東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「惰眠」をむさぼる

2011.09.11


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今日は、かなり久しぶりの完全オフでございました!!

(さらに…)

『蓮風の玉手箱』

2011.09.02

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

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今日の天気もなんだかよく分からん感じでしたネ~!!(苦笑)

 

 

ピカーッと晴れたかと思えば「晴れたまま」大雨が降って、すぐやんで、ジメジメとムシ暑くなり、またしばらくすると曇って来て、急に風が強くなっては、また大雨・・・。

 

 

台風というのは、不思議なもんですね。

 

 

・・・ところであれも、天気図で見ると螺旋形ですね。

 

竜巻も螺旋形。

 

渦潮も螺旋形。

 

DNAも2重螺旋形。

 

アサガオなんかの植物をみてても螺旋形。

 

貝殻も螺旋形。

 

人間の体の、陰陽の気の動きももちろん螺旋形なんでしょうね。

 

螺旋形には深い意味がある。

 

 

・・・まあさておき(笑)、またまた、(社)北辰会代表、藤本蓮風先生が、鍼灸界始まって以来の快挙を成し遂げております。

 

 

「産経関西」の公式サイトで、新連載を始められました!!

 

(「産経関西」というのは、産経新聞の関西本社のことです。ここの公式サイトということは、国内ではかなりメジャーな情報機関の公式サイト、ということです。)

 

 

しかもその内容が、例えば腰痛にこんな鍼!とか、肩こりにこんな鍼!とか、そういうありきたりな内容ではなく、第一線の学者や大学教授との対談を通じて、

東洋医学の考え方、ものの見方、哲学性、伝統とは、といった、かなり高度な内容を、分かりやすく、面白く展開して下さっています。

 

 

これはスゴイことです。

 

 

こういうオファーが来る鍼灸師は、国内では蓮風先生ぐらいでしょうね・・・。

 

タイトルは『蓮風の玉手箱』!(←文字クリックで開きます。)

 

 

すでに6回、公式ブログ『鍼狂人の独り言』とは違い、週1回ぐらいのゆったりとしたペースで更新され、文化人や学者との対話などを通じて、

東洋医学について考え、正しい認識を広めるコーナーとして、連載が始まっております。

 

 

内容も素晴らしいと思います。

 

 

この連載について、業界内で有名なとある有名な先生が評価したように、鍼灸師は、思想家であり、ジャーナリストでもある、ということを感じさせる内容です。

 

 

今後が非常に楽しみです。

 

 

皆様も是非ご覧ください!!!

 

 

必見ですよ~!

 

 

 

 

 

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「精神的ストレスで悪化、発症する病」について

2011.07.21

初診時、問診をしていくと、何か強烈な精神的ストレスがあってから、今回の症状を発症したとか、もともと慢性的にあった症状が急激に悪化したとか、

患者さんがおっしゃる事がよくある。

こういう時、東洋医学では、「肝の臓」の異常を中心として起こっている病である、という風に推論することが圧倒的に多い。

「肝」って何ですか?(その10) 参照

・・・でもこれ、なんか、短絡的な感じがする。

(と、以前は思っていた。今にして思えば、自分の考えが浅かっただけだったが。)

ここで、「強烈な精神的ストレス」と一口に言っても、色々ある。

怒った、喜んで気が緩んだ、思い悩んだ、憂い悲しんだ、驚いた、恐れおののいた、など。

まず、東洋医学の古典(『黄帝内経』『素問 陰陽応象大論(5)、五運行大論(67)』『霊枢 百病始生萹(66)』など)では、これらの感情それぞれの過剰によって、

 

影響を受ける臓腑が違う、ということが明確に述べられている。

怒りは肝、喜びは心、思いは脾、悲憂は肺、驚恐は腎、

という風に。

「七情」まとめ 参照

 


・・・ではなぜ、「精神的ストレスで発症、悪化した病」を、どれもこれも即「肝の臓の異常が中心」と考えることがあるのか、という問題。

感情別に、悪影響を受ける五臓が分かれているというのに。


これは結局、各感情の過不足によって、結果的、最終的に起こる現象が「気の動き方」の異常だからだ。

「気の動き方(方向性やスピード)」を指して東洋医学では「気機(きき)」という。


つまり、感情の過不足が起こると、五臓それぞれに悪影響を与えて、最終的には「気機」に異常が起こってくる、ということだ。


具体的に言うと、

怒れば気は上がり、喜べば気は緩み、思えば気は結ぼれ、悲しみ憂えば気は消え、驚き恐れれば気は下がる、


といった具合。

 

