東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「エビデンス」!?

2010.05.14

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皆様、今流行りの(笑)「エビデンスベイスドメディスン」という言葉、御存知でしょうか?

 


知らない方は
こちらをどうぞ(wiki)

 

また以前、スタッフがまとめてくれました。

 

スタッフブログ『清明なる日々』 カテゴリ「EBM」 参照

 


この考え方については、なるほど確かにね、と思わされる部分が多く、僕自身、積極的に取り入れるべき考え方だな、と思う面もあります。

 


・・・今日、往診中にとあるドクターとかち合いました。

 


僕も長いこと往診というものをやっているので、ドクターとかち合うことなんて大して珍しくはないのですが、今日かち合ったドクターとは少ししゃべりました。

 


普通は、往診でドクターとかち合うと、お互いに”譲り合って”

「あ、先生先にどうぞ。」

すると、

「いえいえ、そちらこそどうぞ。」

 


・・・みたいな感じで、お互い西洋と東洋で畑違いなんだから、変に口出したりしないで、見て勉強しよっと。

 


みたいな感じにになることが多いのですが、今日の患者さんはちょっとケースが違いまして、面白かったので書こうかな、と思います。

 


今日の患者さん(70代男性)はお伺いした時、発熱していました。(39.5度)

 


もともと脳梗塞でほぼ寝たきり状態の患者さんです。

 


ご家族に話を聞くと、今朝の段階では何ともなかったらしいのですが、昼にちょっと食欲がないかな、と思ったら、そのあと少し寒気を訴えたので、

 

熱を計ってみるとすでに高熱が出ていた、とのことでした。

 


そしていつも往診で来ている主治医の先生から、薬をもらって、すでに飲んだけど、下がらない、そこで今度はリハビリ訓練で往診スタッフを派遣している病院の先生が、

 

心配して診に来た、という状況でした。

 


僕としてはこの時点で、東洋医学的には様々な病が想定できます。

 


それぞれに治療法もあります。

 


さーて脈でも診てみるか、と思っていると、そのドクターが、

「高熱が出ている時に鍼をするんですか??」

と、不審な顔で聞いてきました。

 

 

僕が、

「ええ、東洋医学ではそういう時の対処法もはるか昔からあります。」

と答え、さらに患者さん自身に対して、

「お父さん、東洋医学で、熱が下がる、早く楽になる、と言われている鍼のやり方があるんだけど、やってみたいですか?」

と聞くと、

「うん。」

とのこと。(笑)

 

 

そして、いつも通り治療いたしました。

 


置鍼中、そのドクターが、何とも言えない表情で、

「まあ鍼もいいんでしょうけど、エビデンスがちょっとねー・・・。」

と、話しかけてきました。

 

 

僕は内心は、

「3千年以上も連綿と続いている方法論に対して、今さらエビデンスもへったくれもないんじゃないかなー・・・。」

と思いつつも、

「確かにねー。エビデンスが明らかになると、もっといいんでしょうけどねー・・・。」

な~んて言いながら、治療を終えました。

(実はまだまだ書きたいことはあるんだけど、誤解を招くのが嫌なんで、こんぐらいにしときます。)

 


あのねー、一つ言うと、鍼が本当に効くのかとか効かないのかとか、そういう議論、僕ら現場の臨床家から言わせれば、ちょっともう”どうでもいいよ”と感じる部分がねー、正直あります。

 


・・・だって効くんだもん。(笑)

 


効くからこそ、数千年もの間、「患者さん」の支持を得てきたし、それに人生を捧げる医者もたくさんいたワケでしょ?

 


効くと分かってるものを何で今さら「現代科学的に」あるいは「現代統計学的に」検証しないと信用できないんでしょ?

 


そうやって検証したら、鍼というものが今よりよく効くようになるんでしょうか??

