東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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総合と総体 3

2016.12.11

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これまでのお話

 

総合と総体 1

総合と総体 2   参照

 

 

 

前回、東洋医学と西洋医学とでは、そもそもの自然や人間に対する見方考え方が違う、というお話をしました。

 

 

「そもそも」が違うから、東洋医学の場合は人間の体を考える時に「五臓六腑」とか「十二経絡」なんていう、西洋医学的な人体には「ない」存在、概念が設定されるのです。

 

 

・・・で、中国では3000年前からその考えでやってるし、日本でも、その考え方が6世紀以前に仏教とともに大陸から伝来し、以降、江戸末期まではその考え方でやっていた、という訳です。

 

 

ところが、江戸時代に、西洋(オランダ)から蘭学が伝来し、徐々に日本国内に西洋医学の考え方、やり方が広まり、徐々に東洋医学の考え方に懐疑的な医師も増えてきました。

 

 

そして、時代が流れていく中で、明治維新を機に、「近代化」という名の西洋化によって、ほとんど西洋医学一辺倒の医療体制に変化した日本の中で、昭和初期、

 

「古典に還れ」

 

と号令(実際にそう仰ったわけではないとか)をかけた柳谷素霊先生たちを中心として、東洋医学(とりわけ古典的、伝統的な考え方に基づく鍼灸医学)の復興運動が起こってきました。

 

(因みにややこしいので、ここでは語らないけど、漢方の方は漢方の方で、また別の動きがありました。)

 

 

しかしその動きも、1945年の敗戦後、GHQの「鍼灸禁止令」と言ってもいいような政策によって、さらに追い打ちをかけられます。

 

 

そして、昭和20年代、日本が占領下から主権を回復した昭和27年に、表立って「経絡否定論」を唱える人物が現れました。

 

(それもかなり強い口調で(笑))

 

 

それが1952年(昭和27年)、今でもある『医道の日本』という業界誌上で、米山博久という人物がぶち上げた「経絡否定論」です。

 

医道の日本社 公式ページの中でも紹介されています→こちら 

 

(因みに、実は『医道の日本』誌のルーツは柳谷先生にあるということは、以前書きました。柳谷素霊という人物 参照)

 

 

まあ、この論考をよく読むと、米山先生の真意は、経絡肯定論者を排斥、攻撃することが目的なのではなくて、鍼灸師が、国民の医療として鍼灸医術の市民権を得ていこうとするなら、

 

もっと客観性、一般性を意識するように、と、過激な手法で訴えた、とも読めます。

 

 

事実、米山先生はその後、西洋医学の限界性も強く訴えているようです。

 

 

まあともかく、この論文の中で、

 

「脈などを診て、大真面目に診断している人の気が知れない。」

 

とまで言ってのけ、当時、日本東洋医学会の創立メンバーの一人であった龍野一雄先生と激しく対立しました。

 

 

この問題に関連して、蓮風先生もいつだったか、

 

「”経絡や経穴なんてない、だからそれを基に診断治療している鍼灸師なんて、全員インチキだ!”という主張をする人間が出てきても面白い。(笑)」

 

と、仰っていたことがありました。

 

 

何でもそうだけど、極端な発言をした方が、良きにつけ悪きにつけ、賛否両論を巻き起こして、盛り上がるんだよね。

 

 

最近でも、トランプさんの色々な問題発言が話題になってたけど、ああやって暴言吐くと、それに関して論争が巻き起こって、そこから話が前に進む場合があるのですね。

 

(めんどくさいから、当事者にはなりたくないけど。笑)

 

 

 

続く

 

 

 

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中医学の成立した歴史的背景

2016.10.06

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昨日、学校で「中医学の成り立ち」について講義した。

 

 

毎年、このテーマで講義している。

 

 

中医学、中医学とよく言われるが、正確に理解している学生の、何と少ないことか。

 

 

毎年毎年、講義内容をアップデートするたびに、周辺知識が増えてきて、要点をまとめて話すのが大変になる。(苦笑)

 

 

アヘン戦争以降の、清国(当時の中国)の悲惨な運命。

 

 

その国内情勢の変化に合わせて、変容していかざるをえなかった伝統医学。

 

 

初代ドイツ帝国宰相、ビスマルク(1815-1898)の、

 

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

 

という言葉はあまりにも有名ですが、何故、現代で我々は東洋医学をやっているのか、何故、現代の東洋医学の現状はこのようになっているのか。

 

 

東洋医学の価値は?

