東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 陰陽

「治未病」という考え方を疑う

2010.09.24

東洋医学には、

「未病(みびょう)を治(ち)す」

という言葉(考え方)があります。


・・・この意味は、

「実際に病気として症状が出る前に治してしまう。」

という意味です。

 


個人的にはこれは、まさに”東洋医学の真骨頂”とでも言うべき部分じゃないかな、と思っています。

(今では、です。)

 


東洋医学では、自然界はすべて「気」というもので出来ている、と考えます。

「気」ってなんですか? 参照

 


・・・ということは当然、人間の体も「気」から出来ていて、なおかつ体を「経絡の気(脈気、経気)」が正常によどみなく循環することによって、健康が保たれる、と考えています。

「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照

 


そしてそのためには、ココロの問題も含めた”陰陽バランスの調和”が極めて重要だ、という考え方を持っています。

「陰陽(いんよう)」って何ですか? 参照

 


この考え方からすれば、例え患者さんに自覚症状がなくても、あらかじめ巧みにバランスをとっておけば、今後起こりうる、あらゆる病を未然に防げる、予防できる、という考え方が成り立ちます。

 


・・・しかし実は、僕は昔、東洋医学のこの考え方(未病を治す)が非常に気に食わなかったんです。

 


なぜなら、ある一人の患者さんについて、その人がどんな乱れた生活してようが、鍼さえやってりゃ100%何の病気にもならない、なんてことはありえない訳で、


たとえば5年なら5年、10年なら10年鍼治療を続けて、非常に健やかな毎日を送っている患者さんがいたとして、ではその患者さんがもし鍼を「やってなかったら」どうなってたか、

 

を検証することが不可能である以上、本当に未病が治せてるかどうかなんて、分からんじゃないか!希望的観測でもって、いい加減なこと言うな!!

 


・・・と思って、批判していたんです。

 


しかし、これは浅はかでした。

 


いかにも自分が言ってることは論理的で正しい、と偏狭な”自分ビュー”だけから見た、狭い狭い世界の中で、アホな勘違いをしていたと、今では反省しています。

 


なぜならば、今となっては、毎日現実に患者さんをやっていて、ホントにその通りだなあ、と”実感”しているからです。

 


つまり、この考え方を疑ってかかっていた頃の僕は、未病を治したことがなかったんですね。

 


実際の東洋医学の臨床を本気でやったことある人間なら、

 

「気」や「陰陽」や「経絡」の存在や「未病を治す」という考え方の真実性

 

というのは、当たり前に”実感”出来ると思います。

 


また、日々、患者さんの発言を聞いていても、

「鍼をするようになってから、毎年冬になるとカゼをひいてたのがひかなくなった!」

とか、

「お酒を飲んでも以前みたいに二日酔いしなくなった!」

とか、明らかに体質そのものが変化していることがうかがい知れる発言を聞くことなんかは、日常茶飯事です。

 


このようにして我々は、その「実践」の中から、「理論」の真偽を確認することが出来るんです。

 

 

というよりも、そもそも東洋医学、中国伝統医学というのは、研究室での実験ではなく、そういった絶え間ない”臨床実践”、”臨床事実”の中からのみ、生まれたものなんです。

 

 

だから信頼するに値するし、しかもそれが数千年も続いているから、なおさら信憑性が高い、と考えられるわけです。

 

そしてまた、そういう絶え間ない臨床実践の日々の中から生まれた新たな「理論(仮説)」が、より高度な「実践」を指導するんです。

 


だからどんどん上達するんです。

 


真剣にやればやるほど。

 

 

・・・少し話がそれたけど、要するに、患者さんに対して言いたいのは、「早め早めの治療」が大事だよ、ということです。(笑)

 


来るのが遅くなればなっただけ、治しにくくなります!

 

 


何か症状を抱えているなら、来院はお早めに!

 

 


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「肺」って何ですか?(その11)

2010.09.19

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)
「肺」って何ですか?(その10)

 

☆「肺の臓」と「排便」


皆さんは毎日、あるいはきちんと定期的に排便してますでしょうか?