『黄帝内経』「素問 挙痛論(39)、刺禁論(52)、繆刺論(63)」「霊枢 邪気蔵府病形(4)、百病始生(66)」など参照


つまり、本来全身を滞りなくスムーズに周流するべき「気」が、上がったり下がったり、部分的に消えたり停滞したり、緩慢になったりと、

 

異常を起こし、結果的に気の流れがスムーズでなくなる、ということを述べている。

その時、気の流れをスムーズに是正するべく頑張る中心が、「肝の臓」なのであり、その肝の臓の働きが追い付かなくなってるから、

症状がとれない、という風に考えるのである。

だから、その細かい説明を端折って、

「精神的ストレスで悪化、発症する病=肝の臓の病変」

という風に考えることがあるワケだ。

 

・・・しかし、まだ問題は残る。

 

次回に続く。

 

 

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「三焦」って何ですか?(その2)

2011.07.10

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これまでのお話・・・

「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?

続いていきます!


☆全身としての「三焦」と「三分割」の重要性


これまで、このブログでも何度か、「上焦」「中焦」「下焦」と、人体を上中下の3部位に分ける考え方を紹介しています。


上焦は、膈(かく)から上、「心・肺の臓」がある場所です。

中焦は、膈から下、おへそより上、「脾の臓」と「胃の腑」「肝の臓」「胆の腑」がある場所です。

下焦は、おへそから下、「腎・肝の臓」「小腸・大腸・膀胱の腑」などがある場所です。

 


これら3つの部位を総称して、「三焦」と呼ぶことがあります。

 


ですから、

「三焦って何ですか?」

と問われたら、

「上焦、中焦、下焦を合わせた、全身まるごとひとくくりのことです。」

と言うことも出来ます。

 


出来ますが、これも「三焦」という言葉の解釈のひとつ、概念のひとつでしかありません。

 


・・・ところで、人体をわざわざ上中下という3セクションに分けて考える、これは一つには中国古来の、

「天地人三才思想(てんちじんさんさいしそう)」

というものが深く関わっているようです。

 

この「天地」という陰陽(大宇宙)の中にある「人間」という陰陽(小宇宙)、これは一言でひっくるめて言っちゃえば「大自然」なので、

本来は一体のものであり、分けられるものではありません。

 

この、本当は分けられないけれども、一応、そこに存在する法則性や秩序を理解するために便宜上「三分割」する、という考え方が、東洋医学においては極めて重要です。

 

もともと一つのものを分けて考えた時、「陰」と「陽」と「その境界線」で「三」です。

 


この考え方を非常に重要視した学者で、成都中医薬大学の教授である鄒学熹(しゅうがっき)という人がおります。

 

蓮風先生が数年前、この先生と実際に有名な麻婆豆腐のお店で会食しながら、易学について薫陶を受けたという話は、北辰会の間では有名です。

 

特にこの先生の、「三を含みて一となす」という考え方は、当時の蓮風先生、北辰会にとって、大変インパクトが大きかったようです。

 

その他にも、この先生の考え方は、蓮風先生や、北辰会の医易学の専門家である神野英明先生にも大きな影響を与えたようです。

 


この業界もホント、上には上がいて、キリがないですねえ・・・。

(苦笑・・・なんか、話がそれてしまった。)

 

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「熱中症」について(その5)

2011.07.05

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)
「熱中症」について(その3)
「熱中症」について(その4)

 


続いていきます!!

熱中症が起こりやすいパターンの3つ目、「激しい運動をしたとき」のお話に参ります!

