東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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同業の先輩

2010.07.18

今日、ふと思いました。

「これまで、何人の同業の先輩たちと会ってきただろうか。」

・・・当然、数え切れるものではありません。

数え切れないほどたくさんの先輩たちから、その職場、その勉強会、それぞれの現場で、いつもご薫陶をいただいてきました。

それが今日の自分の血肉になっている訳です。

もちろん尊敬できる先輩もいましたし、そうでない先輩もいました。

僕は以前は、この「そうでない」先輩の方には、なるべく目を向けないようにしてきました。むしろ嫌っていました。

変な影響を受けるような気がして恐かったんですね。

今はそんなことありません。その先輩のどこが尊敬できないのか、それは何でなのか、また、そういう先輩の中から何を学ぶべきか、などと、冷静に考えることが出来ます。

そこで、以前は今よりも冷静さを欠いていたんだ、ということに気がつきました。

情熱にまかせて、あまり偏ると、今度は自分が「そうでない」先輩の側に立つ可能性が高くなっていくような気がしてなりません。

・・・陰陽論は最高ですネ。モノの見方考え方。

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雨はなぜ降る?

2010.07.09

今日はほぼ1日中雨でしたネ・・・。

 


先ほど、副院長が、

「おつかれしたー。」

とバイクで帰るやいなや、どんどん雨脚が強くなったので、クスッと笑ってしまいました。(゚∀゚)

 

ところで、この「雨」という現象を、古代中国ではどのように考えたんでしょうか。

 


雨が降ったり曇ったり、パッと晴れたり台風が来たり・・・、という現象は、当然何千年も、何万年も前からあった訳です。

 


しかし、現代のように気象衛星ひまわりもなければアメダスもなければお天気おねえさんもいません。

 


農耕民族である古代中国人が、こういった様々な現象に注目しなかったはずはもちろんありません。

 


当時の最先端科学であった「陰陽」とか「五行」という物差しを使って、当然説明しています。

 


気象現象を各論的に「陰陽」で説明しようとした試みは、すでに『荘子』の中に出てきていますが、大体完成度の高いものがまとまってきたのは漢の時代、ということになっています。

 

・・・まああまり解説が長くなってもあれなんで、端折って書きますが、「雨」というのは、「自然界の陰と陽が調和する時に降る」と考えられています。


「陰陽の気、和すれば即ち雨。(大載礼記)」

 


つまり陰が勝ったら曇り空、陽が勝ったら晴れ、ということです。


(笑・・・はしょり過ぎ?)

 


自然界の様々な現象を陰と陽とに分け、それがスパークし、調和することによって全てが正常に営まれる、というのが東洋自然哲学思想の基本であり、全てであります。

 


で、これを細かくやっていくと、次から次に疑問がわいてきます。

 

 


じゃあ雹は?雷は?霧は?台風は?雪は??・・・とね。

 

 

 

もちろんそれらにも、古代中国独特の考え方があります。

 

 


東洋の知恵はすごいもんです。

 

 


こういう細かな疑問にも当然答えがあります。

 

 


そしてそれは実際の現実、現象とかなりの確率で一致します。

 

 


・・・アメダス、気象衛星、ホントに必要なのかしら?

 

 

◆参考文献

 

ジョセフニーダム『中国の科学と文明』第5巻 天の科学

山田慶児『朱子の自然学』

 

 

 

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「脾」って何ですか?(その8)

2010.07.07

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これまでのお話・・・


「脾」って何ですか?(その1)

「脾」って何ですか?(その2)
「脾」って何ですか?(その3)
「脾」って何ですか?(その4)
「脾」って何ですか?(その5)
「脾」って何ですか?(その6)
「脾」って何ですか?(その7)

 


いや~、今日のジメジメも半端じゃなかったですね~!!

 


湿度は常に70%以上!

 


自然界がジメジメの時、体も心もジメジメになっちゃあいけません!

 


「サラッ」とさせとかないと!