 


・・・この辺は、言えば言うほど誤解を招く可能性があるんで、ま、いーや、明日も効く鍼を打ちます!!(笑)

 

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「肝(かん)」って何ですか?(その1)

2010.04.28

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最近、というかずいぶん前から、初診の患者さんで、

「病院で”ストレスでしょう”って言われて、湿布と痛み止めしかくれなかったんです・・。」

という話を聞くことがあります。


患者さんはこれを言われるときついんですよね。

・・・だってそんなん、どうしようもないからです。

で、その痛みが取れなかったら、

「心因性のものだから・・・。」

とか、

「”うつ病”が心配だから・・・。」

と、心療内科に回されて、今度は向精神薬なんかがドシドシと処方されます。

そして、それでも症状が取れないと、さらにドシドシと薬が増えて、気がつくと精神安定剤と痛み止めを10種類以上も飲んでいた、

でも症状は以前よりも悪化している、なんていう患者さんを、たまに見かけます。

いくら、会社の人間関係が辛い、家庭の問題が辛い、友人、恋人関係が辛い、会社が傾いた、毎日借金取りが来るetcetc..

な~んて言っても、なかなか自分の力でそれをどうにかすることなんて出来ませんわな。

しかし、どんなに、はたから見てきついであろう、大変だろう、と思われる環境の中にあっても、なんの症状もない人もいます。

・・・ということは、確かに環境に一因はあるかもしれないが、それが全てではなく、そのきつい環境の中にいる、

「その患者さん自身の側」

に、もともと何か問題があるのではないか、という事が考えられます。


東洋医学では、そこを是正しようとします。


そこを正すことによって、外的な精神的ストレスと、その人自身が上手に付き合えるようになればよい、と考える訳です。


外的な強いストレスにさらされても、その影響がカラダにさほどでなければ良いワケです。

 

カラダが変わればココロが変わる、で、心身が変われば周り(世界の見え方感じ方)が変わり、結果的に環境が変わり、健康に生きられるようになる、という「ポジティブな変化」を狙う訳です。

 

・・・そこでよくポイントになるのが、五臓の中の「肝(かん)」という臓です。

(何度も何度も言うけど、西洋医学の肝臓=liverのことじゃないですよ!)

「肝」については、このブログでもたびたび登場している割に、「肝」自体に関する説明が今までなかったので、ここらで説明しようと思います。


でも前置きが長くなっちゃったので、次回はこの続きから・・。(笑)

 

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頭を抱える・・

2010.04.20

まずはこの記事をご覧ください。

向精神薬、生活保護者に入手させネット転売

・・最近、多いですね。生活保護の制度を利用(悪用)した犯罪。こういうニュースの度に思いますが、コレには幾つもの問題が重層的に絡んでいますねえ。

上記のニュースを例にとって考えれば、まずは不景気。要はこれがあるから、失業者が増え、生活保護世帯が激増する訳ですね。

普段患者さんの話を聞いていて思いますが、不景気に負けない「気合い」を持って、社会生活を送る、ということは、多くの人たちにとっては、大変しんどいことのようです。

僕もしんどいのでよく分かります(笑)

次に高齢化。高齢者でも、身寄りのある人はいいけども、ない人は当然体が言うこときかないから仕事できない、年金暮らしはきついし、医療費もかかるから医療費が無料になる生活保護を申請・・・。

核家族化が進み、全国的に「寂しい」お年寄りが増えています。何とか出来ないものか・・。

 

これは大変難しい問題ですね。

大きなものとしては上記の理由から、今後も生活保護世帯は増加の一途でしょうネ・・。中には、財産があるのを「隠して」でも生活保護を受けようとする人もいるようです。

なんていう時代なんだろう・・・。

僕も仕事で、新宿や渋谷の福祉事務所に伺うことがこれまでに何度かありましたが、そこで見た混雑の凄さから見て、制度そのものを考え直さない限り、この流れは止まらんでしょう。

そして、うつ病をはじめとした、精神疾患患者の激増。これについては、様々な原因が考えられていますが、僕個人としては、意外と社会環境がどうとか言うよりも、その個人の内面にすでにして問題がある場合が多いように思えてなりませんが・・。

冒頭の記事の犯人は、この2つを利用してお金を儲けようとした、という訳です。

こんなことが、いつまでもいつまでも、繰り返し繰り返し続くようだと、日本の未来って、どうなんでしょ??

