東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 陰陽

意味のある未進化

2011.01.19

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毎日毎日、自分なりに、患者さんの病治しを通じて、東洋医学、鍼灸と真剣に向き合っております。

 


この医学の根本原理は、2500年前に中国で著されたとされる、

『黄帝内経(こうていだいけい)』

という本に書いてあります。

 


これ以降、中国、朝鮮半島、日本で、今日に至るまで、様々な学説が登場しながら、東洋医学の内容は縦横に膨らみ続け、今や数千年の実績に裏打ちされた、

 

膨大で深遠な学問体系となっております。

各時代の有力な学者や医者が、それぞれの学説や臨床例を書物に残してくれております。

 


それを現代の我々は「古典」と呼び、臨床に迷った時などはそれを紐解いて、大いに参考にすることがある訳ですが、いかんせん2500年分の古典が、

 

膨大な情報量として存在するため、生きている間にこれら全てに目を通すことは不可能です。

 


となると、「古典中の古典」と言われるような、超有名な古典ぐらいしか、残念ながら普通は通覧することは出来ません。

 


そして、そこで得た知識からしか、理論を言ったり、臨床を構築することは出来ません。

(自身の感覚のみで構築した臨床は別として。)

 


そう考えると、「気」と「陰陽」という原理(世界観)から2500年も出ずに、ものを考えているのは、尚古主義のように聞こえるかもしれません。

なんか旧態依然としていて、進化、発展がなさそう、というかね・・・。

しかし、そうではないのです。

・・・こないだ、とある患者さんに聞かれました。

「東洋医学って、何千年も経ってるのに、どうして進歩しないんですか?西洋医学は、この数十年だって全然進歩してるのに・・・。」

僕は即座に答えました。

「何千年も変わる必要がないぐらい、完成度が高いんじゃないですか?」

と。

 


実はこれは、以前藤本蓮風先生に教わった返しです。(笑)

 


蓮風先生はかなり前、同じ質問を患者さんにされて、このように即答したとおっしゃっておりました。

 


昔それを聞いて、サスガだなあ、と思いましたので、この質問があった時は使わせていただいております。

・・・まあ、もしかしたら、埋もれてしまった膨大な古典の中には、従来のものとは全く違う、現代の最先端に通じるような、スゴイものがあった可能性はあります。

 


しかし、結局いいものが残って有名になり、そうでもないものは淘汰された、と考えれば、「古典中の古典」と言われる、有名選手の方が断然価値が高い、

 

ということになります。

そしてそれらの古典に通底する共通原理は「気」と「陰陽」という考え方なんです。

 


人間の生命をとらえる方法は、何パターンもあるかと思いますが、これほど長きにわたって、民衆の支持を得続けている医学は東洋医学のみなのであります。

 

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日本人の自然信仰

2011.01.15

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

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去年の年末、「神主学説」の講義の中で、”左と右”に対する、とある解釈を紹介しました。

 


即ちもともとの語源が「火だり」「水ぎ」という考え方です。

 


そしてそれを受けて、副院長の松木が年始のブログ『清明なる日々』において、『天地明察』という本の中の、「火足(ひだり)」「水極(みぎ)」という記載を紹介してくれました。

初詣 参照

 


”左右”は左が陽、右が陰と、陰陽で分けられると同時に、『黄帝内経素問』陰陽応象大論(5)では左右を合わせて「陰陽の道」とも言われます。(
「・・左右者陰陽之道路也.・・」)

 

ここからさらに、前後、上下という空間物体の認識、循環や回転という理論なんかも生まれてきます。

 


そして、講義の中ではさらに、「火」と「水」を合わせて「火水(カミ)」と言い、つまり陰陽のあやなす業こそが、「神」なのだ、という、一つの考え方、解釈を紹介しました。


・・・大いなるカミと自然への限りなき畏敬、日本人の素朴な信仰の原点とは何なんでしょうか。

 