 


・・・大体この時期、体がジメジメの人は太り、心がジメジメの人は痩せますな。(笑)

 


今日はそんなお話。

 


☆脾と「太る」「やせる」

 

これまでの話を読んだ人なら、これはなんとなく想像できると思います。

 


何度も出てきているように、当然「脾の臓」は消化、吸収に大きく関わります。

 


ということはこれがうまくいかなかったら過剰に太ったり、過剰に痩せたりしてしまうんです。

 


・・・まあコレ、当たり前の話ですけどね。(笑)

 


僕のところにも、いまだに、

「鍼で痩せられますか?」

とか、

「食欲のなくなる鍼ってないんですか?」

という問合せや質問がたま~にあります。(苦笑)

 


一体いつまで続くんでしょうか、女性の「楽して痩せたい」願望(幻想)・・・。

 


確かに、テレビや雑誌に出ているスリムで美しい女性を見て、ああなりたい、と思う気持ちはよく分かります。

 


でも、楽して、他力本願でそうなりたい、とか、何か一つのことだけやればあとは何もしなくていい、というのは、やっぱり虫のいい話のようです。

 


清明院では不自然に、無理やり食欲をなくさせたりするような、病気を形成、助長する行為は致しません。

 


どうしてもやりたければ他へどうぞ、という話にならざるをえません。(笑)

 


ただ、治療をしていくことで、その方の本来の消化吸収機能を取り戻し、体内の余分なものが減っていった結果として「やせる」ということはよくあります。

 


また逆に、やせ過ぎていた女性が、治療をすることによって適度に肉がついてきた、という変化もまたよくあります。

 


この変化に大きく関わるのが「脾の臓」です。

 


脾がうまく働かないと、飲食物が大して吸収もされずに、未消化便となって体から出ていってしまうことがあります。

 


また、吸収したのはいいけど、それがいつまでも無駄に体に留まる場合もあります。

 


前者の場合は痩せていくし、後者の場合は太っていきます。

 


ではどういう人がこのパターンに分かれるかというと、それは「脾の臓」以外の臓腑との機能のバランスによって決まってきます。

 


詳しくは難しくなるので書きませんが、例えば、すでに出てきた「心の臓」とか「肝の臓」とか、あるいは一番そばにある「胃の腑」とかとのバランスです。

 


これらがきちっと協調し合いながら仕事してれば問題ないんだけど、アンバランスがあると、先ほどの2つのタイプに分かれてきます。

 


何事もバランス、ということです。

 

 

陰陽あるけれども、「中庸(ちゅうよう)」が大事、というのが東洋医学的な健康体の基本です。

 

 


次回に続く。

 

 

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7月4日北辰会本部臨床コース

2010.07.05

昨日は、大阪、上本町で行われた、(社)北辰会本部臨床コースに行ってきました!

今回は午前中は愛媛の水本淳先生の大人気シリーズ講義「傷寒雑病論」でした!

水本先生はもともと非常に分かりやすい講義とその軽妙な話術で、以前から北辰会では大人気の講師の先生ですが、このシリーズ講義は、

 

なんか回を重ねるごとに完成度を増しています。

午後は代表理事である藤本蓮風先生による「太極陰陽論解説」

 

この医学の根本概念を、自身の著書を振り返りながら、ひっじょ~に分かりやすく解説して下さっています。

その後は北辰会、役員会議長である、大八木敏弘先生による症例発表「小児の水頭症」と続き、最後は島内薫先生による「方剤学と空間」という、

 

盛りだくさんの内容でした。

症例に関しては、

「え!?鍼灸で水頭症??」

と考える患者さんも多いのではないかと思いますが、北辰会では症例数は非常に少ないですが、過去にも水頭症の症例がいくつかあります。

症例数があまりにも少ないだけに、

「鍼灸で水頭症が治せる!!」

だなんて世間に主張できるレベルでは当然ありませんが、

 

”水頭症の症状が鍼灸で改善する可能性はあるのではないか”

 

ということです。

これを症例を通じて示せるのはすごいことだと思います。

いつもここで書いているように、東洋医学、鍼灸医学は現代西洋医学とは全く違う物差し(人体に対する考え方)を持って治療にあたります。

だからこそ現代で言う「難病」だったり、「不治の病」とか言われるものが、意外と治せることがあるのです。

同じものを見てても、「ある側面だけ」から見たら難しく見えるものも、違った角度から見たら案外難しくない、ということが現実にあります。

現代西洋医学が治せないものが、鍼灸や漢方で治せる、ということが現実に起こるのは、一つにはそういうことだと思います。

「視点の違い」「発想の転換」

・・・とても重要なことです。

 

 

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「脾」って何ですか?(その4)

2010.06.18

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これまでのお話・・・

「脾」って何ですか?(その1)
「脾」って何ですか?(その2)
「脾」って何ですか?(その3)

 

☆脾の位置

 


今日は、脾の位置についてお話ししようと思います。

 


脾は、前回までに書いたように「胃の腑」とぴったりくっついて、体のど真ん中に位置します。

 


