東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 陰陽

形のあるような無いような世界 2

2015.01.16

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前回のお話


形のあるような無いような世界 参照

 


では続きいきます。

 

前回言うように、東洋医学は、気の医学。

 

 

鍼や灸や薬(湯液)や、推拿などの手技療法や気功などといった、様々な方法で、

”人体を巡る「気」を動かし、人体の「陰陽」の不調和(あらゆるアンバランス)を調え、結果的に、もともと持っている治る力を最大限引き出し、あらゆる病を治す”

という医学です。

 


東洋医学が動かす(変化させる)対象とするのは、あくまでも「気」なのであり、西洋医学のように、臓器や神経や血管や、血液中の成分の各種の異常といった「形」を相手にするものでは、初めからない。

 


東洋医学的な各種の方法で、「気」を正しく動かした結果、上記のような「形」に劇的な、あるいは微かな変化が起こるということは実際にあるが、

 

最初から「形」を変化させる目的ではないことに注意が必要だ。

 

つまり、「気」が正しく動き、結果的に症状も改善したが、「形」には何ら変化が起こっていない、というケースもあるのだ。

 

我々にとって、治療の可否の効果判定は、「気」の動きの状態を示すあらゆる所見、つまり

 

脈や舌や腹壁の状況や背部の状況、顔面の色など

 

の状況から、総合的に判断する。

 

レントゲン所見やMRI所見、血液検査の結果は二の次となる。

(もちろん参考にはするが。)

 

西洋整形外科学の言う、脊柱管狭窄症という病気で、鍼治療を開始したら痛みなく歩けるようになったものの、MRI所見ではなんの変化もない、

 

というケースには、何度も遭遇したことがある。

 

続く

 

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精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 4

2014.12.28

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これまでのお話・・・

 


精神の中枢は「脳」か「心の臓」か

精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2 
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3
      参照

 

では続きいきます。

 

ここまでで、「脳」「心の臓」、どっちが精神、意識の中枢になるか、というお話を、日本と中国の、色々な学者さんや、医者の解釈を紹介しながら見てきました。

 

では、もともと、古代中国医学においては、これらがどういった位置づけだったのか、という話を、古典を参考に、再びちょっと考えてみようと思います。

 

まず、東洋医学における「心の臓」がいかなるものなのかについては、一般の方向けに、随分前にこのブログに書き連ねました。

 

「心」って何ですか?(その7)
「心包」って何ですか?(その6)   参照

 

上記を読んでいただければ分かるように、古代中国の医者にとっては、精神、意識というのは霊妙不可思議なものであり、人知の及ばない側面(※)があると考えていました。

【(※)”人知の及ばない側面”というのは、当時の最先端科学といってもいい、”気と陰陽”という認識論を持ってしても、理解できない概念である、ということです。】


そして、そういったものを「神(しん)」と名づけ、その”神”を、調節しているの中心機構が「心の臓」なのだ、という理解なのです。


では、「脳」の方はどうでしょうか。

脳については、このシリーズの最初に書いたように、『黄帝内経 素問 五蔵別論(11)』に、脳が”奇恒之腑(きこうのふ)”として紹介されていますし、


また、『黄帝内経 霊枢 海論(33)』には、脳のことが”髄海(ずいかい)”として紹介されています。

これをもう少し詳しく解説すると、「脳」というのは奇恒之腑でありますが、奇恒之腑というのは脳の他に、

「骨(こつ)」「髄(ずい)」「脈(みゃく)」「胆(たん)」「女子胞(じょしほう)」

の5つがあります。

(ちなみに奇恒の府の中の”胆の腑”は、五臓六腑の中のひとつでもあり、胆の腑については以前解説しました。


「胆」って何ですか?(その12) 参照

 


この、奇恒の府の中の「髄(※)」が集まって、塊状になったものが「脳」である、という考え方から、「脳」のことを「髄海」と呼ぶのです。


【(※)・・・東洋医学の言う「髄」というのは、骨の中に入っている、骨格と脳髄を養う重要なエキスのようなもので、腎の臓と関わりが深い】

 


そして、

”人はまず脳から生じる”

