい人だと思うんだけどなー・・・


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清明院ロゴマークについて

2009.11.12

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今日はコレ↑について書こうと思います。

たまに患者さんから聞かれるのですが、

「清明院のロゴマークって、先生が考えたの?あれどういう意味?なんか意味がありそうだけど・・・。」

という質問があります。

これはですねー・・・、ちょっと難しいんだけど、韓国の国旗とかにある、「太極図(たいきょくず)」ってありますよね?

 

参考 wikipedia「太極図」

この図はとても有名で、いろんなところで使われてるし、東洋医学においても、とても大事な図なんだけど、この図のもとになった、

 

歴史的に最も古いと言われる図に、「周氏太極図(しゅうしたいきょくず)」という図があります。

 

(上記サイトに載っています。)

この図は、中国の宋の時代の、周敦頤(しゅうとんい)という人が書いたとされる図で、

要するにこの世の中のすべてのものの始まり、成り立ちを図で示したもの、とされています。

この図の、上から2番目の〇の図をちょっと僕なりに色塗りしたのが清明院のロゴマークです。

古代中国思想では、すべてのものを陰と陽、という2つに分けて考えます。

男と女、天と地などなど、挙げればきりがないです。

そしてその考え方は当然医学にも反映されていて、人体の機能や形態も陰陽に分けて考えます。

そういう考え方で人体を見ないと、

「鍼を打って、気のアンバランスを整えて、病気を治す」

という考えには結びつきません。

僕は、その見方、考え方から離れれば離れるほど、鍼というものはどんどん本質から遠ざかり、

結局、効きが悪くなる、守備範囲を狭くする、と考えています。

また、現代医学、科学が今後も発達すればするほど、この見方(気や陰陽という哲学)はむしろ意味が大きくなってくる、とも思っています。

だから清明院のロゴマークは、「陰陽」という考え方の大切さを常に意識しつつ、

伝統に対するリスペクトの気持ちから、もっとも歴史的に古い図から引用した訳です。

ちょっと難しかったでしょうか・・・?

大丈夫でしょうか?

こういうテーマだとどうしても難しい話になりがちなので、極力抑えたつもりですが、感想いただければと思います。


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