東洋医学では「胸(膈)から上」を上焦、「上腹部から臍のレベル」を中焦、「下腹部以下」を下焦と、大まかに人体の部位を上中下の3つに分けて考えますが、

 

この中で、脾が位置するのは「中焦」の位置です。

 


つまり腹、体のど真ん中に、堂々と、デーンと存在しているのが「脾胃」なのであります。

 


日本では、あまりいい意味で使われることはないけれど、
”中華思想”という言葉があります。

 


古代中国人にとってはこの「中」というものに特別な意識があります。

 


中国人が「中」という字を使う時は深い意味があることが多い、と思った方がいいです。

 


当然それは医学にも反映されていて、「脾胃」は生命活動の中心となる、と言い、ここの営みを指して「気血生化の源(きけつせいかのげん)」なんて呼んでいます。

 


つまりここに入ってきた飲食物から、「気血のもと」をきっちりと取り出し、
「心」や「肺」の存在する「胸から上」に持ち上げ、不要なものは「下腹部」にある「小腸」「大腸」に送る、


という活動の活発さこそが、”生命力”そのものの根本だ、という解釈です。

 


・・・ではなぜ、その「気血生化の源」である脾胃の営みが、手足を使った運動にて鍛えられるんでしょうか?

 


これはあまり難しい話にしたくないので、簡単に述べましょう。

 


要は、体のど真ん中にある脾胃から、一番遠いのが手足であり、手足は脾胃がしっかり働かないと、栄養が行き届かず、十分に養われないから、

「手足を使った運動をする」

ということは、脾胃のお尻を叩くことにつながるんです。

 


手足を積極的に使うことで、

「お~い!脾胃さ~ん!早く気血をおくれよ~!!」

とやっている訳です。

 

 

すると脾胃さんが、

「はいよ~!ちょっと待ってな~!!」

ということで、頑張って消化吸収機能を行い、気血をたくさん、速やかに作って、手足を養おうとする、という訳です。

 


ということは当然、手足を使わなければ脾胃は怠けて弱るし、脾胃が弱れば手足も弱くなる(萎える)ということです。

 


だから脾胃と手足は「中央(真ん中)と四隅(よすみ)」という、ちょっと変則的な陰陽の関係をなしている訳です。

(笑・・・ムズい?)

 


一応、専門家の方も読んで下さっているようなので、上記解釈の根拠を示しておきます。

『黄帝内経素問』太陰陽明論(29)です。

 


ちなみに杉山流などでは五行を使った解釈がありますが、あれは一般には説明しにくいので割愛しました。あしからず・・・。

 


ここまで書いたところで、急用が入ってしまいましたので、今日はここまでです!

 

 


次回に続く

 

 

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鍼灸学生の治療実習

2010.06.03

今日は、こないだお伝えした、大森にある東京衛生学園から、「治療体験実習」の学生さんがお見えになりました!

一体どんな学生さんが来るのかな~・・と思っていましたが、大変礼儀正しく、勉強熱心な方がやってきまして、一安心。

・・・やっぱ学生さんはいいですね~♪

(笑・・・そういう、ね。)

「目」がキラッキラしとる!

治療が終わってからも、なんやかんやと、業界のこと、北辰会について、中医学について、僕自身の学生時代についてなどなど、色々と話しているうちに、

 

6時に来たのが、あっという間に9時になってしまいました。(笑)


まあ僕個人的には、学生のうちは、興味あることを片っ端からやってみる、興味ある治療法を片っ端から受けてみる、友達を台にして実験してみる、

 

それの繰り返ししかない、と思います。


それを一生懸命やってるうちに、方向性なんておのずと決まってくるもんです。

 

時間は容赦なく経っていき、いつかは決断を迫られる訳ですから。


迷ってるヒマがあったら、とにかく走ってみるしかない、と思います。

(僕自身もそうでした。)


・・・結局、これは鍼灸に限らずですが、何が絶対に正しいなんてないし、何が一番いい、というのも、究極的にはない、と思います。

「いや、そんなことないぜ竹下!俺がやってることこそが一番正しいのだ!」

・・・という声が聞こえてきそうですが、それに対して僕は即答で、

「それは”あなたにとって、相対的に”でしょ?」

と言いたいです。(笑)


自分が見ている「世界」というのは、あくまでも「自分ビュー」でしかないんです。

(まずそこを自覚しないことには話になりませんが・・。)