太古より自然は、人智の及ばない、大いなる存在でした。

 


雨風や日照をコントロールすることなど、所詮人間にはできやしません。

 

 

そうすると、結論として人間は、それでも自然を征服しようと戦い続けるか、それともうまく折り合いをつけ、自然と柔らかい関係を結ぶか、しかできない訳です。

 

 


豊かな森と水に恵まれた日本列島の「昔の」日本人は、大自然とうまく折り合いをつけ、柔らかい協調関係を結び、自然と共に生きることを選んだのだと思います。

 

 

・・・反対に現代の日本は、どちらかというと自然と闘い、破壊し、支配しようとしている側です。

 


あるいはそっちに加担せざるを得ない状況になっている、とでも言いましょうか。

(みんなある一定の、ほのかな違和感を感じつつ、です。)

 

 

自然は、無限の恵みを与えてくれると同時に、一瞬のうちにすべてのものを奪い去ってしまうことがあります。

 

 

そこで人々は、自然の織り成す森羅万象を「カミ」と呼び、豊作や大漁の豊穣をもたらしてくれた「カミ」をもてなし讃え、荒ぶる「カミ」を畏れ鎮めたのです。

 

 

日本人は、太古より自然共に生き、「カミ」と共にあった訳ですネ。

 

現代人にも、心のどこかに、この考え方が眠っているような気がします。

 

 

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「ホメオスターシス」という考え方

2011.01.13

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「ホメオスターシス」

一般には、何やら聞き慣れないこの言葉・・・。

 


僕らが学校に通っている時に、よく聞いた言葉です。

 


医療系の学校に通ったことのある方ならご存知でしょう。

 


・・・この言葉は、20世紀初めにアメリカのキャノンという人が唱えた言葉で、homeo(同一の)とstasis(状態)と言うギリシャ語をドッキングさせて作った言葉なんだそうです。

 


コレを簡単に言うと、

「生き物が一定の状態を常に維持しようとする働き」

と言えます。

・・・我々の体には、もともとこの「ホメオスターシス」が備わっております。

 


外界の温度が上がれば汗を出して体温を下げようとし、寒かったら汗を止め、震えたり、代謝を亢進させたりして、体温を上げようとします。

 


ウイルスや細菌が体に入ったならば、それを除去する仕組みが働きますし、体に傷が付いたなら、血を固めて止め、傷をふさぎ、

 

やがては周りとのギャップが少なくなるように傷口を仕上げてくれます。

 


西洋医学では、コレには自律神経系、内分泌系、免疫系などが複雑に関わり、
これらが有機的、合目的的に働き、この仕組みを維持している、と考えています。

 


しかし、いまだに不明な点も多いそうで、何故人間がこういう感じで維持されているのかの細かい部分は、実はまだまだ分かっていないようです。

 


東洋医学では、数千年の昔から、これをまさしく気、陰陽、五行、五臓六腑、経絡、経穴という理論を使って、この働きを説明しております。

 


大自然と人間は一体不可分であるという、「天人合一思想」に基づいて、です。

 


背景にあるその思想性、哲学性を是とするならば、単なる原始的でおおざっぱな理論ではない、ということはすぐに分かるはずです。

・・・まあいずれにせよ、「ホメオスターシス」という言葉が出来たのは20世紀であっても、考え方としてはそれ以前からとっくにあるということです。

最近よく聞く、「自然治癒力」というものも、この「ホメオスターシス」の一部といってもいいでしょう。

(ちなみに清明院も、”治る力を活かす”とうたっています。(笑))

 


・・・つまり「病的な状態」というのは”何らかの原因で”この「ホメオスターシス」なるものが追い付かなくなっている状態、と考えられます。

 


・・・ということは、それに対して「治療」を考えるならば、”何かをすることで”、追い付かなくなっている状態を助けてあげたらいい訳です。

 


”ちょん”と押してね。(笑)

 


もちろん、西洋医学的な理論を使ってそれをしなければいけないなんて決まりはありません。

 


なのにどうして、医療といえば西洋医学しかない、というような発想が、日本国民には染みついているんでしょうか?