 

 

本当に現代において、国民の医療として必要なのか??

 

 

必要なのであれば、それはどうしてか?

 

 

必要なのに、なぜ今、こういう位置づけなのか?

 

 

この問題を詰めて考えていくと、近現代の日本史に対する理解が必要になり、さらにはその日本史を取り巻く、近現代の世界史への理解が必要になり、

 

ひいては、この500年くらいの世界の歴史と、医学史まで、キッチリと踏まえる必要がある。

 

 

本質としては変わらなくても、医学医療は、政治経済の変動変化の影響を、確かに受ける。

 

 

日本国の医療が、現在の様に圧倒的西洋医学偏重路線に変容したのには、それなりの理由がある。

 

 

新中国(中華人民共和国)が”現代中医学”をまとめ上げたのにも、現在、世界的な復権、復興運動をやっているのにも、それなりの歴史的背景がある。

 

 

そういうことを知らずして、教壇に立ち、鍼灸医学を説くわけにはいかない、と考えている。

 

 

ただまあ、「歴史観」というのは、いきおい、自分の個人的な主義主張と相まって、偏った見解を持ちやすい。

 

 

そこは気を付けていないといけない。

 

 

真の鍼灸医を目指すなら、多角的、多面的に見て、より妥当性の高い歴史観、医学史観を持った上で、より強固な鍼灸医学を、言行の根底に据えるべきだ。

 

 

 

その方が、結果的に治療効果が上がる。

 

 

 

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東洋医学は宗教か。 9

2016.08.28

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これまでのお話

 

東洋医学は宗教か。

東洋医学は宗教か。 2 

東洋医学は宗教か。 3

東洋医学は宗教か。 4  

東洋医学は宗教か。 5

東洋医学は宗教か。 6 

東洋医学は宗教か。 7 

東洋医学は宗教か。 8  参照

 

 

さて、どんどんいきましょう。

 

 

◆吉益東洞先生の医学

 

 

前回、日本や諸外国でも、医学と宗教はもともと一体のものであったのが、近代になるにしたがって「体」の問題は医学が、

 

「心」「魂」の部分は宗教が、という風に役割分担が出来てきた、しかし「医学」「宗教」の距離は今でも近く、

 

今でもややあいまいな部分すらある、というお話をしました。

 

 

しかしながら、我々は現代日本の医療人、社会人です。

 

 

いくら日本人は様々な宗教に対して鷹揚であるとは言っても、近年の一部のカルト宗教に対するマイナスイメージが、

 

総合的、全体的には強いでしょう。

 

 

しかも、東洋医学、特に鍼灸医学は、国民皆保険制度の中でも立場が弱い。

 

 

そうした中で、社会人、医療人、東洋医学の鍼医者として、どうあるべきか。

 

 

患者さんが安心してかかれるように、また、これから東洋医学を学ぶ人が安心して学べるようにしていかなくてはいけないと思います。

 

 

ここで、一つの参考として、以前私も墓参し、このブログ上で人物紹介した、江戸期の名医、吉益東洞先生の考え方を紹介します。

 

吉益東洞(よしますとうどう)について

墓マイラー3             参照

 

(そう言えば僕の墓マイラーのきっかけになった、蓮風先生の勧めも、吉益東洞でしたね。何か意味があるのかもしれません。。。)

 

 

この先生は、当時としては革命児的な存在で、かなり極論をぶって、医学界に論争を起こしたことでも有名なんですが、僕が好きなのは、

 

