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2011.01.07
これまでのお話
「泣く」とはどういうことか(その1)
「泣く」とはどういうことか(その2)
「泣く」とはどういうことか(その3)
「泣く」とはどういうことか(その4)
「泣く」とはどういうことか(その5)
かなり久々になりますが、このシリーズ、ちょっと足しましょう。
今後もこのように、右にあるカテゴリーの色んな話を、たまに肉付けしていきます。
今日、こんなニュースを見つけました。
(↓↓以下簡略化して引用)
米科学誌サイエンス電子版で6日、発表した。
研究チームはまず、複数の女性ボランティアに悲しい映画を見せ、涙を採取。
涙と、塩水がしみこんだシートを男性被験者24人の鼻の下に別々にはりつけると、涙のシートをつけた場合でのみ、女性の顔写真に性的魅力を感じる度合いが減った。
唾液中の男性ホルモン「テストステロン」の濃度も低下したほか、脳の活動を調べる機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)でも、性的興奮にかかわる視床下部などで活動が低下していることを確認した。
「嗅覚」を刺激する何らかの成分(フェロモン?)が
男性の「性的興奮」を
「選択的に」抑制する
そして、「男女」という陰陽・・・。
2010.12.09
これまでのお話・・・
スピリチュアルペイン(その4)
東洋医学と「痛み」(その1)
東洋医学と「痛み」(その2)
東洋医学と「痛み」(その3)
東洋医学と「痛み」(その4)
・・・まあ、つらつらと書いてきましたが、この辺でいったん区切りましょう。
僕が年末にしゃべるネタが尽きてしまっても困りますんで・・・。(笑)
西洋医学では、人間の感情や感覚、思考については「脳=brain」を中心に考えます。
それに対し、東洋医学ではこれらのものについても「五臓六腑」、とりわけ「心の臓」を中心に考えます。
・・・と言っても、当然「脳」というものを無視した訳ではなく、もちろん「脳」や「頭部」は重要視はするけれども、人間の正常な生命活動維持には、
あくまでも五臓六腑だぜ!頭部や脳の機能がいくら重要でも、その根本には五臓六腑の正常な働きがあってこそだぜ!!という立場で、生理学、
医学が説明されています。
徹頭徹尾その立場で、このシリーズの最初の方に述べた、緩和ケアにおける「スピリチュアルペイン」のようなものについても考えていきます。
ですから当然、東洋医学では、そういったものに対する対応も、
「気」を正しく動かし、五臓六腑の陰陽、虚実のバランスを整える、
という方法に、結局は帰結します。
(もちろん、傾聴、ともにいる、といった、緩和ケア医療に出てくる方法論も、上記に含まれます。)
・・・話を戻すと、「痛み」をはじめ、あらゆる不快な感覚(症状)というものを取れにくくさせる大きな要因に「不安感」というものがあります。
この「不安感」というものと、「心の臓」は、大変関わりが深いです。
「不安」と症状の関係については、以前も書きました。
この「不安感」というものが現れる東洋医学的な原因として、「心の臓」の異常を考える場合が多いです。
理屈では分かっていても不安である、何をしていても何となく不安である、考え過ぎてしまう、
それにより、症状がなかなかとれない、そして余計に不安になる、という悪循環を何とか断ち切る方法として、「心の臓」へのアプローチを考える場合が、東洋医学にはあります。
これがうまくいくと、
非常に強力な鎮痛効果+何とも言えない安心感、安堵感
を、鍼で表現することが出来ます。
(言葉で言うほど簡単ではありませんがネ。)
しかしこれまで、この考え方、方法論に、何度僕自身が救われたことか・・・。
末期癌の患者さん、重度の精神病の患者さん、あらゆる「心に残る」「忘れられない」症例が、頭を駆け巡ります・・・。
以上で一旦、このシリーズを完結したいと思います。
詳しい話は、年末にしようと思っております。
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2010.12.01
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)
「五行」って何ですか?(その6)
「五行」って何ですか?(その7)