 


先ほども言うように、自律神経も免疫も内分泌も、分からないことだらけと色んなところで宣言されてるにもかかわらず。

 


・・・フシギデスネエ。

 


・・・ドウシテデショウネエ。

 

 


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「泣く」とはどういうことか(その6)

2011.01.07

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これまでのお話

「泣く」とはどういうことか(その1)
「泣く」とはどういうことか(その2)
「泣く」とはどういうことか(その3)
「泣く」とはどういうことか(その4)
「泣く」とはどういうことか(その5)

 

かなり久々になりますが、このシリーズ、ちょっと足しましょう。

 


今後もこのように、右にあるカテゴリーの色んな話を、たまに肉付けしていきます。

 


今日、こんなニュースを見つけました。


(↓↓以下簡略化して引用)

◆女性の涙に「逆フェロモン」…男性の興奮鎮静化

 

読売新聞 1月7日(金)3時7分配信

 

女性の涙には男性の感情に影響する化学物質が含まれているとの実験結果を、イスラエルにあるワイツマン科学研究所のチームがまとめ、

米科学誌サイエンス電子版で6日、発表した。


昆虫では、情報伝達の役割を担う微量の化学物質「フェロモン」が生殖行動に影響し、マウスでも雄の涙腺から分泌される物質が雌に交尾を促すことが報告されている。
 
今回、動物の世界で知られる促進フェロモンとは異なる作用のフェロモンが人間に備わっている可能性が強まった。

研究チームはまず、複数の女性ボランティアに悲しい映画を見せ、涙を採取。

涙と、塩水がしみこんだシートを男性被験者24人の鼻の下に別々にはりつけると、涙のシートをつけた場合でのみ、女性の顔写真に性的魅力を感じる度合いが減った。

唾液中の男性ホルモン「テストステロン」の濃度も低下したほか、脳の活動を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)でも、性的興奮にかかわる視床下部などで活動が低下していることを確認した。

 
 

(引用おわり)

 

・・・まあ要するに、人間の女性の涙には、男性の性的興奮を「抑制する」成分を含んでいる可能性がある、という記事ですね。
 

以前このシリーズでも、涙の成分についてはいまだに不明な点がある、ということをお伝えしました。
 

サイエンスの原文を読んだ訳じゃないけど、今回の実験結果は面白いことを示唆していると思います。
 

「女性の」「悲しい映画を観ての」涙が含む、

「嗅覚」を刺激する何らかの成分(フェロモン?)が

男性の「性的興奮」を

「選択的に」抑制する

ということがもし本当ならば、非常に興味深いですね。

 

「涙」、「悲しい」「嗅覚」、「性的興奮の抑制」、というキーワードからは、東洋医学的には「肝の臓」「肺の臓」が想起されます。
 

そして五行で言う「肝木」「肺金」からさらに「魂(こん)」「魄(はく)」、「肝血(かんけつ)」「肺気(はいき)」という陰陽、

そして、「男女」という陰陽・・・。

 
この実験をやったワイツマン科学研究所の人たちに質問してみたいことが山ほどあるんですけどー・・・。

 
(笑・・・言葉通じませんけどネ。)

 
・・・まあいずれにせよ、人体について現代科学的に分かってくれば来るほど、

「それをとっくに東洋医学は説明出来ていた!」

なんてことがたくさん起こるかもしれませんね・・・。(笑)

 
 

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東洋医学と「痛み」(その5)

2010.12.09

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これまでのお話・・・

スピリチュアルペイン(その4)
東洋医学と「痛み」(その1)
東洋医学と「痛み」(その2)
東洋医学と「痛み」(その3)
東洋医学と「痛み」(その4)