不景気で心を病んだ日本人にも、寂しい高齢者にも、それらを利用して悪だくみする輩にも、心身一如の「東洋医学」が必要に思えてなりません。

(何故か今日のブログ、太字になってしまった・・・。PC難しい・・。)

 

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鍼灸には保険が効かない!?(その5)

2010.03.26

これまでのお話


鍼灸には保険が効かない!?(その1)

鍼灸には保険が効かない!?(その2)
鍼灸には保険がきかない!?(その3)
鍼灸には保険が効かない!?(その4)


 

ここまでのお話では、「日本」における鍼灸の保険制度の現状を軸にしてお話を進めてきました。

 


ここらで、「海外」の現状を調べてみましょう。

 


いかに「日本」という国の医療制度がおかしいか、お気づきになる部分も多いかと思います。

 


まずはお隣、このブログでも何回か紹介していますが、「韓国」の現状です。

 

韓国では50年以上も前から、鍼灸、漢方薬を専門に扱う「韓医師」の資格が制定され、保険も当たり前に使えます。

 

【参考】 

wikipedia 「韓医師」

全日本鍼灸学会雑誌掲載論文「韓国韓医学界の現状と~~」(2002.11.1)

 


次に、東洋医学発祥の地である「中国」です。

 


中国でも50年以上前から伝統医学の普及に力を入れ始め、現在韓国と同じように、多くの「中医師」の資格を持つ東洋医学の専門家を育成し、

 

国民の健康に寄与しています。

 


ただ、国民皆保険制度そのものについては、日本と比較して遅れている面はあるようですが、近年になって改革が進んでいるようです。

 

【参考】

wikipedia 「中医師」

東洋学術出版社「中国最新情報」2011.9.15

 

 

次に「アメリカ」です。

 


アメリカでは、19世紀末にヨーロッパや中国系移民から鍼灸が伝わったものの、つい40年前まではほとんどメジャーでなかったようですが、ニクソン大統領の時に、

「針刺麻酔での手術成功」

のニュースが流れると、一気に国民の関心が高まりました。

(この話は有名ですね。しかし、鍼麻酔についてはちょっと鍼の本質とは離れている、と個人的には思っていますがね。)

 


現在では、制度の面では確立されていない部分はあるものの、国民の重要な医療の一つとして、確固たる位置を占めています。

(アメリカにおいては、西洋医学以外の、東洋医学を筆頭としたいわゆる”代替医療”が非常に盛んであり、医療を受ける患者の全体の60~70%が受けているという報告もあるようです。)

次にヨーロッパ諸国ですが、国によって違いはありますが、歴史的に彼らは良くも悪くも(苦笑)、

かなり昔からアジア人に「興味」を抱き続け、16~17世紀にはすでに鍼灸は伝わっています。

それから20世紀にかけて、国民に大いに受け入れられたようです。現在では、国民の医療の一つとしてしっかりと定着しているようです。

もちろん保険制度にも組み込まれた形で、です。

次にオーストラリアですが、こちらも近年ですが、かなり認知度は上がってきていて、一般化がかなり進んでいるようです。

治療費も公的ではないようですが、民間の保険でかなりカバーされるようです。

・・・調べていくと、止まらなくなりますのでこの辺にしておきますが、

「先進国の中で、日本ほど西洋医学を絶対視し、その他の医学を認めない国もないんだな~・・・。」

ということが次から次に分かってきて、こっちはため息が止まりません。(苦笑)

・・・コレ、なんで??お金?利権?・・・まったく意味分かりません。患者さんはドコいった?

今現在、先進国の医療界では、一人の患者に対して、最も有効な治療法を、東西とか方法論とかを問わずに、

あらゆる側面から考えてあげられる医療を実現させよう、という動きが活発化しています。

そのようになってくれば当然、医療者間の利害の対立(韓国なんかでは実際に問題になっている)を招くこともあるでしょうが、そんなんも結局、患者さんに何か関係あんの?

一人の患者さんのために、色んな専門家が知恵出し合って、その中で好きな医療を患者さんが選び、

その医療費を第3者(とりわけ国家)が税金から一部持ってくれるなんて、むしろ理想的だと思います。

(患者さんにとっても、こちらにとっても、です。)

いずれにせよ最終選択権は患者さんにある以上、「どの」医療を選択するか、という場面になった時に、制度で差をつけるのは、患者さんにとっては不利益な話です。

選択の幅が最初から狭まる、という意味でね。

・・・そう思いませんか?