「俺たちは医者だろ?治してナンボだろ??」

 

という彼の主張です。

 

 

ゴチャゴチャと理屈ばっかりこねて、お高くとまって、結局は治せない、当時の医者を、バッサリと断罪したのです。

 

 

1759年、彼が57歳の時に書いた『医断』という本は、当時の医学界に大論争を巻き起こしました。

 

 

そして10年後の1769年、彼が死の3年前、67歳の時に書いた『医事或問』という本は、その論争を受けて、反論を十二分に咀嚼し、

 

彼自身の考えをまとめた本です。

 

 

そしてその内容は、『医事或問』が出版されてから約150年後、当時の政府によって東洋医学が排斥されていた、東洋医学にとっての暗黒期である明治の末期に、

 

和田啓十郎先生に大きな影響を与え、『医界之鉄椎』という本の出版に連なり、それ以降の漢方復興運動の端緒となりました。

 

和田啓十郎という人物

墓マイラー 39  和田啓十郎先生    参照

 

 

今から250年前に書かれた本が、今から100年前の超アツい先生に影響を与え、それが現代でも大きな影響を持っているとは、

 

歴史って素晴らしい。

 

 

僕らでは想像も出来ないようなアツいアツい先生たちが、ちょっとづつちょっとづつ積み上げて、作って来たんですよ、今を。

 

 

それをよくよく考えるべきですね。

 

 

・・・まあ前置きが長くなりましたが(苦笑)、そこに何が書いてあるかというと、問答形式で色々なことが書いてあるのですが、一番有名なのは

 

「生死は知らぬ。」

 

という吉益東洞の文句でしょう。

 

 

これは、吉益東洞の医学の核心部分とも言われます。

 

 

普通に聞いたら、

 

「え!?なんで?医者なのに??」

 

と思う人が多いと思います。

 

(当時もそう思う人は一定数いたようです。)

 

 

これを簡単に略して言えば、

 

「生死というのは天が司るところで、医者がこれに拘ったり恐れたりすると、迷ってしまって正確な治療が出来ない、

 

しかし、これが本当に理解できると、迷うことはない。本当の医療が行える。これを心に覚悟しないものは、医者とは言えない。」

 

とまで説きます。

 

 

患者さんの死を前にして、妙にうろたえたり、どうにか死なないようにと考えて、治療でないことをするならば、それは医者ではない、というのです。

 

 

生き死にの問題は天、病気治しは医者、と喝破したわけです。

 

 

いわゆる「姑息的な対症療法」でお茶を濁すことが蔓延する現代にも、非常に重く響く、厳しい言葉だと思います。

 

(まさにこの考え方が”医界之鉄椎”の引き金になる訳です。)

 

 

でも、中途半端な医者がこれを教条にしてしまうのは、実に危険なのでご注意を。(笑)

 

 

こういうスリリングさ、主張の激しさが、吉益東洞の魅力でもあります。

 

 

続く

 

 

 

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舛添さんの謝罪会見 3

2016.06.13

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舛添さん、徹底抗戦しております。(苦笑)

 

 

まあなんか、別荘を売るとか、給料を減らすとか言ってますけど、都民からすると、

 

「いやー、そういうこと言ってんじゃないんだよなー。。。」

 

という感じでしょう。

 

 

ただまあ、絶対に今のポジションに居座る!居座り続けるんだー!!それが俺の人生設計なんだー!!!という、

 

男の気合いのようなものはヒシヒシと感じます。(苦笑)

 

 

たけしさんが言っていたようですが、そういう部分(意思を曲げない強心臓)は今の若者にウケるんじゃないか、という気が、

 

じゃっかん本当にしますし、僕もそう思います。

 

 

まあ、舛添さんの一件から学ぶとすれば、そこでしょうね。

 

 

しかしまあ、税金の使い道にザル法があるなんて、日本ですねー。。。

 

(コワイコワイ)

 

 