・・・まあ、つらつらと書いてきましたが、この辺でいったん区切りましょう。

 


僕が年末にしゃべるネタが尽きてしまっても困りますんで・・・。(笑)

 


西洋医学では、人間の感情や感覚、思考については「脳=brain」を中心に考えます。

 


それに対し、東洋医学ではこれらのものについても「五臓六腑」、とりわけ「心の臓」を中心に考えます。

 


・・・と言っても、当然「脳」というものを無視した訳ではなく、もちろん「脳」や「頭部」は重要視はするけれども、人間の正常な生命活動維持には、

 

あくまでも五臓六腑だぜ!頭部や脳の機能がいくら重要でも、その根本には五臓六腑の正常な働きがあってこそだぜ!!という立場で、生理学、

 

医学が説明されています。

 


徹頭徹尾その立場で、このシリーズの最初の方に述べた、緩和ケアにおける「スピリチュアルペイン」のようなものについても考えていきます。

 


ですから当然、東洋医学では、そういったものに対する対応も、

「気」を正しく動かし、五臓六腑の陰陽、虚実のバランスを整える、

という方法に、結局は帰結します。

(もちろん、傾聴、ともにいる、といった、緩和ケア医療に出てくる方法論も、上記に含まれます。)

・・・話を戻すと、「痛み」をはじめ、あらゆる不快な感覚(症状)というものを取れにくくさせる大きな要因に「不安感」というものがあります。

 


この「不安感」というものと、「心の臓」は、大変関わりが深いです。

 


「不安」と症状の関係については、以前も書きました。

「不安」と「症状」
「不安」と「症状」(その2) 参照

この「不安感」というものが現れる東洋医学的な原因として、「心の臓」の異常を考える場合が多いです。

 


理屈では分かっていても不安である、何をしていても何となく不安である、考え過ぎてしまう、

 


それにより、症状がなかなかとれない、そして余計に不安になる、という悪循環を何とか断ち切る方法として、「心の臓」へのアプローチを考える場合が、東洋医学にはあります。

 


これがうまくいくと、

非常に強力な鎮痛効果+何とも言えない安心感、安堵感

を、鍼で表現することが出来ます。

(言葉で言うほど簡単ではありませんがネ。)


しかしこれまで、この考え方、方法論に、何度僕自身が救われたことか・・・。

 


末期癌の患者さん、重度の精神病の患者さん、あらゆる「心に残る」「忘れられない」症例が、頭を駆け巡ります・・・。

 

以上で一旦、このシリーズを完結したいと思います。


詳しい話は、年末にしようと思っております。

 

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「五行」って何ですか?(その8)

2010.12.01

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これまでのお話・・・

「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)
「五行」って何ですか?(その6)
「五行」って何ですか?(その7)

 

さて、そろそろこの話題を一旦まとめさせていただこうかと思いますです。

 

 


・・・まあ、「気」にしても「陰陽」にしても「五行」にしても、細かくやり出したらキリがない、東洋医学の根幹部分であります。

 

カテゴリ「

カテゴリ「陰陽」    参照

 

 

なので、そもそも僕ごときが語るにはおこがましいようなテーマなんですが、それでも、少しでも多くの人にこの医学の素晴らしさを伝えたい、

という純粋な思いが高じて、生意気にも、稚拙な筆ではありますが、書かせていただいている訳でございます。

 

また、このブログの内容は、僕自身がこれまで積み上げてきた知識の再確認作業でもあります。

 

 

 

こうやってごく基本的な内容を書きつつ、周辺知識として、臨床に使える新しい知識を常に渉猟していっております。

 

 

 

だから僕自身にとっても、非常に意味があると思っています。

 

 


このブログは、清明院の患者さん達や、鍼灸の学生さん達も多く読んで下さっているようなので、あまり難しい内容には触れていないけども、これを書くにあたって、

 