人間の体内には、必要なモノと不要なモノがいつも混在しておりますが、不要なモノが停滞してはいけません。

不要なモノが停滞すれば、当然病気になります。

だからどんどん捨ててかないと!

余分なモノも、気持ちも考え方も。


辛い過去でさえも。(笑)

 


・・・前回、”肺とお水”というテーマで、人間の「余分な水分排出機構」のお話をしました。


つまり、主たるものは「発汗」、「排尿」、「排便」の3つですね。


そしてその3つともに、「肺の臓」が深く関わるよ、というお話をしました。


ここで、余分なものを「水分」という風に限定すれば、この3つの中では「排便」は相対的に脇役になります。


しかしこの「排便」というものにも、「肺の臓」は大きく関与します。

東洋医学的に、「排便」が直接行われるところと言えば「大腸の腑」です。


「大腸の腑」については、後ほどまた簡単に解説しようと思っていますが、基本的には上から送られてきた”飲食物のカス”の中から、

まだ”使いシロのある”お水や栄養分を取り出し、カラダに取り込み、最終的な”カス中のカス”を、体外に”大便”として排出する、

という働きを持っています。


実は「肺の臓」は、この「大腸の腑」の働きを、体の上部から大いに助けています。

では、どう助けているかと言うと、「肺」って何ですか?(その6)で述べたように、「肺」は「胃」と協調して、

”気を下に下に降ろす”

という大事な仕事を担っています。

 

ですので、大腸が便を排出するのも最終的には「下に」ですから、この「肺」と「胃」の助けがないと難しい、ということになります。

 

このようにして五臓六腑は、それぞれが極めて有機的に、密接に絡み合って、外界との

”動態的な陰陽バランス”

を非常に絶妙にとってくれているのです。

 

 


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「夢」の不思議

2010.09.17

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最近、また「夢」というものについて、考えています。

これは以前にも、ちょこっとだけ、書いたことがあります。

「夢」はなぜ見る?
「肝」って何ですか?(その4) 参照

「夢」に対する解釈で、一般にもよく知られ、有名なのは、フロイトユングですわな。

・・・まあ、フロイトさんの方は、

「夢は願望の充足である」

と強調し、一時はそのフロイトさんの弟子でもあったユングさんは、

「夢は過去の願望ばかりではなく、現在の期待の実現でもある」

と強調しました。

それ以外にも色んな学者さんが色んな立派な研究成果や見解を持っているようですが、そのように、なかなか見解の統一がうまくはかれないということは、

 

逆に言うと結局は夢というものが「不可知」なるもの、ということの証左じゃないかな、とも思います。

日本にも、「初夢」とか「正夢」なんて言葉があります。

「夢」に対しては、昔からみんな興味津々な訳です。

(そりゃあそうです。だって超身近な不思議現象だもんね。)

これは、脳波の観察とか、そういう近代的な観点から研究した人たちによると、みんなが毎晩見ている、なくてはならないもの、ということになるらしいです。

(ただ、起きると同時に忘れてしまうのが正常ね。)

危険な実験で、「断夢(だんむ)実験」なるものがあるそうです。

これは、脳波上、「夢を見ている」とされる脳波の時に、強制的に被験者を覚醒させる、という実験で、これを5~7日繰り返すと、軽度~重度の精神異常などの症状が出るそうです。

(でもコレ、倫理的にやっちゃダメな実験ですぞ。)

東洋医学ではこの辺の仕組みを

 

「肝の臓」が蔵する「魂(こん)」

「肺の臓」が蔵する「魄(はく)」

 

そして、それらを統括する、


「心の臓」が蔵する「神(しん)」

 

というものの働きで説明します。

・・・まあ、ここいらの話はムズいので、年末の講義でちょこっとしゃべることにして、要は、

「夢をいつまでも覚えている=その時点でいくらか病的」

ということが言えるようです。

でもこれぐらいでは、誰にだってたまにならあることで、即治療対象、とは考えないことが多いでしょう。

面白いのは(というかみんなが興味あるのは)見た夢の内容に対する解釈ですね。

よく、やれ吉夢だとか凶夢だとか、色々言いますが、僕から見たら、「吉凶」もまた「陰陽」ですから、すべて「吉」の方向に解釈して、

プラスに転じてしまえばよいのです。(笑)

