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2010.04.19
昨日、4月18日の日曜日は、大阪で行われた(社)北辰会本部基礎コースに行ってきました!
今回は諸事情があって午後からの参加となりましたが(残念)、午後の講義はばっちり聴いてきましたよ~!
午前中は森洋平先生による「弁証問診とコミュニケーションスキル」という、我々にとって欠かせない、「問診」の実演デモ講義、午後は藤本彰宣先生による「陰陽の基礎」と「臓腑経絡学・三焦(さんしょう)」の講義でした。
「陰陽」は言うまでもありませんが、「三焦」というものも、東洋医学の基礎を固める上では欠かせない内容です。
この2つに対してどういう認識を持つかが、その後を大きく左右します。
この2つをあいまい、というかいい加減に理解していると、「東洋医学的な鍼灸治療」をなすことはとても難しいと思います。
彰宣先生の講義では、随所にとても重要な表現が散りばめられていましたね~。
僕も講義をさせていただくことはありますが、やっぱ基本的な内容を教えるにしても、その奥行きの深さをどこまで分かりやすく表現できるかは、
その講師の日常の勉強量にかかってきますね~。
まあしかし、1時から4時半までの長時間、彰宣先生、お疲れ様でした!
終了後の飲み会で、いつもより声が出ていませんでしたね…。(苦笑)
僕はちゃっかり、行ったついでに来週25日の関東支部の蓮風先生の特別講演も、ちょこっと宣伝してきました!
今回は本部の先生も10人以上参加されるようで、なかなか盛り上がりそうな気配を感じております。
申し込みは、お早めに!
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2010.04.05
昨日、4月4日の日曜日は、大阪で行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました。
今回の内容は午前中は愛媛の水本淳先生による、「傷寒雑病論」シリーズ講義。早いもので今回で9回目を迎えました。
僕は前回、諸事情により出られなかったので、今回の講義を楽しみにしていました。
今回もサスガの内容でしたね。
水本先生は東洋医学に、臨床にとてもアツい先生です。
また、非常に話しの上手い先生でもあります。
(落語が好きらしい・・・。)
午後は藤本蓮風先生による「経穴解説の解説」+「太極陰陽論」。
前半はすでに書籍化されている『経穴解説』に最新情報を加えながら解説。
後半はさらに最近書籍化された『東洋医学の宇宙』に絡めて、現在中国で販売されている、『黄帝内経(こうていだいけい)』を解説したDVDを上映し、
これを同時通訳しながら陰陽を解説する、という面白い試みをなさっていました。
70歳手前にして、まだまだ新しいことをやろうとしておられる姿勢、素晴らしいと思います。
その後は藤本彰宣先生による「医学史」、島内薫先生による「方剤学と空間」と、2つのシリーズ講義でした。
短い時間でしたが、お二人ともサスガでした。
そして、終わった後はいつものように飲み会・・。
最終の新幹線で帰ってきて、今朝から臨床であります!
これが僕の普段の生活です。(笑)
飲み会では、今後の北辰会について、色々と興味深い話が出ました。
面白いことになりそうですよ~。
また午前中の講義で、水本先生から、
「明日は二十四節気で言うと”清明”です。」
という言葉が出ました。明日はそのお話。
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2010.03.30
これまでのお話
鍼灸には保険が効かない!?(その1)
鍼灸には保険が効かない!?(その2)
鍼灸には保険がきかない!?(その3)
鍼灸には保険が効かない!?(その4)
鍼灸には保険が効かない!?(その5)
鍼灸には保険が効かない!?(その6)
鍼灸には保険が効かない!?(その7)
読者さんからの一つのコメントがきっかけとなり、長々と語ってまいりましたが、そろそろ「一旦」完結しようかな、と思います。
・・・まあ、何度も言うように、根本哲学の違いはあれども、「東洋医学」と「西洋医学」との間には何らの優劣はない、と僕は思っています。
(双方とも臨床面での得手不得手はあるにせよ、です。)
それに、国民皆保険制度自体は、なかなかいい制度だなあ、とも思っています。
最近のアメリカや中国など、世界中がその流れになっているのもよく分かります。
ですから、わが清明院にも、”往診事業部”を設けて、寝たきり、歩行困難のある、通院困難な患者さんに対しては、一部保険による往診も行っている訳です。
基本的には以上の考えから、僕としては鍼灸「も」保険適用にするべきだ、という考え方を持っています。
しかしこれまで語ってきたように、現状、それにまつわる難しい問題は山積み状態です。
まあ何を言ってみたところで、僕は一鍼灸臨床家ですし、自分自身そうありたいので、その現状を踏まえた上で、何をするのが一番いいか、