さて、そろそろこの話題を一旦まとめさせていただこうかと思いますです。
・・・まあ、「気」にしても「陰陽」にしても「五行」にしても、細かくやり出したらキリがない、東洋医学の根幹部分であります。
カテゴリ「気」
カテゴリ「陰陽」 参照
なので、そもそも僕ごときが語るにはおこがましいようなテーマなんですが、それでも、少しでも多くの人にこの医学の素晴らしさを伝えたい、
という純粋な思いが高じて、生意気にも、稚拙な筆ではありますが、書かせていただいている訳でございます。
また、このブログの内容は、僕自身がこれまで積み上げてきた知識の再確認作業でもあります。
こうやってごく基本的な内容を書きつつ、周辺知識として、臨床に使える新しい知識を常に渉猟していっております。
だから僕自身にとっても、非常に意味があると思っています。
このブログは、清明院の患者さん達や、鍼灸の学生さん達も多く読んで下さっているようなので、あまり難しい内容には触れていないけども、これを書くにあたって、
数年ぶりに開いた本や、学生時代のノートの中に、今現在の僕にとって、ヒジョーにためになる情報を再発見したりもしています。(笑)
だからこのブログは、これを読んで、
”あーなるほど、勉強になるナー♪”
と感じて下さる人と、僕自身の、一挙両得、一石二鳥なんであります。
(まあ毎日のことなんで、どーでもいいことも書いてますが、そうでないと、なかなか続かないだろうとも思うしネ。性格上。(苦笑))
・・・ともかく、「五行」というのは、歴史の中で「陰陽」と密接に結びつき、東洋医学の基盤となっていった、という話を、前回まで書きました。
中国、明(みん)の時代の大名医、張景岳(ちょうけいがく(1563-1640))先生は、
「五行は陰陽の質であり、陰陽は五行の気である。」
と、述べています。
『類経図翼・運気・五行統論』
・・・パッと聞くと難解なこの言葉ですが、コレは要するに、
「五行(木火土金水)」というのは、「陰陽」で分けた自然界の事物の中の、ある側面(性質)を象徴(シンボライズ)したものであり、
だから自然界の全てものは、この考え方で分類可能であり、
その「五行」が自然界において、正常に循環するためには「陰陽」の”気の動き”がなければならない、
だから自然界を説明する上で、「陰陽」と「五行」は、
”気の動き”
と
”事物の性質”
という、切っても切れない関係性を持っているのだ~!
という意味だと思われ、僕にとってこの言葉は、「陰陽」と「五行」の関係性を極めて端的に、正確に述べたものであると思い、張景岳をあらためてリスペクトするきっかけとなりました。
(ちなみに上記はあくまでも僕なりの解釈です。)
こう考えることで、両者はセットで東洋思想の根本哲学として理解運用できるため、「五材」とか「五質」とかではなく、「五”行”」と、わざわざ
”行る(めぐる)”
という意味合いの文字表記で、今日まで伝わっているんだと思います。
また、学生時代の僕がそうだったように、この多様な自然界を、「二」だの「五」だの、そんな単純なパターン分類で帰納できるはずがない、という疑問が湧きますが、
「五行」においても、「陰陽」と同じように、「五行」のそれぞれの中にまた「五行」があり、その中にまた「五行」があり・・・、という風に、
いくらでも無限に分けることが可能である、とも仮定できます。
「陰陽」って何ですか? 参照
しかし、あまりにも細かく分け過ぎれば、それだけ「自然(生命)の全体像、バランス、調和」を見失いやすくなります。
あらかじめそのことをよく分かっていたのか、あまりにも細分化して理論を組み立てるということを、東洋哲学ではあまりしません。
そしてこれはこの数千年、変わっていません。
このことは、蓮風先生もおっしゃるように、「意味のある」未進化だと思います。
意味のある未進化 参照
もともと「陰陽」も「五行」も、自然を理解するために、一応2や5で分けて、細分化を可能にしてはいるけれども、結局は分けられない、それらが別次元に存在してる訳ではない、
この世の全ては「気一元」で出来ているという、結局は”1つのものの循環、ありようの違い”なのだ、という認識が初めにあっての考え方であり、
そしてその「循環の法則性」を述べたのが、「陰陽五行論」である、ということです。
だからこの考え方は、どこまでいっても西洋医学の考え方(機械論的、物理学的な分析方法)と同一にはならないんです。
優劣ではなしに、五行(木火土金水)は、現代化学の元素記号とは「違う」んです。