・・・例えばこないだ、とある大先生がおっしゃっていた、

「髪が全部抜けおちる夢を見た!」

なんていうのも、

凶夢としての解釈なら、”老いへの恐れ”とか、”ある能力の低下”という解釈もありますが、吉夢としての解釈として、

”さらなる高次の学びへの欲求”

とか、

”飾り気を捨て、ありのままに精神の成長に専心する前兆”

という解釈も出来るんです。

このように、マイナスは、いつだってプラスなんです。

・・・「陰陽論」て、マジで凄いんです!!

「夢」については、まだまだありますが、ちょこっとずつちょこっとずつ、小出しにして、書いていきます。(笑)


お楽しみに♪

 


【参考引用文献】

 

王克勤『中医心理学』たにぐち書店 

 

 

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「見えない世界」の取り扱い

2010.09.13

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昨日、12日の日曜日に、とある先輩達と何人かで飲みに行きました・・・。

(昼間っからそば屋で♪・・・シブいっしょ?)

 


・・・そこで、興味深い話題になりました。

 


「いわゆる霊とかオーラとか、”普通、目に見えない世界”を竹下は信じるか?」

という話題です。

(僕はこんな話題も、意外と嫌いじゃないです。(笑)・・・といってオカルトマニアでもないけど。)

 


僕が普段当たり前のように行っているのは、「気」と「陰陽」という、中国古代からの自然哲学に立脚した、

「東洋医学に基づいた鍼灸治療」

であります。

 


中国古代の自然哲学においては、この世の万物は「気」なるもので出来ている、と考え、

①目に見え、触れることのできるもの=「気」が凝集した姿

②目に見えず、触れられないけど、感じ取れるもの=「気」が凝集してない状態

と、考えます。

(一応、ざっくり言うとネ。詳しくは 「気」ってなんですか? 参照)

 


・・・ということは、①と②を比較すると、②の方が相対的に”動的”な存在ですね?

(動きに関して、物理的な制約を受けないからです。)

 


とすれば、①は相対的に”静的”な存在、と位置付けることが出来ます。

(あくまで相対的に!ですよ。静的なのであって、あくまでも”気”ですから、静止している訳ではありません。)

 


・・・ということは、①と②の関係は、「存在のありよう」というくくりで、「陰陽」に分けて考えることができます。

(これも詳しくは 「陰陽(いんよう)」って何ですか? 参照)

 


したがって、「気」と「陰陽」という哲学もし肯定するんであれば、別に、

”普通は、目に見えない、霊的な世界”

というのも、特に否定することもないよなあ、というのが、僕の考えです。

 


しかしそこで、ここが問題じゃないかなあ、と個人的に思うのは、この、

”普通は、目に見えない世界”

というものを、「異常に」強調し、狂信、盲信し、一般的な、誰でも分かる、理解出来るような3次元世界での現象まで、否定にかかる人間がいることと、逆に、

「その人的に」信じられない、納得いかないからといって、見えない世界のことを「異常に」否定したがる人間がいることではないでしょうか。

 


ここには当然、「争い」が生まれます。

 


それも、”不毛な”です。

 


なぜなら、単なる”価値観”の押し付け合いになっているからです。

 

最後は感情だけです。こんなもんは。

 

僕から見たらどっちも「異常」です。(笑)

 


・・・最近でこそあまりやらなくなったけど、一時期、上岡龍太郎さんがテレビで、インチキ霊能力者やインチキ気功師を集めて、言葉(ディベート)と、

 

実際に実験をやらせての結果から、ケチョンケチョンにやっつけている特番が、よく組まれてました。

(今でも、youtubeなんかで観れるよ。ちなみに僕はこないだ全部見た(笑))

 


あれによって、視聴者にはますます、

「見えない世界(+それを主張する人たち)=胡散臭いもの」

という印象が強く残ったと思います。

 

(年末のTVタックルの特番なんかもそうだね。)

 


あの時に面白おかしく扱われ、やり玉に挙がっていた、明らかなインチキ商法の方々に関しては論外ですが、たとえ、

”見えない世界信じてる組”