舛添さんが今後一生かけて、政治資金規正法を改革する運動を起こせば、みんな納得するんかな。

 

(もはやそれでもしなそうですね)

 

 

最近、幕末から明治について考えることが多いのですが、今の世の中は武力によるクーデターは無理な訳で、この民主主義の世の中を本当に劇的に変えようと思ったら、

 

政治家の中に、強烈な壊し屋が出てこないとですねー。。。

 

 

・・・出てこないかなー☆☆(*‘∀‘)

 

 

 

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補瀉 44

2016.04.13

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これまでのお話・・・

 

 

補瀉 1 補瀉の定義と『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の補法 

補瀉 2 『黄帝内経素問』調経論(62)の補法

補瀉 3 『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の補法

補瀉 4 『黄帝内経霊枢』官能萹(7)の補法

補瀉 5 『黄帝内経霊枢』邪客萹(71)の補法

補瀉 6 『黄帝内経霊枢』小鍼解篇(3)の補法

補瀉 7 『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形篇(4)の補法

補瀉 8  『黄帝内経素問』刺志論(53)の補法

補瀉 9  『黄帝内経霊枢』終始萹(9)の瀉法

補瀉 10 『黄帝内経霊枢』小鍼解萹(3)の瀉法

補瀉 11 『黄帝内経素問』八正神明論(26)の瀉法

補瀉 12 『黄帝内経素問』調経論(62)の瀉法

補瀉 13 『黄帝内経素問』刺志論(53)の瀉法

補瀉 14 『黄帝内経素問』離合真邪論(27)の瀉法

補瀉 15 『黄帝内経』の補法まとめ

補瀉 16 『黄帝内経』の瀉法まとめ

補瀉 17 『難経』71難における補瀉

補瀉 18 『難経』76難における補瀉

補瀉 19 『難経』76難における補瀉の続き

補瀉 20 『難経』78難における補瀉

補瀉 21 『難経』79難における補瀉

補瀉 22 『難経』における補瀉まとめ

補瀉 23    孫思邈(そんしばく 541~682)の『備急千金要方』『千金翼方』の補瀉

補瀉 24   金代、何若愚 撰『子午流注鍼経』における補瀉

補瀉 25     金代、竇漢卿『針経指南』における補瀉

補瀉 26     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉

補瀉 27     明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その2

補瀉 28   明代、楊継洲(1522-1620)『鍼灸大成』における補瀉 その3

補瀉 29     明代、李梃『医学入門(1575)』における補瀉

補瀉 30   明代、高武『鍼灸聚英(1529)』における補瀉

補瀉 31   現代中医学における補瀉

補瀉 32     日本における補瀉の受容

補瀉 33    『針道秘訣集』における補瀉

補瀉 34    『杉山真伝流』における補瀉 1

補瀉 35  『杉山真伝流』における補瀉 2

補瀉 36     永田徳本(1513?-1630?)『鍼灸極秘伝』『徳本多賀流針穴秘伝』の補瀉

補瀉 37   『杉山流三部書』における補瀉 

補瀉 38     岩田利斉『鍼灸要法』における補瀉

補瀉 39    岡本一抱『鍼灸抜萃大成』における補瀉 

補瀉 40    本郷正豊『鍼灸重宝記』における補瀉 

補瀉 41  菅沼周桂(1706-1764)『鍼灸則』における補瀉 

補瀉 42  石坂宗哲(1770-1841)『鍼灸茗話』における補瀉 

補瀉 43  坂井豊作(1815-1878)『鍼術秘要』における補瀉             参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

 

ここまでで、ザックリと江戸期の日本鍼灸古流派の色々な先生方における、「補瀉」に対する考え方を紹介してきました。

 

 

実に百花繚乱でしたね。(笑)

 

 

まあ、江戸期にはまだまだ、紹介したい流派や考え方は山ほどあるんですが、キリがないので、ここではこのぐらいにしておいて、

 

また何か機会があったら、その都度紹介していきましょう。

 