といって、東洋医学では、発生学的に、人間の体はまず最初に「脳」から生じる、出来ていく、と、考えられていたようです。

『黄帝内経素問』奇病論(47)全元起注「・・人先生於脳.・・」、『霊枢 経脈篇(10)』「黄帝曰.人始生.先成精.精成而腦髓生.」

 


そう考えると、拡大解釈すれば、体の中で、脳という部位には、母胎からの根源的な気が最も充満している、とも拡大解釈できます。

 


この考え方は僕的には結構重要に思えまして、のちに道教徒が、

「脳から気を漏らしてはいけない、真気が脳に充満していれば邪に侵されない」

とか、

「頭上から真気が立ち昇り、大宇宙の気と交感する」

とかいう考え方や、”三丹田説”というものにも、繋がってくるように思うのです。


「道教」って何ですか?(その16) 参照

 

続く

 

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「左肝右肺」に関して 6

2014.12.15

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これまでのお話・・・


「左肝右肺」に関して
「左肝右肺」に関して 2 
「左肝右肺」に関して 3 
「左肝右肺」に関して 4  
「左肝右肺」に関して 5  
 参照

 

では続きいきます。

 

◆「左右」に関して補足


我々東洋医学がバイブル中のバイブルとする『黄帝内経素問』の中の「陰陽応象大論(5)」というところには、

「左右者.陰陽之道路也.」

と、出てきます。

 

(ちなみにこの「左右者陰陽之道路」という表現は、同じ素問の中の天元紀大論(66)、五運行大論(67)にも出てきます。)

 

この意味について、中国清代の超有名な学者である張志聡(1610-1674)先生は、弟子たちとともに書き上げた大著、『素問集注(そもんしっちゅう)』(素問の解説書)の中で、

 

「在天地六合.東南為左.西北為右.陰陽二氣.於上下四旁.晝夜環轉.而人之陰陽.亦同天地之氣.晝夜循環.故左右為陰陽之道路.」

 

と述べておりまして、これを竹下風に簡単に訳しますと、


「天地六合(宇宙)には、東南は左とし、西北は右とする。人の陰陽の二気も上下と左右を昼夜に循環している。故に左右は陰陽の道路だ~!」

となります。


(張志聡については、そのうち紹介しますね。)

 

参考サイト「中國哲學書電子化計劃」

 

 


また、以前このブログでも紹介した、中国明代の名医、張介賓(張景岳1563-1640)先生は、その著書、『類経』の中で、

「陽は左で昇る、陰は右で降りる」

と、述べました。

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物 参照

小曽戸丈夫『意釈類経』第一冊P64 参照

 

 


いつも言いますが、張景岳先生の考え方は、あらゆる部分で蓮風先生、北辰会の考え方にも大きな影響を与えていると思います。

 

・・・とまあこのように、大自然、大宇宙と、人間(小宇宙)を対比させ、その合同性、相似性を考えていった場合、人体における「左右」というのは、壮大な意味を持ちます。

 


そして具体的、臨床的には肝か、肺か、機能か、形態か、とね。

 

そして、『黄帝内経素問』陰陽応象大論(5)には、さらにこのような記載が出てきます。

「以右治左.以左治右.」

と。

 

 


これは、

「右の病は左で治しましょうね、左の病は右で治しましょうね。」

という意味です。

 

右に悪い反応が出ていたら、左を治療し、左に悪い反応が出ていたら、右で治療しましょうね、ということです。

 


 

・・・んん?

 

これだけ、左右左右とうんちくを語ってきて、結局、最後は反対側で治療するのかよ!!

 

 

・・・そう思いませんか?(笑)

 

続く 

 

 

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「左肝右肺」に関して 5

2014.12.14

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これまでのお話・・・


「左肝右肺」に関して
「左肝右肺」に関して 2 
「左肝右肺」に関して 3 
「左肝右肺」に関して 4   参照

 

では続きいきます。

 

 

◆そもそも「左右」とは何か

 

東洋医学(というか東洋哲学)は、何でも陰陽に分けます。

 

 


上下や、前後や、左右も。

 

上下の場合、上が陽、下が陰です。

(動的な天(上)と、相対的に静的な地(下)、と考えたら分かりやすいですな。)

 


前後の場合、後ろが陽、前が陰です。


(これは人体で考えれば、相対的に堅くて強い背中が陽、脆弱で柔らかい腹部が陰です。)

