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2015.04.21
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4.19の日曜日は、大阪で行われた、(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場に参加してきました!!
この日は、2015年度の一発目です。
なんと聴講生が30人以上参加していたとか。
北辰会への注目度の高さがうかがえますね。
年度初めというのは、その年度に通年で参加してもらって、何を得てもらいたいか、毎年のテーマのようなものがあり、
これから北辰会方式の勉強をしたいという人にそれを伝えるという、重要な日であります。
ここ最近の北辰会の方針は”基礎固めの徹底”、会員全員のレベルの底上げです。
学も術も、基本がないと、後々ろくなことになりません。
僕個人的にも、基礎固めは、5年10年かけるぐらいの気持ちで全然いいと思います。
一発目は藤本新風副代表による
「北辰会ガイダンス」
これから北辰会方式をやっていく上での心構え、勉強のコツなどなどですね。
ここんところの理解が、実は非常に重要です。
北辰会と他の会との違い、北辰会の主義主張を理解したうえで、勉強を進めていかないと、あまりいい結果が得られません。
そしてその後は山本克仁先生による
「腹診の基礎知識」。
相変わらずの、スティーブジョブズ並みのイケてるプレゼンを披瀝してくださいました。(笑)
午後一は、午前中の講義を踏まえての腹診実技。
今回、聴講生班の人数があまりにも多かったので、急遽、私も一班担当させていただくことに。
関西の聴講生の先生方、皆さん勉強に対する意識、意欲、基礎知識レベルが高いように思いました。
関東も負けてられませんなー。
最後は堀内齊毉龍先生による
「気の思想・陰陽論基礎」。
こないだ書きましたが、これと同じテーマでの講義を、今週末、お茶の水女子大学で私もやります。
深遠な気と陰陽の世界 参照
いつもながら堀内先生の講義は、論理的で聞きやすいですね。
聴講者のレベルに合わせたアドリブ力もサスガでした。
・・・まあ、今週末は負けないように”よい講義”にしたいと思います。(笑)
がんばるぞ~~(*‘∀‘)
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2015.03.29
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前回のお話
では続きいきます!
今日は、「易」が提示する、3つの真理について。
一つ目は「変易(へんえき)」。
これは、全てのものは変化していく、という考え方です。
ギリシャ哲学のヘラクレイトス(万物は流転する)も、仏教の釈迦(諸行無常)も、似たようなことを言っておりますが、
易の場合は少し違います。
どう違うかというと、まず2つ目の「不易(ふえき)」。
変化流転していくのだが、その中に不変のものがある、と説いたわけです。
(まあこれは、ヘラクレイトスも不変のものとして”ロゴス”を挙げていますが。)
そして「易」の言う、その不変のものこそが、3つ目の「簡易(かんえき)」、つまり単純なもの(法則性)であるということです。
この単純にして深遠な法則性が、「陰陽」である、という訳です。
ここで言う単純というのは浅薄という意味ではなくて、あらゆる複雑怪奇な事象を、単純明快な論理に純化したという意味での「単純」です。
これによって、あらゆる事象が、今後どうなるか、という未来予測が出来るようになります。
因果律(原因と結果)ですね。
だから、医学に応用が出来る、という訳です。
ここが「医易同源」と言われる所以ではないでしょうか。
それも、東洋医学的な「気」への働きかけということの背景が、いかに壮大なものであるか、ということに気づきます。
また当然ながら、「占い(占術)」にも応用可能になるわけですな。
陰陽については『黄帝内経』の中にあらゆる形で説かれていますが、その変化のメカニズム、原理については『易経』なんです。
であるからして、真の東洋医学の医者であろうと思うならば、「易学」をやらないわけにはいかない、となるのです。
中国漢代、張仲景『傷寒論』原序
「陰陽に会通すれば、玄冥幽微にして変化極り難し」
「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物 参照
中国明代、張景岳『類経附翼 医易義』
「陰陽は『内経』に備わるといえとも、変化は『周易』に大なるはなし」
「張景岳(ちょうけいがく)」という人物 参照
【参考文献】
『周易と中医学』楊力 医道の日本社
『易と人生哲学』安岡正篤 致知出版社