今日はそれを東洋医学ではどのように考えるか、というお話です。

まあコレも、専門的には激しく「どんな」運動をしたのか、というところまで、本当は考えないといけないんですが、今日は大づかみバージョンのお話をさせていただきます。


激しい運動をするということは、気血津液が体を盛んに巡る、ということであります。


ですので、脈拍も早くなるし、呼吸も早くなりますし、体温も生理的に上昇しようとします。

 

全体として”動的な状態”つまり「陽」に傾くわけです。

気が体を盛んに巡れば、言わば交通量が増えて、生理的な鬱滞(というか充満)を生じ、「熱」を生じます。

その熱が、汗として十分に発散されてくれれば、余分な熱(邪熱)は生じませんが、汗がうまく出ない、あるいは出過ぎて、冷やす力(生理的な水分)まで失われた、

こうなった場合に、「余分な熱」が体内に籠り、オーバーヒート状態となり、まさに「熱に中(あた)る」、熱中症の第1段階になります。


・・・つまり、ここまでを纏めると、

・暑熱環境にいる→外界の熱邪に、生体側が過剰に反応し、「熱邪による」問題発生。

・大量発汗している→必要以上に出過ぎると陰陽ともに出てってしまうので補給が必要→補給できないと「熱邪」や「気と津液の不足」による問題発生。

・激しい運動をする→うまく発散されないと体内に熱邪(余分な熱)発生→それが籠ると「熱邪」による問題発生

ということになります。

(甚だおおざっぱではありますが。)

 

まー要するに、

・体内に熱をこもらせないこと

・水分、塩分、ミネラルをしっかりと補給し、発汗過多による体内の「水不足」「電解質不足」が起こらないようにすること

が肝要である、ということです。

 

コレを適切に遂行するには、平素からの自分の体質に対する「正しい」理解と、それにマッチした「正しい」養生、「正しい」鍼灸を受けておくことが、予防として有効なのは言うまでもなく、

たとえ、重度の熱中症状態で意識がないとか、嘔吐がひどくて口から飲めない、という状況になってしまったとしても、東洋医学的にやりようがない訳ではないということ、

また、そういった重篤な局面では、現代では「点滴による輸液」という大変優れた手法があるので、そうなった場合はそちらをやった方が安全確実、といったところです。

 

・・・では当然、熱中症にならないためには、そもそも

 

1.暑熱環境に行かず、

 

2.汗を極力かかず、

 

3.激しい運動もしなけりゃ問題なくね??

 

という視点が浮上します。

 

確かに上記3つを避ければ、熱中症にはなりにくいでしょう。

 

しかし、真夏にクーラーの効いた部屋で、汗もかかず、体も動かさない、それが健康的な夏の過ごし方かというと、それは違いますよねえ??

 

この辺を東洋医学ではどう考えるか。

 

 

 

次回に続く。

 

 

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「熱中症」について(その4)

2011.07.03

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)
「熱中症」について(その3)

 

 

続いて行きます!

 


大量発汗時、水分や塩分、ミネラルを十分に補給しなかった場合も、熱中症が起こることがあります。

 


今日はこれを東洋医学ではどう考えるか、という問題です。

 

コレを理解するには、「発汗」という現象によって東洋医学的な”人体”に何が起こるのか、を簡単に理解しなくてはいけません。

 


「発汗」という仕組みは、一般的には老廃物排出機構&体温調節機構です。

 


コレは東洋医学的に考えてもそうで、正常であれば汗によって余分なお水(水湿の邪)、余分な熱(熱邪)を体外に排出してくれている訳です。

 

つまり、ある程度出てくれて、止まってくれれば何ら問題のない生理現象です。

 

(発汗のメカニズムについては『素問』評熱病論(33)、痺論(43)あたりに記載があります。)

 

これが、過度の運動や、暑熱環境、あるいは”必要なだけ出してしっかりと汗を止める”という力がうまく発揮できない場合なんかに、

「汗かき過ぎ(発汗過多)→補給が必要!!」

という事態が起こるのです。

 


この時、対応が遅れたり、間違っていたりすると、いわゆる「脱水症状」を呈することがあります。

 

発汗は「過多」になってしまうと、体にとって必要な熱(陽気)も、必要なお水(津液)も出ていってしまいます。

 

 

現代医学の言い方で「脱水」と言われますが、東洋医学的には、陰液だけでなく「陰も陽も」出ていってしまう、と考える、ということです。

 

この場合、すぐに陰陽ともに補給しないといけませんが、口から水分がとれるうちはいいけど、意識がないとか、嘔吐が止まらなくて、口から何も摂取出来ない状況になっていることもあります。

この場合どうするか、湯液が使えない訳ですから、東洋医学的には非常に難しい局面になってくると思います。

 

 

ここで「鍼灸」の出番ですよね。

 