僕に何が出来るのか、ということを考えて、これまで自分なりに一生懸命やってまいりました。
そうしてたどり着いた、今のところの僕なりの答えが「清明院」なんです。
もちろんこれが唯一無二の正解だ、鍼灸師全員が目指すべき道なのだ!とも思いませんが、やっぱり、なんだかんだ言って、「患者さんに認めていただく」ことが一番早いし有意義だ、
と「僕の場合は」思った、ということです。
ある人は「いや、鍼灸教育の改革だ!」と言ったり、またある人は「いや、鍼灸そのものの国際化だ!」あるいは「鍼灸の現代科学的証明だ!」と言ったりしています。
・・・正直、どれも正しいと思うし、どれにも期待したいです。
各人が最大限、信念に基づいて、自分の役割を果たすべきだと思います。
僕にもっと余裕があったら、僕以外の人の活動にも、何か協力したいとも思います。
僕としては(その2)のところで述べたように、「国民皆保険制度」が日本で成立した時の、一番の立役者は国民(労働者)自身であることから、
国の制度に最も影響力を持つのは、僕らではなく、「患者さん(国民)」に他ならない、と思います。
だから僕らが真面目に東洋医学を極めて、それを支持して下さる患者さんを一人でも多く作ることが、僕なりに出来ることの最大限かな、
それにだったら人生かけてもいいかな、と思った訳です。
その患者さん達が周りのみんなに「鍼で治った」「鍼で楽になった」という事実を教え、徐々に徐々にそのことが国民の常識となり、やがては医療界全体、
国全体をも動かす日が来るんじゃないでしょうか。
まあ、気の遠くなるような壮大な話でね、とても僕がこの世にいる間には実現の難しそうな話ではあるけども、こんな素晴らしいことの実現のための捨て石になれるなら、
それも洒落てるんじゃないかな、と思います。(笑)
東洋医学における「気」や「陰陽」という哲学は、決して机上の空論、絵に描いた餅なんかではなく、古代中国人の素晴らしい知恵なんだということを、
僕は自分自身の臨床を通じて、日々実感しています。
現代科学以外の真実はありえない、という考え方は、生活の利便性の追求、という局面では確かに素晴らしいと思います。
しかし地球環境問題や、その他のそれにまつわる諸問題に目を向けた時、必ずしも絶対的な正しい考え方とは言えない、と思います。
ましてや「人体」という「自然現象」そのものの中に起こる「病気」というものにおいては、なおのこと、だと思います。
僕自身はもちろん、同じ志を持つ仲間たち、諸先輩方のひたむきな臨床が、より多くの患者さんの心を動かし、一人でも多くの患者さんが助かり、
ついには歴史を動かす日が来ることを、僕は願っています。
・・・以上にて、今回の「鍼灸には保険が効かない!?」シリーズは一旦終了といたします。
このテーマについては、細かいことを言い出したらまだまだありますので、そのうちまた書こうと思います。
ぷららさん、いいコメントを本当にどうもありがとうございました<m(__)m>
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2010.03.29
昨日、28日の日曜日は、いつも通り(社)北辰会関東支部の定例会に行ってきました!
(会場は代々木)
今回の内容は、午前中は基礎コースにて竹下謙先生による「臓腑経絡学総まとめ」、臨床コースでは後藤りゅう先生による「中医学総まとめ」、
午後は基礎クラスと臨床クラス合同で、北辰会本部の副学術部長である堀内齊毉龍(さいりゅう)先生による「空間論の基礎から実技」と、
盛りだくさんでした。
僕も「空間論の実技」の時にひと班指導させていただきました。今回はいつになく受講生の先生方のやる気を感じて、大変イイ刺激になりました。
東風鍼灸院HP(竹下謙先生)
天晴堂鍼灸院HP(堀内齊毉龍先生)
・・・2件とも清明院HPのリンクからも入れます。
堀内先生は、いかつい名前を名乗っていらっしゃいますが(笑)、大変上品で、頭脳明晰な、男前の先生です。
また、(社)北辰会から最近出た『上下左右前後の法則』、『東洋医学の宇宙』という2冊の専門書の編集総まとめをなさった、大変「仕事の出来る」先生でもあります。
個人的には、治療院にも御自宅にもお邪魔させていただいたことのある、とても頼りがいのある、お世話になっている先輩です。
今回の定例会は、午後からは以前このブログにも登場した、たまたま往診で東京に来ていた、本部の島内薫先生も駆けつけて下さいまして、
堀内先生とお二人で絶妙のトーク、「大阪のノリ」を見せていただきました。(笑)
終わった後は、再び飲み会・・・。
話した内容はともかく、まあ、充実した休日でしたな。(笑)
2010.03.28
これまでのお話
鍼灸には保険が効かない!?(その1)
鍼灸には保険が効かない!?(その2)
鍼灸には保険がきかない!?(その3)
鍼灸には保険が効かない!?(その4)
鍼灸には保険が効かない!?(その5)
鍼灸には保険が効かない!?(その6)
・・・まあ、色々と難しい問題が山積みの中、苦しみながらも楽しんでいる、僕らの姿が少しづつお分かりいただけてるんじゃないでしょうか?