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2015.03.28
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東洋医学をやるものは、「易」をやるべきだ、と、多くの名医が言っております。
有名なのは中国唐代の名医、孫思邈(581?-682)による
「易を知らなければ医を知るとは言えない」(『備急千金要方』巻1序例、太医習業)
という発言です。
比較的近代でも、中国清代、1825年の『医門棒喝』章楠(章虚谷)撰に、
「易の言葉は全て医学の指針である。」
と述べられています。
かつてこのブログでも紹介した中国明代、張介賓(張景岳 1563-1640)も、『類経附翼』という本の中の第一巻を「医易」と名付けて、医学と易学の関係を論じています。
〇
・・・とまあこんな具合に、東洋医学の医者を志すならば、「易」をよく勉強しなさいよ、と、色々な有名人が述べております。
蓮風先生もその色々な著書の中で、度々「医易学」の重要性を説いておられますし、北辰会の大先輩である神野英明先生も、
『鍼灸・漢方の名医になる秘訣』
という、医易学に特化した著書を書いておられます。
・・・前置きが長くなったけど、今日は、何でこんなに、色んな先生に「易」が重要視されるのか、というお話です。
易と言えば、街なかにいる占い師の”易者”を思い浮かべる人がほとんどでしょう。
そう考えると、東洋医学をやるには、占いの知識を入れる必要があるのか、と考えがちですが、医者が易を学ぶときというのはその意味よりも、
自然(つまり人間、つまり患者さん)を認識する哲学としての「易」の重要性を言っているのだと思います。
我々が毎日使う「陰陽」という考え方のもとになった哲学書こそが『易経』なんです。
これはどういう哲学かといえば、『易経』の中の「繋辞上伝」というところの第4章に、
「易は天地と準(なぞら)う。故に能く天地の道を弥綸(びりん)す。仰いでもって天文を観、俯してもって地理を察す。
この故に幽明の故(こと)を知る。始めを原(たず)ね終りに反る。故に死生の説を知る。精気は物を為し、游魂は変を為す。
この故に鬼神の情状を知る。」
と、書いてあります
これは要するに、易は素朴な自然観察(農耕を中心とした天体観察と大地の観察)から出来たものであるから、
この世の全て(形あるものとないもの、目に見えないものも含めたすべて)がよく分かるのです、と、宣言されています。
まずこれが重要でしょう。
続く
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2015.03.27
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今日は哲学的なお話。
まあ哲学なんて、とんでもない膨大、莫大な学問分野であり、僕なんてズブの素人なんですが、東洋医学を実践する上では、避けて通れない問題なので、
たまには自分なりに考えてみました。
西洋医学では、
「人体は、60兆個の細胞の集まり」
と、説きます。
(因みに近年では37兆個説が定説となっているようです。まあ、個人的にはどうでもいいが。。。)
この立場から、さらに細かく考えれば、人体も、人間を取り巻く大自然もみんな、原子、電子、分子、つまり物質と、その物質間に働く電磁力の集合体、と考えられます。
この立場からすれば、我々の精神、意識の活動(喜怒哀楽などなど)なんてのは、単に脳の特定部位の神経細胞の興奮(活動電位)の結果、ということになりますし、
あらゆる自然現象は全て物質の移動、変動、電位変化の観察により解析可能なのではないか、ということになります。
また、この立場からすれば、「生命」というのは遺伝子を自己複製する精巧なシステムであり、「死」はそのシステムの活動停止である、となり、
神仏?霊魂??気や経絡???・・・んなもんないっしょ、って話になります。
・・・とまあこのように、この世の森羅万象の根本は「物質(素材的なもの)」である、とする考え方を、「唯物論(ゆいぶつろん、Materialism)」と言うそうです。
因みに、その物質の集合体である生命も、そこに働いている物理的法則が分かればすべて理解可能、というスタンスを「生命機械論」と呼んだりします。
北辰会が治療方式の用語と理論のベースに置いている、中華人民共和国が1950年代にまとめあげた「中医学」というのも、この「唯物論」の考え方でもって、
それまでの中国伝統医学をまとめた医学であります。
さてここで、数千年の歴史を持つ、「東洋医学(中国伝統医学)」の深遠な世界が、この「唯物論」でもってすべて把握できうるか、説明できるか、
本当の意味で「東洋医学的に」人間を診る医学として、その理解は正当か、という問題になると、かなり疑問が残る、という話を、随分前にしました。