 

さて今日から、明治以降、現代までの話しに入ろうと思います。

 

 

明治時代は、我々東洋医学にとっては、受難の時代でした。

 

 

明治政府はとにもかくにも近代化(という名の西洋化)を進め、そして欧米列強に対抗していくための富国強兵政策に舵を切った中で、

 

残念ながら医学も西洋化ということで、東洋医学は廃止路線、となりました。

 

 

西洋医学を修めた者のみが、医師として診療行為を行うことが出来る、という法制度に変わりました。

 

(明治7年(1874)、医制)

 

 

当然、この動きに対して、”温知社”という団体を中心とした全国的な漢方医学存続運動も展開されますが、明治28年(1895)、

 

漢医継続願は僅差で否決されました。

 

 

これにより、日本における東洋医学と、それを実践する医者たちは、いよいよ厳しい立場となりました。

 

 

しかし、その中にあっても、僅かでしたが、強く、漢方、鍼灸医学を続けた人物たちはおりました。

 

 

◆澤田流における補瀉 

 

 

そこで今日は、以前このブログでも紹介した、澤田健(1877~1938)先生の澤田流における補瀉を見てみようと思います。

 

澤田健という人物

墓マイラー11

”澤田健”を含む記事   参照

 

 

この先生は、昭和に登場した鍼灸医です。

 

 

明治から大正、昭和初期の時代には、上記のような時代背景から、鍼灸治療がなぜ効くのか、という問題を、西洋医学的に説明しよう、という動きが主流でした。

 

 

ですので、あまりこの「補瀉」という、 ”気の存在”を前提とした議論は出てこなかったようです。

 

(詳しい人、何か面白い言説があったら教えてくださいねー☆)

 

 

その中にあって、「鍼灸の名人」として颯爽と世に登場したのが澤田健先生です。

 

 

澤田先生はもともと柔道の先生でもあり、最初、朝鮮半島で接骨院を開業しており、後に日本に帰って鍼灸の名人として成功します。

 

 

1927年(昭和2年)に出版された、中山忠直という人が書いた『漢方医学の新研究』 という本の中でも紹介されて、非常に有名になりました。

 

(実はこの本は、北辰会の奥村裕一学術部長にも大きな影響を与えた本だったりします。)

 

 

そして、澤田先生が診療中に言ったことを、弟子である代田文誌先生がまとめた『鍼灸真髄』という本の中に、”補瀉”について書いてあります。

 

 

そこには、

 

「基本的には鍼は瀉、灸は補。急性で実証には鍼で瀉法、慢性で虚証には灸で補法がよい。(P135 補瀉の説)」

 

と書かれており、また、

 

「・・・ここにあるものをあそこでとり、あそこにあるものをここでとる、それが補瀉迎隨です。・・・中略・・・、

 

例えば腰の病を、腰に鍼して邪気を追い出したら、今度は足に鍼して邪気を抜くということです。(P207 補瀉迎隨)」

 

ともあります。

 

(抜粋省略 by 竹下)

 

 

まあ、この記載だけではなかなか評価することは出来ませんが、要するに澤田先生は、補瀉の瀉については実邪を散らすこと、

 

補については正気を集めること、とオーソドックスに認識し、補瀉迎隨については、操作した正気と邪気の動きを、

 

よりスムーズにする方法、という風に認識していたことが分かります。

 

 

そして、そのことが分かるのにずいぶん苦心した、と書いています。

 

 

澤田先生ほどの人物がそう言うのですから、補瀉を理論的、感覚的に完璧に一致するところまで理解するのは、

 

相当難しい、ということが分かりますね。

 

 

 

続く

 

 

 

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男女の生命力

2016.02.05

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こないだ、学生から問われました。

 

「女性の方が寿命が長いのは東洋医学的にどう考えられますか?」

 

と。

 

僕は、

 

「知らんがな。」

 

と答えました。(笑)

 

 

男性と女性では、言うまでもなく生理的特性が違う。

 