ということは、その中で得た、その人なりの”正解らしきもの”というのは、必ずしも万人の正解ではないよ、ということです。


「陰陽論」というのは森羅万象の法則性をとても美しく説明する哲学です。

(・・・と、僕は思っています。)


それを行ずる存在である鍼灸師が、ある考え方や論のみを絶対視する、ということは、そもそもおかしな話です。

強力な説得力の裏には、強力な勘違いや思い込み、よく言えば”強力な仮説”が必ずある、ということです。

しかしそれで実際にものごと、現象が変化する、要はそこに美しさを感じ、信じるに足るものだと思うか、胡散臭さを感じるか、それはその人それぞれの「感性」の問題です。

鍼灸学生さんにおかれましては、自分が前者の立場をとれるものと巡り合ったならば、あとはそれを徹底的に追求したらいいんじゃないでしょうか。

(別に無理にそうしなくてもいいけど・・・です。(笑))

次回はどんな学生さんが来るのか、あるいはもう来ないのか、なかなか楽しみな感じです。(笑)

明日もガンバろっと。

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完全オフ!

2010.05.16

今日は久々に一日完全オフにしました!

やろうと思えば朝から色々とやることもあったんですが、昨日の段階で、あえて

「今日は休もう!」

と決めて、一日ゴロゴロ・・・。たまにはこういう日を作らないと、かえって日ごろの臨床のパフォーマンスが下がります。

GW以来ダーッと忙しい日々が続いていましたので、これで受電完了しました。

さて、今晩から来月の症例発表や、新しい埼玉方面の往診患者さんの書類の手配、などなど、ちょっと停滞気味だった仕事を片付けようと思います。

動いたら休む、休んだら動く、これまた陰陽。偏ったらいけません。

明日からまたガンガン行きますよ~!!

「肝」って何ですか?(その8)

2010.05.15

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これまでのお話・・・

 


「肝(かん)」って何ですか?(その1)

「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)
「肝」って何ですか?(その5)
「肝」って何ですか?(その6)
「肝」って何ですか?(その7)

 


引き続き、「肝」を構成する”7枚の葉っぱ”の意味について考えてみましょう。

 

前回述べたように、他の奇数に比較すると、影が薄いとはいえ、古代の中国では、様々な古典の中に”7”が出てきます。

 


『論語』『孟子』『荘子』などなど・・・。

 

僕ら東洋医学を学ぶものにとってなじみが深いモノの中では

『黄帝内経(こうていだいけい)』

という、東洋医学のバイブルと言ってもいい、大古典の中に、女性は7の倍数に応じて成長する、という記載が出てきます。

(つまり、7歳、14歳、21歳、28歳・・・と、女性の生涯の中で、身体的に大きな節目が訪れるよ、という記載です。)

 


また、東洋医学の根本思想である「陰陽論」の来源
ともいわれる、『易経(えききょう)』の中にも、”7”という数字が「繰り返し、つまり循環」を示す数字として登場します。

本田濟『易』P224~参照)

 

 

また、ここで詳しくは述べないが、今井宇三郎先生『宋代易学の研究』の第二章(P146~)に、『易』において有名な「河図洛書」「河図」には、

 

後漢の『漢書』五行志や、後漢の儒学者、鄭玄(じょうげん)『周易鄭玄注』によって、1~5までの数字を「生数(せいすう)」、6~10までを「成数(じょうすう)」と呼んでおり、

 

7は生数5+2と考えられ、五行では火の成数ということになるが、龍雷相火といわれる肝の臓に、五行において火の意味を持つ成数7が乗せられていることは興味深いが、

 

この意味で肺の八葉を解釈しようとすると、こちらは「木」の成数ということになるので、肝の七葉、肺の八葉の意味に一貫性が見出しにくい。

 

 

ここは、詳しい読者諸賢の方は是非ご教示下さい。

 

 

個人的には、蕭吉(しょうきつ)撰『五行大義』の生成数解釈でここに関しては強引に理解しています。

 

中村璋八ほか注『五行大義 上下巻』神野英明『鍼灸漢方の名医になるための秘訣』P106~参照)

 

 


さらには仏教においても「初七日」「四十九日」と、7および7の倍数(乗数)に、極まり、そしてまた繰り返す、あるいは次なる段階へ進む、
という意味がのせられています。

 

さらにさらに、中国古代の文学作品や詩集には、タイトルに「七」のつく作品が異常に多い、という特徴があるそうです。

 

この理由については、最終的には”不明”らしいですが(苦笑)、僕個人としては、「七」という数字に込められた、

「永続性」と「形式美」

に、当時の文学者たちは何かを感じていたんじゃなかろうか、と思っています。

(終わりと始まりを、同時に、かつストーリー性を持たせて表現できる数、という意味でね。)

 


・・・また、卑近な例として、7月7日の七夕祭りがありますね。

 


これも実は、織姫と彦星が、いつも会いたいのに年に一度しか会えない、ということから、「やっと会える日」の強調というよりも、好きな人がすぐそこにいるのに会えない、

 

”無限にも感じられる辛い時間”

 

というものの永続性とその極みを”7”に込めた、という解釈もあるようです。

 

(ロマンチック!!)