(次回に続く)

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自分で自分を治療・・・。

2010.03.11

おとといは雪が降り、半端じゃない寒さとなりました。

昨日も雪こそ降らなかったものの、かなりの寒さとなりました。

そして今日はカッと晴れて暖かい・・・。

そんな不安定な天候の中、僕は不覚にも昨日の朝、

「マズい・・・。カゼっぽい・・・。」

と思って目を覚ましました。体が全体的に重だるい、背中と頭が痛い、寒気、鼻水・・・。しかし、こういう時こそ普段の勉強がモノを言います。

即座に脈、舌、症状を確認し、鍼を一本。スーッと楽になります。しかしまだ完璧ではありません。

2時間ほど経ってから、再び所見を確認。さらに鍼を一本。今度は直後効果はそんなにありませんでしたが、脈は大きく変化。

その後忙しくて自分を治療できずに夜になるが、何とか普通に治療をこなせる。

夜、自宅にてさらにもう一本鍼。強烈に眠くなる。そのまま寝て、夜中に汗びっしょりで目を覚ます。

服を着替えて、所見を確認し、もう一本鍼。また眠気。そのまま寝る。

今朝、スッキリと無症状にて目を覚ます。

あー、東洋医学、やってて良かったと実感。いつもは忙しくて自分に鍼が出来ないような時は、漢方薬に頼ることもあるんですが、比較的症状が軽かったこともあって、あえて今回は鍼にこだわってやってみました。

そんな遊び心も、またイイ。(笑)

「花粉症」について

2010.03.07

この時期、よく問題になるのが「花粉症」です。

 


コレ、実は僕自身も以前、なったことがあります。

 


ですので、患者さんの気持ちがとてもよく分かる疾患の一つであります。

 


・・・しかし、ここ何年かは、症状がまったく出ていません。

 


コレに関しては、西洋医学の耳鼻咽喉科の先生方も手を焼いていらっしゃるようで、なかなか決め手となるようなイイ手段がない、

 

というのが現状ではないでしょうか。

 


僕自身の時がそうでした。

 


僕はいつも、自分が体調を崩した時には自分で自分に鍼をし、それで解決がつかなければ先輩に鍼してもらったりするんですが、

 

たまに”あえて”病院”(西洋医学)にかかってみて、西洋医学ではどんなことをするのか、参考にしたりします。

 


花粉症になった時も、行ってみました。

 

 

・・・もちろん、ここで「お手並み拝見」みたいな顔して、冷やかしのような態度でいくのではなく、素性も全て明らかにしたうえで、礼儀やマナーには最大限注意して、しっかりとかかります。

 

(自分が逆の立場だったら嫌ですからね。)

 


清明院にも、先週ぐらいからチラホラ花粉症の症状を訴えて来られる患者さんがいますが、

「薬をもらったけど、あんまり楽にならない!」

とか、

「楽にはなるけど、また来年も同じかと思うと意味がない(治っていかない)気がする。」

とか、

 

「薬は効くけど、眠くなるから仕事にならない!!」

 

といった言葉を、患者さんからよく聞きます。

 


この病気って、昔はほぼなかったですよね。

 

wikipediaによれば、日本では1960年代からだとか、戦後の杉の大量植林が原因だとか。)

 

 

ご高齢の患者さんに聞くと、皆さん

 

「花粉症なんて、昔は聞いたことなかった。」

 

と仰る。(苦笑)

 


最近、花粉症以外にも、アトピーやらリウマチやら、「慢性のアレルギー疾患」というものが大変増加して、人々の健康を害し、大問題になっています。

 


これらをなぜ撲滅できないんでしょうか。

 


昔にはもう戻れないんでしょうか。

 


もし撲滅できないとするならば、これらに対する最高の治療とは何なんでしょうか?

 


現代は、報道を見ていても、やれ花粉だの、ハウスダストだの、乳製品だのと、要するに「体の外のもの」にばっかり目を向けて(向けさせて?)、

肝心の「体の中のバランス」に対する視点がおろそかになっているような気がしてなりません。

 


「体の中」の話になると突然「ストレスによる免疫の低下、異常」という、あいまいで漠然とした、多くは除去しようのない「原因」が提示されます。

 


・・・花粉も、ハウスダストも、乳製品も、ストレスも、大昔からありますよ?

