東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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鍼で難病がなぜ治るのか。

2014.08.22

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今日、患者さんから問われた。

「鍼で難病が治るのは、血行が良くなるからですか?」

と。

これは、まあ当たっているけど、ちょっと大雑把過ぎる。(苦笑)

この文章からすれば、血行が良くなっただけで難病が治るなら、風呂入っても難病は治る。(笑)

しかもこの質問の言う「鍼」の定義も、「難病」の定義も、至極あいまいだ。

正確には、


「徹頭徹尾、東洋医学的に正しく弁証し、鍼灸をして人体の気を上手に正しく動かし、人体の陰陽のアンバランスを巧みに調えることで、

 

結果的に、西洋医学では難病と言われているような病気も、治ることがある、したがって東洋医学的な鍼灸治療をしてみる価値がある。」

という話なんです。

鍼灸なら何だっていいという訳じゃないし、難病と言っても、何でもかんでも100%確実に治るわけではない。

でも可能性があるんだから、やってみませんか?という話です。

どうぞご自由に。

僕は今日も明日も、粛々と治療し続けます。

難病だろうが何だろうが。

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「気」の字解き 2

2014.08.05

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前回のお話

「気」の字解き 参照

 


では続き行きます!

 

続いて、今日は『康煕字典』から行きます。

 

康煕字典には、「氣」という文字で載っています。

(因みに、氣の字の米の部分を火と書いていた文字もあったようです。)

 

「氣」という文字は、「気」という文字の旧字体(本字)でして、日本でも1940年代までは「氣」の方を用いていました。

 

因みに、「氣」のさらに古い文字で「炁」という文字もあります。

 

・・・まあ、その辺の話をし始めると長くなるので、かなり端折って載せますが、

 


1.時候なり、息なり

2.形というのは生の家なり、氣は生の元なり。

3.氣は神の盛んなるなり

4.陰陽の二氣が交わって万物が生じる

5.あらゆる自然現象のこと

6.暦を分けること

7.氣は灰を散らし、人や風は灰を集める

8.ものの吉凶

9.におい

 


などなど、実に様々な意味があります。

 

この中では、面白いのは7.ですね。

 


もともと、「氣」の字の中の「米」という文字は、芻米(すうまい・・・食糧、御馳走の意味)という意味もあるのですが、実は米は※に通じ、

 

四方八方に拡散する、という意味を含んでいる、という解釈もあると、以前先輩から教わりました。


(僕としては当然こちらの意味の方が合点がいきます。)

 


四方八方に縦横無尽に伸び伸びと拡散し、宇宙全体(万物)のもととなるものが「氣」です。

 

続く

 

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直後効果がある病とない病

2014.07.13

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学生さんからチョコチョコ出る質問。

「先生はそれだけ長い時間問診して、体表観察して、証と病因病理を立てて、結果的に初診で全然効果がなかったときって、どうしているんですか?」

とか、

「こないだモデル患者さんを治療したら、全然患部の痛みに変化がなかったんですが、治療に失敗したんでしょうか。」

とか。

これらの質問は、治療後に患者さんが実感できる治療効果が出ないといけない、それが無かったらイコール鍼が効いていない、という前提に基づいた質問ですね。

確かに、初診時の直後効果は、患者さんに希望を持ってもらう上で重要です。

しかし、初診時に患者さんが希望を持つ要素というのは、患部の状態、症状の変化、それだけではない。

清明院には、癌の患者さん、糖尿病の患者さん、リウマチの患者さん、アトピーの患者さんなどなど、多くの重傷、難病、奇病の患者さんが、

”その病気そのものを東洋医学的に診立てて、鍼灸で治してほしい”

と訴えて、治療に見えます。

こういったすべての病気に対して、直後で明確な変化を出すのは困難です。

直後効果、直後効果と拘る前に、まずはその病気がどういう病気なのか、自分なりに診断する習慣をつけることが先です。

その場で痛みや症状が取れてないと嘘だ、という考え方に基づくと、そのうちとんでもない失敗をします。

かつての僕のように。(苦笑)

例えば、治療直後は良かったけど、翌日劇的に悪化したとか言われたりね。

 

(それも、悪化の原因がよく分からないとかね)

その場で症状を変化させるということは、患者さんに希望を感じてもらう上では重要ですので、

「そういう病気の場合は」

そうしてあげた方がいいのですが、当然ながら世の中、そういう病気ばかりではないのです。

 

 

例えば癌の患者さんの治療直後に、

 

「どう?癌、小さくなった??」

 

とか、あり得ないでしょ??


その病の陰陽の傾き(表裏寒熱虚実)はどうか、五臓六腑で言うとどれが中心に病んでいるか、邪気の種類はどうか、

正気と邪気のバランスは、などなど、ということが明らかにできて、初めて東洋医学的な治療が成立します。

そういう事を考えずに、どこかに鍼すると、どこかの筋肉がゆるむとか、どこかに鍼すると、どこかの痛みが取れるとか、

そういう反応で無邪気に遊んでいるうちは、その程度の

”治療らしきこと(というか鍼に対する人体の反応遊び)”

しかできません。


残念ながら。

それを治療だなんて、思ってたらヤバいです。

 

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新スタッフ紹介!!