 

 


・・・さらに天体モノでいくと、何と言っても「北斗七星」の7です。

 


古代の中国人は夜空を見て、北極星の周りを回る北斗七星の柄の部分がどの方角を指すかで季節を定めました。

(ちなみに北辰会の”北辰”というのは北極星という意味がありマス・・。すごいネーミングだネ・・。)

 


そして道教においては、七夕に七星を祭る、という儀礼が存在し、内丹術(・・・ここでは詳しくは述べないけど、まあ要は気功みたいなもんです。)においても、”七”を極めて重要視します。

(これには”不老長寿”という考え方と”7”の神秘性、永続性が関係しているのではないか、と思っています。)

 


・・・また、空間を認識する上でも”7”は実は重要です。

 

つまり、「東西南北」の4と、「上下」の2を足すと”6”という数字が得られ、これを「六合(りくごう・・・宇宙のこと)」と言いますが、

これに「中央」、つまり「観測者の立ち位置」を加えると”7”という数字が得られます。

 


これにより広大無辺な六合空間の中に「基準」が出来るので、基準点から見て「空間」というモノを”どこからどこまで”と規定することが出来ますし、

 

当然、その空間の中で、2点間の移動を考えることが出来ますから、その移動速度と合わせて”いつからいつまで”という「時間」も規定することが出来ます。

 

小学生の頃やった、「道のり、早さ、時間」てやつが規定できるようになるわけです。

 

こう考えると、時間と空間を「規定する」「決定づける」数字が”7”なのであります。

 

それが、狭義の「魂」(意識の支え)と「血」を蔵し、「全身」という空間区分における「気」の配分調節をつかさどるという役割を持つ「肝」「形態」に、


さりげなくのせられている、という東洋医学・・・、シャレてないすか?

 

・・・今日のブログは、細かい部分をかなりはしょりまくって書いたものなので、ちょっと意味が分かりにくかったかもしんないけど、何となく壮大で面白そう、

 

ということが伝われば、とりあえず満足です(苦笑)

 

今日はあえて書きません(てか書けません)が、ここからさらに、まだまだ2次的、3次的に生じる疑問や、それに対する考察についても、

 

これまた面白い考え方が山ほど!!

 

そのほかにもまだまだ僕の中で何年かあたためてる事案が山ほど!!

 

 

・・・ですので、東洋医学の中にさりげなく出てくる数字の意味には、深い意味が込められているとしか思えないことが多く、無視しない方が良いのですが、

 

これに最初からあまり拘ってばかりいると、基礎固めが全然進まないので(苦笑)、初学の方にはまったくおススメしません。

 

 

こういう細かい部分で、なおかつ初めに提唱した人の見解が残っていないので、原義や解が出しにくい部分に対して、色々な古典を幅広く調べて渉猟し、

 

肝の臓の七葉の意味の仮説に関して猛烈に詳しくなったとして、・・・「で?」ってなります。(笑)

 

 


しかし、そうはいっても東洋医学面白い~・・・、やめられない止まらない~・・・。

 

 

続く

 

 

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「肝」って何ですか?(その2)

2010.04.29

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これまでのお話・・・

「肝(かん)」って何ですか?(その1)

・・・「肝」というのは、五臓六腑の中の一つです。

「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか? 参照

 

東洋医学の言う、五臓と六腑には、それぞれに独特の働きがあり、それらがうまく協調しあうことによって、正常な人間の機能が保たれます。

 

これは、西洋医学の言う「内臓=organ」とは違う!ということは、何度も何度も、繰り返し繰り返し、述べている通りです。

(笑・・・しつこい?)

 

では東洋医学の言う「肝」というのは、どういうもので、何をしているところなんでしょうか?