数年ぶりに開いた本や、学生時代のノートの中に、今現在の僕にとって、ヒジョーにためになる情報を再発見したりもしています。(笑)

 

 


だからこのブログは、これを読んで、

”あーなるほど、勉強になるナー♪”

と感じて下さる人と、僕自身の、一挙両得、一石二鳥なんであります。
 

 

(まあ毎日のことなんで、どーでもいいことも書いてますが、そうでないと、なかなか続かないだろうとも思うしネ。性格上。(苦笑))

 

 


・・・ともかく、「五行」というのは、歴史の中で「陰陽」と密接に結びつき、東洋医学の基盤となっていった、という話を、前回まで書きました。

 

 


中国、明(みん)の時代の大名医、張景岳(ちょうけいがく(1563-1640))先生は、

「五行は陰陽の質であり、陰陽は五行の気である。」

と、述べています。

『類経図翼・運気・五行統論』

 

・・・パッと聞くと難解なこの言葉ですが、コレは要するに、

「五行(木火土金水)」というのは、「陰陽」で分けた自然界の事物の中の、ある側面(性質)を象徴(シンボライズ)したものであり、

だから自然界の全てものは、この考え方で分類可能であり、

その「五行」が自然界において、正常に循環するためには「陰陽」の”気の動き”がなければならない、

だから自然界を説明する上で、「陰陽」と「五行」は、

”気の動き”

  と

”事物の性質”

という、切っても切れない関係性を持っているのだ~!

 


という意味だと思われ、僕にとってこの言葉は、「陰陽」「五行」の関係性を極めて端的に、正確に述べたものであると思い、張景岳をあらためてリスペクトするきっかけとなりました。


(ちなみに上記はあくまでも僕なりの解釈です。)

 

 


こう考えることで、両者はセットで東洋思想の根本哲学として理解運用できるため、「五材」とか「五質」とかではなく、「五”行”」と、わざわざ

 

”行る(めぐる)”

 

という意味合いの文字表記で、今日まで伝わっているんだと思います。

 

また、学生時代の僕がそうだったように、この多様な自然界を、「二」だの「五」だの、そんな単純なパターン分類で帰納できるはずがない、という疑問が湧きますが、

 

「五行」においても、「陰陽」と同じように、「五行」のそれぞれの中にまた「五行」があり、その中にまた「五行」があり・・・、という風に、

 

いくらでも無限に分けることが可能である、とも仮定できます。


「陰陽」って何ですか? 参照

 

 


しかし、あまりにも細かく分け過ぎれば、それだけ「自然(生命)の全体像、バランス、調和」を見失いやすくなります。

 

 


あらかじめそのことをよく分かっていたのか、あまりにも細分化して理論を組み立てるということを、東洋哲学ではあまりしません。

 

 


そしてこれはこの数千年、変わっていません。

 

 


このことは、蓮風先生もおっしゃるように、「意味のある」未進化だと思います。

 

意味のある未進化    参照

 

もともと「陰陽」「五行」も、自然を理解するために、一応2や5で分けて、細分化を可能にしてはいるけれども、結局は分けられない、それらが別次元に存在してる訳ではない、

 

この世の全ては「気一元」で出来ているという、結局は”1つのものの循環、ありようの違い”なのだ、という認識が初めにあっての考え方であり、

 

そしてその「循環の法則性」を述べたのが、「陰陽五行論」である、ということです。

 

 


だからこの考え方は、どこまでいっても西洋医学の考え方(機械論的、物理学的な分析方法)と同一にはならないんです。

 

 

 

優劣ではなしに、五行(木火土金水)は、現代化学の元素記号とは「違う」んです。

 

 


古代人の、極めて感覚的で、素朴な、かつ真剣で慎重で緻密な自然観察の中で、想定されてきたものなんです。

 

 


・・・まあポイントは、この考え方を一つの基本として発展した東洋医学が、もし、まったく臨床効果のない、利用価値の低い、あるいはないものであれば、

 