2014.06.30

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今日で2014年、6月が終わりです。

(さらに…)

血圧と東洋医学 2

2014.06.25

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前回のお話


血圧と東洋医学 参照

 

 

では気が向いたんで、続きいきますよ~

 

 

昨日も書きましたが、今日は学校で「高血圧症・低血圧症」について喋ってきました!

 


やはりボリュームがあったんで、1週で終わらなかった。。。

 


残りは来週に持ち越しです。(苦笑)

 

普段臨床をやっていると、けっこう患者さんから聞かれたりするものです。

「先生、血圧って何ですか?」

「なんで下げないといけないの?」

「鍼すれば、降圧剤を飲まなくても済みますか?」

「降圧剤の副作用って、どんなものがあるんですか?」

大病院の偉い先生には聞きにくいから、我々のところに、こういう質問が来ること、よくあります。


そしてそういう時に、スッと説得力のある回答が出せないようでは、すぐに信用ゼロになります。(笑)

 

 

学生さんに言いたいことの一つとして、我々臨床家というのは、毎日毎日一年中、毎症例毎症例、テストされているようなもんなんですよ。(苦笑)

 

ところで、我々は診察の時に必ず全身状態や、東洋医学的な病態を把握するために”脈診”をしますが、西洋医学が高度にインフラとして整っている現代社会ですから、

 

患者さんによっては我々が毎回の治療ごとに

「脈拍数と血圧」

を診てくれているもんだ、と思っている患者さんは少なくなかったりします。

(むしろそっちの方が多いかもしれません。)


脈診されてる時に、

「あー、この先生は私の五臓六腑の不調和の程度と、盈虚通滞のある可能性の高い経絡に加えて、八綱陰陽、胃の気の盛衰、空間的な気の偏在などを診てくれてるんだー。」

なんて思っている患者さんいません。(笑)

因みに脈診については

「脈」で何が分かるの? 参照

 


続く

 

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5月(一社)北辰会スタンダードコース東京会場

2014.05.28

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昨日の玉城君の記事にもありましたが、僕も25日の日曜日は勉強会に参加していました!

勉強会に参加してきました! 参照

実は昨日のスタッフブログ読むまで、忘れてました!!(爆)

講義内容なんかはスタッフブログの記事に書いてあるんで、割愛しますが、僕も午前中から臨床クラスで実技を一班、

講師として担当しました!

皆さんプロとして臨床されてる先生ばかりですので、教えるのが楽な面と、大変な面があります。

楽な面は各人が基礎理論が入っているため、煩雑な説明が要らないこと。

大変な面はそれぞれに癖がついていることです。

皆さんその「癖」がある中で、それを最大限尊重しつつ、こちらの伝えたいことを理解してもらわなければなりません。

教える側の「教える技術」、そして、教わる側の「教わる技術」のようなものが試される瞬間です。

ここで、あえて「教わる技術」と書いたのは、傲慢な意味ではなくて、教わっている先生方が、私の実技指導が理解し、

応用し、実際の現場で実践できるかどうかは、その触り方で臨床して、上手くいっている面がかなりあるのに、それをあえていったん崩して、

こちらのやり方に合わせ、新たにもう一度、自分の技術を踏まえ直すことが出来るかどうか、そういう柔らかアタマを持てるかどうか、

にかかってくるからです。

僕の実技指導を、

「へー、竹下はそうやるワケね。」

とか言って、

”上から目線”

で評価してばかりいたり、

「俺ならこう考えるけどなー。」

とか言って、自分の殻を破らないようでは、これがなかなかうまく出来ないはずです。

それぞれが本気で最高の鍼灸を追求する上では、柔らかアタマ、そして信念、どちらも重要です。

陰陽です。

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「肥満」と東洋医学 5

2014.05.27

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前回のお話し・・・

「肥満」と東洋医学
「肥満」と東洋医学 2
「肥満」と東洋医学 3
「肥満」と東洋医学 4

 


・・・では、続きいきます!!

 

 

◆なぜ、清明院では耳鍼を使わないのか。

まず1点目、これは正直、僕自身が耳鍼に関して、キチッと十分に勉強していないからです。

理論面からキチッと勉強し、信頼できる先生に手ほどきを受け、かつ、一定期間その考え方で臨床実践し、それで自信を持ったことだから、患者さんに自信を持って提供できるわけです。

それをやっていないのに、無責任に患者さんに出来ない、と考えているからです。

そして2点目、清明院の鍼灸の目的は「治療」です。

その患者さんにとって、病的な肥満状態と判断したり、肥満傾向の患者さんに、何らかの陰陽不調和があればそれは正しますが、

 

美容目的や、痩身のための「施術」、というのは清明院ではやっていないからです。

 