 

女性は妊娠、出産できる。

 

 

そのことについては、東洋医学では細かく説明している。

 

 

男性は平均値から見れば、基本的な運動能力が女性よりも高い。

 

 

でもこれはあくまでも平均値の話しであって、運動能力の低い男性も、運動能力の高い女性もいる。

 

 

また、細々した身体的特徴にも違いがある。

 

 

これについても、東洋医学では説明している。

 

 

平均寿命は女性の方が長い。

 

 

このことから、女性の方が生命力が強いと言えるか。

 

 

男女の生命力については、遺伝学的にXY染色体の見地からあれこれと論じてみたり、ストレスに強いとか痛みに強いとか、色々説明している人がいるらしいです。

 

 

また、東洋医学の本の中には、

 

「女性は月経があるから血虚になりやすい」

 

などという、トンデモ解説をしてある本もあるらしい。。。(苦笑)

 

(因みに僕は、この解釈はまったく間違っていると思っています。女性にとって月経はごく自然な生理現象であり、それをもって血虚になりやすいなんてことはありません。)

 

 

・・・ま、畢竟するに、あんまり面白くない話題ですね。(爆)

 

 

僕的な結論は、

 

「別に、人間としての大枠は大して違わないんで、一人一人に合わせて陰陽調整して、治療すればよくね?」

 

で終了です。

 

 

「男女」「ヒト」です!

 

安藤昌益(あんどうしょうえき)という人物 参照

 

 

人間の生命力の堅脆なんてのを、平均寿命の男女比較で考えるという発想が、実に西洋医学的。

 

 

 

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求人募集中!!!

2015.10.03

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清明院では現在、求人募集しております。
 
 
募集内容の詳細は以下の通りです。
 
 
(※本記事の内容は、2024年秋冬時点のものです。)
 
 
 
 

◆必要資格

 
 

鍼師、灸師、按摩マッサージ指圧師の国家資格を「必ず3つ全て」持っており、東洋医学的な鍼灸治療や、在宅医療に興味のある、優しく、真面目で、健康な方。

 

(学生であっても、3年生で、成績優秀でやる気があれば、特別に見習いとして雇用する場合があります。)

 

 

◆年齢

 

ヤル気のある、20代~30代までの方を希望します。(男女不問です。)

 

 

◆条件

 

アルバイトでも、常勤でも、相談に応じます。

 

なるべく常勤を希望します。未経験や、経験が浅い場合は、アルバイトは不可とさせていただきます。)

 

(なお、体験入社として、就職することを前提に、往診事業部スタッフの往診に同行して頂くことも可能です。)

 

 

◆給料

 
 

常勤の場合、最低月給25万円。アルバイトの場合、最低時給1200円。あとは経験、能力に応じます。

 

 (臨床未経験者の場合、最低でも最初の3か月間は研修、試用期間とし、月給20万円とします。)

 

 (経験者であっても、学術のレベルに応じて、着任後3か月~6か月程度は研修期間とする場合があります。)

 

 

通勤交通費は基本的に全額支給しますが、月の通勤交通費の合計が2万円を超える場合は要相談となります。

 

 

 

◆待遇、昇給、福利厚生等

 
 
完全週休2日制(日曜日+平日1日公休)、仕事ぶりに応じて昇給あり。
 

・常勤社員は社会保険、厚生年金、雇用保険、労災保険完備。

 

・院内勉強会(東洋医学、在宅医療)、実技指導、研修教育制度有り。

 

 (当院のスタッフは、院長をはじめ、鍼灸学校で教鞭をとっている鍼灸師もおります。)

 

・年に一回、社員旅行有り。(過去に沖縄、奄美大島など。入社二年目より参加可能。)

 

・年末年始、夏季、GWに連休有り。

 

・協会提携の保険会社にて所得補償保険(任意)、賠償責任保険(弊社負担)加入。

 

・慶弔休暇・有給休暇・産休・育休制度あり。

 

 