古代人の、極めて感覚的で、素朴な、かつ真剣で慎重で緻密な自然観察の中で、想定されてきたものなんです。
・・・まあポイントは、この考え方を一つの基本として発展した東洋医学が、もし、まったく臨床効果のない、利用価値の低い、あるいはないものであれば、
当然歴史の中で自然淘汰されてきたはずですが、開発から数千年経った今現在でも、十分にその効果を発揮できている現実がある、ということです。
だから僕たちはそこに意味があると感じ、真剣にこの医学を学び、実践している、という訳です。
ちょっと長くなっちゃったけど、「五行」って何ですかシリーズ、ひとまず終わり。
このテーマは書く気になればまだまだ色々あるので、そのうちまた書こうかな、と思います。
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2010.11.26
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)
「五行」って何ですか?(その6)
続いていきます!
これまでに何度か書いているように、自然界のあらゆるものは「循環」しています。
昼の後は夜が、雨の後は晴れが、冬の後は春が来ますね。
古代中国人は、五感をフルに使って、まずは感覚的にとらえたその自然の循環を、「陰陽」の2、「五行」の5、など、”数字”を使って分類して考えていき、
そのそれぞれの関わり方に、何らかの”法則性”を捕まえて、それにより、自然を学問し、理解しようとした訳です。
(ちなみにそれを”象・数・理(しょう・すう・り)”なんて言ったりします。)
東洋哲学では、その「法則性を持った循環」に滞りがなければ、大自然に問題は起こらない、と考えます。
(起こったとしても、相対的にスムーズにいけると。)
そして当然、我々人間も自然の一部である、と考え、その体を流れる「気」の循環に滞りや過不足がなければ、病気にならないよ、なっても軽く済むよ、
という考えが、東洋医学の基本であります。
今説明している「五行」の循環というのは、その「法則性」の基本中の基本になる部分なのであります。
◆「五行」の正常な循環(パターンその2)
前回、(その6)において、
木⇒火⇒土⇒金⇒水⇒・・・(最初に戻る)
という循環を説明しました。
今回はもう一つの循環パターンについてです。
もう一つのパターンは、
木⇒土⇒水⇒火⇒金⇒・・・(最初に戻る)
という循環です。
これに対する説明としては、
「木は土の養分を吸い上げ、」
↓
「土は水をせき止め、」
↓
「水は火を消し、」
↓
「火は金属を溶かし、」
↓
「金属は木を切るのだ~!」
という説明が、よくなされます。
「五行」って何ですか?(その6)で説明したパターンの循環というのは、五行それぞれが、それぞれを生じていく順番であったのに対し、この順番は、それぞれの力関係を示す順番になっています。
(・・・まあ、じゃんけんのグーチョキパーみたいなもんですな。)
実は、これ以外にも、五行の循環の法則というものは存在しないことはないんですが、特に有名なものとしては以上の2パターンです。
・・・このように、「五行」というのは、
もともと、当時の人間の生活に欠かせなかった5つの材質(五材)から、
自然界を構成する5つの要素、性質、象徴として規定され、
それが長い歴史の中で、もともとあった「陰陽論」と結びつき、「陰陽五行論」という学問を形成し、
それが自然界の循環の法則を読み解く基礎理論になっていき、
そしてそれは、東洋医学の根本哲学にもなっていき、
自然や人体を構成するあらゆるものを、この5つの性質に分けて、その関係性を考えるようになっていった
という訳です。
そしてここからさらに、
「三合(さんごう)」
とか、
「十干(じっかん)」
とか、
「十二支(じゅうにし)」
とか、
「九星(きゅうせい)」
なんかの話まで進もうかな、とも思ったんですが、どんどん複雑で難しくなっちゃうし、五行の話からは外れていってしまうので、ひとまず切りましょう。(笑)
・・・という訳で次回、「五行」を簡単に、自分なりにまとめてみます。
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2010.11.21
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
「五行」って何ですか?(その5)