東洋医学と中医学 参照
(もう、あの記事から5年も経つのか・・・。( ゚Д゚))
じゃあもし、「唯物論」では東洋医学が表現、理解しきれないとすれば、どういう考え方ならば出来るのでしょうか。
唯物論の対義語として、
「観念論(かんねんろん、Idealism)」
とか、
「唯心論(ゆいしんろん、Spiritualism)」
という言葉があるそうです。
「観念論」は、事物の存在と存り方は、事物よりも認識主体側の、当の事物についてのidea(イデア、観念)によって規定される、という考え方であり、
物質よりも精神、理性、言葉に優位性を置く理論のことだそうです。
「唯心論」は人間・社会において、心、もしくはその働きこそは至上の要因であるとする立場の一つで、心やその働きは、あくまでも物質に還元されない独特な性質を持っているとして、
物質的存在がその存在を容認されるのは、「意識」によるものである、したがって、意識こそが存在を決定づける、という論だそうです。
観念論も唯心論も、唯物論に対する言葉だそうで、要は「非」唯物論なのでありますが、観念論と唯心論は同義ではなく、
観念論は認識論(哲学の分野で、人が理解できる限界について考察する学問)における考え方
であり、
唯心論は存在論(哲学の分野で、存在するものの意味や根本規定を考察する学問)における考え方
なんだそうです。
東洋医学の背景にある古代中国の自然哲学では、大宇宙も、小宇宙である人間も、すべて「気」から出来ている、と考えます。
(これを”気一元論”と言います。)
そして、宇宙の開闢については、無(太極)から陰陽(両儀)が生まれ、それがさらに陰陽に分かれ(四象)、さらに分かれ(八卦)、という風に分化して万物が成った、と考えます。
(by『易経』繋辞上伝)
また、
「道は一を生じ、一は二を生じ、三は万物を生ず」
という考え方もあります。
(by『老子』42章)
因みにこの『易経』『老子』と同じような考え方は、『淮南子』天文訓にも出てきます。
まずこのような、大枠としての自然観、宇宙観、宇宙生成論が前提としてあり、その中にある、小宇宙たる人間、という風に説きます。
ここに出てくる「気」や「太極」や「道」といった考え方を、「物質が根本」という考え方で説明しきれるでしょうか。
中国伝統医学は、人間を、大宇宙と相似性、同一性を持ち、なおかつ大宇宙と常に連関する存在、という風に考えますが(天人合一思想)、それについても、
いわゆるニュートン物理学の言うような、「質量を持った物質」における物理法則の範疇で理解可能でしょうか。
中国伝統医学は、もともと、そういう独特な考えでもってとらえた「人間」「患者」に対する、最良の医学医療はどうあるべきか、という風に考えを進めて、
悠久の歴史の流れの中で、絶え間ない臨床実践(ある意味人体実験)を繰り返す中で、永久不変の真理としての実効性、普遍性、再現性を備える形で、
少しずつ、でも堅実に、堅牢に構築され続けてきたものであるとすると、現代的な唯物論で説明するよりも、本来は”非”唯物論で解釈した方が、
より正確に理解が出来そうな気がしてきます。
現状において「現代中医学」が世界中の東洋医学教育のグローバルスタンダードになっているからと言って、こういう根本哲学に関わる部分まで、
まったく無批判に、悪く言えば盲信的に受け入れていては、問題が生じるのではないか、というのが、北辰会の立場です。
中国伝統医学を理解するにあたって、「唯物論」に対して「観念論」的、「唯心論」的で、さらには、それらをもすっぽりと包むように「気一元論」的に解釈し、
「生命機械論」に対して「生気論」的に解釈しようとする姿勢を重視しています。
(だから臨床実践において”直観”とか”魂”というものを、論理と同じかそれ以上に重視している訳ですね。)
日本という国は、いつの時代も、大陸から流入した新しいものを、自国の風土や価値観と見事に習合させ、ピューリファイ(精錬、純化)してきた歴史があります。
中医学に対しても、日本人としてはそうあるべきではないでしょうか。
この問題については、私もまだまだ理解が浅いですが、一生かけて、もっともっと深く考えていかないと、と思っています。
【参考文献】
『哲学事典』平凡社
『哲学・思想事典』岩波書店
『詳解 中医基礎理論』東洋学術出版社
『気の思想』東京大学出版会
『鍼灸医学と古典の研究 丸山昌朗東洋医学論集』創元社
『医学の哲学』誠信書房
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2015.03.01
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これまでのお話
小半夏加茯苓湯と船酔い
小半夏加茯苓湯と船酔い 2
小半夏加茯苓湯と船酔い 3 参照
では続きいきます!!