 


まず、中医学の教科書的には、肝には、「疏泄(そせつ)」という重要な働きがあります。

 

”疏泄”という単語の歴史的経緯、変遷についてはまた色々とあるんですが、ここでは省きます。)

 


これは要するに、

全身を流れる「気(き)」や「血(けつ)」という、流動物を、足らないところには補い、渋滞があったら取り除く(通じさせる)、

という、肝の臓の重要な働きのことです。

 

これがあるから、少々の滞りや過不足であれば、「肝の疏泄機能」によって体が勝手に改善してくれる、という訳です。

 


次に重要なのが「蔵血(ぞうけつ)」という働きです。

 

これは読んで字のごとくです。

 

 


「血(けつ)を蔵する」訳ですから、体の正常な状態を維持するのに欠かせない「血」を、不足したところに補うためには、常にどこかに蓄えていないといけません。

 

「肝の臓」は、それ自体に”血を蓄える”という、重要な働きを担っております。

 


上記の2つは、東洋医学的「肝の臓」の機能の中でも最も重要な2つの働きです。

 


ちゃんと「疏泄」するためには、必ず十分に「蔵血」してないといけないし、たとえ「蔵血」だけしてても、「疏泄」しなかったら意味がありません。

 


この2つの働きは、「肝」という臓の、内向き(蔵血)と外向き(疏泄)の2つの機能として、「肝の臓」という臓の働きを考える上で、とても重要な「陰陽バランス」なのです。

 


ではそれ以外の働きはというと・・・それは次回。

 

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「東洋医学」と「数学」

2010.04.25

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清明院の患者さんは、何故か高学歴の患者さんが多いのですが、その中に、応用数理学をやっておられる方がおります。

(まあ、その方がやっておられる学問の世界なんていうのは、僕のようなズブの素人が見たら、まるで宇宙の言語のようでありますが・・。)

その患者さんと話していると、東洋医学に関する、非常に示唆に富んだ見解を得ることがあります。

(やっぱり患者さんは“先生”だね。)

この東洋医学というのは、何かと「数字」が出てきます。

「気一元の思想」の1、

「陰陽」の2、

「天地人三才思想」の3、

「東南西北」や「四神」や「四診」の4、

「五行」「五運」の5、

「六気」「六淫」の6、

「七死脈」「七竅」の7、

「奇経八脈」や「八風」や「八法」の8、

「九竅」「九宮」の9、

「十干」の10、

 


・・・などなど、挙げていけばキリがないほど、「数字」とその組み合わせのパターンで、自然界、および人体を考え尽くしています。

 


これって、単純に、なぜだろう・・・と、思いませんか?

 


まあ、古代中国人は農耕民族ですから、当然、

1.農作物の分配管理のための「計算」、

2.農地管理のための「測量」、

3.収穫時期を正確に知るための「天文学⇒暦法」

という3つの柱は、当然必要に迫られていたんであろうと思います。

 


この3つはそのまま、以下のように、数学の対象に置き換えられます。つまり・・

1.の「計算」は「量」と「構造」に、

2.の「測量」は「空間」に、

3.の「天文学⇒暦法」は「変化」に、

とね。

 


この様な考え方から、古代中国では自然発生的に

「現象を数字の変化に置き換えて、論理的に理解する」

という習慣がついていたんだと思います。

 

具体的に数学の話になると、やれ因数分解とか、展開公式とかっていう話になるけど、中国では「考え方」としては、数千年のはるか昔から、

 

生活に根付いていただろうし、詳しくはないが、実際に「算木(さんぼく)」という木を使った計算法もあったようです。

 


また、中国の数学は、西洋において数学が発展、発達する全然前から、かなり現代数学的にも正確な公式や定理が、ガンガン発表されていたようです。


現存する最も古いものとしては、『易』の洛書の魔方陣なんかが、興味深い例として有名ですね。

 


その他にも、円周率やらピタゴラスやら、大変高度な数学の問題を、西洋数学が証明する1000年以上も前から既に証明していたようです。

 

・・・ただですねー、やっぱりなんぼ美しく数学的、論理的に自然現象を切り分けてみたところで、実際の現実に起こる現象とは、若干の「ずれ」が生じることがありゃあしませんかねえ。

 


そうは言っても、一応は分けて考えなかったら、それはそれで難し過ぎますねえ・・・。(苦笑)

 

理解出来る人が限られ過ぎる、というかね・・・。

 

ここを克服(数理学を柔らかくする)する一番いい考え方として、先哲が考え出したのが、「気」であり、「陰陽論」であるのではないか、と思っています。

カテゴリ「気」

カテゴリ「陰陽」 参照

 

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