◆「五行」の正常な循環
「陰陽五行説」においては、五行(木火土金水)の正常な循環の順番は2パターンあります。
一つは、
木⇒火⇒土⇒金⇒水⇒・・・・(最初に戻る)
だと言われています。
何故この順番(木が最初)になるのかは、ややこしくなるのでここでは細かくは書きませんが、これについては、古代中国人が自然界を素朴に観察していて、
「木が燃えて火が生じて」
↓
「燃えきったらその灰が土に還り」
↓
「土の中には鉱石(金属)があり」
↓
「鉱石の周囲の温度、湿度の変化で表面に水滴が生じ」あるいは「金属に熱を加えると液状(水状)に変化し」
↓
「水は木を養うのだ~!」
という、な~んかこじつけっぽい説明が、よくなされます。(苦笑)
・・・これもこれで、まあ一理あるかとは思いますが、もっと深い意味づけがあるような気もします。
ちなみによく、鍼灸学生の方々が、
「おいおい、なんか東洋医学って、言ってること、ヤバくないか?荒唐無稽なんですど・・・。」
とか、
「おおざっぱ過ぎるんですけど・・・。」
とか思って疑念、不信感を持ち、脱落するのも、たいがいこの辺です。(笑)
・・・ちなみに僕の場合はここで逆に、
「いやいや、そんなはずないっしょ!なんかあるっしょ!!あってほしいナー。」
と思った組です。(笑)
これはつまり、現代のように「文明的な観察機械」を持たない、当時の人間(学者)たちが、あくまでも”五感”で認識可能な範囲で、理論を組み立てていった結果なんだと思います。
確かに現代科学文明は、あらゆる道具や計測機器を使って、かつてよりももっともっと細かく精緻に自然を観察し、理解できたとも考えられます。
しかし、だからといって「自然」とうまくやれているか、うまく付き合っているかと言うと、大いに疑問であります。
こういう素朴だけど考え尽くされた自然認識だったからこそ、自然と人間がうまくやれた、おおざっぱに捕まえたからこそ、うまくいった。
そういうことって、人間関係においても、ありますでしょ?
”相手のことを細かく知り過ぎたら、うまくいかなくなった・・・。”
ってやつネ。
(笑・・・ちょっと違う?)
最後にまたまとめようと思っていますが、コレは実はとっても大事なんですよ。
(・・・と僕は思っています。)
で、もう一つのパターンですが、これは要は、”じゃんけん”の”グーチョキパー”の関係のようなものです。
次回はここからいきましょう。
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2010.11.20
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
「五行」って何ですか?(その4)
前回、もともと別々に出来てきた「陰陽論」と「五行論」が、合体して「陰陽五行説」となった、という歴史的な流れを説明しました。
今回は、「五行」それぞれのもともとの意味を簡単に述べてみましょう。
木・・・樹木のこと。上へ、外へと、自由にのびのびとする性質(曲直という)のものは、これに属す。
火・・・炎のこと。熱を持ち、上へ上へと向かう性質(炎上という)のものは、これに属す。
土・・・大地のこと。植物の発育を助け、全てのものを載せる。ものを受け止め、変化させ、新たなものを生む性質(稼穡(かしょく)という)のものは、これに属す。
金・・・金属のこと。重く沈み、硬い。縮む、降る、変化する性質(従革(じゅうかく)という)ものはこれに属す。
水・・・お水のこと。潤し、冷やし、降る性質(潤下(じゅんげ)という)のものはこれに属す。
このように、生活に欠かせない5つのもの(五材)から、循環法則、相互関係として「五行」を設定し、これにさらに「陰陽」という考え方がドッキングされ、
これらの意味はさらに押し広げられ、複雑化、多様化し、自然界のあらゆる法則を表現する概念にまで発展していくのです。
あらゆるものを「五行」に割り振って考えていこうとする考え方が生まれてきます。
・・・まあ、それについてはまたあとで述べるとして、次回は「五行」の循環の順番、力関係について。
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2010.11.19
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
「五行」って何ですか?(その3)
ではでは、続き、いきます!