当然歴史の中で自然淘汰されてきたはずですが、開発から数千年経った今現在でも、十分にその効果を発揮できている現実がある、ということです。

 


だから僕たちはそこに意味があると感じ、真剣にこの医学を学び、実践している、という訳です。

 

ちょっと長くなっちゃったけど、「五行」って何ですかシリーズ、ひとまず終わり。

 

このテーマは書く気になればまだまだ色々あるので、そのうちまた書こうかな、と思います。

 

 


 
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「五行」って何ですか?(その7)

2010.11.26

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これまでのお話・・・


「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)

「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)
「五行」って何ですか?(その6)

 

 

続いていきます!

 

 


これまでに何度か書いているように、自然界のあらゆるものは「循環」しています。

 

 

昼の後は夜が、雨の後は晴れが、冬の後は春が来ますね。

 

古代中国人は、五感をフルに使って、まずは感覚的にとらえたその自然の循環を、「陰陽」の2、「五行」の5、など、”数字”を使って分類して考えていき、


そのそれぞれの関わり方に、何らかの”法則性”を捕まえて、それにより、自然を学問し、理解しようとした訳です。

(ちなみにそれを”象・数・理(しょう・すう・り)”なんて言ったりします。)

 


東洋哲学では、その「法則性を持った循環」に滞りがなければ、大自然に問題は起こらない、と考えます。

 

(起こったとしても、相対的にスムーズにいけると。)

 

 


そして当然、我々人間も自然の一部である、と考え、その体を流れる「気」の循環に滞りや過不足がなければ、病気にならないよ、なっても軽く済むよ、

 

という考えが、東洋医学の基本であります。

 

今説明している「五行」の循環というのは、その「法則性」の基本中の基本になる部分なのであります。
 


 
 
◆「五行」の正常な循環(パターンその2)

前回、(その6)において、

木⇒火⇒土⇒金⇒水⇒・・・(最初に戻る)

という循環を説明しました。

 


今回はもう一つの循環パターンについてです。

 


もう一つのパターンは、

木⇒土⇒水⇒火⇒金⇒・・・(最初に戻る)

という循環です。

 


これに対する説明としては、


「木は土の養分を吸い上げ、」

     ↓

「土は水をせき止め、」

     ↓

「水は火を消し、」

     ↓

「火は金属を溶かし、」

     ↓

「金属は木を切るのだ~!」

という説明が、よくなされます。
 

 

 
「五行」って何ですか?(その6)で説明したパターンの循環というのは、五行それぞれが、それぞれを生じていく順番であったのに対し、
この順番は、それぞれの力関係を示す順番になっています。


(・・・まあ、じゃんけんのグーチョキパーみたいなもんですな。)

 

 


実は、これ以外にも、五行の循環の法則というものは存在しないことはないんですが、特に有名なものとしては以上の2パターンです。

 


・・・このように、「五行」というのは、

もともと、当時の人間の生活に欠かせなかった5つの材質(五材)から、

自然界を構成する5つの要素、性質、象徴として規定され、

それが長い歴史の中で、もともとあった「陰陽論」と結びつき、「陰陽五行論」という学問を形成し、

それが自然界の循環の法則を読み解く基礎理論になっていき、

そしてそれは、東洋医学の根本哲学にもなっていき、

自然や人体を構成するあらゆるものを、この5つの性質に分けて、その関係性を考えるようになっていった

という訳です。

 

 


そしてここからさらに、

「三合(さんごう)」

とか、

「十干(じっかん)」

とか、

「十二支(じゅうにし)」

とか、

「九星(きゅうせい)」

なんかの話まで進もうかな、とも思ったんですが、どんどん複雑で難しくなっちゃうし、五行の話からは外れていってしまうので、ひとまず切りましょう。(笑)

 