話を本題に戻しましょう。
WHOが言っているように、幅広い疾患に有効と考えられる鍼灸を、日本が積極的に保険適応にしない、というのはおかしい、とも思えます。
しかし、最初に述べたように、たとえ「鍼灸」自体がそうであったとしても、「鍼灸師」という人たちに、アベレージとして、安定的に
「確かな東洋医学を患者に提供できるスキル」
があって、初めて成り立つ話です。
そうなって初めて、国や保険組合から、
「ああ、この”人達”なら安心して保険適用の対象に出来そうだ。」
となる訳ですよね?
・・・しかし、これまで書いてきたように、残念ながら、その有効性の証明も、各個人の力量の問題も、なかなか解決出来ていない、というのが日本の鍼灸師の現状ではないでしょうか?
じゃあ外国ではそれが出来ているかというと、韓国や中国などは、日本よりは出来ていると思いますが、まだまだ十分には出来ていない、というのが現状のようです。
となると、「日本」と「先進諸国」の相違点は何でしょうか?
色々考えられると思いますが、一つには「国民性」の問題がないでしょうか。
日本人というのは、島国のせいか、歴史的に見ても、舶来品(要は新しモン)好きですよね。
大陸に学び、あらゆるものを発展させてきた。
明治の西洋化以降は、より極端に「海外(特に欧米)のもの=イイ!」になっちゃってないでしょうか。
しかも「和」を大事にする民族ですから、モメないための知恵が至る所に張り巡らされていると思いますが、悪く言えば「付和雷同」が大好きですよね。
もともとあったそういう考え方、国民性、そして、明治以降の歴史的経緯の結果として、現在の「西洋医学」のみを強く支持するような風潮も含まれているような気がしないでもないです。
また日本国内では、西洋医学に関しては、マスコミを通じて、様々な医療過誤や事件が話題になる一方で、輝かしい研究成果や臨床成果も話題になっています。
東洋医学は、ついこないだの「気胸事件」とかは大きな話題になるけど、「東洋医学で〇〇が治った!」という報道が、大きくなされることはほとんどありませんよね?
実際はたくさんあるのに、です。
これは「なぜ治ったか」が、現代科学では説明がつかないし、治る確率だって明確に示されていない訳だから、当然と言えば当然です。
しかも国民の多くは「気」や「陰陽」という考え方に対して、極めて懐疑的だと思います。
(東洋思想、哲学を知っている人、興味ある人自体が少ない。)
しかも巷の多くの鍼灸院では、肩こり、腰痛、膝痛に対して、痛みのある部分の周りに鍼を打って、血行が良くなれば治ります式の治療をやっているところがほとんどです。
こんな状況で、例えば、
「東洋医学的な考え方で鍼治療を行い、「気」の流れが整い、「陰陽」のバランスが整った結果、難病が治った!」
という報道がされたとしても、みんなのリアクションは
「へ?鍼って肩こりにやるもんなんじゃないの?」
とか、
「はいはい、オカルトね。なんか宗教っぽ~い。こわ~い。」
で終わりでしょう。
またそういう、実際にあるセンセーショナルな事実の存在と同時に、
「以前、鍼やってもらったけど、全然治らなかった。何も変わらんかった。」
という患者さんがいることも事実です。
清明院にも、初診の時にそうおっしゃる患者さんがたまにいらっしゃいます。
こういった厳しい現実を、一体どのように打開していったらいいんでしょうか?