の主張に、何らかの真実性(明らかに変化が出ている等)があっても、それを現代科学の手法で説明できないならば「即」全てウソ、インチキ、

 

と決めつけてかかるのはいかがなもんかなぁ、と思います。

 


・・・ちょっとそれって傲慢なんじゃない?と思います。

 


それこそ、

「全ての事象が現代科学でなら証明できるはず!」

という、現代人の勝手な思いこみ(ある種、信仰?)からくる、

”価値観の押しつけ”

の面があり、自分が争いごとの多数派に入っていることで得られる安心感を優先し、判断に冷静さを欠いてやしないか?という気がしますが・・。(苦笑)

 


・・・まあ、僕が東洋医学を何故信じるかというと、

「自分なりに一生懸命勉強して、鍼を一生懸命やってみたら、東洋医学的に考えてやった方がよく効いた♪ 患者さんも喜んだ♪」

というリアルな体験からであります。

(笑・・・簡単、単純でしょ?)

 


眼前で起こった事実の積み重ね(経験)が、現代科学で証明されようがされまいが、事実は事実。経験は経験。

 


患者さんには、自分がいいと思っているそれを、最大限提供するのみであります。

 

決して傲慢や強要にならずに、

「冷静に」、

「ご提案も交えながら」、

・・・です!

 

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9月北辰会本部臨床コース

2010.09.06

昨日、9月5日の日曜日は、大阪、上本町にて行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!!

・・・なんだか8月入ってから、ほとんど毎週関西に飛んでますネ。(苦笑)

ついでに交通費でお金もどんどん飛んでいきます。(笑)

まるで翼が生えたかのようです。(爆)

でもその分、「新しい知識」や「新しい気付き」が、どんどん入ってきます!

それを得るために、体力、集中力が続く限り、自分に投資するのです!

だから僕のこの行動は、趣味と実益を兼ねた、「鍼」に対する情熱の表現なのであります!!

・・・今回は、午前中は実技。

今回から新たに初級~上級班に加えて、「講師班」という班が新設されました。

この班では、北辰会の講師の先生同士が、お互いに技術を研鑽し合う、という目的で新設された班です。

僕はここに参加させていただき、『傷寒雑病論』水本淳先生、方剤学島内薫先生、そして関東支部の尾崎真哉支部長という、大変豪華な大先輩たちに囲まれながら、

 

実技の研鑽をさせていただきました。

・・・これは、めちゃめちゃ勉強になりました!

何が勉強になったかは、難しくなるので書きませんが、今回、僕は割と無口に参加していましたが、ヒジョ~に色んなことに気づかされました。

パワーアップでございます。

午後は蓮風先生による「太極陰陽論解説」、「実技DVD上映」でした。

この医学の根幹である「陰陽論」に関する貴重な見解の数々、そして実技DVDでは超絶テクニックの数々・・・。

いつもながら、サスガでしたネ。

その後は以前このブログでも紹介した、神戸の輝鍼灸院(ブログも必見!)の原元氣先生による症例発表「パニック障害」でした。

原先生は、年齢は僕と同年代ですが、開業されて2年半、現在、スタッフさんも増え、患者さんも増え、乗りに乗っておられる先生です。

その勢いをそのまま感じさせるような、素晴らしい症例でした。

僕(清明院)も頑張って追い付かねば、と思います。

同年代に、こういう刺激的な先生がいるということは、とてもありがたいことです。

そして終了後はお酒・・・。

そして最終の新幹線で東京に・・・。

相変わらずの、トランス状態。


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「肺」って何ですか?(その7)

2010.09.03

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)

 

☆「肺」と皮膚


今日はコレです。

コレもまあ、

「え!?なんで??肺と皮膚なんて、なんか関係あんの?」

と思う方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

これは、東洋医学をちょっと知っているような人の間では、ポピュラーな話です。

東洋医学では、人体の皮膚表面(皮膚、汗腺、産毛、粘膜等まで含む)のことを「皮毛(ひもう)」と呼び、

”肺は皮毛をつかさどる”