ここまでで、和歌山の加太の船の上で、油谷真空先生から何気なく渡された「小半夏加茯苓湯」にインスピレーションを得て、ツラツラと書いてきました。(笑)
今日は「小半夏加茯苓湯」を構成する3つの生薬(半夏・生姜・茯苓)に関して、解説しておこうと思います。
サトイモ科、カラスビシャクの根茎であり、医歯薬出版株式会社の『中医臨床のための中薬学』によれば性は温、味は辛、帰経は脾胃、とのことですが、
まあ簡単に言うと、脾の臓、胃の腑、肺の臓あたりに作用し、温め、余分な水分を飛ばしてくれる生薬です。
これは生で食べると軽い毒性がありまして、かつて蓮風先生が若い頃に生で試しに食べてみたら、ノドがカラカラになった感じがして、
呼吸するのもきつく、エライ目にあったという話をされておりました。(笑)
(因みに生で使う場合は外用薬として使い、皮膚の化膿に効果があるようです。)
そして、その半夏の毒性を消してくれるのが生姜なのです。
◆生姜(しょうきょう)
家庭に良くある、ショウガ科ショウガの根茎。
皆さんよくご存じの、しょうが焼きの生姜であります。
性は微温、味は辛、帰経は肺、脾、胃、とのことで、半夏とほぼ同じなんですが、半夏は水分を飛ばす作用が強く、生姜は胃を温める作用が相対的に強い、と見ていいと思います。
つまり半夏と生姜のコンビネーションで余分な水を飛ばしながら胃を温める、ということでしょう。
田畑隆一郎先生の『傷寒論の謎 二味の薬徴』では、半夏と生姜のコンビネーションについて
「嘔、嘔吐を治す主薬にして、停水、宿飲を除き嘔、嘔吐、喘欬、噦(えつ:しゃっくり)、噫(い:げっぷ)を治す」
とまとめて下さっています。
◆茯苓(ぶくりょう)
これはサルノコシカケ科マツホドの菌核を輪切りにしたもの。
主に松の根に寄生する茯苓は、利水作用に優れた生薬として知られています。
性は平、味は甘淡、帰経は心・脾・胃・肺・腎とあり、簡単に言うと、心の臓、脾の臓、胃の腑、肺の臓、腎の臓に作用して、停滞した水を動かし、
結果的に利尿作用だったり、鎮静作用を発揮する生薬です。
これは、分かりやすく言えば松の木の根っこに生えるキノコです。
キノコなんですが、地表に顔を出しているわけではなく、地下に生えているジメッとしたやつで、見つけにくいことから、
”幻のキノコ”
とも言われるそうです。(笑)
この幻のキノコが、みぞおちのところの深い部分に入り込んで停滞してしまった、余分な水分を動かすのです。
地面に埋まっているキノコ(菌類)が、人体の深い部分の水を動かす。
面白いですね~。(*‘∀‘)
そしてこの3つの生薬はどれも植物の”根っこ”、あるいは”根っこに寄生するもの”です。
陰陽で言うと、明らかに”陰の場”である地面の下にある”根っこ”と、そこにくっつくキノコを使って、深い部分に支えた水を動かし、結果的に全体としての気を下げる・・・。
古代中国人、面白い発想しますねー☆
小半夏加茯苓湯と船酔い 5 に続く
◆参考文献
神戸中医学研究会編著『中医臨床のための中薬学』医歯薬出版株式会社
田畑隆一郎『傷寒論の謎 二味の薬徴』源草社
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2015.02.02
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これまでのお話・・・
「左肝右肺」に関して
「左肝右肺」に関して 2
「左肝右肺」に関して 3
「左肝右肺」に関して 4
「左肝右肺」に関して 5
「左肝右肺」に関して 6 参照
では続きいきます。
というか、キリがないので、いったん終わりましょう。(笑)
◆左右の使い分け
東洋医学に、「巨刺(こし)」とか「繆刺(びゅうし)」という治療方法があります。
これは、患部とは左右反対側を治療したり、患部と離れたところを治療したりする方法なんですが、問題は、
”これらを「どういう時に」使うのか”
です。
毎回毎回、必ずそうすれば正解、ではないのです。
まあ、これは業界的には半分以上常識なんで、いちいち出典挙げないけど、各古典によれば、
巨刺の方は経脈に病があるときで、しかも九候の脈に変化があるときで、繆刺と比べて相対的に深刺しをしろ
とあり、