 

◆業務内容

 

1.往診(患者宅、あるいは介護施設)による鍼灸マッサージ治療、リハビリ訓練、運動療法等。

 

 (当院の往診患者の多くは鍼灸治療のみか鍼灸治療併用です。治療に関して、学・術両面からサポートします。)

 

2.院内診療助手(弁証問診、体表観察カルテ記入、施灸、刺絡の助手、受付業務、電話対応、ベッドメイク等)。

 
 
 
◆清明院で学べること
 
 
1.東洋医学、伝統鍼灸の臨床と、それに付随する内容全般
 
2.北辰会方式鍼灸治療(中医鍼灸弁証論治学、体表観察の学術、撓入鍼法、打鍼、古代鍼、刺絡、施灸法など)
 
3.健康保険を活用した訪問鍼灸マッサージ事業のノウハウ
 
4.重症、難治性疾患の患者への鍼灸での対応に関して
 
5.医師(開業医、総合病院)、薬剤師その他、医療・介護系の多職種との連携のノウハウ
 
 
 
◆清明院の歴史
 
 
2009年、院長+スタッフ1名にて、ベッド5床のスペースで開業。
 
2011年、患者数増加に伴い、スタッフを増員。
 
2015年、患者数増加に伴い、スタッフを増員し、ベッド9床のスペースに移転。
 
2017年、法人化(株式会社 清明院)。
 
2020年、医師との連携を強化し、医師の研修受け入れ開始。(2024年現在までに、5名の医師が研修)
 
 

現在に至る。

 

 

 

◆臨床経験者、普通自動2輪の免許を持っている方を優遇します。

 

 

興味のある方、質問のある方は、

 

お電話 03(6300)0763

 

あるいは

 

メール seimeiinn.advertising@gmail.com

 

まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

事前に履歴書にて書類選考の上、面接させていただきます。

 

 

清明院は、外来診療部門では、徹頭徹尾東洋医学的、伝統的な鍼灸治療をメインにしながら、医師(西洋医学の各科および漢方医)と連携し、健康保険を活用した在宅診療部門も併設しているという、全国的にみても、ほとんどないスタイルの治療院です。

 
 

本格的な東洋医学を日々勉強しながら、自分自身も毎日患者さんが診ることが出来て、給与面でも一般企業並みの待遇も受けられるという、本気で確かな技術、知識、経験を磨くには最高の環境だと思います。

 

 

当院で数年間勤めて、その後に開業した先輩の先生達は、全国各地で、伝統鍼灸の鍼灸院を盛業しております。

 

 
 
では、ご応募お待ちしております!!
 
 
 
 
 
採用担当 竹下
 
 
 
 
 

婦人科疾患の患者さん

2015.08.02

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とある婦人科疾患の患者さん。

(さらに…)

食ってるのに痩せる

2015.07.28

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「太る」ということは、食い過ぎてるということ、と考えるのが普通。

 


だから、痩せようと思ったら、食べる量を減らすこと、と考えるのが、ごく普通。

 


その上、運動量を増やして、消費カロリー数を上げれば、もっと効率的に痩せる筈、と考える。

 

 

一見正しいようだが、これは万人に当てはまるものでもないようだ。

 

先日も、その公式に当てはまらないものがあった。

 


食べまくっているのに、なぜか痩せてきた。

 


これはどういう事か。

 


別に、運動量を増やしたわけでもない。

 

なぜか、よくよく考える。

 

答えが分かった。

 

この場合は、清明院で鍼を始めてからそうなったという。

 

鍼を始めて、消化力、解毒力が上がったのだ。

 

結果的に、少々食い過ぎをしても、痩せやすい身体になった。

 

 

発汗量、排尿量、排便量、また、それらの効率が上がっている訳だ。

 

 

・・・とまあ、このように、清明院は、”中から美容鍼灸”でやっております!(笑)

 

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ついてない時

2015.07.02

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どういう訳だか、アンラッキーが続くときがある。

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