 


戦争をやってた時代のストレスって、現代よりも軽いのか?

 


何で現代人だけ、こんなことになるの?

 


そう言うと今度は大概、やれ環境ホルモンがどうしたとか、加工食品がどうしたとか、大気汚染がどうしたとか言われますが、

それって要は「治療できません」て言ってるのと同じじゃないんですか??と、思ってしまいます。

 


誤解を招くといけないので、付け加えておきますが、別に西洋医学のやり方に疑問がある訳ではなく、

単純に治りの悪い疾患であるだけに、その考え方、治療法がとても気になるのです。

 


そこで、例えば東洋医学では「花粉症」をどう考え、どう対応するかというと・・・。

 

続く(笑)

 

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患者さんの声(20代女性:頭痛、肩こり、冷え症、手に汗をかくetc..)

2010.03.02

再び、「患者さんの声」をいただきましたので、載せさせていただきます。


20代 女性 

症状:頭痛、肩こり、冷え症、手に汗をかく、お腹が張る

私は、子供の頃から頭痛持ちで、1日に2~3回は鎮痛薬を飲みながら生活していました。

これまでも頭痛に良いということは色々とやってきたのですが、あまり効果を実感することが出来ず、

「元々の体質だからしょうがない、頭痛薬は効いているんだから、ごまかしながら付き合っていこう。」

と思っていました。

そんな折に偶然清明院を知ったことがきっかけで、HPを拝見し、院長先生のアツいブログを拝読し、

「もしかしたらこの先生なら治して下さるのでは・・・。」

と思うところがあり、思わず予約を入れました。

丹念な問診と触診の末に手首に鍼を1本。

目で確認しないとどこに打たれているのか分からないくらいの感覚です。

鍼治療を受けるのは初めてでしたが、痛い、怖いといったイメージからは程遠く、むしろ心地いいとさえ感じられたことが驚きでした。

私の場合は治療翌日から劇的に治療の効果を感じました。

頭痛薬を飲まずに過ごせた何年かぶりの1日でしたので、ちょっとその感激は忘れられません。

それから時々は薬を飲む日もありますが、それでも1日1回で、あとはスッキリ治まっています。

頭痛がないことの方が私にとっては非日常といった感じですので、今も毎日嬉しく、新鮮な感動を感じています。

まだ初診から1カ月ですが、頭痛以外の体調も治療に通うたびに段々良くなっていることが実感でき、竹下先生に診ていただいて本当に良かったと思っています。

20年来の頭痛も治ってしまったすごい鍼です。

私のように慢性的な症状に悩んでおられる方も、諦めずに相談してみて下さい。お勧めです。

【清明院からのコメント】

この方のご職業は薬剤師であります。

この方のように、薬剤師でありながら、薬に頼って生活することに疑問を感じる方は少なくありません。(苦笑)

現在、長年の頭痛を、「心肝火旺(しんかんかおう)>湿困脾土(しつこんひど)」と考え、治療を進めております。

経過は順調であり、このまま上手くいけば、幼少の頃から手放せなかった痛み止めから、卒業できるかもしれません。

近年は医療費高騰で、保険の患者負担割合を増やすとか、診療報酬を引き下げるとか、色々と問題になっておりますが、

東洋医学を効果的に使うことで、こういった社会問題にも寄与出来るのではないかと、清明院では考えております。


またこの方のように、清明院には医師、看護師その他、医療従事者の患者さんが多数おられますが、同じ業種の方から支持していただけるということは、

僕にとって大変嬉しいことであります。

 

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「弁証論治」って何ですか?

2010.02.28

今日は、中医学の基本としてよく語られる「弁証論治」とは何か、について書きたいと思います。

僕もコレ、二十歳の頃、最初に本で読んだ時は、何やら難しそうな熟語だな~・・ワケ分かんなそうだな~・・と思いました。

 

そいで、辞書で「弁証」と調べてみたら・・・

「弁証法とは、哲学用語であり、世界の事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則であり・・・」

な~んて出てきて、ますます難しそ~・・!タスケテ~!もう無理~!!ってなっちゃいました。(苦笑)

 

・・・でも、あとからよくよく冷静に考えたら、実は「弁証論治」という言葉を理解すること自体は、意外と簡単なことでした。

 