繆刺の方は絡脈に病があるときなので、巨刺よりも相対的に浅刺しであるが、場合によっては刺絡しろ
と、あります。
・・・このようにあるんですが、古典におけるこの書き方に、僕的にはもう一つ納得できません。(笑)
だって、これだけだと、経脈に病があったって、絡脈に病があったって、それを患部の「反対側に」取る理由になってない。
おそらく、古代中国のえらーい先生が書いた、その部分の解説を読んでも、申し訳ないが、解説になってなくね?って話です。(笑)
右の絡脈に病があるなら、そのまま右の絡脈を治療すりゃあいいし、左の経脈に病があるなら、そのまま左の経脈を治療すりゃあよくね??、と思ってしまいます。(笑)
では何故、反対側を取った方がいいかというと、ここはあくまでも僕の私見ですが、内臓の位置をみれば分かるように、左右が全く対称な人間なんていない訳ですが、
健康人であればおおむね左右の平衡バランスは取れています。
ということは、人間にはそもそも気血の左右差を是正しようという力が備わっています。
それにより、全身くまなく、過不足なく、気血が行き渡り、健康が担保されるから、ですよね。
ですので、当然ながら、例えば左の経脈や絡脈が、何らかの病的な状態になると、右の経脈や絡脈にも気血の変動が起こるはずです。
で、普通であれば、直接、病的な状態になった経脈や絡脈をいじるのが常套手段でしょう。
左なら左を、右なら右を、と。
邪気を散らしてみたり、正気を集めてみたりね。
ところが、この常套手段よりも、病経の「反対側を」狙った方がいい場合というのは、患側(病的な経脈や絡脈)の反対側の経絡が、患側の経絡の異常を是正する「主体」になっている場合ではないでしょうか。
(ぼくはそうだと思っています。)
因みに、『黄帝内経』にも、左右差を調整することの重要性は諸篇に説かれています。
(素問では陰陽応象大論(5)離合真邪篇(27)繆刺論(63)、霊枢では官鍼篇(7)官能篇(73)あたりでしょう。)
日本でも、かつてわが地元である群馬におられた鍼灸師である赤羽幸兵衛(1895-1983)先生が、「シーソー現象」と称して、左右のバランスを調えることの重要性を説いておられます。
いずれにせよ、
「ではどういう時に、左右反対側を取った方が良いのか」
という診断学が重要であるわけです。
僕はそれは、「気の偏在度合い」で判断するようにしています。
(メディカルユーコン『鍼灸治療 上下左右前後の法則』 参照)
つまり、病的な状態になったのは左の経脈や絡脈だったとしても、全体として右に正気や邪気が偏在していれば、そっちを動かした方がより早く、
そして動きが大きい、と考えていますし、日々そう実感しています。
・・・とまあ、そんな風に考えて、細かいメカニズムにも注意しつつ、臨床では常に臨機応変に左右を選んでおります。
(因みにこの場合、”脈診”は非常にポイントになるように思います。)
なんか話がそれたけど、このシリーズ、とりあえずおしまい。
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2015.02.01
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これまでのお話
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 4
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 5
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 6
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 7
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 8
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 9 参照
では続きいきます!
ややあっちこっちに話がそれた感じがありますが、ここらで、このシリーズもいったん終わりましょう。
◆脳の鍼灸治療はどうやる??