(次回に続く)
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2010.03.18
最近は、メディアに東洋医学が取り上げられることも増えてきましたね。
コレはとてもいいことだと思います。
それで、ちょいちょい耳にすることもあるんじゃないかと思いますが、「東洋医学」という言葉と、「中医学」という言葉があります。
今日は、
「この2者の違いはなぁに?」
という話でもしようかな~、と思います。
よく世間で「東洋医学」と言われているものっていうのは、
古代中国に端を発し、
「気」や「陰陽五行」という哲学をもって自然や人体を認識し、
それを基本とし、病の仕組みや治療方法を考え、
数千年にわたって結果を出し続け、患者から支持され続けている、
伝統的な医学
を指して言います。
「中国伝統医学」なんていう言い方をするときも、上記のような意味合いが強いと思います。
それに対して「中医学」というのは、
新中国(中華人民共和国)が、上記の考え方を踏襲しつつも、それまでの自国の伝統医学を、「唯物論(ゆいぶつろん)」でもって、国を挙げて”いったん”論理的、体系的にまとめあげた医学
と言えるのではないかと思います。
(ちなみに、この中医学が、果たして本当に論理性が高いか、論理的か、という問題については議論がありますが、それについてはここでは触れません。)
因みに「中医学」は、先ほど言う「中国伝統医学」と区別するために、あえて「”現代”中医学」と言われることもあります。
・・・しかしこの、「唯物論」という発想は、自然界の全ては「物質」で構成されており、「物質」間に働く物理法則でもって理解可能、というのが基本スタンスですから、
この考え方の中にあっては、東洋医学のいう「気」というものも、
「気とは物質である」
ということになり、確かに理解しやすい部分がある半面、深く勉強していくと、色々な不具合、納得しにくい部分が生じてしまいます。
(少なくとも私はそう思います。)
要は、
「気」は現代物理学のいう、質量を持った「物質」とは、言い切れないのではないか?
ということです。
また、東洋医学のいう「陰陽五行」という認識方法、法則も、必ずしも物理現象の解釈、という範疇のみに用いるものでもありません。
新中国(中華人民共和国)は、主に1950年代に、現代まで続く「中医学」の国定教科書の第一作目を作成していった訳ですが、この「まとめる」という過程では、
当然、「そぎ落とす(端折る)」という作業をしなくてはなりませんので、まとめ上げられた完成品は当然、分かり易いし教育に使い易い反面、
東洋医学の悠久の歴史が持つ、全ての情報を網羅したものには当然なりえません。
「唯物論」の基軸からして、”例外”や”矛盾”や”説明しにくい因子”は、一定程度排除される訳です。
・・・こないだ、患者さん(とある科学者さん)と話していたのですが、どんな優れた論文でも、「まとめる」時には必ず、それを書いた人の「美学=美意識」が入り込んでしまうそうです。
(そりゃそうだわね)
なおかつ、その論文を評価する側、採用する側の「美意識」も、その論文がいかほど世の中に許容されるか、という意味では、大きく関与してくるそうです。
・・・ですので、当然、まとめられた当時(1950年代)の時代背景の影響や、編纂者のリーダーの美意識の影響なんかを多分に受けて、一貫した考え方(この場合は唯物論)、
美意識でもって、「東洋医学」を現代風にまとめ直したものが、いわゆる「中医学」だ、ということになります。
「唯物論」でもってまとめたたことの是非論についてはともかく、僕から見れば、少なくともこれをやったということには、大変意義があると思います。
僕自身、「中医学」というものがあったから、東洋医学を勉強する気になった、と言っても過言ではありません。
鍼灸の学生時代に、鍼の世界というのはオカルトや迷信や単なる神秘じゃなくて、れっきとした医学なんだ!と思えたのも、「中医学」というものの、
ある種の論理性に出会ったお蔭だと思っています。
そうして、知識を少しずつ深めていった後に、中医学の考え方だけでは説明がつかない部分や、また、日本の歴代(特に江戸期)の医者達の、面白い見解や独創なんかに出会っていく訳ですね。
・・・ちなみに「中医学」が中国独自の伝統医学だとすれば、韓国にも、それとよく似た「韓医学(かんいがく)」というものがあります。
両国ともに、西洋医師とは別に、それぞれに自国の伝統医学を修め、実践する専門資格である、「中医師」、「韓医師」という国家資格を設け、
大学教育、インターン含め10年ほどかかって取得させ、現在、両国の国民の健康に大いに寄与しています。
・・・となると、あれ? 日本はどうなの??
「日医学」は?