という有名な言葉があります。

 

『黄帝内経素問』痿論(44)です。)

つまり、何らかの原因で「肺の臓」に異常を起こすと、この「皮毛」に異常が起こることを教えてくれています。

 

今日はこのことについて考えてみたいと思います。

 

まずこれには、「皮毛」の意味をサッと理解する必要があります。

 


・・・東洋医学のいう「皮毛」は、

1.外気温や、湿度などの複雑な陰陽変化に常にさらされ、それに対する防衛の最前線であり、

2.汗や分泌物を体外に出すことによって体温調節や解毒に一役買い、

3.粘膜においては、常に様々なばい菌や機械的刺激にさらされながらも、それに侵されないように体を守り(ここでも最前線)、

4.体の全ての器官(内臓、骨、筋肉etc…)を大外から「まるっ」と包みこみ、外界との境界線となる

部分のことです。

現代では、アトピー性皮膚炎など、この「皮毛」に慢性的に異常を起こす患者さんが非常に増加しています。

 

(2018年版日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 参照)


コレの原因は当然、様々な原因が複合的に絡み合った結果だとは思いますが、東洋医学的に考えると、一つには、

”大気汚染による「肺の臓」の機能の低下”

も、大きく関与しているであろう、と思います。

 


新宿なんかに住んでますと、まったく、中国の古典にあるような「天空の清らかな気」を吸っている感覚がしません。(苦笑)

 

海の匂いのする伊東に生まれ、土の匂いのする群馬で育った僕には、それがよく分かります。

 


そもそも空気の悪いところで生まれ育った人に、皮膚の異常が増えるなんてのは、東洋医学的に考えたら”当たり前”ですね。

 

・・・ところで、最近はあまり言われなくなりましたが、

「皮膚呼吸」

なる言葉がありましたねえ?

 


現在でも、一部のサイトなんかでは、当たり前のようにこの言葉が登場し、それに基づいた施術の効能なんかが説明されています。(苦笑)

 

皮膚でガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)を行うのは両生類(カエルさんたち!)とかです。

 


つまり、

「人間は皮膚で呼吸しているからうんぬん・・・。」

と主張することは、

「人間は卵を産むからうんぬん・・・。」

と言っているのと、ある意味同じことです。(苦笑)

 

・・・東洋医学の言う、「肺と皮毛」の関係というのは、こういうことを言っているんじゃありません。

 


コレを正しく理解するためには、「衛気(えき)」というものについて、「サッと」考える必要があります。


・・・これはちょっと長くなりそうなので、次回に続く。(笑)

 

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「肺」って何ですか?(その6)

2010.09.02

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これまでのお話・・・

「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)

 

さ、どんどんいきましょう!

 


☆「心の臓」と「肺の臓」の関わり


これまで書いてきたように、「心の臓」と「肺の臓」は両方とも上焦(胸部)に存在しております。

・・・というか、五臓六腑の中で、上焦に位置するのはこの2つのみです。

そしてなおかつ、この二臓は「氣管」によって連結され、他の3臓と比較すると、その結びつきは強い、と考えられています。

では具体的に、”どう”結びついているんでしょうか?

まず、「心」って何ですか?(その1)で述べたように、「心の臓」には、

”全身にくまなく「血」を送り込むポンプ作用”

というものがあります。

それと似た機能として、「肺の臓」には、

”五臓六腑のフタ(一番上に存在)となり、全身に気血を降ろし、巡らせる”

という機能があります。


この機能同士が密接に結びつき、お互いに支え合い、全身に「気血」を正常に循環させしめている、という訳です。


このようにして、「心」と「肺」は、”上焦(胸部)”という、人体における「上の部分」、つまり、人体の”上下”を陰陽で考えた場合、

「上」は陽なので、心と肺は「陽」という場の中で、陰陽の関係をなしている訳です。

 

つまり・・

心・・・上焦(陽)の中の陽

肺・・・上焦(陽)の中の陰

という風に、東洋医学では分類して考えます。


ここで当然、

「んん!?なんで心が陽で肺が陰なの??」

という疑問が浮上しますが、これもいずれ書こうと思います。

 