昔の東洋医学の医者であれば、まず鍼なりで意識を付けたり、嘔吐を止めたりして、口から飲める状態にして、それから湯液なりを与えるようにするのだと思いますが、

まー面白くないこと言うようだけれど、現代では、この局面では病院に送ってしまって、点滴で輸液した方が圧倒的に確実簡単ですね・・・。(苦笑)


ただもし、救急車も呼べない、近くに病院がない、という状況だったり、救急車が来るまでの間には、何かしなくてはならない場合もあるでしょう。

ちなみに、まだ口から飲める状況であれば、スポーツドリンクを薄めたものなり、1%程度の食塩水を少しづつ飲ませ、あとはひたすら、

わきの下や股関節の前側の部分など、動脈のあるところを中心に冷やす、という、よくテレビなどで言っているあれです。

この時、状況にマッチした鍼をすることが出来れば、回復は断然早いと思います。

 

次回に続く。

 

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「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その3)

2011.06.08

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これまでのお話・・・

「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方
「錯雑証(さくざつしょう)」という考え方(その2)

 

・・・ここまでのお話で、病気の中には、

・「性質」が冷えか熱か、

・「趨勢」が虚か実か、

・「位置」が表か裏か、

スッキリと分けられない、ハッキリしないものがある、そういう病気を東洋医学では「錯雑証(さくざつしょう)」などと呼び、非常に注意を払っている、というお話をさせていただきました。

 

 

まあ、あまり難しく考えないでほしいけど、これはつまり、

 

1.表裏、

2.寒熱、

3.虚実

 

の病変が、一つの体に「両方同時に」存在している場合のことをいいます。

 


具体的に言うと、

1.「表裏が同時に存在」というのは、一つには病が、浅い位置と深い位置のちょうど中間ぐらいの、中途半端な深さにあることを言い、これを専門用語では「半表半裏証(はんぴょうはんりしょう)」なんて言ったりします。

(これを初めて聞いた時、なんちゅ~そのまんまなネーミングなんだ!と思いました・・・。(笑))

 

もう一つは、浅い部分である表の部位と、深い部分である裏の部位が同時に病んでいて、甲乙つけがたい状態にある場合も、臨床的にはあります。

 

2.「寒熱が同時に存在」というのは、一つの体に、”冷えによる病”と”余分な熱による病”とが同居している状態を言います。

いつかこのブログにも書いた、頭がカッカのぼせて、足が冷える、「上熱下寒(じょうねつげかん:いわゆる冷えのぼせ)」なんていうのは、コレの典型例です。

「上熱下寒」を含む記事 参照

3.「虚実が同時に存在」というのは、「虚(きょ)・・・つまり治る力の衰え」と、「実(じつ)・・・つまり発病因子の侵襲」が、”同程度”存在するものを言います。

 

この”同程度”の中にも、

 

A.「虚」が主体のもの、

 

B.「実」が主体のもの、

 

C.「虚実」ともに明明白白のもの、

 

と、3パターンあるのですが、この「虚」「実」ともに明明白白なパターンは、陰陽のバランスが大きく崩れているものと考え、中医学ではかなり重症、と位置付けています。

 


これをうまく調整できるのは相当な腕達者、ということです。

 

・・・では、これら錯雑証に出会ってしまった場合の、治療はどうしたらよいのでしょうか。

 

 


次回に続く

 

 

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(社)北辰会本部臨床コース

2011.06.06

昨日、6月5日の日曜日は、大阪、上本町にて行われた、(社)北辰会本部臨床コースに参加してきました!

今回は午前中は実技練習「背候診(はいこうしん)」、

午後は藤本蓮風先生による代表講演、「太極陰陽論(たいきょくいんようろん)」

その後、愛媛の水本淳先生による大人気シリーズ講義、「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」

と、どれも外すことのできない、超重要な講義でした。

そして今回の定例会には、3月に清明院を退職した初代副院長の松木宣嘉先生も、四国から車で3時間半かけて参加しており(笑)、久々の再会に、

 

僕もうれしくなりました。

・・・まあ、彼が抜ける時のブログにも書いたけど、今や交通機関がこれだけ発達してますから、日本は狭いです。

清明院に変化が!(ご報告) 参照

今後もちょいちょい、勉強会で顔を合わせることがあるでしょうな。(笑)