◆「陰陽」と「五行」の合体
もともと別々であった「陰陽論」と「五行論」は、今から約2300年ほど前、鄒衍(すうえん)という思想家によって合体させられた、と考えられています。
ではどのように合体させたかと言うと、五行(木火土金水)の中の、
木と火を陽に、
金と水を陰に、
土は陰と陽、両面ある、中間的存在、
という風に「五行」を大きく「陰」と「陽」に分類し、さらに、
木火土金水それぞれが持つ”意味”を押し広げて解釈し、それぞれの力関係をも説明
したのが始まり、とされています。
(『陰陽五行説 その発生と展開』P92 陰陽主運説 参照)
その後、この「陰陽五行説」はさらにどんどん、色々な解釈、発展を繰り返し、より細かく、精緻なものとなっていきました。
そしてそれは、自然を解釈するための重要な哲学として、現代に至っても、中国、というより世界を代表する古代自然哲学の一つであり、その価値は、
この高度に発達した文明社会でも失われていないと思います。
(なぜなら、鍼灸臨床家の立場として、ちゃんと”使える”と思うからです。もちろん使い方さえ間違わなければ、ですが。)
・・・その後、この考え方は当然、医学の分野においても応用され、6世紀の中頃には、仏教などとともに朝鮮半島を経て日本にも伝わり、医学はもちろん、
政治などなど、あらゆる方面にまで利用され、中国は中国で、日本は日本で、それぞれに発展していきました。
安倍晴明(あべのせいめい 921-1005)で有名な陰陽道(おんみょうどう)なんかも、この「陰陽五行説」をもとに発展したものの一つです。
(塙書房『日本陰陽道史総説』村山修一著P4 参照)
ちなみに、清明院の「清」とは字が違います。
これ、よく間違われることがあるんですが、”晴明院”なんて、恐れ多くて付けられませんよ・・・。(苦笑)
当院の名前の由来 参照
「陰陽師(おんみょうじ)」という言葉は最近も、野村萬斎さんが主演した同名の映画や、岡野玲子さんの漫画で、ずいぶん流行りましたよね。
ああいうものが非常に注目を集める、ということの背景には、単純に面白いとか、話題性があるとかいうこと以外に、やっぱり現代の科学文明では説明がつかないことに対して、
人々の関心は常にちゃんとあって、それを説明しうる考え方の一つに
「陰陽五行説」
が伝統的にあって、そこには何かあるんじゃなかろうか、という人々の密かな認識、期待を、暗に示していると思います。
なんぼ科学が発達したって、「自然」そのものを作ってしまうことは出来ず、なんぼロボット工学が発達したって、「人間」を作り出すことは出来ません。
宇宙、この地球において、人間は、他の動物と比べれば、相対的に独立しているかに見えますが、どこまでいっても大自然の絶対的支配下からは逃れられず、自然の子供であります。
現代の高度に発達した物理科学文明でも、所詮は自然のごく一部をコントロール下に置いたように見えているにすぎません。
・・・話がそれましたが、次回は五行、それぞれの意味づけを簡単に。
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2010.11.18
これまでのお話・・・
「五行(ごぎょう)」って何ですか?(その1)
「五行」って何ですか?(その2)
・・・まあこのテーマは、これまでに中国はもちろん、日本でも、世界中でも、ありとあらゆる人によって語り尽くされ、調べ尽くされているテーマであり、
最初に言ったように、詳しく調べようと思ったら専門書がいくらでもあります。
でもそれを、自分の言葉で、「分かりやすさ」を意識しながら、簡単に説明しなおす、文章にしてみる、ということがとても大事じゃないかな、と、
”僕は”
”今のところは”
思っていますので、もうちょっと続けようかな。(笑)
◆「陰陽」と「五行」の歴史
前回、「陰陽論」は「五行説」よりも前から存在する、というお話をしました。
「陰陽論」の起源は約2800年前、周の時代の『易経(えききょう)』にあるとも、そのもっともっと前からあるとも、言われています。
「五行」の起源も、『書経(しょきょう)』であるとも、そのもっともっと前からあるとも言われています。
(根本光人監修『陰陽五行説 その発生と展開』 参照)