ここまで、西洋医学、東洋医学における「脳」と「心の臓」のお話をツラツラとしてきました。
では実際に、東洋医学では脳の病気をどのようにとらえ、治療しているのでしょう。
1998年に出版された、
『中医脳病学』中国医薬科技出版
という本があります。
ここには、中医学における脳に対する考え方が総論で述べられ、脳病の各種の症状、治療法が各論で述べられています。
因みに治療法では、主に漢方薬が記載され、鍼灸での治療はほとんど書かれていませんが、ここはまあ、処方名を鍼灸での治療に読み替えて、そこから鍼灸での治療を考えることが出来ます。
因みに脳の異常として代表的な「脳卒中」については、以前少しだけ書きました。
脳卒中と鍼灸 その7 参照
まあ東洋医学では、脳の異常で起こった様々な症状に対しても、ほかの病と同じように、その病の表裏寒熱虚実の傾き、五臓六腑のアンバランスの程度、
気血津液の状況、正気と邪気の状況、邪気の種類などに注意を払って、総合的に陰陽バランスを調整していく、というのが常套手段です。
別に脳の病気だからと言って、なにか魔法の杖や、特別な方法論がある訳ではありません。
ただ、その患者さんに起こっている現象が「脳の異常」によるものなのかどうかの判断と、そのメカニズムに対する理解は重要だと思います。
それを明確にした上で、治療を進め、治療の可否を厳密に判断せねばなりません。
それをするのに、道教の考え方は参考になる面があります。
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2015.01.25
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これまでのお話
形のあるような無いような世界
形のあるような無いような世界 2
形のあるような無いような世界 3 参照
ではラストです。
まあこのように、東洋医学では、人体(というかこの自然の全て)を認識するにあたって、「気」という概念を設定しています。
この「気」という概念は、形あるものもないものも、全てこれで出来ている、というものです。
だから前回書いたように、有形と無形の存在はもちろん、”その間隙”まで”分け隔てなく遍満している”と表現することが出来るのです。
”何かを科学的に細かく細かく分類していく”というのは、例えるなら、多角形の角数を増やしていくような作業ではないでしょうか。
この角の数を増やすほど、どんどん果てしなく複雑化していきます。
三角形→四角形→五角形→・・・しまいには何千何百角形、という風に。
しかし、いくら角を細かくしても、所詮それは多角形であって、曲線でスムーズに繋がる”円”にはならないですよね。
(遠目には円や楕円に見えるかもしれないが)
まあ、円が「無限正多角形」なんて言われ、円周率πが永遠に続くように、円周の曲線というのは、直線で構成された多角形では割り切れない(分数で表せない)訳ですから、
18世紀のイギリスの建築家で造園家であるケントの「自然は直線を嫌う」なんていう有名な言葉があるように、古代中国人も、有形と無形の間の自由自在に、
変幻自在に姿を変えて往来する、自由奔放な「気」という概念でもって自然、人体について考えるのが、最もしっくりきた、ということでしょう。
で、そこに”陰陽”とか”五行”などの、”普遍的で実用的な法則性”を見出し、そこに一定の確かさがあれば、”気”の不調和や不通や不足などを、人為的に一定程度感知し、操作することも考えられるのです。
その仮説からの臨床実践の中で、現実的に有効であったものの、数千年にも渡る集積こそが「東洋医学(中国伝統医学)」です。
「気」でもって、自然を考える。
数千年前、古代中国人は、実際の自然現象をとらえるのには、この方がいい、と判断したんでしょうね。
そしてそれは現代でも、シブい輝きを放っています。
〇
ずいぶん昔、とある有名大学の工学部の教授をやっておられた患者さんから、治療中、非常にシニカルな雰囲気の言い方で、ニヤニヤしながら
「東洋医学の言う”気”って、なんですか?」
と、問われたことがあります。
当時僕は20代前半でしたが、その患者さんの、そのバカにしたような態度に頭に来ながらも、
「”気”っていうのは、東洋医学が考えた、人体に流れている、全身を正常たらしめるエネルギーのようなものです。」
とかいう風に答えたのを覚えています。
でも、その時はそこから先の、もっと深い説明が頭に浮かばず、非常に悔しかったのと、その患者さんも
「ふーん。。。」
と言いながら、こちらをバカにしたような態度のまま、非常に不満そうな顔をしていたのが、鮮烈に印象に残っています。
まあそれから、10年以上の歳月がたち、今では少しはこの医学の根本思想である”気”というものに対する理解が深まったかな、とは思います。
(まだまだ全然勉強不足ですが。)
東洋医学、鍼灸医学は気の医学。
気を動かすことが目的、というのであれば、その”気”が何であるか、キチッと言えないというようではおかしい。
もっと哲学を鍛えねば。
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2015.01.16