「日医師」は?(苦笑)
日本の明治維新以来の西洋化、富国強兵、産業立国という方向性が、医療制度において、思わぬところで周辺2国との「差」を生んだようですネ。
(あえて「違い」と言わずに「差」と言わせてもらいます。)
まあ今日のブログは、患者さんはあんまり興味ないかも知んないけど、日本の東洋医学の現状が少しは分かるんじゃないかな、と思って書いてみました。
医学、医療というのは、庶民の幸福な暮らしと直結するものであり、その時その時の時代の背景にある支配的な思想や哲学の影響をモロに受ける、ということです。
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2010.03.15
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この間、(社)北辰会代表理事、藤本蓮風先生の新刊書籍が発刊されました。
タイトルは『東洋医学の宇宙 太極陰陽論で知る人体と世界』です!
2010.03.05
もう終わっちゃったけど、3月3日は「ひな祭り」でしたね。
・・・ところでこれ、一体何なんですかね?
ひな祭りになると、お家にはひな飾りをします。
(お内裏さまとお雛さまね)
僕の田舎では、あのひな飾りの大きさが、そのままその家の裕福度を示していたような気がします。
(笑・・・貧乏人の卑屈な思い込みかもしんないけどね。。。)
友達の家は立派な段飾りをしているのに比べ、我が家のひな飾りのあまりの小ささ、みすぼらしさに、子供ながらにヘコんでいたことを思い出します。(苦笑)
これが始まった起源は、はっきりとはしていないようですが、もともと、上巳(じょうし)といって、七草、端午、七夕、重陽の五節句の一つとして、
古くから季節の節目と考えられ、特別視されていたようです。
これが平安時代ぐらいから、雅な「人形遊び」から徐々に発展していったのが、現在の「ひな祭り」のようです。
ここで面白いのが、お内裏さまとお雛さまの「左右」についてです。
明治以前の日本では、「左(向かって右)」に立つ人が偉いとされ、日本でも明治天皇は皇后と並ぶ時「左」に立ったと言われます。
大正以後、西洋化に伴い、天皇も西洋式に「右(向かって左)」に立つようになりました。
現在の天皇も、よく見るといつも皇后さまから見て「右」にいますね。
京都などでは、旧来式を重んじ、左(向かって右)にお内裏様を置く家もあるようですが、一般的には向かって左にお内裏様を置くことが多いようです。
しかしこれ、結論的には、「どっちでもよい」ということらしいです。(笑)
「左右」というのは、相対概念ですよね。
右がなければ左もない、という風にね。
また、あるものから見て「左」にあるものでも、それよりさらに「左」から見たら「右」にあるもの、となります。
東洋哲学では、「左」を陽、「右」を陰と分けます。
日本では、ある宗教の説ですが、「左」は「火だり」、「右」は「水ぎ」が元々の語源とし、認識している考え方なんかもあります。
火と水は「カミ」と読むぐらいで、まさに自然界の「陰陽そのもの」ですよね。
こういう話しをし出すと止まんなくなるのでやめますが(笑)、まあ要はですね、この「左右」のバランスがうまく取れてることが重要なんであって、
どっちが偉いとか、重要だとか、そういう議論はナンセンスなんです。
人間の体しかり、人間関係しかり・・・です!
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清明院に皆様のお力を!<m(__)m>
2010.03.04
いや~、せっかく暖かくなってきたと思ったら、先週末ぐらいからまた寒くなっちゃいましたネ・・。
ところで昔から、この時期のことを「三寒四温」と呼んでいます。
これは、朝鮮半島や中国北東部でも同じような現象があるらしく、3日寒い日が続き、その後4日は暖かい日が続く、という、7日間周期の独特な現象なんだそうです。
これが大体お彼岸(春分の日)ぐらいまで続くので、「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉もあります。
・・・ところで我々東洋医学を実践する者にとっては、この時期はやっかいです。
なぜなら、人間の体には、暖かい日には皮膚がゆるんで、汗や水蒸気を発散して体にこもった余分な熱を発散し、寒い日には皮膚を緊張させて、
熱(陽気)を漏らさないようにするという、いわば
「自ら陰陽バランスを調節する」
霊妙で重要な働きがあるのですが、これがあまりにも頻繁に、交互に行われると、この働きがついていけず、病になることがあります。
しかも、春先という時期は気が上にのぼせ易い時期でもあります。
これについてもそのうち解説しようと思いますが、この時期によく問題になる「花粉症」なんていう病気は、その典型例です。
要は、寒いなら寒いまま、暑いなら暑いまま、であれば、体の調節機能も余裕で対応できるけれども、これがあまりにも「頻繁で極端」だと、
ついていけなくなる人が出てくる、ということです。
これの治療を考える上では、発散できずにこもってしまった「熱」にとらわれたり、発散しすぎて冷えてしまった「寒」にとらわれ過ぎると、
治療した翌日の気候いかんによっては、症状を悪化させることがあります。
そこで、こういう不安定な時期は、あまり極端な治療はあえてせずに、治療した翌日が暑くても寒くても、患者さんが上手に、スムーズに対応できるような治療を考えなくてはなりません。
(もちろん患者さん一人ひとりに合わせて個別にね。)
ここら辺が、この時期のあらゆる病変に対する治療の、難しくもあり、面白いところでもあります。
・・・ところで、全然話変わるけど、もう終わっちゃったけど、「ひな祭り」ってなんでしょうかね?