・・・まあ、これに関して、詳しく調べた話を書いてもいいけど、そこは誰も読みゃあしない、あるいは読む人が限定され過ぎる気がするので(笑)、ここは要するに、いわゆる「陰陽五行説」のうち、
最初に生まれた考え方は「五行」じゃなくて「陰陽」であり、どちらもとっても古い、古代中国の考え方で、のちに結合した、とそのまま理解していただければよいのではないかと思います。
まあ、こう考えた方が納得がいくのも、そもそもものごとを理解する時に、まずおおざっぱに分けてアウトラインを理解し、次により細かく分けて理解しようとするだろうな、
と考えた方が自然ですし、専門書を見ても、そのように解釈されているものがほとんどだと思います。
(いやいや竹下、五行の方が先だぜ、っていう文献がもしあったら教えて下さい。・・・ま、個人的にはどっちが先かなんて、ホントはどうでもいいんだが。(笑))
自然における様々な現象(人間の生老病死も含む)を観察し、体系的に説明づけていく時、「陰陽」だけでは不十分であり、そこで「五行」が生まれ、
さらにその2つが合体し、「陰陽五行説」となっていったのだろうと、今のところは思っています。
「陰陽」は昼と夜、太陽と月、男と女、火と水、というものなどからの発想と言われ、「五行」つまり木火土金水は、当時の生活に必要不可欠な5つの材質(五材)からの発想であろう、ということが言われています。
また、当時の人々は天体観察を非常に細かく行っていますが、空にみえる非常に明るく目立つ星が木星、火星、土星、金星、水星の5つだったことや、
手足の指の本数である5、両手両足と頭で、人体の出っ張りが5、また、空間を認識する時、東西南北と中央で5、という、「五」という数字が持つ神秘性との関係もある、
なんていう解釈もあります。
いずれにしても重要なのは、これらを考えていく場合の手段は人間の「五感」であった、ということと、「陰陽」にしろ「五行」にしろ、ただ分けたのではなしに、
それらの「循環」「変化」「相互関係」に重きを置いた、ということに注目すべきでしょう。
・・・ではそこで、この2つは、どのタイミングで、どんな考え方で合体したんでしょうか。
長くなっちゃったんで、それは次回。(笑)
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2010.11.17
前回のお話・・・
・・・さ、書くと決めたらどんどんいきましょう。
この世の中の、ありとあらゆるものすべてを、いくつかの要素にまとめて理解しようとする考え方は、中国以外にもあります。
例えば、
古代ギリシャの4大元素(空気、火、土、水)
とか、
インドの五大(地、水、火、風、空)
なんかが有名です。
理解、運用の仕方に違いはあるけれども、自然界の事象を「分ける」「分けた」という意味においては共通しています。
(これらについてはここでは立ち入りませんが、興味のある方は是非調べてみて下さい。興味深いですよ~♪)
そして、中国で生まれたとされる、代表的なこの種の考え方が「五行説」であります。
「五行」、その内訳は、
木(もく)、火(か)、土(ど)、金(きん、ごん)、水(すい)
の5つの要素です。
古代、4大文明に代表されるように、世界中に色々な文明が生まれ、膨大な時間の中で、それが現代の我々の文明の礎になっていく訳ですが、現代のような自然観察機械(手段)を持たない当時の人々は、
このように自然を、ある要素に大雑把に分類して理解する、という傾向があったようです。
それは、人体も含む、この大自然に対する、
「まったくの不可知」
からの脱却方法として、当然必要な流れだったのだと思います。
ある程度自然を理解し、先手先手を打って対策しながら生活しないと、滅んじゃいますね。(苦笑)
そしてその考え方を組み立てる際に使用したのは、近代的な機械などではなく、何より人間の持つ”五感”が中心であった、ということです。
(まずコレがとても重要だと思います。)
まあこのように、大自然をまずは「いくつかの要素に分けて」理解し、その「分けた要素の間に」何らかの法則性を見出す、規定することによって、
生活をより豊かなものにしようとしたのでしょう。