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前回のお話
では続きいきます。
前回言うように、東洋医学は、気の医学。
鍼や灸や薬(湯液)や、推拿などの手技療法や気功などといった、様々な方法で、
”人体を巡る「気」を動かし、人体の「陰陽」の不調和(あらゆるアンバランス)を調え、結果的に、もともと持っている治る力を最大限引き出し、あらゆる病を治す”
という医学です。
東洋医学が動かす(変化させる)対象とするのは、あくまでも「気」なのであり、西洋医学のように、臓器や神経や血管や、血液中の成分の各種の異常といった「形」を相手にするものでは、初めからない。
東洋医学的な各種の方法で、「気」を正しく動かした結果、上記のような「形」に劇的な、あるいは微かな変化が起こるということは実際にあるが、
最初から「形」を変化させる目的ではないことに注意が必要だ。
つまり、「気」が正しく動き、結果的に症状も改善したが、「形」には何ら変化が起こっていない、というケースもあるのだ。
我々にとって、治療の可否の効果判定は、「気」の動きの状態を示すあらゆる所見、つまり
脈や舌や腹壁の状況や背部の状況、顔面の色など
の状況から、総合的に判断する。
レントゲン所見やMRI所見、血液検査の結果は二の次となる。
(もちろん参考にはするが。)
西洋整形外科学の言う、脊柱管狭窄症という病気で、鍼治療を開始したら痛みなく歩けるようになったものの、MRI所見ではなんの変化もない、
というケースには、何度も遭遇したことがある。
続く
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2014.12.28
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これまでのお話・・・
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 2
精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 3 参照
では続きいきます。
ここまでで、「脳」と「心の臓」、どっちが精神、意識の中枢になるか、というお話を、日本と中国の、色々な学者さんや、医者の解釈を紹介しながら見てきました。
では、もともと、古代中国医学においては、これらがどういった位置づけだったのか、という話を、古典を参考に、再びちょっと考えてみようと思います。
まず、東洋医学における「心の臓」がいかなるものなのかについては、一般の方向けに、随分前にこのブログに書き連ねました。
「心」って何ですか?(その7)
「心包」って何ですか?(その6) 参照
上記を読んでいただければ分かるように、古代中国の医者にとっては、精神、意識というのは霊妙不可思議なものであり、人知の及ばない側面(※)があると考えていました。
【(※)”人知の及ばない側面”というのは、当時の最先端科学といってもいい、”気と陰陽”という認識論を持ってしても、理解できない概念である、ということです。】
そして、そういったものを「神(しん)」と名づけ、その”神”を、調節しているの中心機構が「心の臓」なのだ、という理解なのです。
では、「脳」の方はどうでしょうか。
脳については、このシリーズの最初に書いたように、『黄帝内経 素問 五蔵別論(11)』に、脳が”奇恒之腑(きこうのふ)”として紹介されていますし、
また、『黄帝内経 霊枢 海論(33)』には、脳のことが”髄海(ずいかい)”として紹介されています。
これをもう少し詳しく解説すると、「脳」というのは奇恒之腑でありますが、奇恒之腑というのは脳の他に、
「骨(こつ)」「髄(ずい)」「脈(みゃく)」「胆(たん)」「女子胞(じょしほう)」
の5つがあります。
(ちなみに奇恒の府の中の”胆の腑”は、五臓六腑の中のひとつでもあり、胆の腑については以前解説しました。
この、奇恒の府の中の「髄(※)」が集まって、塊状になったものが「脳」である、という考え方から、「脳」のことを「髄海」と呼ぶのです。
【(※)・・・東洋医学の言う「髄」というのは、骨の中に入っている、骨格と脳髄を養う重要なエキスのようなもので、腎の臓と関わりが深い】
そして、
”人はまず脳から生じる”
といって、東洋医学では、発生学的に、人間の体はまず最初に「脳」から生じる、出来ていく、と、考えられていたようです。
(『黄帝内経素問』奇病論(47)の全元起注「・・人先生於脳.・・」、『霊枢 経脈篇(10)』「黄帝曰.人始生.先成精.精成而腦髓生.」)
そう考えると、拡大解釈すれば、体の中で、脳という部位には、母胎からの根源的な気が最も充満している、とも拡大解釈できます。
この考え方は僕的には結構重要に思えまして、のちに道教徒が、
「脳から気を漏らしてはいけない、真気が脳に充満していれば邪に侵されない」
とか、
「頭上から真気が立ち昇り、大宇宙の気と交感する」
とかいう考え方や、”三丹田説”というものにも、繋がってくるように思うのです。
続く
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