次回はそのお話。
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2010.02.28
今日は、中医学の基本としてよく語られる「弁証論治」とは何か、について書きたいと思います。
僕もコレ、二十歳の頃、最初に本で読んだ時は、何やら難しそうな熟語だな~・・ワケ分かんなそうだな~・・と思いました。
そいで、辞書で「弁証」と調べてみたら・・・
「弁証法とは、哲学用語であり、世界の事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則であり・・・」
な~んて出てきて、ますます難しそ~・・!タスケテ~!もう無理~!!ってなっちゃいました。(苦笑)
・・・でも、あとからよくよく冷静に考えたら、実は「弁証論治」という言葉を理解すること自体は、意外と簡単なことでした。
まず、上に挙げたような、いわゆる哲学用語の「弁証」という言葉と、中医学の言う「弁証」という言葉は、意味が違います。
全く無関係でもない、という話もあるんだけど、まずは別物、と考えた方が圧倒的に理解しやすいと思います。
東洋医学では、「治療する、その時点における病理状態(病態)そのものや、病態の本質」のことを「証(しょう)」と言います。
まずこの「証」を判断してから、それに基づき、「論理的に」治療を進めることを「弁証論治」と言います。
まさに、
「証を弁(べん)じて治を論ずる」
訳ですネ。
東洋医学、中医学の言う「弁証論治」というのは、そういう意味であります。
ちょっと難しく(というか詳しく)言えば、
「様々な東洋医学独特の診察法(四診法)のような、具体的な分析方法に基づき、様々な東洋医学独特の手法(鍼灸、漢方薬など)によって、
性質の異なる病変を、論理的に解決する方法、過程」
のことです。
〇
大事なことなので、ここでさらに説明を加えます。
患者さんは、鍼灸院に訪れた時に、その時その場で突然、「今まさに」症状を発症した訳ではありません。
鍼灸院にかかるまでの間には、まず、これこれこういう体質を持って生まれ、これこれこういう条件がそこに加わったことがきっかけとなって、今回の症状を発症してから、
次にこうなって、次にこうなって、そして最後にこうなったから、今の状態に至った、だから診てもらいたいのだ~!という、言わば「病の歴史」というものがあります。
これを「病歴(既往歴・現病歴)」と言います。
この「病の歴史(病歴)」を、発症以前のそもそもの体質も含めて、まずは細かくお伺いし、それがなぜそうなったのか、「東洋医学的に」分析し、
その結果として、今、この瞬間が、「東洋医学的に」どのような状態なのか、それを表わすのが「証」です。
例えるなら、治療するその時点での「病気の断面図」のことが「証」です。
「証」を明らかにすることを「弁証(べんしょう)」と言います。
そして、「論治」ということは、それを「論理的に治療する」訳ですから、先ほど言った「病の歴史」がキッチリと東洋医学の理論でもって、ピシッと分析出来てなければなりません。
なのでよく、中医学の成書では
「弁証は論治の根拠であり、論治は弁証の目的である」
なんて言われます。
まあ、それがより正確に、的確に、シャープに出来るようになるために、わざわざ日曜日の度に勉強会に行ったり、飽きもせずに何冊も本を読んだりしてるんです。
僕らは毎日毎日、こういうことをやっている訳です。
決して超能力者なんかじゃないし、鍼が効くということは、何にも不思議現象、超常現象ではないんです。(笑)
もちろん、この医学の大前提としての「気」や「陰陽」という、東洋の偉大な自然哲学を「あるものと考えて」こそ、の話ですけどネ。(苦笑)
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2012.07.08
2016.05.09
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患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
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2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
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2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
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2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
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患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
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日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
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清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!