中国においては、自然界の全てのものは「気」で出来ているけど、そこに法則性を見出すことが重要視され、そこで、五感をフル活用して自然を凝視し、
その中で出てきた考え方が「陰陽」であり「五行」だ、ということでしょう。
ちなみに「五行」の”行”とは、”巡る”という意味があり、これら5つの要素が個別にただ存在するというだけではなく、それぞれが、互いに影響しあいながら「循環する」、
それによって自然界の均衡が保たれる、ということに、大きな意味を置いたのではないかと考えられます。
(コレも大変重要なことだと思います。)
また、「五行説」と「陰陽論」は、「陰陽五行説」としてまとめて扱われることが多いですが、実際には「陰陽論」の方が、昔からあった、と考えられているそうです。
(株式会社じほう『陰陽五行説 その発生と展開』根本光人監修 参照)
・・・ということで、次回は五行論と陰陽論の関係。
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2010.11.16
これまで、このブログを読んでくれた同業者の方や、鍼灸学生の方から、
「先生、”気”と”陰陽”を解説したなら、”五行”の解説も読みたいです!」
というご意見を頂戴することが何度かありました。
それなのに、このブログを書き始めて1年ちょっと、「五行」について詳しく書かなかったのには、それなりにワケがあります。
もちろんこの「五行」というのも、「気」「陰陽」と並んで、東洋医学を知る上で外すことのできない大事な考え方なんですが、これが割かし「誤解」を与えやすい考え方だと思っているからです。
どんな誤解かと言うと、
「東洋医学が、西洋医学と比較して、そもそも非常に未熟で稚拙な分析学である。」
という誤解です。
なので、上手に説明しないと、ここは非常に、色んな人に迷惑かける可能性があるナー、と思って、これまで何となく、書いてきませんでした。
・・・でもまあ、1年経ったし、ご批判を頂くことを覚悟の上で、書いてみましょう。
なんでも、「やってみよう精神」は重要です。(笑)
そもそも、このブログは何度も言うように、専門家に向けたものではなく、一般の人に広く東洋医学を知っていただきたい、という思いで書いてきたブログですから、
「気」や「陰陽」や「五行」について、もっともっと詳しく知りたい人には、偉い学者先生の専門書が山ほどありますんで、そっちを読んでいただくとして、
ここでは「気」や「陰陽」や「五臓六腑シリーズ」と同じノリで、
「簡単に」
「分かりやすく」
かつ、
「専門的、本格的な内容と矛盾しない」
ように心がけて、書いてみようと思います。
(まあ、チャレンジだネ。)
ちなみに「気」と「陰陽」については、
カテゴリ 気
カテゴリ 陰陽 参照
この2つも、まだまだ肉付けしようと思えばいくらでも出来るけど、あえてまだしません。
でもいつかは、少しづつはしていこうと思っています。
・・・まあさておき、まず、東洋医学というものは、古代中国の自然哲学に立脚し、構築されてきた医学です。
その、古代中国の自然哲学の代表に、「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」というものがあります。
「陰陽」って何ですか?で述べたように、この自然界における、
”もののありよう”
とか、
”変化の仕方の違い”
を理解するために、一応この自然を
「全て”気”で出来ていて、分かれているけど分けられないもの」
としながらも、一応、「陰陽の二」とか、「五行の五」に分割して考えます。
そしてこの考え方は、中国以外にも、世界中色々なところにみられます。
長くなりそうなので、次回に続く。(苦笑)
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
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2012.12.23
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2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!2023.08.01
2023年 8月の診療日時