 


・・・では、左右はどうか。

 

これは、「左が陽、右が陰」なんです。

 


なぜなら、まさに前々回述べた、後天八卦図のように、南面(南を向く)した場合に、左手側(東)から太陽が上り、右手側(西)に太陽が沈むからですな。

 

 

日出ずる方角は東(左手側)です。

 

 


日出ずる左側は相対的に陽が盛ん、日沈む右側は相対的に陰が盛ん。

 

また、日本語でも語源的に「火だり」「水ぎ」なんていう噂も。。。

 

これは、以前ひな祭りという記事や、日本人の自然信仰という記事に少し書きました。

 

またかつて、スタッフブログにも書かれていますね。 初詣 参照

 

 

ご参照いただければ、と思います。

 

 

 


◆「左肝右肺」の考え方が活きる時

 


つまり「左肝右肺の論」というのは、東洋医学の診断学上、陽である左側に肝の臓が、そして、陰である右側に肺の臓が、診断ポイントとして配置されている論なわけです。

 

ではここで、「肝の臓」「肺の臓」を比較して、陰陽で分けると、どっちがどうなんでしょう。

「肝」って何ですか?(その13)
「肺」って何ですか?(その12) 参照

 


これはまあ、肝と肺の「何をもって」陰陽で斬るかによって違ってくるのですが、あまり細かく言うとどんどんややこしくなるので、基本的には五行で考えたら、

木に属す肝が相対的に陽、

金に属す肺が相対的に陰、

と言えるんですね。


(春秋戦国時代の「陰陽主運説」という考え方によれば、五行は土を真ん中に、木火が陽、金水が陰です。根本幸夫『陰陽五行説』参照

 


だから、

木の”曲直”の性質を持つ肝の臓は、肺と比較すると機能的には相対的に陽であり、

金の”従革”の性質をもつ肺の臓は、肝と比較すると機能的には相対的に陰である、

と、一つには考えることが出来る。

(ただし、いつでも必ずそうではないことを付言しておきます。)

 

だから前回お話した、肝の臓は右4葉、左3葉だから、形態的に右に偏って存在しているから、肝の臓が病的な状態になった時、人体の右に影響が出やすい、

 

というのは、東洋医学における解剖学、つまり「形態」を考えた場合にそのようになりやすいのであって、「機能」を考えた場合には、左右が逆になることがある、

 

という風に、「一応は」理解してよいと思います。

 

 

ただ、それだけでは、まだ不十分です。

 

 

続く

 

 

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「左肝右肺」に関して 3

2014.12.12

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これまでのお話・・・

 


「左肝右肺」に関して

「左肝右肺」に関して 2   参照

 

では続きいきます。

 

前回、自然界と人体を同じものだと考え(天人合一思想)、それを拡大解釈していくと、顔面や腹部といった、人体の「ある一部分」も、全体と同じ、

 

と考えることが出来、その考えをさらに深化させていった結果、「左肝右肺」となったのではないか、というお話をしました。

 

これはどういう事か。

 

我々が非常にお世話になっている、教科書的な本である『臓腑経絡学』の中には、このように述べられております。

”『黄帝内経』における左肝右肺の問題は、易の後天八卦を使うと簡単に解ける”

と。

(P252から省略して抜粋)

 

これ、ちょっと難しいようだけど、

 

後天八卦図(樫部作)

 

(↑↑「文王八卦圖」をもとに、清明院スタッフ樫部が作成)

 

 

「易(えき※)」において、上の図を”後天八卦図(こうてんはっけず)”というのですが、これは要は、自然界の

”陰陽の循環”

を示した図なんだそうなのですが、これをみますと、通常の地図とは上下が逆で、向かって左が東、右が西になっています。

(※易・・・古代中国の様々な叡智を包括した、陰陽論の根本思想、哲学ともいえるもので、周代に始まったといわれる。)

はるばる・・・(その12)
『東洋医学の宇宙』      参照

 

この図の中心に立って、南の方角を向いた状態を考えたら、分かりやすいと思います。

(日本列島で言えば、沖縄の方を向いて東京にに立ったら、左手の方に千葉、右手の方に山梨、って感じです。)

 