まあ要するに、心と肺は、”胸部”という場における夫婦みたいな関係だ、ということです。

 


そしてこの夫婦は、

全身にくまなく「気血」を降ろし、いきわたらせる、

という、人間が健康を保つ上で欠かせない、大変重要な働きを持っている、という訳であります。

 


また、この「降ろす」という働きと言えば、「胃」って何ですか?(その4)「胃」って何ですか?(その5)で述べたように、

「胃の腑」にも、”気を下げる(和降)”という働きがあります。

 

つまり、「肺」”気を下げる(粛降)”という働きは、「胃」の”気を下げる”という働きをフォローしているのです。

 

そして、「心」と「肺」が協調して、”気を全身に行きわたらせる”という働きは、「肝」って何ですか?(その2)で述べたように、

”肝が気血を全身にバランスよく配分する(疏泄)”という働きをもフォローしています。

このようにして、「五臓六腑」というのは、機能的に複雑に絡み合いながら、人体の正常な状態を維持するために、日夜頑張ってくれている訳です!!

 


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墓に入るとき

2010.09.01

こないだ、夏季研修会の後の飲み会で、何人かの先生達とした話が印象に残りましたので、ちょっと書いておきます。

・・・人間は、いつかはみんなあの世に逝きます。

(笑・・・別にこんな、重いテーマでしんみりと飲んでたワケではないのでご安心を。)

まあ、それはみんな分かってる訳だけど、みんなが興味があるのは、”どう”逝くか、ですよね?

今日も、ご高齢の患者さんと話していて、話の中で、その患者さんが、

「先生、私は、死ぬ時はある日”パッ”と死にたい。」

とおっしゃいました。その患者さん曰く、

「何年も寝たきりになって、周りに迷惑かけるのだけは絶対いやだ。もうここまできたら、いつ死んだって別に構わないけど、動けない状態が長くなるのだけはいやだ。」

とのことです。そこで僕が、

「”周り”って誰よ?」

と聞き返すと、

「家族。」

とのこと。僕は、

「今まで散々迷惑かけられて来たんだから、たまにはこっちが迷惑かけたっていんじゃないですか?」

と言うと、笑いながら、

「はは!それもそうだね!!(笑)」

とのこと。

・・・「最後はパッと逝きたい」、これは誰もが思うことではないでしょうか。

痛いとか、痒いとか、苦しいとか、そういうことばっかりを言って、泣きながら向こうへ逝きたい人なんて、普通はいません。

でもなかなか「現実」には、本人が思い描いたようにはならないのが、困ったところな訳です。

ということは、「現実」的に考えた場合、この問題は、どこまでいっても、

「何かをやってれば、間違いなく思い描いたように逝ける!」

とか、

「この考え方で生きれば間違いナシ!」

とかいう正解が、結局は”ない”ということを示しています。

だって、その人の置かれている環境も状況も何もかも、みんなそれぞれ違うし、しかもそれは常に目まぐるしく変わっていくからです。

・・・となると、最後の最後に、笑顔で逝けるか、しかめっ面で逝くか、コレを分けるのは、結局その人の、

「ものの見方、考え方+その柔軟性」

にかかってくるんだと思います。

楽観と悲観、消極と積極、絶望と希望、プラスマイナスの視点、これらも陰陽な訳ですから、

「一定の条件下では」

”転化”させることが可能な筈です。

しかしこれもなかなか、頭では分かっても、

「そういう時はこうすればいい」

という決め手がないだけに難しいですね。

そこで、我々が使う「鍼」、というのは、その「一定の条件」に大いになりえます。

僕たちは毎日、スゴイものを手に持っている訳です。

・・・明日もガンバろ。

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「肺」って何ですか?(その5)

2010.08.31

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)

 

・・・ちょっと空いちゃいましたが、続いていきます!!



☆「九節」について

「氣管」というのは、要は”天空の清らかな気”と、”体内の濁気”の通り道であり、なおかつ「肺の臓」と「心の臓」をつなぐ連絡路でもあります。

ここに、「九」という数字が乗せられている意味は一体何なんでしょうか。

・・・「九」という数字は、ひとケタの数字の中で最大ですよね?