そして、終わった後はいつものように飲み会・・・。

今回の飲み会は、実は以前から水面下で計画していた、「超特別な飲み会」です。

なんと東京から、僕がいつもお世話になっている島田力先生と、その奥さまが大阪までお見えになり、蓮風先生と飲み会をしよう!という、あり得ない企画です。

島田先生については

 

はるばる・・・(その6) 参照

勉強会終わりの5時前から、蓮風先生、奥村学術部長、堀内齊毉龍先生、藤本彰宣先生、油谷真空先生と、島田先生ご夫妻と僕、という、

かなり「あり得ない」組み合わせでの、飲み会がスタートしました。

蓮風先生、のっけから近年まれにみるハイテンションで、話しておられた内容はとてもここには書けないけれども(苦笑)、最後まで爆笑の飲み会ございました。

僕は正直、最初からかなり緊張していました。

雲の上の先生方との酒の席です。

でもこの場に同席させていただけること自体、光栄極まりないことであります。

もうこうなったからには、最高に楽しもう!と思っていました。

そして前半、イイ感じで盛り上がり過ぎてて、蓮風先生と島田先生を写真におさめるタイミングがなかったので、それはまたの機会にしますが(残念!)、

以下は蓮風先生が早めに帰られたあと、一同、だいぶお酒がまわってきてからの写真です。

 

 

鍼灸業界の人なら分かると思いますが、これはなかなか、貴重な写真です。

(笑)・・・皆さんいい顔してますね♪

ちなみに右下の写真は島田先生と堀内先生の貴重なツーショットですが、実は学部は違うけど北海道大学の先輩後輩ということで、妙に意気投合しておられました。(笑)

このお二人、髪型が対極ですね・・・。

また、島田先生と奥村先生は1つしか歳が違わず、蓮風先生と奥村先生は、生前の島田先生のお父様とも非常に御縁があって、

お互いに名前はよく知っていたにも関わらず、こうしてお酒を一緒に飲む、ゆっくりと話すということはこれまで一度もなかったそうです。

・・・まあとにかく、島田先生も、北辰会や、蓮風先生に対するイメージが、かなり変わったようです。(笑)

こういう繋がりが広がって、これから、何か面白いことが出来るかもしれません。

なんだか、ワクワクしますねえ・・・。

いや~しかし、僕にとっては大変光栄な、なんだか夢のような飲み会でした。

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経穴(ツボ)は治療ボタンにあらず

2011.06.01

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清明院の患者さんの中には、重症や、難病の患者さんもいる。


今日、とある往診の患者さん(高齢の女性)から言われた言葉。

「先生、こないだのツボ、よく効いたわ~。すごく楽だったわ~。またあそこにやって~。」

・・・この患者さんもかなりの重症。

リウマチ、狭心症、副腎不全、腎不全等々、西洋医学的な病名の宝庫のような患者さんだ。


西洋薬も、病院に言われるがままに、雪だるま式に増えていき、もう長いこと、15種類ぐらいの薬を飲み続けている。

それなのに、しょっちゅう心臓発作を起こしては、病院に入退院を繰り返していた。


往診を開始した時は小便がほとんど出ておらず、全身にきつい浮腫みと呼吸困難


慌てて治療して、苦心しながらも、何とか小便が通じ、呼吸困難、胸痛、動悸等の症状がやっとマシになってきた矢先に、この言葉。(苦笑)


患者さんの中には、

「〇〇の病気(症状)には〇〇というツボ!」

という認識で、経穴(ツボ)をとらえている人が少なくない。

 

それはどんな重症の患者さんでも同じだ。

 

・・・でもそれは間違っている。

「経穴(けいけつ)」って何ですか? 参照

 


同じツボでも一人一人、状態が違う。


同じ人の同じツボでも毎日毎日、状態が違う。


当然、同じ病名の人でも、ツボの状態は異なっている。


顔や声や体型や性格が一人一人違うように、同じ人でも時によって違うように、厳密にいえば、まったく同じツボは一つもないのだ。


それに対して、絶妙に合わせた鍼や灸をするから、結果的に正しく「気」が動き、結果として全身の陰陽、五臓六腑の調和がとれ、結果として、

 

ビックリするような効果が得られるのだ。

 


瞬間瞬間に合わせた治療をすることが大事なのだ。

 

ある病気や症状の時に、誰でも、いつでも、同じ経穴に、同じような反応があり、そこに同じような鍼をすれば同じような効果が得られるかというと、

 