まず、上に挙げたような、いわゆる哲学用語の「弁証」という言葉と、中医学の言う「弁証」という言葉は、意味が違います。

 

全く無関係でもない、という話もあるんだけど、まずは別物、と考えた方が圧倒的に理解しやすいと思います。

 

東洋医学では、「治療する、その時点における病理状態(病態)そのものや、病態の本質」のことを「証(しょう)」と言います。

 

まずこの「証」を判断してから、それに基づき、論理的に」治療を進めることを「弁証論治」と言います。

 

まさに、

「証を弁(べん)じて治を論ずる」

訳ですネ。

 


東洋医学、中医学の言う「弁証論治」というのは、そういう意味であります。

 

ちょっと難しく(というか詳しく)言えば、

「様々な東洋医学独特の診察法(四診法)のような、具体的な分析方法に基づき、様々な東洋医学独特の手法(鍼灸、漢方薬など)によって、

性質の異なる病変を、論理的に解決する方法、過程」

のことです。

 



 

大事なことなので、ここでさらに説明を加えます。

 

患者さんは、鍼灸院に訪れた時に、その時その場で突然、「今まさに」症状を発症した訳ではありません。

 

鍼灸院にかかるまでの間には、まず、これこれこういう体質を持って生まれ、これこれこういう条件がそこに加わったことがきっかけとなって、今回の症状を発症してから、

 

次にこうなって、次にこうなって、そして最後にこうなったから、今の状態に至った、だから診てもらいたいのだ~!という、言わば「病の歴史」というものがあります。

 

 

 

これを「病歴(既往歴・現病歴)」と言います。

 

 


この「病の歴史(病歴)」を、発症以前のそもそもの体質も含めて、まずは細かくお伺いし、それがなぜそうなったのか、「東洋医学的に」分析し、

 

その結果として、今、この瞬間が、「東洋医学的に」どのような状態なのか、それを表わすのが「証」です。

 

例えるなら、治療するその時点での「病気の断面図」のことが「証」です。

 


「証」を明らかにすることを「弁証(べんしょう)」と言います。

 


そして、「論治」ということは、それを「論理的に治療する」訳ですから、先ほど言った「病の歴史」がキッチリと東洋医学の理論でもって、ピシッと分析出来てなければなりません。

 

なのでよく、中医学の成書では

「弁証は論治の根拠であり、論治は弁証の目的である」

なんて言われます。

 

まあ、それがより正確に、的確に、シャープに出来るようになるために、わざわざ日曜日の度に勉強会に行ったり、飽きもせずに何冊も本を読んだりしてるんです。

 


僕らは毎日毎日、こういうことをやっている訳です。

 


決して超能力者なんかじゃないし、鍼が効くということは、何にも不思議現象、超常現象ではないんです。(笑)

 


もちろん、この医学の大前提としての「気」「陰陽」という、東洋の偉大な自然哲学を「あるものと考えて」こそ、の話ですけどネ。(苦笑)

 

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患者さんの声(90代女性:高血圧、動悸、大腿骨骨折後遺症など)

2010.02.26

新たに「患者さんの声」が届きましたのでお伝えしたいと思います。

90代 女性 

症状:高血圧、動悸、大腿骨骨折後の後遺症による歩行困難

若い時から血圧が高くて悩んでいました。50歳の頃からは血圧が上が190~160の間でした。

 

頭は痛くなるし、眩暈はするし、胸がドキドキしていました。

薬を飲んでも胸はドキドキ、どうにもなりません。

マッサージにも病院にも随分通いました。

70歳の頃、旅行中に鼻血を出して救急車を呼ぶ始末でした。

その後、少しして、今度は雨の日に転んで大腿骨を骨折しました。

 

それ以来歩くのが不自由になり、杖をつく始末。

少しの庭仕事も不便を感じていました。

大分経った頃、主治医の先生に竹下先生を紹介していただきました。

90歳にもなって、どうかと思いましたが、「ワラ」をつかむ思いでした。

 