・・・という訳で次回、「五行」を簡単に、自分なりにまとめてみます。

 

 

 

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「五行」って何ですか?(その6)

2010.11.21

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これまでのお話・・・

「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)

 

 

◆「五行」の正常な循環

 

「陰陽五行説」においては、五行(木火土金水)の正常な循環の順番は2パターンあります。

 


一つは、

木⇒火⇒土⇒金⇒水⇒・・・・(最初に戻る)

だと言われています。

 


何故この順番(木が最初)になるのかは、ややこしくなるのでここでは細かくは書きませんが、これについては、古代中国人が自然界を素朴に観察していて、


「木が燃えて火が生じて」

    ↓

「燃えきったらその灰が土に還り」

    ↓

「土の中には鉱石(金属)があり」

    ↓

「鉱石の周囲の温度、湿度の変化で表面に水滴が生じ」あるいは「金属に熱を加えると液状(水状)に変化し」

    ↓

「水は木を養うのだ~!」


という、な~んかこじつけっぽい説明が、よくなされます。(苦笑)

 

 


・・・これもこれで、まあ一理あるかとは思いますが、もっと深い意味づけがあるような気もします。

 

ちなみによく、鍼灸学生の方々が、

「おいおい、なんか東洋医学って、言ってること、ヤバくないか?荒唐無稽なんですど・・・。」

とか、

「おおざっぱ過ぎるんですけど・・・。」

とか思って疑念、不信感を持ち、脱落するのも、たいがいこの辺です。(笑)

 

 


・・・ちなみに僕の場合はここで逆に、

「いやいや、そんなはずないっしょ!なんかあるっしょ!!あってほしいナー。」

と思った組です。(笑)

 

 


これはつまり、現代のように「文明的な観察機械」を持たない、当時の人間(学者)たちが、あくまでも”五感”で認識可能な範囲で、理論を組み立てていった結果なんだと思います。

 

 


確かに現代科学文明は、あらゆる道具や計測機器を使って、かつてよりももっともっと細かく精緻に自然を観察し、理解できたとも考えられます。

 

 


しかし、だからといって「自然」とうまくやれているか、うまく付き合っているかと言うと、大いに疑問であります。

 

 


こういう素朴だけど考え尽くされた自然認識だったからこそ、自然と人間がうまくやれた、おおざっぱに捕まえたからこそ、うまくいった。

 

 


そういうことって、人間関係においても、ありますでしょ?

”相手のことを細かく知り過ぎたら、うまくいかなくなった・・・。”

ってやつネ。

(笑・・・ちょっと違う?)

 

 


最後にまたまとめようと思っていますが、コレは実はとっても大事なんですよ。

(・・・と僕は思っています。)

 

 


で、もう一つのパターンですが、これは要は、”じゃんけん””グーチョキパー”の関係のようなものです。

 

 

次回はここからいきましょう。

 

 

 
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「五行」って何ですか?(その5)

2010.11.20

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これまでのお話・・・


「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)

「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)

 

前回、もともと別々に出来てきた「陰陽論」「五行論」が、合体して「陰陽五行説」となった、という歴史的な流れを説明しました。

 


今回は、「五行」それぞれのもともとの意味を簡単に述べてみましょう。


木・・・樹木のこと。上へ、外へと、自由にのびのびとする性質(曲直という)のものは、これに属す。

火・・・炎のこと。熱を持ち、上へ上へと向かう性質(炎上という)のものは、これに属す。

土・・・大地のこと。植物の発育を助け、全てのものを載せる。ものを受け止め、変化させ、新たなものを生む性質(稼穡(かしょく)という)のものは、これに属す。

金・・・金属のこと。重く沈み、硬い。縮む、降る、変化する性質(従革(じゅうかく)という)ものはこれに属す。

水・・・お水のこと。潤し、冷やし、降る性質(潤下(じゅんげ)という)のものはこれに属す。
 
 