それはとんでもない間違いだ。

 


ある症状が出ている時に劇的に効いたツボも、その症状が治まってしまえば、ツボの反応も治まり、同じように鍼をしたとしても、こないだのような効果は得られにくい。

 


僕も昔、こういう場面で、患者さんに言われるがままに、

「こないだやってよく効いたツボ」に、

「こないだやったように」

鍼をして、かえって悪化させた、苦い経験もある。

 

正確な診立てが出来ていない、ツボを正確に観察できていない証拠だ。

 

「こないだ」と「今この瞬間」では、もう同じツボではないのだ。

 


 

だから、冒頭の患者さんにはこう答えた。

「うん、またそのうちネ。(ニッコリ)」

・・・そして、「こないだの」とは違うツボに、「こないだの」ぐらい楽になるであろう、正しい治療をした。

 

P.S


誤解を招かないように付言しておきますが、前回の治療と同じツボを使うことも当然あります。

要は、治療するその瞬間における、最適な経穴の選択というのは、プロとしての判断で「この場合効かせやすいか、そうでないか」で決まるのであります。

要するに「経穴」、ツボは、治療ボタンではないのです。


「人間」、病人は、機械ではないのです。

「生命」、いのちは時々刻々と、個性的に変化流転しているもの、というのが、東洋医学の大前提なのです。

 

 

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「客観性」について

2011.05.28

最近、講義させていただいたり、鍼灸を教えさせていただいたりすることなんかが増えてきまして、「客観性」というものについて考える機会を多くいただいております。

これは非常にありがたいことです。(まずは感謝)

自分ひとりで何かをやっているだけなら、自分だけが納得できていればOKな場合もありますが、例えば人にそれを説明する、人と一緒に何かを進めていく、という場面になった時は、

「誰でもが」、あるいはその「対象者が」、ちゃんと納得いくように説明しなくてはなりません。

そうしないと、お互いにとってストレスです。

例えば相手に何かを伝えた時に、

「う~ん、俺はそうは思わない(思えない)けどなあ・・・。」

と思われたら、うまく伝わってない証拠です。

無意識的に「客観」ではなく「主観」を押しつけようとしてしまった可能性があります。

これは、講義でもそうですし、臨床もそう、スタッフへの指導もそう、普段の生活のあらゆる場面でそうです。

特殊な場合を除いて、普通はそれをやったら変人扱いされたり、嫌われるだけです。(笑)

・・・「客観性」という言葉を辞書で調べると、

「物事を進めたり、語るときに、事実、現実を保ち、主観を排除すること。」

「客観的であること。だれもがそうだと納得できる、そのものの性質。」

と、出てきます。

(う~ん、何となく分かるけど、な~んかヌルッとしてうまくつかめませんねえ・・・。)

ではその反対の「主観性」はどうかというと・・・、

「主観的であること。主観に依存する性質。」


と出てきて、ここからさらに「主観」の意味を調べていくと、

「その人ひとりのものの見方。」

と、出てきます。

つまり、人に何かを語って、分かってもらおうとする場合、自分独特のものの見方を排除し、誇張せずに、事実、現実に即した内容を伝えられた時、

その説明は「客観性」を保っている、と言えるわけです。

そういう説明に対しては、誰が聞いても

「あーまあ、そりゃそうだよね。」

となるワケです。

ただコレ、正直、ちょっと面白くないんです。

印象に残りません。

僕なんかは、そういう話を聞くと、

「・・・で、あなたはどう思ってるの??」

「ホントのトコどうなの??」

と聞きたくなっちゃいます。(笑)

偏った考え方や、極端な考え方(主観)に基づいて、グイグイ強引に説明した方が、聞き手のインパクトとしては大きいものがあります。

良くも悪くも、賛否両論が巻き起こって、盛り上がります。

印象に残ります。

・・・てことは要するにこの「客観」と「主観」を上手に使い分けれたら、多くの人に伝わる(伝えやすい)んだと思います。

「客観性」を持った話をしている時も、「主観性」を見失わず、「主観的」な話をしている時も、「客観性」を忘れない、これが大事なんだと思います。

・・・ムズイネ。(笑)

でも自分がメッセンジャーであろうとするなら、これはとても大事なことと思います。

陰陽論です。

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