「耳鍼」というものが、一般的な患者さんから見て、イメージ的には「治療」というよりも、多くは美容的な痩身を目的とした「施術」であることも、導入しにくい理由の一つです。

私も、鍼を持って10年以上経ちますが、病的な肥満状態や、肥満傾向の患者さんの悪状況を改善するのに、耳鍼を使う以外にない、

という場面に、まだ出会ったことがありません。

 

 

このように、患者さんのイメージの問題に加えて、

 

「なぜ、耳鍼を使わなくてはならないのか」

 

という診断学の部分が不明瞭なので、実地臨床に使いにくいと考えています。

 

ちなみに「美容鍼灸」を含む過去記事はこちら

 


 

あとはまあ、噂では、本を一冊読んだ程度の知識(場合によってそれすらも怪しい)で、遊び半分に耳鍼を治療に使うような鍼灸師もいるとかいないとか。。。(苦笑)

あるいは、鍼灸師の免許も持っていない人が、付け焼刃、半可通の知識でもって、耳に金粒や銀粒を貼り付けて、それで高いお金をもらうとか、そういう嘆かわしい現実もあるようです。

そういう人と同じに思われたくないし、耳鍼の効果に責任が持てないので、清明院ではやりません。

 

どうしても受けたいならば、それを専門に、真摯に勉強されている先生にやってもらうのがいいと思います。

 

 

 

続く

 

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「肥満」と東洋医学 2

2014.05.23

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前回のお話し・・・

「肥満」と東洋医学

 

では続きいきます!!

前回、肥満は現代病として、問題視されているが、中国古代では、さほど問題視されていなかった、というお話をしました。

◆肥満のメカニズム


・・・なぜ、肥満になるのか。


これは、西洋医学的に言えば、摂取カロリーと消費カロリーのアンバランス(摂取過剰)から、体内に余ったエネルギーを脂肪組織に蓄えてしまうため、

それが徐々に徐々に体内に蓄積するためです。

何故脂肪なのかというと、糖質やたんぱく質よりも、圧倒的に脂肪の方が貯蔵効率が高いからですよね。


これが、単純な運動不足や飲食の不摂生に起因する、単純性肥満の西洋医学的なメカニズムだそうです。

 

(詳しくは(一社)日本肥満症予防協会様のサイト 参照)

・・・では、東洋医学ではどうか。

中医学では、肥満のことを”肥胖(ひはん)”と呼び、

主に脾の臓を中心とした臓腑及び全身の代謝機能の低下(気虚)+痰湿、脂膏を中心とした病理産物の増加

と説明されます。

 

(『症状による中医診断と治療 上巻』参照)

 


因みに中医学、脾の臓、気、湿痰については過去記事

カテゴリ「中医学」
「脾」って何ですか?(その9)

「気」ってなんですか?
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「湿熱」について                参照


まぁ要は、東洋も西洋も、似たようなこと言ってるわけですが、これは中医学の方が、西洋医学の考え方に寄せてまとめたような感じがします。


なぜなら、前回言うように、東洋医学では、太っていること自体はあまり問題ではなく、太っている人が何らかの陰陽バランスの不調和を起こしていないかどうか、

を問題にするので、肥満そのものについては「イコール病気」とはとらえてこなかったからではないかと思います。

 

ここにも、個体差(各々における陰陽バランスの調和度合い)を重視する東洋医学と、やれBMIだの理想体重だのと、集団における平均値や理想値を重視する西洋医学の違いがハッキリと見て取れますね。

 

 

また、一般国民が理想とするような体格も、男性は背が高く、手足が長く、スリムであり、女性では胸があり、腰はくびれがあり、お尻は大きく、足は長く、

 

という、もともとの日本人らしからぬ体型なのも、明治維新以降の、西洋化の流れの一つかもしれませんね。

 

 

そういう視点で見ても、興味深いと思います。

 


因みに、あまり聞きなれない「脂膏」という表現ですが、『黄帝内経霊枢 衞氣失常(59)』に出てきますし、『黄帝内経素問 異法方宜論(12)』には「脂肥」という表現が出てきます。

 

 

専門家の方はご参照あれ。

 

続く

 

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「上熱下寒」という状態

2014.05.14

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今日も東洋鍼灸専門学校にて、「冷えとのぼせ」について講義してきました!!

頭がのぼせて、足が冷えた状態を東洋医学では「上熱下寒」と呼んで問題視したりします。

このことは、このブログでも何度か出てきています。

「上熱下寒」を含む記事 参照

白隠禅師のところに出てきてるのが興味深いですね。

頭に妙な煩悩が上ると、「上熱下寒」になるのかもしれませんな。。。(笑)

・・・いずれにせよ、上下も陰陽。

人間という小宇宙における天地です。

これを、左右や、前後を整えることによって戻す、ということもあり得ます。

この辺が面白いとこ。

カチカチ頭には難しい、東洋医学の醍醐味ですね。

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基本と例外

2014.05.01

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