・・・で、四方の方角を五行で言えば、東は木、西は金に分類されます。

「五行」って何ですか?(その8) 参照

 

てことは、これを五臓で考えれば、東は木だから肝の臓、西は金だから肺の臓に分類されます。

「肝」って何ですか?(その13)
「肺」って何ですか?(その12) 参照

 

で、この後天八卦図の中心に立って、南を向いている人の顔面とか腹部に、この壮大な図を投影すると、左が東だから肝の臓を示し、右が西だから肺の臓を示す、

 

という考え方をしたのが、「左肝右肺」の論である、という訳です。

 


でもこれ、普通に聞いたら、

「おいおい、そんなん、信憑性あんの? 話が荒唐無稽じゃね??」

と思う方がほとんどでしょう。

 

もうチョイ続く。

 

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「経穴」に関して

2014.11.25

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今日は珍しく、「経穴(けいけつ)」について語ろうかと思います。

 

このブログ上でも、これまであまり語ってこなかったんですよねー。

 

経穴については。

 

なんでかって、あんまり気が向かなかったからです。(笑)

 

 

以前霊台の時に書いたように、たいして患者さんウケも良くないし。(苦笑)

 

・・・まあ、ネット上には、経穴について語っている人も多いし、一般の人からすると、ちょっと難しい内容になりがちだし、ということで、

 

あまり気が向かなかった面があるんだと思います。

 

しかしながら、これも以前書いたように、我々鍼灸師の本当の専売特許といえば、実はこの「経穴」なんですね。

 

「気」「陰陽」「五行」「五臓六腑」などの東洋医学理論というのは、漢方薬を扱う医師や薬剤師の先生方も、実によく勉強されています。

カテゴリ 「気」
カテゴリ 「陰陽」
「五行」って何ですか?(その8)

カテゴリ 「五臓六腑」         参照

 

しかしこの「経穴学」、そしてそれが並ぶ、気の循環ラインである「経絡学」という分野は、我々鍼灸師が、最も熟知していなければならない部分です。

 


何故なら、我々が気を動かす目的で、患者さんの体に鍼灸を施す場所はまさに「経穴」であり、経穴の状態を

”いい状態”

に変えることで、結果的にその経穴が所属する経絡の気の流れを

”いい状態”

に変え、結果的に、弱っていたり、機能のバランスの悪くなっている五臓六腑の状態を

”いい状態”

に変えることで、結果的に、その患者さんの

”治る力”

を最大限に引き出し、結果的に、病を治す、これが我々の仕事だからであります。

 


ですので、これからチョイチョイ、経穴について語っていこうと思います。

 

ただし、あまりネット上を見渡しても書いてないことを書こうと思っています。

 

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「気」と「鬼」

2014.11.09

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我々、現代において東洋医学を行うものが、ある意味バイブルとしている古典が、『黄帝内経(こうていだいけい)』です。

 

そこでは、人間の病や、自然界の気候や気象との関わり等々、あらゆる病気のメカニズムや治療方法などなど、医学の基本となる様々なことが書かれています。

 

「気」「陰陽」という哲学に則って、です。


「気」ってなんですか?(その3) 
「陰陽(いんよう)」って何ですか?
 参照

 

その価値は、『黄帝内経』の成立から約2500年ほど経った、しかも中国から見ればだいぶ遠い外国である、この日本でも、失われていません。

 

『黄帝内経』以降、中国でも日本でも、朝鮮半島でも、ここに書かれた内容が、各時代の医家によって、絶えずブラッシュアップされ続けて今に至る、

 

ということは、何度もこのブログで述べている通りです。

 


ところで、この『黄帝内経』以前の医学は、どんなものだったんでしょうか。

 


多くは祝由、祈祷などの、いわゆる”まじない”が中心であったようです。

 


医学の「医」の古い文字は、一つには「毉」と書きます。

 

この字の下にあるのが巫女さんの「巫」の字ですね。

 

原始的な医学はお祈り、まじないであり、病気というのは、「鬼」が憑りついたものと考えられることがしばしばあったようです。

 

『黄帝内経』において、病の原因が「鬼(き)」から「気(き)」に変化したわけですね。

 

これは当時の医者と患者からしたら、さぞかし画期的だったろうと思います。

 

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「衛気」って何ですか? その8

2014.10.13

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これまでのお話

 


「衛気(えき)」って何ですか? 
「衛気」って何ですか? その2 
「衛気」って何ですか? その3 
「衛気」って何ですか? その4 
「衛気」って何ですか? その5 
「衛気」って何ですか? その6 
「衛気」って何ですか? その7      参照

 

では続きいきます!!