早速いらしていただき、診ていただきましたら、

「大丈夫です。何とか歩けるようになる様、努力してみましょう。」

と言われ、その力強い言葉に嬉しくなって早速お願いしました。

それから3年、雨の日も風の日も一生懸命に治療をしていただき、先生を見る度に、先生の手が「神の手」「魔法の手」に見えると喜んでいます。

今では足も大分良くなり、体も楽になりました。これも先生のお蔭と感謝しております。

春になればまた少し良くなるだろうと楽しみにしております。

 

ありがとうございます。

 

今後ともよろしくお願いいたします。


【清明院からのコメント】

この方は、以前私が勤めていた治療院の時からの、古い患者さんです。

初診の時、年齢の割にとても大きな声と、ハッキリとした発音で、しっかりと受け答えなさる方だなあ、という印象を受けました。

足に関しては多少の筋肉の委縮はありましたが、年齢の割に筋力があり、「これならいける!」と直感したのを覚えています。

「腎陰虚(じんいんきょ)、少陽経(しょうようけい)の経気不利(左右差)」と証を立て、現在は副院長である松木先生に治療を任せ、今日に至ります。

経過も順調であり、血圧の方も安定しているようで、安心しております。

大腿骨の頚部骨折と言えば、高齢者の四大骨折(手首、肩、腰、大腿骨)の一つに数えられる、そのまま寝たきりになってしまうこともある、

大変重大な骨折ですが、この患者さんの場合は運良く何とか歩行できるまでに回復されていたので、筋力の低下が軽かったことが、経過が良かった原因の一つだと思います。

まだ現在も、どうしても歩行時の体の傾斜があるので、左右のアンバランスを整えながら、転倒にだけは細心の注意を払っていただき、治療を行っております。

たとえ95歳と高齢であっても、東洋医学ではその時点での「陰陽」バランスがいかほど取れていて、いかほど「治る力」があるかどうかを意識して治療します。


ですので、高齢だから、骨折の後遺症だからと言って、あきらめる必要は全くないと思っています。

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「寒熱」って何ですか?

2010.02.23

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前回に続いて、今日は「寒熱(かんねつ)」についてです。

 

人間はみんな、体に

「冷やす力」



「温める力」

が同時に備わっています。

 


だから、少々の気候変動では、健康状態が左右されることはない訳です。

 


暑ければ薄着をして、それでもダメなら汗をかいて、体内の余分な熱を漏らし、寒ければ厚着をして、それでもダメなら鳥肌を立ててガタガタ震えて、小便を出して、体を温めようとします。

 


しかし、これら二つの力のうちの、どちらかが弱ったり、元々持っているその力を超えた、激しい気候変動にさらされたりすると、病変が出現します。

 

 

要は体が「熱側に」「冷え側に」傾いてしまうのです。

 


治療にあたっては、これらがどうなっているかを考えて、崩れた寒熱のバランスがうまく調うように治療します。

 


上記の二つのうち、人体が元々持つ「温める力」が弱ったり(陽虚)、自然界の「寒さ」があまりにも強い(寒邪の邪気実)ことによって病気になったものを

「寒証(かんしょう)の病」

なんて言います。

 


この場合、温める治療が主になります。

 


「温める治療」と言うと、お灸が思い浮かぶと思います。

 


基本的にはそうですが、これは鍼でも出来ます。

 


逆に、人体の「冷やす力」が弱ったり(陰虚)、自然界の「暑さ」があまりにも強くて起こる病気(熱邪の邪気実)を

「熱証(ねっしょう)の病」

と言います。

 


この場合は冷やす治療が主になります。

 


では「冷やす治療」はどうかというと、これは東洋医学では主に鍼で行います。

 


お灸でも出来ないことはないけれど、ちょっとやりにくいのであえて初手では使いにくい、と個人的には思います。

 


もちろん上記の両方とも、漢方薬でも治療は可能です。

 


この考え方も、治療する上では外せない考え方です。

 

 

”寒熱”という相反する概念を使って、病の”性質”を考えるわけですから「病性」と言ったりします。

 


この「寒熱」(病性)に、前回書いた「虚実」(病勢)を重ねて、さらには「表裏」(病位)も重ねます。

 


こうすることで、その患者さんの

「どこが」

「どのように」

「どの程度」

悪くなっているかが、徐々に明らかになってくる訳です。

 


・・・次回は「表裏(ひょうり)」について書きます!

 

 


ドンドン行きますよ~!!

 

 

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