 
このように、生活に欠かせない5つのもの(五材)から、循環法則、相互関係として「五行」を設定し、これにさらに「陰陽」という考え方がドッキングされ、

 

これらの意味はさらに押し広げられ、複雑化、多様化し、自然界のあらゆる法則を表現する概念にまで発展していくのです。

 

 


あらゆるものを「五行」に割り振って考えていこうとする考え方が生まれてきます。

 

 


・・・まあ、それについてはまたあとで述べるとして、次回は「五行」の循環の順番、力関係について。

 

 


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「五行」って何ですか?(その4)

2010.11.19

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これまでのお話・・・

 

「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)

 

ではでは、続き、いきます!

 


◆「陰陽」と「五行」の合体

 


もともと別々であった「陰陽論」「五行論」は、今から約2300年ほど前、鄒衍(すうえん)という思想家によって合体させられた、と考えられています。

 

ではどのように合体させたかと言うと、五行(木火土金水)の中の、

木と火を陽に、

金と水を陰に、

土は陰と陽、両面ある、中間的存在、

という風に「五行」を大きく「陰」「陽」に分類し、さらに、

木火土金水それぞれが持つ”意味”を押し広げて解釈し、それぞれの力関係をも説明

したのが始まり、とされています。

 

『陰陽五行説 その発生と展開』P92 陰陽主運説 参照)

 

 


その後、この「陰陽五行説」はさらにどんどん、色々な解釈、発展を繰り返し、より細かく、精緻なものとなっていきました。

 


そしてそれは、自然を解釈するための重要な哲学として、現代に至っても、中国、というより世界を代表する古代自然哲学の一つであり、その価値は、

 

この高度に発達した文明社会でも失われていないと思います。

(なぜなら、鍼灸臨床家の立場として、ちゃんと”使える”と思うからです。もちろん使い方さえ間違わなければ、ですが。)

 

・・・その後、この考え方は当然、医学の分野においても応用され、6世紀の中頃には、仏教などとともに朝鮮半島を経て日本にも伝わり、医学はもちろん、

 

政治などなど、あらゆる方面にまで利用され、中国は中国で、日本は日本で、それぞれに発展していきました。

 

 


安倍晴明(あべのせいめい 921-1005)で有名な陰陽道(おんみょうどう)なんかも、この「陰陽五行説」をもとに発展したものの一つです。

 

塙書房『日本陰陽道史総説』村山修一著P4 参照)

 


ちなみに、清明院の「清」とは字が違います。

 

 

これ、よく間違われることがあるんですが、”晴明院”なんて、恐れ多くて付けられませんよ・・・。(苦笑)


当院の名前の由来 参照

 

 


「陰陽師(おんみょうじ)」という言葉は最近も、野村萬斎さんが主演した同名の映画や、岡野玲子さんの漫画で、ずいぶん流行りましたよね。

 

 


ああいうものが非常に注目を集める、ということの背景には、単純に面白いとか、話題性があるとかいうこと以外に、やっぱり現代の科学文明では説明がつかないことに対して、

 

人々の関心は常にちゃんとあって、それを説明しうる考え方の一つに

「陰陽五行説」

が伝統的にあって、そこには何かあるんじゃなかろうか、という人々の密かな認識、期待を、暗に示していると思います。

 

 


なんぼ科学が発達したって、「自然」そのものを作ってしまうことは出来ず、なんぼロボット工学が発達したって、「人間」を作り出すことは出来ません。

 

 

宇宙、この地球において、人間は、他の動物と比べれば、相対的に独立しているかに見えますが、どこまでいっても大自然の絶対的支配下からは逃れられず、自然の子供であります。

 

 

現代の高度に発達した物理科学文明でも、所詮は自然のごく一部をコントロール下に置いたように見えているにすぎません。

 

 

・・・話がそれましたが、次回は五行、それぞれの意味づけを簡単に。

 

 


 
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