そして、「奇数」、つまり、数字を陰陽に分けた場合の”陽”に属する数字の中でも最大、ということになります。

このことなどから、「九」は”陽の極みを示す”なんて言われたりします。

古代中国で、人々に偏愛された吉祥数字のうち、「五」の次が「九」だ、と言われるほど、「九」を特別視する風潮があります。

これには、文化的、神話的、宗教的に、ヒッジョーに様々な理由がありますが、どれも要は「九」が”陽の極み”だ、という解釈の延長です。


この世の森羅万象を「陰陽」に二分した時、

相対的に”動的”なものは「陽」

相対的に”静的”なものは「陰」

となりますので、「九」

”最も極端に動的なものの象徴”

という扱いを受けることとなったようです。

ではそれが何で氣管に、ということですが、これは、

五臓六腑の中で、最も高い位置に存在する「肺の臓」よりもさらに高い位置に存在し、

「潤い」を好み「渇き」を嫌い、

清濁の氣が絶え間なく「動く」

という、”機能的”、”位置的な”特徴を、その形態に「九」という”陽の極み”の数字を当てることで表現した、と考えられます。

P.S

実は前回の「八葉」の時も、もっとマニアックな解説を一度書いたんですが、あとで読み返した時に、

「こりゃとても一般人に向けた内容じゃないなあ・・・。(汗)」

と思ったため、削除して書き直した経緯があり、今回の「九」の解説もこんな感じとなりました。(笑)


専門家の方々、一部のマニアの方々、申し訳ない!


今回の「九」も、「九星」「九宮」「九州」とか、仏教の「九天」の論とか、書いてもよかったんだけど、誰も着いて来れなくなったらいやなんで、こんな感じにしました。

 


あしからず。

 

数字概念に対する僕なりのマニアな世界は、いつかこのブログにまとめて書こうとは思っています。

 

 

◆参考図書


『中国神秘数字』青土社

 

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「肺」って何ですか?(その4)

2010.08.27

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これまでのお話・・・

 

「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)

 

さあさあ、続けていきましょう!

 

 

☆「八葉」について

まず、「八葉」の方から考えてみましょう。


コレは、基本的には「肝」の7葉との対比、と理解します。

東洋哲学では、”数字”も陰陽に分けます。つまり、

「奇数」は陽、

「偶数」は陰、

という具合にです。そして、

「肝」は血を蔵し、

「肺」は気をつかさどる、

という、「血」と「気」に関わる2大スターを、7葉(奇数なので陽に属す)の「肝」、8葉(偶数なので陰に属す)の「肺」、と表現し、

働きは似てる部分もあるけれども、違いがある、ということを表現したもの、と考えます。


・・・まあ、そう言ってしまえば何となく簡単に思えますが、実はこれも深く考えていくと、

「んん!?」

となることがたくさんあります。(笑)

 

 

例えば、

「奇数と偶数で「陰陽」を表現したいのは分かったけど、何で”7”と”8”じゃなきゃいけなかったの??」

とか、

「”8”は”8”でも、”6葉+両耳”って表記してるのは何でだ??」

とかネ。(苦笑)


これについては、個人的にですが、そういう疑問って、ものごとを深く理解する上では、意外とポイントじゃないかな、と思っています。

 

 

こうやって、人体も含む自然を数字を使って示す考え方のことを「数術」といい、「数術」に用いる数字を「術数」と呼んだりします。

 

 

古代中国人(だけじゃないけど)は、数字を単なる計算のための符号ではなく、大宇宙の「法則」「秩序」を示す神秘的な符号ととらえ、自然を読み解くのに用いました。

 

ただ、今、そのことをあんまり細かく書いていくと、どんどんマニアックな世界に没入していきますので、今はやめておきます。(笑)

 


いずれこのブログ上で、僕のマニアックな考えを述べることがあるかもしれません。(笑)

 

東洋医学に何気なく使われてる数字とか、文章表現というのは、恐ろしく奥が深い世界への入口になっていることが少なくないように思います。

(気付く人は気付く、みたいなネ。)

 

次回は「九節」について。

 


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