 

ここまで書いてきたことは、

◆衛気の基本的な働き

◆皮膚の西洋医学(解剖学)的構造と機能

◆衛気の「衛」という文字の字解き

◆そこから派生して、「気」という文字の字解き

でした。

 

最近、蓮風先生のブログ『鍼狂人の独り言』でも、最近、”衛気”についての話が出てきていますね。

 

蓮風先生ほどの先生がこれについて語って下さっているのであれば、私ふぜいから何も申し上げることはないのですが、一応ここまでの話をまとめると、

 


1.人体を養い、生命活動を正常たらしめる「気」には、働きによってさまざまな分類があるが、その中の重要なものの一つに「衛気」というものがある。

 


2.「衛気」は、飲食物と、呼吸によって取り込んだ天空の清気とが原料となり、主に「腎の臓」の働きが中心となり、主に下焦において作られる。

 


3.作られた「衛気」は、その字の如く、体表面と、体表面から少し離れた部位とを巡り、城壁の外を守る兵隊のように、様々な外的刺激から人体を守る。

 


4.また、皮脂の分泌や、発汗の調整など、皮膚の生理的な働きも、一部担う。

 

 


ということです。

 


・・・で、臨床的に大事なこととして、「衛気」という一番浅い部分に鍼でアプローチすることで、臓腑など、人体の一番深いところにアプローチできる、という仮説。

 


これ、実際に試してみると、確かにそういう場合が、大いにあるようです。

(ただもちろん、上手に出来れば、の話ですよ。)

 

これはどういう訳かというと、今のところの私見ですが、

まず一つには、人体の一番浅い部分と、一番深い部分は、部位的に「深浅」という陰陽をなしているから、浅い部分の気を動かすことが、そのまま深い部分の気を動かすことに繋がる、

という発想と、

もう一つは、「衛気」を操作するときは、皮膚に触れませんので、患者さんが身構えない(身構えるスキを与えない)ために、

余分な緊張ナシに気を動かすことが出来るので、転んだ時に受け身を取らないとか、ノーガードで死角から殴られたようなもんで、

非常に大きな衝撃(気の動き)を与えることが出来る、

という2点から、非常に大きな気の動きを、深い部分に与えることが出来るんじゃないかな、と愚考しております。


(繰り返しますが、正確な証と病因病理を踏まえて、技術的に的確にやれれば、です。)

 

 

まあしかし、「衛気」の操作を目的とした翳す鍼、皮毛に触れるだけの鍼をやるにしても、必ず的確に弁証し、「補瀉」を明確にし、施術後の脈診所見、舌診所見、

 

その他体表情報の変化等々から、その鍼が確かに効いたのかどうか、明瞭に評価できないのであれば、やるべきでないでしょう。

 

 


・・・また、蓮風先生が繰り返し、強調して書いておられるように、日々の飽くなき鍛練、勉強、その上での確固たる心持ちがあってこそ、

 

そういう治療が出来るのだと思います。

 

これらが揃わないのであれば、単なるカッコつけ、自己満足治療、ということになるでしょう。

 

 


衛気シリーズ、とりあえずここまでで一区切りとします。

 

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海に出たかったのに。。。

2014.10.05

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ぜひ我々とともに、切磋琢磨しましょう!!詳細はこちら。

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くうー、台風め。。

(さらに…)

太陽と月

2014.10.02

 

 

 

 

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昼間出る太陽は陽、夜出る月は陰。

 

昼間出るから、夜出るからじゃなくて、太陽が出るから昼、月が出るから夜、とも言える。

(こっちの方が正確か?)

 


 


太陽は日(じつ)とも言う。

 


日(じつ)は実(じつ)。

 


充実の実だ。

 


月(つき)は月(げつ)とも言う。

 


月(げつ)は欠(げつ)。

 

欠けている。

 

月は日の光を受けて初めて光る。

 

自然の摂理。

 

陰陽の理。

 

 

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